議会報告

  • 2014年03月24日
    2月県議会 予算委員会での塚地佐智議員の質問と答弁(2014.03.07)

【質問テーマ】

1、難病対策

2、再生可能エネルギーの促進

3、ひとり親家庭の支援

 

【難病対策】

●塚地県議

まず、難病対策についてお伺いをいたします。本県には、医療費助成を受けることのできる56疾患に指定をされている患者さんだけでも約6千人、それ以外でもいわゆる難病とされる方を含めると推計1万人を優に超える方々が、難病を抱え不安や苦しみに立ち向かって暮らしておられます。人口比で約70人に一人、家族を含めるとその割合はさらに大きく、県政上、大きな課題とも言えます。

 本年2月12日、難病の患者に対する医療等に関する法案が閣議決定をされました。国の難病対策が始まりました1972年以来、初めて法制化される動き自体は、法的根拠を伴う永続的な支援制度を構築しようとする点で、一歩前進、少し光が見えたとの評価もあります。しかし、法案には重大な問題点もあり、本県議会でも先の12月県議会で問題点を列挙し、改善・充実を求めた意見書を全会一致で採択をし、政府と国会に提出をいたしました。まず、知事にこの法案についてどのような認識をお持ちかお伺いをいたします。

 

■知事

 今回ですね、難病の患者に対する医療等に関する法律案、これが一応案としてできてですね、今後審議されていくことになるわけであります。40年ぶりの大きな制度改革を迎えようとしている中で、非常に大きな前進とともに懸念の点も残るというのも確かであろうかなと、そのように思っております。

 前進としてはですね、治療方法の開発に向けた研究を進めるでありますとか、都道府県単位でしっかりとした医療提供体制の整備を図る、そういう制度を整えていくべきであるとか、そういうことが整えられますとともに、医療費助成についてですね、従前対象となっていなかった希少疾患についてもしっかり対象にしようという形で範囲が拡大されたことと、併せまして何と言ってもその助成自体が法定されたということは非常に大きい意義があるのではないかとそのように考えております。

 他方でですね、いわゆる軽症者が医療費助成から外れてしまうのではないかという懸念がですね、今回、全ての疾患で重症者認定という仕組みを導入することによって、そうなってしまうのではないかという懸念があるのも確かであります。

 今後、法案が成立をしていく、さらに政省令が定められていくという過程で、具体的にどうなっていくのかということが分かってくると思いますので、しっかり動向を注視して、しっかり言うべき政策提言、これはしていかなければ

ならないと思っております。

 

●塚地県議

 ぜひとも、患者さんの立場に立った提言というのを行っていただくようにお願いをしておきたいと思います。

 この法案準備に伴いまして、厚生労働省厚生科学審議会疾病対策部会難病対策委員会において、難病患者の医療費助成制度の「改革」案が、昨年12月に示されています。そこでは、医療費助成制度の対象疾患を56から、いま知事もお話もありましたとおり約300に拡大をして、自己負担の割合を現行の3割から2割に引き下げるという方針を打ち出しています。

 しかし、治療方法が確定されていない、いわゆる難病は数千種類にも及ぶとされており、病名を基準とすれば、多くの難病患者を除外することになる点、また、これまで医療費が全額支給をされていた重症患者にも一定の負担を求めること。さらに、医療費助成の内容として、月額負担額を所得に応じて決定することとしており、現在の「特定疾患治療研究事業」と比較をいたしましても、多くの場合大幅な負担増を求める結果になることなど、看過できない問題点を、先程縷々知事も述べられたとおり含んでいると思います。この「改革」案の内容では、これまでの治療を継続できなくなる可能性が指摘をされていますが、現在助成を受けている難病患者への影響を本県でどのようにとらえておられるか、健康政策部長にお伺いをいたします。

 

■健康政策部長

 医療費助成制度の改革で、障害者の自立支援医療を参考に、自己負担限度額が見直されました。現行制度の受給者のうち、例えば、住民税非課税の方について、これまでは、自己負担が無かったですけれども、新たな制度では月に2,500円から5,000円の負担をしていただくということになります。また、制度設計は今後検討されることになってますけども、認定基準の見直しによりまして、軽症の方が、助成対象から外れるという患者さんが出てくるということにもなります。

