議会報告

【質問項目】

1.いじめ問題について

 

【いじめ問題】

 ●中根県議

宜しくお願い致します。今日は、大変、重い問題でもありますけれども、いじめ問題について、教育長、ならびに、知事などに一問一答させていただきます。

 

2011年(平成23年)の大津市でのいじめ自殺事件をきっかけにして、2013年(平成25年)6月、いじめ防止対策推進法が成立をして施行されました。この法律に基づいて県、各市町村にいじめ防止対策推進法施行条例が作られまして、基本方針の下で様々な施策が行われています。

中でも高知県いじめ防止基本方針は、いじめの防止等の対策の基本的な方向に関する事項、また、県が実施する施策に関する事項などについては、県全体としての方向性や基本的施策を示したものとなります。県は「いじめ防止基本方針策定から3年の経過をめどとして、法の施行状況等を勘案して基本方針の見直しを検討し、必要があると認められるときは、その結果に基づいて必要な措置を講じる。加えて、市町村における地域基本方針について、県は、そして、地方公共団体は自ら設置する学校における学校基本方針について、それぞれ策定状況を確認し、公表する。」としています。いまちょうど見直しの時期になりました、いじめ防止対策に関わる条例と基本方針を、今回、南国市の事例からみつめて、見直していけたらと質問をさせていただきます。

 

2015年9月1日早朝、南国市の中学3年生が自宅で自ら命を絶ちました。

教育長は、この事実をいつお知りになったでしょうか。

 

■教育長

この事案、発生した当日の8時半ごろに南国市の教育委員会から電話連絡があったということで報告を受けました。大変驚きましたし、大変、痛ましくおもったところでございます。

 

●中根県議

本当に大変な出来事が起こったと私たちも感じました。多くの人たちが、それ以来、胸を痛めてきています。南国市の教育委員会はこうした重大事例が起こったら、学校は教育委員会を通して、県の教育長に報告をするということになっています。

この事例は、いじめ防止条例ができて、高知県では初めての事例だというふうに私は認識しているんですが、それで間違いないか、どのようにその後対応をされたのか、教育長にお聞きいたします。

 

■教育長

いじめによる重大事態での自殺事件としては、この件が初めてでございます。この事案では、まず身近な生徒が自殺するということでございますので、学校の生徒、教職員に大変、大きな動揺が起こることが想定されましたので、まずは、臨床心理士などの緊急学校支援チームを派遣いたしまして、教職員に対する助言ですとか、あるいは生徒に対する心のケアといったことをしております。また、南国市の教育委員会へのサポートといたしましては、その事案に適切に対応できるように、文部科学省によります、子どもの自殺が起きた時の背景調査の指針にそって、自殺にいたる背景調査を行うことですとか、その背景にいじめが疑われる場合は、いじめ防止対策推進法によるいじめ重大事案としても対処をすすめるように助言をしたところでございます。

その後、調査委員会を立ち上げるということになりましたので、その際には、委員の人選などについても、具体的な助言を行っております。また、南国市教育委員会からの依頼に基づきまして、ご遺族に対する心理的なサポートにも協力をさせていただいたところでございます。

 

●中根県議

経過はわかりました。

こうした中で、ご遺族は現実を受け止めることに本当に必死だったわけですけれども、市の教育委員会から、いじめ防止対策推進法の14条第3項に基づいて南国市教育委員会の付属機関として第三者委員会をつくって、調査をしたいとの申し入れがあり、受け入れることにしました。

第三者委員会の調査の間、ご両親は委員会の調査にももちろん応じましたけれど、一方で子どもたちの卒業の時期も近付いていて、卒業してからでは子どもの学校での様子などを具体的に聞けなくなるのではと、いうふうに焦りを感じていました。そのため、気づいた出来事を学校や教育委員会に聞きたいと思うんですけれども、第三者委員会で調査中なので何も答えられないとの回答でした。

担任の先生を含め、学校の先生とこの件で、話をしたいと思っても、今もってできないままになっています。この亡くなった子どもさんは、一年生の時の人権作文に、「いじめを受けていく上で、僕はあること、に気がつきました。それは、人それぞれだと思いますが、自分は生きたいのにいじめのせいで死ぬということが怖くなくなるということに気がつきました。なぜ言い切れるかというと自分のその感情の中で思ったからです」と書き、3年生になったときには、引き裂かれたように破れたシャツがでてきたり、亡くなった後に机の脇から出てきた手紙には「僕に関するものは、すべて処分をしてください。そして僕のことは永遠に忘れてください。思い出してもいいことなんてないから」と書かれていました。ご両親の頭には、いじめがうかびました。

