奮戦情報

  • 2011年12月08日
    2012年度高知県予算編成にあたっての要望

12.8yosan日本共産党高知県委員会と日本共産党高知県議会県議団は12月12日、尾﨑正直県知事に対し、来年度の予算要望を行いました。

 

 

 

 

 

2012年度 高知県予算についての要望書

 

高知県知事    尾﨑 正直 様
高知県教育長   中澤 卓史 様
高知県警察本部長 北村 博文 様

2011年12月8日
日本共産党高知県委員会
委員長 佐竹 峰雄
日本共産党高知県会議員団
団 表 塚地 佐智

本年3月11 日に起きた東日本大震災と福島第一原発事故は、日本の社会・政治・経済・国民生活のあり方を問い直させる歴史的な大災害であり、今後日本国民が長期にわ たって正面からとりくみ、力を総結集して打開をはからなければなりません。同時に、防災と福祉、まちづくりのあり方、エネルギー政策など持続可能な社会を 見すえた政策の転換が求められています。

野田新政権は、2年前の政権交代時の公約に反して、「社会保障と税の一体改革」やTPP参加など、暮らしと地方を切り捨て、内需低迷・デフレ不況の大きな原 因となった「構造改革」路線、市場原理主義の道にもどろうとしています。暮らしと地方を切り捨てる道ときっぱり対決することが求められています。

県民の生活と県経済は、依然として深刻な状況にあります。県民の暮らしと安全を守るため、以下の基本的立場を堅持し、積極的な施策を展開されるよう望みます。

              

◎一次産業を軸にし、地域の資源を軸にした産業振興と雇用の場を拡大すること。

◎安心できる地域社会の構築。医療・介護・福祉サービス、生活交通を充実すること。

◎子どもの貧困の解消、子育て支援と少人数学級、教員の多忙化解消など教育条件の整備・充実、子どもの発達を中心においた教育行政へ転換すること。

◎南海地震・津波対策の抜本的な強化、平和で安全な県土づくり、原発からの撤退と自然エネルギーを促進すること。

◎県民参加の県政を、公務の役割強化を土台に前進させること。

◎TPP参加、「社会保障と税の一体改革」による負担増、サービス切捨て・消費税増税に反対するとともに、国の施策に対し県民を守る立場での積極的な発言をすること。

 

以下、次の重点事項について、ご検討のうえ、実現されるよう強く要望します。

一 県民参加と地方自治の前進のために

  1. 地方交付税の増額をはじめ、地方自治の本旨にたった地方自治の充実に結びつく改革を国に求めること。「地域主権」や「道州制」の名による社会保障、教育、災害復旧などにたいする国の責任放棄を許さないよう全力をつくすこと。
  2. アウトソーシングにあたって「サービスの質的向上」に資する場合に限り、専門性や労働条件の確保など公の役割を堅持・拡充すること。
  3. 住民参加と地方自治の確立を進める観点から、公務労働に分断を持ち込む査定給をやめるとともに、重要な任務を担うことになってきている非常勤職員の待遇を抜本的に改善すること。
  4. 年金や子ども手当の差し押さえなど暮らしの実態を無視した過酷な滞納整理を行わないことを徹底すること。
  5. 特定の企業、団体、人物との癒着、不当な働きかけを排する姿勢を堅持し、情報公開をさらにすすめること。政策立案への県民参加をさらに前進させること。
    地域主権改革に係る一括法の成立による条例化、権限委譲にあたっては以下の点を重視すること。
    ①憲法25条の生存権など国のナショナルミニマム保障の責任の後退をゆるさない立場を堅持すること。同時に各自治体が地域の特性や置かれている状況を踏まえて、条例で上乗せ、横だしなど改善、充実の措置が講じられるよう十分な財源措置を国に求めること。
    ② 「標準」「参酌すべき基準」の条例化にあたっては、「住民の福祉の向上」の観点を堅持し、基準の引き下げや安易な外部委託化に道を開くものとはせず、機能 拡充に資するものとすること。また、利用者をはじめ県民、関係団体の意見を十分に反映させたものとすること。
    ③県から市町村への権限移譲については、市町村の対応能力、財源、実施体制などを勘案し、積極的に人材派遣やまちづくりへの実効ある住民参加の仕組みづくり なども含め技術的な支援態勢をとるとともに、フォローアップ作業を行い、必要な改善を国に求めること。また、今回の権限委譲は、法定移譲であり、経費が市 町村負担となることから必要な財源確保に努めること。
    ④「国の出先機関の原則廃止」については、防災・災害復旧・労働者保護など国が果たすべき責任を放棄するものであり、原則反対すること。いわゆる「二重行政」のムダの排除などは事実にもとづき個別的な改善で対応すること。