 激変緩和のために、3年間の経過措置が設けられているということと、それからその3年が経過した後もですね、軽症のために助成対象から外れた方であっても、必要な医療を受けた場合に、月額1万円以上の負担が年3回以上ある場合には対象にしますよというような、一定支援措置というのはありますけども、やはり今回の改正では、少なからぬ影響があるのではないかなというふうには考えてます。

 このため、これまでも全国知事会を通じて、真に医療が必要な患者さんが医療が受けられる制度とするように要請もしてまいりましたし、先ほど知事が申したように今後も必要な提言等をしていきたいというふうに考えております。

 

●塚地県議

 いまご答弁がありましたとおり、これまで医療費負担がなかった、とりわけ低所得者のみなさんに、新たな負担が厳しく生活に襲いかかってくるということが想定をされているわけです。住民税非課税の世帯で、本人の年収が80万円を超えれば、月額5,000円という負担になります。難病患者の皆さんは、本当に日々の生活の中で様々なご苦労をさけていますし、支える家族の皆さんの経済的な負担も結構大きなものがあります。この低所得者の皆さんにとっての5,000円というのは大変厳しい負担にもなるということが想定をされていますので、ぜひともいまお話があったとおり、この新たな患者負担を何とかならないのかという声はぜひ知事会の方からも強く上げていただいてこの負担増に歯止めをかけていただくというために、ぜひお力を出していただきたいということを強く要請をしておきたいと思います。

 さて、今回の法制化の動きのなかで、様々な問題点はありますけれど、難病対策が拡充をされ、とりわけ、難病患者の社会参加への総合的支援が拡充をされるということが期待もされています。

  この間も、患者団体の方々の大きな運動で対象疾患の拡大や難病相談・支援センターの創設が実現をしてまいりました。今後、さらなる充実が求められることとなりますので、以下その点を踏まえてお伺いをしたいと思います。

 平成22年12月県議会でも取り上げさせていただきました、まず、難病相談・支援センターの充実についてお伺いをいたします。難病相談・支援センターは平成15年、国が事業化をし、各都道府県が設置することとなりました。医療費に関する相談だけでなく、生活全般にわたり困難を解決し、就労支援も行う、さらに各患者団体の育成や家族の支援、交流も図る総合的な対応が求められるものです。

 本県では、5カ所の各福祉保健所に難病対策担当の保健師を配置するなどして、センター機能を持たせるとの対応を図ってこられました。しかし、その存在は余り広報されておらず、庁舎に看板を設置してほしい、福祉保健所の作成している封筒に難病支援センターと書き込むなど、存在をアピールしてほしいとの要望もあってまいりましたが、これらをどのように受け止めておられるか健康政策部長にお伺いします。

 

■健康政策部長

 5か所のセンターの相談件数は、4,000件余り。それから実数的にも1,600名余りの方から相談をいただいておるという実態はあります。ただ大半がですね、医療費の助成対象患者さんとなっておりまして、助成対象となっていない難病患者さんであるとか、一般の県民の方への周知というのが十分とは言えないという状況にありますまして、対象の疾患が大幅に広がるということになりますので、県民の皆さまに新たな制度について十分周知を図っていく必要がございます。そのために、難病相談・支援センターの広報も、それに併せましてしっかりと行っていきたいというふうに考えております。

 

●塚地県議

 今後、ぜひともそういった対応をとっていただきたいと思いますけれど、現時点においてでもですね、難病相談支援センターに県庁のホームページから行き着くのがなかなか難しい状況があります。しかも、高知県難病センターのホームページというところをクリックしましても、出てくるのは各福祉保険所の連絡先が出てくるにとどまっていまして、最新の情報ですとか、患者さん方々に高知県でどんな事業がされているのか、患者団体がどこがあるのかと、いうようなことがホームページに記されていない、実態もございます。そういった実態は早急に改善をしていただきたいと思いますが、その点を伺ってよろしいですか。

 

