議会報告

  • 2013年11月25日
    9月議会(10/15)「県民から信頼される県議会の確立をめざす決議」提案説明(米田稔議員)

 私は、日本共産党を代表して、只今議題となりました議発第14号「県民から信頼される県議会の確立をめざす決議案」の提案理由の説明を行います。
  この間の土佐電気鉄道株式会社の暴力団関連問題について、県民の不信と批判の声が強まっています。こうした中で、県民から信頼される県議会を確立をするために、全会一致で可決した県議会決議「暴力団排除・真相究明をめざす決議」の誠実な実行が求められており、また特に当時会長であった西岡寅八郎議員の責任は重大であり、県議会の姿勢が問われているのであります。
 土佐電鉄外部調査委員会による7月の調査報告書は、高知県暴力団排除条例18条に違反するとは言えないとしつつも、「元組長は約30年前に引退したものの現役暴力団に影響力があった」こと、「会長、社長がその認識を持ち、株主対策に有益と考えていた」こと、を指摘しています。会長、社長がいわゆる特殊株主の不当な要求に対して、元組長の写真や現役暴力団の名前などを出して特殊株主に圧力、脅しをかけた、ということであり、使用した写真や名前等の効果やその結果はともかく、少なくとも二人が暴力団関係者と認識し、その影響力なるものを利用して株主を脅し、圧力をかけようとする意図を持って、そしてそれを実行したことはまぎれもない事実であります。
 また暴力団排除条例18条違反には該当しないとしても、「暴力団との関係を示唆する等の言動はコンプライアンス上極めて問題である」、と社会的規範や倫理面から見ても極めて重大であることも指摘し、「公共交通機関の代表者としてあるまじき言動として強い非難を免れない」と強調しているのであります。
 これらは明らかに、同社の会長・社長の対応は、県議会自らが制定した暴力団排除条例の目的、基本理念を逸脱し、暴力団を許さない社会づくり、安全で安心な生活の確保をめざす県民の勇気ある暴力団排除運動にも逆行するものであり、決して許されるものではありません。このことは、同社の会長を辞任するかどうかという問題にとどまるものではなく、県議会議員という公職にあるものの社会的道義的責任に直接関わる問題であることは明らかです。また新たな事項を含めて、今後も究明を強めることは当然でありますが、同時にすでに明らかになっている事実と問題点に対してどう対応するのか、県議会の姿勢がいま厳しく問われているのであります。議員の社会的道義的責任を問うことは重大な事柄ですが、議会の権限としてその決議を行うことが県民の信頼を取り戻すことになる、と考えるものであります。事実に基づき、自浄作用を発揮し、県民の付託に応える、いまその決断が求められているのではないでしょうか。
 しかも、今決議案提出後の昨日、地元マスコミの報道で、公費である政務調査費で元組長の墓参りを行っていたことが明らかになりました。土佐電鉄からの支出もあり二重に受け取ったこと自体大問題であり、返還して済む問題ではなく、究明が求められています。同時に、何より県民の血税を元暴力団組長の墓参りに使っていた、この事実にさらなる県民の怒りと批判の声が強まっているのであり、県議会議員一人ひとりそして高知県議会の高い倫理性と良心がいよいよ問われている、と考えるものであります。
 さらに外部報告書は、「土電の実態は、元会長の個人商店的な状態であった、コーポレート・ガバナンスの欠如は顕著である」、と指摘しています。土佐電鉄は公共交通を担う重要な機関であり、多額の県・市などの補助金を受けている会社として、こうした事態を招いた最高責任者としての責任は重大であり、県民的な批判を免れるものではありません。
同時に、外部報告書は、監視・牽制は機能していなかった、他の役員の責任も重大などコーポレート・ガバナンス、コンプライアンスの欠如を厳しく指摘しています。この問題は、公共交通の重要な機関であることとともに、凍結予算の今後の取り扱いに当たっても重要な課題であり、検証と抜本改善が求められています。
  また優待航空券について、7月の外部調査報告書では、会社財産という認識がなく、取扱規程もなく、現物管理も厳格に行われていなかった、と指摘しています。また9月の土佐電鉄の報告によれば、航空会社から年間約900枚程度受け取っているとしていますがその使用実態の全容を明らかにしていません。、特に元会長に支給したとする200枚程度は、詳細にわたり把握していない、と述べていることは極めて重大であり、反社会的勢力への利益供与を含めて使途等の状況が明らかにされておらず、暴力団関連問題は未だ解明されていないというのが実態であります。優待航空券問題が、会社法や所得税法、公職選挙法に抵触する可能性も指摘されていることは重大であり、一刻も早い全容究明が求められていることは言うまでもありません。
 以上の経過と事実に対して、当県議会が責任ある対応を示さなければ、県民の信頼を著しく損なうことは明らかであります。また西岡寅八郎議員の県議会議員としての社会的道義的責任は極めて重大であり、そのことが今厳しく問われている、と考えるものであります。
 高知県議会は、議会基本条例を制定して、第28条、政治倫理の項目を設け「議員は高い倫理的義務が課せられていることを自覚し、県民の代表として良心及び責任感を持つとともに、品位の保持に努めなければならない」としています。
よって県民から信頼される高知県議会の確立のために、自ら可決した「暴力団排除・真相究明をめざす決議」を誠実に実行し県民の付託に応えること、西岡寅八郎議員が説明責任を果たすことはもちろん、県議会議員としての社会的道義的な責任を取ることを求めるものであります。
 高知県議会、県議会議員の一人として、県民福祉の向上と県勢の発展をめざして、県民の負託に応え、信頼される県議会を確立するために、自らの思いも新たにしながら、同僚各位のご賛同をお願いしまして提案説明と致します。