 二 南海地震対策・安全・エネルギー政策

  1. 大規模地震・津波対策は、抜本的な見直しをし、ソフト面とハード面をあわせ、相乗効果が発揮されるよう庁内において連携して推進を図ること。自 主防災組織の育成、防災文化を築くためにも、それぞれの地域に根ざした防災教育を推進すること。また、いわゆる災害弱者対策を進めること。
  2. 学校・保育園・病院などの構造物、非構造物の耐震化、津波避難対策を計画的に促進するため、補助制度の改善を国に働きかけるとともに、県とし ての市町村への支援も行うこと。津波避難タワー、避難道の整備など身近な防災事業を仕事づくり面からもを位置づけて推進すること。湾口可動堤防については、実効性、費用対効果の検証、住民の合意を前提に慎重に対応すること。
  3. 震災時の瓦礫の仮置き場となりうる場所の調査、地元産材をつかった安価な仮設住宅建設の研究をすすめること。
  4. 災害時の情報の発信と共有は、適確な支援を受け入れるためにも極めて重要であり、行政機能がマヒすることを前提に、地域ごとの官民協働の仕組みづくりを研究すること。
  5. 愛媛県伊方原発でのプルサーマル計画の即時中止を求めること。高知県民が納得しない再稼動については行わないようはたらきかけること。
  6. 自然エネルギーは、集落維持と地域経済活性化、山林の整備や環境、防災的価値など本県にとって重要な施策であり、売電益などが地域に還元する仕 組みづくり、関連産業の育成、公的施設への導入など総合的に促進すること。実効ある再生エネルギー固定価格買取制度の確立、エネルギー政策の予算配分を原発中心から転換するよう国に働きかけること。中筋川ダムの放水利用など、小水力発電施設を増設すること。
  7. 土砂災害対策の促進のため、住家防災事業などへの採択基準の緩和を行うこと。 
  8. 消防行政の広域化にあたっては、県一構想ではなく、地域の実情を考慮したものとすること。
  9. 産廃業者の健全育成、不法投棄の監視強化、業界ごとのリサイクル促進などソフト面を重視した産廃行政を進めること。
  10. 地球温暖化防止対策として、気候保護法の早期制定を国に求めること。