■健康政策部長

現状で出来ることは、すぐにさしていただきたいと思います。

 

●塚地県議

 いま、高知県内には一か所ではなく、各福祉保健所毎にセンター機能を持たせています。このことによってですね、難病患者の約40%が高知市に集中しているわけですけれども、高知市での支援センター機能は県事業として県庁本課の健康対策課が担うという形になっております。

患者さんから見ると、県庁の本課というのは、なかなか気軽に相談にいけるという敷居の高さではないようにも思われます。患者さんや家族が気軽に相談できる体制が整っているというふうにはいえないのではないでしょうか。さらに、本来はセンターに、相談室・談話室・交流活動室、県研修室事務室等をバリアフリーで設置をするという設置の要綱もございます。それらに合致したスペースの確保というのも今出来ている状況ではございませんけれども、これまでの設置体制にどのような課題があるというふうにお考えになっておられるか、健康政策部長にお伺いをいたします。

 

■健康政策部長

 今お話にありましたように、難病相談・支援センター機能としての高知市民の方に対する相談業務ですけれども、難病医療専門員をはじめとします健康対策課の職員がいま対応をさせていただいております。

 ただ、それだけではやはり不十分だろうということもありましてですね、センターの機能を補完するために、難病患者さん同士の相談、交流の場となりますよに高知県難病団体連絡協議会の方に委託をさせていただいて、医療相談会とか、難病セミナー、病気ごとの患者交流会などを開催してきました。

 ただ、このように医療の相談をはじめ、一定対応はしてきたところですけれども、患者さんが日々気軽に相談できる機能が不足しているというふうに認識をしています。

 

●塚地県議

 やはり日々の悩みが大変大きくてですね、患者さんが本当に気軽に訪れて、相談に乗っていただけると、しかもそこの場で患者さん同士の交流があるということは大変生きる勇気をもっていただくためにも重要なことだというふうに思います。

昨年の12月に国の難病対策委員会で取りまとめられました「難病対策の改革に向けた取り組みについて」では、難病相談・支援センターには、現在、相談員が非常勤のところが多いため、人的体制の充実や全国の取り組み内容を共有するなど、全国のセンター同志のネットワークを構築し、質の底上げを図るとして、来年度予算も大幅に増額をされています。しかし、本県では、福祉保健所の本来業務として各福祉保健所がセンター機能を担っておりますので、この国の事業費の増額を活用することができておりません。国のこうした動きに連動することができない中、各福祉保健所さらに高知市保健所とも連携をし、県下全体の底上げを図る機能を持つセンターを、ぜひとも設置する必要があるというふうに思いますけれど、どのように対応されるか、健康政策部長にお伺いをいたします。

 

■健康政策部長

 ご指摘のように、今回の国の制度改正におきまして、難病相談・支援センターは、これまで以上に気軽に相談できる機能であるとか、患者交流の場づくりというのは当然ですけれども、それ以上にハローワークと連携した就労支援や、患者同士のピアサポートの活動支援、また、全国的な難病相談・支援センター間のネットワークへの参加を実施することなどが示されています。

 これらの機能は、現在の福祉保健所が担うのはなかなか難しいという点もございます。このため、これらの機能を担ってですね充実していくために、どういった体制が良いのかということを来年度の4月の整備に向けて、高知市はもとより全国の先進事例とか、患者団体さんの声もお聞きしながら、検討をしていきたいというふうに考えております。

 

●塚地県議

 再度、確認していただきますが、来年度4月の設置というふうにおっしゃられたと思いますが、つまり26年の4月ということの確認でよろしいですか。

 

■健康政策部長

 申し訳ありません。来年度ではなくて、27年4月でございます。訂正させていただきます。

 