半年たった2016年2月29日、ちょうど一年ほど前ですが、第三者委員会の報告書が出されました。

いくつかの事柄が未解明のまま、アンケートに書かれたいじめは結局噂話であったとして、それ以上の真偽は確認できなかったとし、いじめはあったが、直接の死因ではない、この子の死は複数の要因が積み重なった結果と位置づけています。

納得できないご両親や親族は、報告書の中の疑問点を上げまして、再調査を市長に申し入れました。が、新しい事実があればだけれど、今の状態では再調査はしないと告げられました。  

 その後、どのような議論がされてきたのか知りたいと思って公開条例に基づいて第三者委員会の議事録を請求したところ、「非公開決定通知書」が届いて、理由として、「議事録は作成されていないため」と書かれていました。通知書には補足として、議事録を作成していない理由について委員長に説明を求めたところ、「調査専門委員会の設置及びその構成員並びにその職責と権限とについて定めた条例及びその施行規則には議事録の作成を義務付けた規定はありません。したがって議事録を作成するかどうかは委員長の判断に任されていることになります。委員長の判断は、真相究明という当委員会の職責を果たすためには、委員相互の自由な意見交換と忌憚のない議論が求められているところ、いったん個々の委員の発言を記録すると、これが既成事実化して、その後の意見交換、議論に対する制約となりかねず、結果的に当委員会の職責を果たせないことが懸念される。したがって議事録作成に至らなかった。」というものです。というふうに書かれておりました。

教育長は、この調査専門委員会の議事録がない問題を、どのようにお考えでしょうか。

 

■教育長

 この議事録の件につきましては、南国市から調査専門委員会の初会合で議事録を作成するかどうかについて、協議をし、自由な意見交換、忌憚のない議論の制約になりかねないなどとして、作成しないことに決めた、また、開示できる内容は、報告書に記載をしているというふうにおききをしています。

 なお、アンケートなどの調査資料については、適切に保管されていることもあわせておききをしております。行政組織が、会議を行う場合は、議事録を作成することが、一般的だとは思いますが、本件については、調査専門委員会において、事案の内容を考慮して、議事録を作成しないことを判断されたものと受け止めております。

 

●中根県議

私は、この議事録がないというのを大変驚きました。議事録があるのは当然だと思っていましたので、13回に及ぶ南国市調査専門委員会(第三者委員会)の議事録がない。いったいどうやって、報告書を書くというのでしょうか。

この点は、全国でも問題になっておりまして、さまざまな識者の方が、これは異常だという発言を重ねられています。桶谷さんという京都教育大学の先生は、大津いじめ自殺問題の時にも委員となった方です。「検証もできないなんて、とんでもない話だ」、「遺族の方に納得できないからと、いったいどういう話し合いをしたのかと聞かれた時にその中身を詳しく説明することができないではないか」、こんなふうにおっしゃっていますし、実は、文部科学省児童生徒課の担当者は、「なぜ議事録をつくることを条例、法律などに明記していなかったのかと質問されまして、会の記録を残すのは当然のことなので明記の必要を感じなかった。残さないのは相応の理由があるということになる」と答えています。実は、この法律ができた時の一番最初の問題になりました大津のいじめ自殺事件、このことでは、市長部局が、大変奮闘しまして、教育委員会が、なかなか動かなかったこのことについて、市長部局が対策をとって、第三者機関を立ち上げるということがありました。議事録というのは、すべての、議事を進めるそして、本当に公正な議論を進めていく上でどうしても必要なものだというふうに思いますけれど特にこうした、いじめ問題調査専門委員会などでは、ないなどということはありえないというふうに思います。

今後の課題として、教育長は、この議事録作成、それは当たり前だという認識に、なられるのかどうか、その点でよろしくお願いいたします。

 