三 雇用対策について

  1. 県内有効求人倍率が全国より低く求職者に大変厳しい実態に対し、雇用対策本部を強化し役割を多いに発揮し、同時に県内地域の働く場の確保対策を国に対し強く求めていくこと。
  2. 現行の各特別、特例基金事業や重点分野雇用創造事業等で実施してきた事業について、「あったかふれあいセンター」や学校図書館支援員など必要なものは、県の恒久的施策として発展させること。
  3. 働く貧困層(ワーキングプア)の労働者が、若者を中心として県内でも増大し、深刻な事態となってきた。その対策としての最低賃金の引き上げ、また非正規雇用や派遣労働から正規雇用への雇用改善対策などを、他県と協力し国に強力に求めること。
    派遣や請負など非正規雇用の実態調査を行うとともに、労働局と連携して不当・違法な解雇・リストラ、内定取消の是正指導を強めること。また、パート労働者の権利の周知、徹底をはかること。
  4. 失業者への生活援助や職業訓練の機会の充実、雇用保険の抜本的な拡充を国に働きかけるとともに、県としても独自の対策を強めること。
  5. ジョブカフェ高知の機能強化と利活用の向上を図り、就職を促進すること。また若者の雇用問題について関係機関とも協力して実態調査をおこなう とともに、賃金不払い・サービス残業などの権利侵害を相談・解決できる実効性のある相談センターを設置すること。また、フリーターにも技能向上や職業 訓練の場を保障するよう国に働きかけること。いわゆるニート対策を県としても強めていくこと。
    若者就職支援では、地域、ボランティアで支える「静岡方式」などを参考に、ネットワーク型の支援態勢にとりくむこと。
  6. グリーン雇用の創出などを国に働きかけるとともに、みどりのダム事業を県独自の事業と位置づけ、本格的に取り組むこと。
  7. 自然エネルギーをはじめ環境分野での雇用創出をすすめるための研究と事業者への支援を強めること。
  8. 産業振興計画の中に、最も雇用効果の高い福祉、医療分野を明確に位置づけ雇用の場の拡大に本格的に取り組むこと。
  9. 農林水産業や伝統産業など、後継者不足の解決にむけて、所得保障制度など、県独自の施策の研究と実効ある対策を確立すること。
  10. 企業誘致に際しては、地元正規雇用を企業に要請すること。企業の撤退、事業の縮小、人減らし計画などに対して、雇用の継続、確保を強く申し入れるとともに、事前の協議を義務づけるなど企業の社会的責任を求めること。
  11. 関係機関と連携して、ただ働き残業(サービス残業)の実態を調査し、指導・改善すること。
  12. 官製ワーキングプアを生み出さないため公契約条例を制定すること。また、低入札制度、最低制限価格制度を改善し、公共工事や委託事業でのダンピング受注を防止し、下請け企業の経営や労働条件の充実改善を図ること。

四 農林漁業の振興について

  1. 政府として協議入りを決定したTPP(環太平洋連携協定)は原則として関税撤廃であり、現状でも厳しい農林漁業は成り立たなくなる。また、医療や建設業などにも深刻な影響を与え、地域社会の存続、発展を促す立場から参加反対を強力に国に求めること。
  2. WTO及びFTA、EPA交渉の妥結に反対し、一次産品の輸入規制強化で一次産業充実、発展に向け各種施策展開を図り、国内食料自給率向上対策を国に強く求めること。
  3. 本格実施となる米戸別所得補償制度及び水田利活用、自給力向上事業に対し、米価下落対策をとり、補償基準を見直し、本県農業の実態に即した制度運用となるよう国に積極的に求めること。
  4. 農林漁業用A重油に対する石油、石炭税を免税する現行税制度の延長を他県と協力し実現を図ること。
  5. 原油価格が高騰し、本県の一次産業分野、特に施設園芸経営に重大な影響が避けられない状況となっている。その対策で、加温用代替エネルギーとして木材資源の利活用システムの早期確立を図ること。
  6. 農業振興センター及び漁業指導所の地域における使命と役割は重要であり、充実・強化をはかること
  7. 臭化メチル代替技術の開発、代替剤の確保と、当面例外使用分の確保に努めること。
  8. 地産地消の拡大のために、予算の増額を含め引き続き積極的に努力すること。
  9. 今日、外国産食品により「食の安全・安心」が脅かされている。「安全な食料を」との国民の願いに応えるため、環境にやさしく生産、流通履歴の明らかな国内産品が流通主体となるよう、国に求めていくこと。
  10. 近年、イノシシ、サル、シカ等による鳥獣被害が深刻であり対策を強化すること。
  11. 間伐事業への補助制度の拡充、作業道の整備、国調事業による境界画定を進めて不在村林家対策を図るとともに、木材使用が可能なものについては、全面的に木材製品に切りかえるなど、外材使用から国産材の使用拡大の政策展開に努力し、同時 に材価の回復に努めること。大規模製材所の誘致にあっては、循環型林業の維持、県内製材所への対策をすすめること。住宅建築に対する県産材使用補 助金の利用推進をはかるため、事務手続きの簡素化をはかること。公共施設の建築にあたっては県産材の使用を徹底すること。
  12. 県内外の人々が中山間地域に移り住み、交流がすすむよう、必要な支援制度を充実、強化すること
  13. 県漁業協同組合の健全な運営発展のために支所体制の充実を図るとともに、不参加漁協への安定経営指導と支援に努めること。
  14. 県内基幹産業の水産業活性化のため、人工漁礁の増設、漁種の転換及び定置網漁業と沿岸漁業の振興、水産物の適正価格確保を図り漁業者の所得向上を積極的に図ること。
  15. 漁業後継者確保対策の充実を国に求め、本県漁業基盤の強化、充実に取り組むこと。
  16. 漁業資源確保対策として公的規制として漁獲可能量規制、漁獲量制限(大型巻き網漁)等への対応を求め、さらに沿岸域での藻場、干潟の再生へ取り組み、国内漁業資源充実に取り組むよう国に求めること。 