●塚地県議

 すばらしいスピード感だなぁと一瞬思いましたが、そうではないようで、一年間かけてだということになろうかと思いますが、ぜひいまの要望されている中身が充実をして高知市とも連携がとれて、できるセンターを設置していただきたいなぁというふうに思います。その患者団体のみなさんもいまどこの場所に設置してもらったらいいかなぁというようなことを検討されていると思いますが、ぜひともですね、この高知市中心部でいま可能だと思われるのに、県のですね保健衛生総合庁舎があろうかと思います。そこには精神衛生保健福祉センターも設置をされていますし、そういった患者さん方がこれまで保健所としても活用してきて、なじみのある場所でもあろうかと思いますけれども、今後の検討にはなろうかとは思いますが、そこの場所を一定、検討の場所として、位置づけていただけかどうか、健康政策部長にお伺いをします。

 

■健康政策部長

 設置場所につきましては、おっしゃられたようにですね、センターそのものをどうするのかという機能と併せて検討することになると思います。県の庁舎の中に新たにスペースを確保するというのは、なかなか難しいかなというところもありますけども、そういうことで排除するのではなくて、幅広ろにどこがいいのかと、駐車場など色々な問題もあろうかと思いますので、検討していきたいというふうに考えています。

 

●塚地県議

 ぜひとも、患者さんにとって行き易い場所ということが大切ですし、直営になるのか、委託になるのかということもありますが、委託になった場合もやっぱり場所という問題にお金がかからないシステムというのが大事だというふうに思いますので、ぜひ県としてその役割を担っていただける場所を選定いただけるように要望しておきたいと思います。

さて、今回の法案が成立・施行されますと、医療費や福祉サービスの対象となる指定難病が300疾患に拡大をされます。これまで対応していない希少な疾患も加わるため、相談員の力量アップが課題となってまいります。厚労省は早ければ27年1月から医療費助成を開始するともいわれておりまして、対応が急がれています。また、保健所については、保健師等を難病保健医療協議会を設定いたしまして、地域の医療・介護・福祉・患者等が連携し、難病疾患を支援するような役割を強化することを示しています。今でも、現場の保健師、理学療法士などは障害や高齢者対応も含めて、本当に現場は手一杯といわれる状況になっておりますので、人的配置の強化がなくては形だけのものになりかねません。どのような体制強化を図かられるおつもりか健康政策部長にお伺いをいたします。

 

■健康政策部長

 いまお話にありましたように難病対策の対象疾患が、56から約300に増えるということですので、このことからも業務量が増えることは予想されます。ただ、制度設計がどうなってくるかということがまだ示されていませんので、それを受けましてですね、当然業務量に応じた適正な人員配置には努めていきたいというふうに考えています。

 それからまた、300疾患を対象に、患者さんの相談に対応するということになりますので、医学的な知識も新たに習得する必要があります。保健所の職員の研修を行うようにしますけども、併せて、県内の専門医等のバックアップが受けられる体制づくりも進めていきたいというふうに考えています。

 

●塚地県議

相談というのは大変時間がかかるんですね。ひとりひとりのみなさんの突然難病いうふうに告知をされた、その人たちの思いをしっかりと受け止めて、その悩みの根源が何なのかを共有をして改善策を一緒に導き出していくというのには相談を受ける側の時間的、精神的ゆとり、余裕というものが一定なければ、本当の意味での相談に対応するということになっていかないと、私たちが相談を受けている実感でもそう感じますので、ぜひとも人的配置はその最低限の私は条件整備だというふうに思っておりますので、ぜひともこの際、行革の中ではありますけれども乗り越えて人的な配置を充実をさせていただくように強く要望をさせていただきたいと思います。

この法案の成否にかかわらず、患者目線からみますと、相談体制の強化、就労支援といったことを充実していくことは当然のある意味ことではあります。

  今後の国会審議、さらに政省令の策定など、具体化は今後見守っていく必要があります。しかし、全国ではすでに沖縄、島根、鳥取、各地で、難病相談支援センターと福祉保健所、各地の保健所が連携し優れた実践を行っている県もあります。日本一の健康長寿県を目指す本県の難病対策も日本一といわれる体制整備と事業をめざして、取り組みをぜひとも強化していただきたいと思いますけれど、最後に知事の決意をお伺いさせていただきます。

 

■知事

 難病の患者さんはですね、発病の機構が明らかでないとか、治療方法が確立していないとか、長期に療養を要するとかですね、皆さまそれぞれのご事情の中で大変ご苦労しておられるわけでありまして、その支援体制を充実させていくということは非常に重要なことだと思います。