■教育長

県におきましては、高知県いじめ問題調査委員会運営要領におきまして、会議を開催した時は、出席者の氏名や審議の経過などを記録した議事録を作成するということを規定をしております。このことは市町村にも参考にして頂いたらと考えておりますし、行政の透明性の確保ですとか、あるいは、被害者やその保護者への説明責任を果たすといったこの要領の趣旨などについては、お伝えもしていきたいと考えております。                                                                          

●中根県議

本当に議事録というのはすべての源になります。ですから、せっかくいじめ問題に対して、防止をする対策、そして、その中で重大事態が起こった時に取り返しのつかないことなんですけれども、それがなぜなのか、分析をする記録がないなどということがこれから先二度とないように、認識を一にするという点で、ぜひ今後の、見直しの課題にしていただきたいと思います。

次に、この間、全国で、この議事録だけでなく、調査資料等の管理についても、具体的な議論が起こっています。

保存方法をしっかりしていくこと、これも当然のことだと思うんですけれど、教育長のご所見を伺います。

 

■教育長

いじめ問題につきましては、その個人情報が含まれている文章といったものが多いこともございますので、特に文書の管理は厳重にする必要があるというふうに思います。アンケート調査や児童生徒の聞き取り調査の記録など調査により把握した情報の記録は、その各地方公共団体において作成しています文書管理規則等に基づいて、関係資料の保存期間を定めて、適切に保存する必要があるというふうに思います。

南国市においても、アンケートなどの調査資料については、そういった規則に基づいて適切に保管されているというふうに聞いております。

 

●中根県議

ありがとうございました。

大津市などでは、市長部局に、いじめ対策室というものをつくりまして、そこでしっかりと議事録、それからかかわったアンケートその他の文書は永久保存、ずっとするということになっています。それだけ人の命を審議する、大変大事な資料となるわけですから、ぜひ、この点も重視をして、そしてすべての高知県のかかわる条例などに盛り込まれるように要望したいと思います。

続いて、南国市の第三者委員会のことで伺います。

教育長が委嘱をして、調査、審議等をするための附属機関として10人以内の委員で構成することが条例で設置をされています。今回の事例では、県の教育委員会も助言をされたとのことですけれど、6人の委員で弁護士2人、精神科医、心理士、福祉関係の方、学識経験者が各一人で構成されていてそれぞれの専門家の皆さんです。ただ、委員のなかに学校の運営や教職員の日常について見識のある、具体的にわかる委員が選任されていないように思います。

また、第三者委員会の事務局の役割を教育委員会がいま果たすことになっているんですけれども、調査対象の中には学校も教育委員会も含まれるというのがこの重大事態発生の場合ですので、これでいいのかということが疑問です。第三者機関として徹底した独立性のもとでの調査専門機関の役割を果たすべきだと考えます。膨大な量を少ない人数で行うことが大変であれば県が何らかの第三者的な応援の体制をつくることも必要ではないでしょうか。

重大事態に係る調査の場合、議事録作成も含めて、教育委員会事務局任せにしない独立性が、その委員会に必要だと、公平性・中立性からみても重要だと考えますけれど、教育長に伺います。

 

 ■教育長

 おっしゃるように、調査委員会の公平性・中立性確保というのは大変大事だと思っております。南国市の場合も調査専門委員会の委員が、国の基本方針、あるいはそれにそった当時の基本方針で示されておりますように、弁護士やお話にありましたように、精神科医、学識経験者、心理士、福祉の専門家などから選ぶこととし、さらにその選ぶ際には、弁護士会ですとか、あるいは大学などの組織からの推薦をいただいて人選を行っております。そのうえで、遺族のご了解も得ているというふうに聞いております。こうしたことから、委員会の公平性・中立性は、担保され第三者的な委員で構成されているという風に考えております。

 運営につきましても、委員長のリーダーシップのもとで、委員の合議のもとで、調査委員会としての主体的な運営が行われているものと承知をしております。教育委員会事務局は、調査専門委員会の庶務を行っておりますけれど、それはあくまで委員長の指示などに基づいて行う補助的な立場によるものというふうに承知をしております。

 

●中根県議

もちろん、教育委員会事務局は、庶務を行うということはこの法律のたてりになっていますから、当然なんですけれども、しかし教育長、教育次長、そして、担当課の課長などがいる中で学校について、教育委員会について議論されるというのが今の形になっています。独立性をきちんと持っていくこと、南国市の場合はその上に、議事録はなかったということですので、だれが一体庶務の役割をして、報告書をまとめたのか、とこういうふうな疑問も起こってくる訳で、私は見直しの時に、やっぱりしっかりとした独立性を担保する委員会の活動のあり方を議論をすべきだと、検討すべきだというふうに思っています。