五 中小商工業、産業振興、消費者保護などについて

  1. 緊急経済対策として住宅リフォーム助成制度を確立すること。
  2. 防災、福祉、生活密着型の公共事業の確保に努め、地元中小事業者向けの事業確保を図るため、民間住宅の耐震補強、高齢者の住宅改造等の促進のための支援を強めること。
  3. 産業振興計画の推進については、各市町村との連携協力を強化して実態調査に取り組み、現場に即した支援を行うこと。
  4. 地元資源を生かした観光産業や地域おこしを重視し、産業の振興、まちづくりと一体となった取り組みを強めること。四国霊場八十八ヵ所めぐりなど四国4県の連携をつよめ、全国へのPR、誘致をすすめること。
  5. 中小企業事業実態が一段と厳しい現状となっており、事業継続に対する資金需要に関し、実態に見合う条件変更や借り換えなど、当面の資金需要に柔軟に対応するよう、県の支援とともに、信用保証協会に働きかけること。
  6. 振り込め詐欺及びリフォーム詐欺、架空請求、悪質訪問販売などの相談窓口を充実させるとともに、関係機関との連携を強化して実態把握につとめ、 悪質事例に関する情報に県民が容易にアクセスできるようにすること。消費者保護条例の改正に基づき、積極的に悪質業者への立入検査・指導・勧告・公表を行うこと。
  7. 空き店舗の活用や家賃補助など、魅力ある既存商店街の振興を図ること。
  8. 後継者対策の視点からも所得税法56条の廃止を国に求めること。
  9. 公共事業の発注は、地元企業育成を最優先で行うこと。