今回、法律がですね、新たに制定をされていこうことであります。この期をとらえまして、法制度もしっかり生かしていきながらですね、例えば先ほどお話がありましたような難病相談・支援センターと福祉保健所、これがしっかり連携して身近な形で相談が受けられる体制をつくっていくでありますとか、そのようなことを通じて、しっかりと総合的な支援ができるような体制整備に努めてまいりたいと、そのように考えております。

 

●塚地県議

 ありがとうございました。法の成否にかかわらず、ぜひともですね早急に充実ができるところは、急いで改善をはしていただき、再来年度の4月には本当に県民みんなが喜ぶ、相談支援センターが開設をされるということを期待いたしましてこの項の質問は終了させていただきます。

 

【再生可能エネルギーの促進】

●塚地県議

次に、再生可能エネルギーの促進に向けた質問に移らせていただきたいと思います。

2月25日、中長期的なエネルギー政策の指針・エネルギー基本計画の政府案が示されました。政府案は、与党協議を経て、今月中にも閣議決定されることということになっています。

 今回示された基本計画案には、様々な問題点が指摘をされていますが、なんといっても国民世論調査でも過半数を大きく超えた、「原発再稼働反対」「原発ゼロ」の願いと真っ向から対立をして、原発を「重要なベースロード電源」と位置づけたことに、衝撃が走っております。 原発依存度を可能な限り低減させるとしつつも、肝心なスケジュールもなく、再生可能エネルギーの導入加速は記しても、原発との電源構成比率も不明で、結局、再稼働を進める方針を示しただけのものとなっているとの指摘もあります。この基本計画案の政府案を知事はどのように受け止められておられるのかまずお伺いをいたてします。

 

■知事

 今回の政府案でありますが、原発の依存度についてですね、可能な限り低減をさせるとする一方で、たしかに原発を石炭などと同様に、「重要なベースロード電源」と位置付けているわけであります。

 私もですね、従前より申し上げておりますように、原発への依存度、これはもう可能な限り引き下げていくために、理想であればゼロを目指してですね、できる限り引き下げていくために努力をしていくべきだというふうに思ってます。

 しかしながら、それがいつ可能となるのかということは、これも従前より申し上げておりますが、ある意味、科学技術次第、社会のシステム次第みたいなところがあると思います。すぐできるかもしれない、100年、200年かかってしまうかもしれません。

 しかしながら、いずれにしてもですね、その道筋を目指して、しっかりと工程表を作ってですね、対応していくことが大事なのだと、そしてまた、科学技術のいろいろな開発にしても、産業の開発にしても、それに向けていろいろな資源を集中していくと、それが世界に誇り得る日本の産業になるだろうと、人類に貢献する産業になるだろうと、私はそのように思っております。ぜひ、そうすべきだと、そのように考えておるところです。

 そのようなことを考えましたときにですね、今回の政府案でも、原発の依存度を可能な限り低減させるとはっきり書いています。

 しかし、やはり時間がかかるということは一定認識は同じなのではないかと思います。時間がかかる中において、現実論として電源をどう確保するかといったときに、やはりベースロード電源として、原発にも依存せざるを得ない時期があるのだということをですね、言っておると、そのように解釈すれば、私の言っていることと、私はそんなに変わりはないのではないのかなとそのように考えておるところでございます。

 いずれにしてね、先日の審議でも申し上げましたけれども、いろんなみの現実論をとらまえて、時々、我慢しなければならないことも出てきますでしょう。

 ただ、その時においても、先々に向けて、この原発の依存度というのを低減させていくんだと、そして具体的にこうするんだということをはっきりとさせていくということを行っていくこと、これが大事だとそういうふうに思います。

 