大津の市長は、これは弁護士だった方なんですけれど、重大事態が起こった場合、企業であれば、外部に調査を委嘱する、そのことが中立性・公平性を保ち、信頼をうることにつながると思うというふうに述べています。

独立性とは何かという点を今後見直しの期間にしっかりと議論をしていただきたい、これを要望したいと思いますがいかがでしょうか。

 

■教育長

 南国市の件については、先程申し上げた通りと考えておりますけれども、なおいっそうその公平性と独立性、中立性といったことについては、配慮すべきだというふうに考えております。

 

●中根県議

 大変、法律そのものが若い法律であることと3年したら見直すなどという中身が書き込まれなければならないそういう法律です。そして、加えて、いじめの問題というのは大変ナイーブな、一人一人違った中身を持つものでもあります。ですから、ぜひ、この独立性の問題、第三者機関の問題についてはしっかりと議論をしていただきたい。このことを要望します。

さて、いじめの定義というのは、今、「当事者が心身の苦痛を感じていることを言う」とされています。南国市の事例では、いじめはあったのに、自ら命を絶つ直接の原因ではないと調査報告書はしています。

しかし、東京足立区や葛飾区などでいじめに関する調査委員会委員も務めた専門家、元中央大学教授の横湯園子さんの指導で、今回、小学校からあったいじめや中学校の3年間を「いじめと自死の関係図」に表してみました。この自死をした子どもさんの関係図を見てみますと、いじめにあった中身を引きずったまま、自殺の危険度が強まってくる様子がよくわかります。解決したようで解決していないいじめの孤独感、ストレス海馬のように嫌な事は耳にはいらない、記憶が残らない、忘れるようにしていることがよくわかるんです。QUアンケートが学校では実施をされています。低い自己肯定感が強く表れているのに、さいごまでスクールカウンセラーにつなぐことができていません。担任は気にかけていたのに、なぜつなげなかったのか、報告書では「すすめたが、本人が希望しなかった」で終わっています。現場の多忙化はすさまじくて、気づいていても物理的に対応が抜け落ち、チーム学校の力が発揮されていません。なぜ対応が不十分だったのか、ここから学校は何を学びただしていくのかが今、問われています。

子どもの成長と発達に照らして、いじめを総合的にとらえて、担任などが中心になって対策を行ないチームの役割をシミュレーションできる、そんな学習が本当に不可欠だと痛感します。

子どもを中心にした学校での連携のあり方を再点検し、具体的に子どもの成長と発達について学ぶ合うことを、学校現場ですべきだと思いますが教育長、お答えお願いいたします。

 

■教育長

教職員は、日常の学校生活の中での子ども同士の関係性の変化ですとか、子どもの言動の些細な変化などから、子どもが発しているSOSなどのサインを見逃さないことが大変重要だというふうに思います。県教育委員会では、教育大綱ですとか、第二期の教育振興基本計画の見直しを行っていく中で、いじめに限らずに気になる児童生徒の対応については、スクールカウンセラーなどを含めた校内支援会の定期的な開催ですとか、あるいは学年部会を中心とした日々の見守りといった組織的な対応をするといったことを明記をしております。そういった中で、また研修についてもおこなっていくことも必要だろうというふうにおもっております。

こういったことにつきましては、高知県いじめ問題対策協議会の中でも情報を共有したところでございまして、今後この方向に基づいて、チーム学校としての取り組みが行われるように、各学校に周知をしてまいりたいというふうに思っております。

 

●中根県議

平成25年6月、この法律が通った当時の下村文部科学大臣は、参議院の答弁の中でも、学校教育に求められるものは、多様化・高度化する中で、教員が取り組んでいくには、子どもと向き合う時間を確保することが重要であるというふうに述べています。学校は、本当に多忙化がすすんでいます。多忙化解消もいじめ防止の取り組みのひとつであるということをぜひ認識していただいて対応にあたっていただきたいと思います。