六 福祉、医療、保健の充実のために

  1. 乳幼児医療無料化を国の制度とするよう働きかけるとともに、県として所得制限をはずすこと。
  2. 受診時窓口負担制度、70-74歳の窓口負担増など医療改悪に反対すること。年金の支給年齢の引き上げ、支給額の削減は、生活とともに、地域経 済への影響も大きく反対すること。また、14回の妊婦健診や子宮けい癌、ヒブワクチンの助成の継続を国に働きかけること。
  3. 医療難民、介護難民を出さないために、療養病床の廃止・削減計画の中止を、国に働きかけること。
  4. 「後期高齢者医療制度」の早期廃止を国に求め ること。国保の広域化につながる高齢者医療制度の都道府県国保による運営化に反対すること。また、県独自の保険料減免制度を創設するとともに、保険証の取り上げはしないこと。健診受診率が急落しており、当面無料化をふくめ、元の制度に戻すこと。
  5. 介護保険事業について
    • 改定介護保険法のもとで、実態を調査・把握し、介護施設からの追い出しや軽度の認定による介護サ   ービスの低下が起こらないようにすること。
    • 介護報酬の引き上げ、介護職員処遇改善
    • 等対策事業の継続・充実を国に働きかけるとともに、介護職員の待遇改善や人材確保のための県の対策を強めること。
    • 当面、国庫負担金を5%引き上げ、30%にすること、また、財政調整基金への自治体負担を見直すよう国に求めること。財政安定化基金や市町村の介護給付費準備基金を取り崩して保険料を軽減するとともに、利用料の軽減措置を検討すること。
    • 「老・老介護」等の実態を直視し、待機者の早期解消を図るために、特別養護老人ホームの建設をすすめること。また、廃止となった国の補助制度復活を働きかけること。
  6. 国民健康保険について
    • 国保被保険者の実情を無視した短期保険証・資格証明書の発行をやめ、国保証を全世帯に交付すること。
    • 国民年金滞納者への保険証の不交付は行わないこと。  
    • 国保事業の県単位の統合・広域化はせず、市町村国保への支援を行うこと。
    • 国保法44条にもとづく一部負担金減免制度の実施・確率のために市町村への支援を強めること。また、「医者にかかれない人」をなくすために実情に見合った制度となるよう県としての財政支援など積極的な役割を果たすこと。
  7. 障害者施策について
    • 「第三期障害者福祉計画」策定においては、当事者の意見を十分反映させること。
    • 重度心身障害児者の福祉医療を後退させないこと。県独自の精神障害者への医療費軽減など拡充をはかること。
    • 障害者自立支援法実施による障害者と家族の実態を明らかにし、国に対して「応益負担」の即時廃止等を求めること。
    • 県独自の利用料負担の軽減策を拡充すること。とりわけこどもの利用料は「応能負担」にすること
    • 在宅・施設両面での基盤整備を急ぎ、障害者の実態にあったサービスを提供すること。
    • 障害者の働く場の確保について、別枠による県職員・教職員への採用等雇用の場を広げるとともに、小規模作業所への助成を強化すること。
    • あはき法に基づく無資格マッサージの取り締まりを強化すること。
  8. 少子化対策を県の重点課題として体制も充実し、総合的にとりくむこと。
    • 保育の市町村実施義務をなくし、保護者による直接契約となる子育て新システムは、保育を市場化するもので、児童福祉法にもとづき、公的保育制度の堅持・拡充を国に求めること。
    • 保育料の軽減策を講じること。第三子以降の保育料助成制度を高知市にも2分の1助成で実施すること。
    • 学童保育の増設や障害児の受け入れ、特別支援学校での実施、県単設立運営補助の継続などを実施すること。
    • 県が事業所訪問を実施し、奨励金支給など働き方の改善への支援を強めること。
    • 自営業者、家族従業者への産前産後休業手当を創設すること。
    • 子どもの貧困の実態調査を行い、総合的な対策を行うこと。
  9. 生活保護行政は、憲法と生活保護法にもとづき、被保護者の人権を配慮し速やかな対応に徹すること。高知県の交通特性に応じて、自家用車の保有条件を緩和すること。有期化や就労訓練の義務化など、生活保護の改悪に反対すること。
  10. 高齢者・障害者等の適正な財産管理のために、成年後見制度を周知徹底し、活用しやすい制度をつくること。
  11. 増加する児童虐待に対応するため、地域・家庭・学校、市町村との連携を強めるとともに、児童相談所の体制の強化や専門性の充実を図ること。また、児童養護施設の早期改築と体制強化を支援すること。
  12. 県内医師確保のための施策に取り組むこと。助産師の養成・確保に努めること。