さて、子どもは、私たちがどんなふうに議論しても帰ってきません。残された遺族には丁寧に調査結果を知らすべきですし、足立区では、第3者委員会が毎回会議の後で遺族に報告できる部分は全て報告をしてきています。南国市の事例ではマニュアル通り、最後に報告書ができた時点でたしかに報告はしていますけれども、遺族の心に沿う努力がない点では不十分だと考えます。

遺族のお一人はこんな文章を寄せられています。

調査報告書が出されて2ヵ月が経ちました。第三者委員会、調査報告書、学校、市教委の曖昧な態度、対応、全てに失望しました。報告書を基に、市教委、学校に対し質問をしても「報告書に関する事以外にはお答えできません。」との一点張りで、我々の納得のいく様な回答は何一つ得られませんでした。

今回の問題を学校だけに責任を押し付けようとしている訳ではありません。しかし、学校として全く落ち度がなかった訳でもない筈、ならばそれに対しては認め謝罪すべきではないでしょうか。市教委はそういう学校に対して指導すべきでは。ただ「委員会を立ち上げました。」「調査報告書を出しました。」「以上やるべき事はやりました。」では、第三者委員会の立ち上げその事自体無意味な事だったように感じてしまいます。もう少し問題を真摯に受け止め、取り組んでいただきたいと思います。

 こんなふうな文章を書かれております。

本当に胸の痛むことですけれども、こうした対応一つ、丁寧さひとつ、それで遺族の皆さんの気持ち、そして学校の改革も一歩前に進むのではないか、そんなふうに思いますと、その後の南国市の対応の中で、これも大変気になっているんですけれど、ちょうど一年前、本会議前の教育民生常任委員会で、議員への報告に立った南国市の教育長が亡くなった子どもさんの実名を何度も何度もあげながらお父さんお母さんがどうしてもこの報告書に納得がいかなかったら、結局市長に再調査を申し込めると、再調査を市長がやりませんといったらそれでおわりですと、あとはやることがないから裁判にするしかありません、こんなふうに述べられているんです。これが、本当にこのいじめ防止対策推進法の精神でしょうか。

いじめ防止基本方針の中に、遺族への丁寧な対応を明記することが必要だと思いますけれども、いじめ問題対策連絡協議会会長である知事にお伺いいたします。

 

 ■知事

 今も、高知県いじめ防止基本方針、こちらにおいていじめの重大事態の調査にあたっては、被害者児童生徒やその保護者に対して、調査委員会の設置や調査の方針等、丁寧に説明する事、また、調査で明らかになった事実関係等について、適時適切な方法で情報提供する事、調査結果を報告する事、というような形で明記をし、またさらに言えば、特に自殺の背景調査における留意事項というものも示して対応、徹底をしてきているところでありますけれども、より一層の、この点についての徹底を全県下的に今後とも図っていかなければならないと思います。

そして、もうひとつは、この基本方針について、来年度早期に、見直しをすることとしていまして、今、議論をしておるわけでありまして、現在においても、先程申し上げたような記述はしておるわけでありますけれども、より一層遺族の皆様方に丁寧な対応をしましょうという主旨の旨、その見直しをはかることがどうかということについて検討していきたいとそのように思います。

 

●中根県議

ぜひ、大変胸の痛む、取り返しのつかない事例を二度と起こらないために前に向けていくと、これが今度のいじめ防止に対する基本法の見直しの時期に課せられた私たちの仕事だという風に思います。ご遺族の皆さんは、子どもの学校での様子をもう少し知りたいと、担任の先生に申し入れても窓口は一本化していますということで、担任の先生にあわせてもらえない、さまざまな「なぜ?」ということが、重なりながら、子どもの死を受け止めきれないというか、大変複雑な、挙句の果てには、私たちが殺してしまったんだと嘆き悲しむようなそんな状況になっているんです。

私は、せっかくの命が奪われることへの重みは、だれもが分かっていると思いますし、調査対策に当たられた委員の皆さんも一生懸命やってくださっていると思いますけれども、そこに沿う形が、本当にこれでいいのかどうか、そういう機微のところを法律の中にいれていかないとこの法律はいきていかないというふうに思いますので、ぜひ、多様な皆さんの多角的な意見を聞きながらもっと心のあるといったら言い過ぎでしょうか、実態に則して、遺族の皆さんに即し、そして学校の変革に結び付けられるような実効性のある法律にするよう、改革を求めて質問を終わりたいと思います。

ありがとうございました。