七 教育の充実について

  1. 全国学力・学習状況調査の悉皆調査を行わないこと。全国学力テストの結果をもって、子どもたちや学校間の競争を作り出さないこと。
  2. 国に対して、30人学級を早期に実施するよう働きかけること。複式学級の基準を引き下げ、特に小学校1年を含む複式、とび複式改善をさらに進めること。学級総数1学級などの小規模校への加配など、過疎地域に対する定数上の特別の対策を講じること。
  3. 義務教育費国庫負担制度を維持・拡充し、負担率を2分の1に復活するよう国に働きかけること。また就学援助金の支給範囲の拡大及び単価の大幅引 き上げ、準要保護児童生徒の就学援助金の国庫負担補助を復活する事を国に求め、県としても各市町村への支援を行い、子どもたちの学習権を保障すること。
  4. 高校授業料無償化を維持・拡充を国にもとめ、給付型の奨学金の創設、通学費の補助など教育の機会均等をすすめること。また、私学においては、学校負担なく全員が無償となるよう国に要望すること。
  5. 学校再編問題は、児童生徒の学習権の保障を第一義的に考え、県民との協同・合意を図ることを基本にすること。
  6. 特別支援学校は、今後も増加する高知市内の知的障害児への対応など視野にいれ、初等科の増設、寄宿舎の教育的、福祉的役割の重視し、拡充すること。
  7. 子どもたちの健康を守り学習環境を保障するために、学校への計画的なエアコン設置などをすすめること。また紫外線対策・UVカット窓ガラスの設置、学校災害防止のための施設整備など、快適、安全な学校づくりをすすめること。
  8. 学校図書館の充実のため、さらなる図書費の増額と同時に、専門職員の配置を進めること。 
  9. 高校生の就職対策に万全を期すため、県教委事務局・学校での体制強化、企業訪問旅費の増額など全力を尽くすこと。就職を希望する高校生をはじめ、高校3年時に基本的な労働基本権の学習などを保障すること。また、障害児学校生の就職確保に努めること。
  10. 全国最低クラスの中学校給食の実施を「学力向上」「子どもの貧困」対策として促進すること。学校給食は、民間委託を行わず、地元産品の活用促進など自校方式での実施を支援すること。
  11. スクールカウンセラーの増員や不登校児の居場所づくり等をすすめること。
  12. スクールソーシャルワーカーを配置し、困難を抱える家庭の支援を充実すること。
  13. 私学助成の拡充を国に求めるとともに、県単制度を後退させないこと。
  14. 教職員の多忙化解消のために、実効ある措置をとること。新たな管理職配置をやめ、子どもたちに直接関わる教員を増やすこと。教職員へのメンタルヘルス対策を抜本的に強めること。
  15. 教員採用選考審査の基準や個人成績を全面的に公開すること。臨時教職員の現場経験を尊重した選考審査を実施すること。
  16. 管理職登用にあたり、教育委員会事務局経験者の特別対応をやめること、また指導主事の任用にあたっては選考審査を行い、任用基準を明らかにし、公平な選考を行うこと。
  17. 教職員に関する勧告の適用に関するILO・ユネスコ共同専門家委員会(CEART)の勧告を含む中間報告を真摯にうけとめ、教職員の人事評価制度と査定給制度をやめること。
  18. 県立大学の改革については、高知短期大学をのこすこと。また西南地域・東部地域でも県民の高等教育を受ける権利を保障すること。
  19. 人権教育・啓発は「同和」偏重や押しつけを止めること。また、高知県人権教育研究協議会への補助金廃止、学校現場への強制はしないこと。
  20. 子どもと学級運営に分断をもちこむ現行の高校入試制度は、子どもたちに高等教育を保障する観点から、早急に改善を図ること。
  21. 新学校警察権楽制度は廃止すること。当面、教育の条理にたった慎重な運用に徹すること。
  22. 県立大学などの入学定員について、県内枠を増やすこと。

八 男女共同参画の推進

  1. 国連の女性差別撤廃委員会の日本政府への勧告、男女共同参画社会づくり条例の周知を図るための取り組みを強化すること。とりわけ県職員、教職員、県警職員の研修では必修科目として位置づけること。
  2. 男女共同参画プランの具体化をすすめ、実効性のあるものにすること。
  3. 女性に対するあらゆる暴力の根絶のため、きめ細やかな相談活動や受け入れ体制を充実すること。DV被害者の自立促進のため県営住宅への優先入居や、融資制度を速やかに活用できるようにすること。
  4. 推進本部の機能を強化し、市町村への支援などあらゆる施策を男女共同参画基本法の視点で点検し、推進する庁内システムを作ること。
  5. 庁議メンバーへの女性幹部の登用をすすめること。
  6. こうち男女共同参画社会づくり財団への職員配置は、専門性をもたせること。

九 文化、スポーツの推進のために

  1. 県詞「自由は土佐の山間より」をいかし、自由民権の史跡保存や、学習の促進、観光資源として活用するなど、多面的な取り組みを行うこと。
  2. 埋蔵文化財発掘調査員の増員や史跡の保存管理を強化し、文化行政の体制を充実すること。
  3. あらゆる県民が文化に親しみ、活動参加ができるよう統括的な文化団体に財政支援措置を講じること。
  4. 山内家資料の展示・保存施設となる新資料館の設置にあたっては研究・保存機能を充実させること。県産材を可能な限り使用し、高知県にふさわしい建物とすること。
  5. 北曲輪地区を含む史跡の保存、活用など高知城周辺を史跡公園として整備すること。
  6. 青少年の自主的な文化・スポーツ活動を保障するため、安価なバンドの練習スタジオなど、身近で手軽に利用できる施設の整備と指導者の養成、財政支援をすすめること。スケボーやストリートダンスなどの練習・競技場を県有地を活用して設置すること。
  7. 各種競技スポーツの全国大会開催などについて、会場使用料の減免などの支援を強めること。また、県民誰もがスポーツに親しむことができるよう施設利用料を引き下げること。

十 道路、交通問題

  1. 交通弱者の交通手段の保障、地域の維持・振興、そして地球温暖化対策のうえからも公共交通の    維持・拡充を抜本的に進めること。
    ①県民参加で、公共交通のあり方を検討すること。
    ②土佐くろしお鉄道、特に、中村・宿毛線の利用を検討、強化すること。
    ③NPOや住民の協力、参加のもと中山間地域や市街地での乗り合いタクシーや周遊バスの運行など住民の移動手段を確保すること。
    ④市街地における公共交通の維持・拡充のために、住民参加と行政の支援を確立すること。
  2. 県民の生活道路である地方道路整備の切捨てに反対し、国の責任で整備促進するよう働きかけること。
  3. 三桁国道の維持補修に対する国の補助制度を復活させるよう働きかけること。
  4. はりまや町一宮線の整備については、追手筋弥生町線以南の計画を一旦凍結し、水辺を活かしたまちづくりのため2車線への変更など抜本的な見直しを行うこと。
  5. 低床のバスや電車、駅のエレベーター、音声信号機設置などバリアフリー化をすすめ、やさしい県土づくりをすすめること。
  6. 視覚障がい者の安全確保のため音声信号機、点字ブロックの増設など施設・環境整備に努めること。

十一 平和な高知県をめざして

  1. 広島・長崎での原爆記念式典に参加するとともに、非核宣言自治体との連携をはかり、核兵器のない世界に向けて行動すること。また、県施設での被爆資料展の充実など、平和行政を推進すること
  2. 県内の戦争遺跡の調査と保存に取り組むこと。
  3. 自衛隊第14旅団の第50普通科連 隊新駐屯地整備にともなう演習場は、ヘリや火砲による昼夜を分かたぬ訓練が想定されており、騒音や戦闘訓練による周辺地域住民への影響は必至である。
    ①住民の安全を確保し、不安を解消するために住民の立場に立った演習場使用協定を結ぶため県としても積極的に取り組むこと。
    ②演習場を米軍との合同演習には使用させないこと。
    ③市街地や一般生活道などでの自衛隊の行軍訓練を行わないよう申し入れること。
    ④子どもを対象とした基地見学や、武器・兵器等の公開、試乗等をさせないこと。
  4. 米軍機の低空飛行訓練の中止、リマ海域の撤去を国ならびに米軍当局に求めること。
  5. 漁民の経営と漁場を守るうえからも、土佐湾と周辺での自衛隊の訓練海域の指定を認めず、撤去を求めること。
  6. 非核証明のない米軍艦船の入港は認めず、港湾条例の制定をはかること。

十二 県民に信頼される警察行政を

  1. 公安委員会事務局を警察から独立した機関として確立すること。公安委員の選任にあたっては公募制を導入すること。
  2. 警備・公安部門偏重をあらため、機構、人事をガラス張りにし、住民の生命と財産、安全を守る部門を充実すること。
  3. 「放置車両」の重点取り締まり区域での、保育、介護など生活に不可欠な車両駐車に配慮する方策を検討すること。
  4. 生活安全課の相談機能を充実させること。ストーカー規制法、DV法、児童虐待法などにもとづき、女性と子どもの人権擁護に努めること。
  5. 信号機設置などの交通安全予算の増額を図ること。