●塚地県議

  可能な限りゼロに近づけていきたいという知事の思いもわかりました。私はやっぱりそういう意思が明確になるものでなくてはならないじゃないかというふうに思っていまして、その点でいうと今回の指針、基本計画案については、例えば、核燃サイクルを推進をするといった表現があったり、風力や火力については、これはピーク電源に位置づけるということで、そこに主体を移すという記述にはなっておりません。そういう点でいうと、まさにゼロに向かっていく意思がしめされているものではないと、いうふうに私は感じておりますので、今後ぜひとも知事のそうした思いも中身に反映をさせていくということで声もあげていただきたいと、これで議論をしておりますと他の質問ができなくなりますので先に移らせていただきます。

 本県は、全国に先駆けて、自然エネルギーの推進課も設置をいたしまして、再生可能エネルギーの導入を図ろうとしております。各市町村でも、様々な導入への取り組みが進められているところですが、今後さらなる事業促進に取り組む決意を知事にお伺いをいたします。

 

■知事

 県内にですね、豊富に存在します再生可能エネルギーを生かすということは、本県に多く持てるものを生かす道であって、これは、経済成長にもつながっていく道だと、そのように考えておるところです。

 そういうことですね、新エネルギー開発について、さまざま取り組んでまいりましたけれども、ただ、残念ながら、例えば初期コストが掛かるでありますとか、そういう問題もあったりいたします。

 そういう中で、どうやって、新エネルギーを生かしながら県民生活の向上といいますか、地域への還元ということができるだろうか、ということをいろいろと縷々、検討もしてまいったところでございます。

 電源にそれこそよるわけでありますけれども、特に太陽光発電とか風力発電でありますとか、こういうものにつきましてはですね、地域に還元させるために、この初期投資負担を一定軽減しようということで、こうち型地域還流再エネ事業スキーム、こういうものを作って、今、取り組みを進めてきているところでございます。

 こういう取り組み、引き続き、適地を模索していきたいと思いますし、さらにですね、追加的に言えば、今、建設が進んでおりますけれども、バイオマス発電、これなんかも、再生可能エネルギーで、本県で可能な、典型的なものだと思います。

 こういうものを進めていく、さらにはですね、新しい可能性として、例えば洋上風力発電、そういうものもあったりいたしますので、いろんな、国の研究開発の動向などもしっかりとらまえていきながら、本県の適地において、導入できるものをしっかりと、取り込んでいきたいと、そのように思います。

 

●塚地県議

世論調査をいたしましてもですね、昨年11月に産経新聞とFNNの合同調査でも原発即時ゼロの支持率は57%、朝日新聞の昨年の12月の調査でも75%が段階的に減らして原発をやめるということを支持しています。そのためにも、いま知事が縷々おっしゃった再生可能エネルギーをこの高知県でおおいに進めていくということを推進をしていだく、ぜひともがんばっていただきたいというふうに思います。

さて、ここで少し小さな問題にはなりますけれど、今後、小規模の発電施設を広げていく上で課題となってくる税負担に関わって、お伺いをしたいと思います。

2013年度、今年度ですが、高知市は町内会の集会所などの屋根に、災害発生時の電源確保、余剰売電益を財源にした防災力向上への取り組みを目的に太陽光発電設備設置への補助制度をつくりました。本年度、この補助金を導入をして高知市北部と春野地区の、いずれも地縁団体格を所有する2つの町内会が設備を設置をして発電を始めています。

この事業についてどのような評価をされているか、林業振興環境部長にお伺いをします。

 

■林業振興環境部長

 県では、平成23年度から環境省の委託を受けまして、地域主導型再生可能エネルギー事業化検討協議会を設けまして、その中でメガソーラーの導入等と併せまして、地域が主体となった中小規模の太陽光発電事業についても検討を進めてまいりました。

 その一環といたしまして、本年度は、お話のありました高知市が取り組まれている自治会への助成事業につきまして、災害時の非常用電源の確保ですとか、発電事業を通した地域コミュニティーの活性化など、幅広い効果が期待できますことから、地域が主体となった再生可能エネルギー導入モデルのケーススタディーということで取り上げまして、課題も含めて検討してまいりました。

 その結果、設置場所が限られることから、どうしても小規模な発電設備とならざるを得ず採算性が低いことや、多額の初期費用を地域の住民の方が負担できるかなど様々な課題があるために、事業として成り立たせるためには、かなり手厚い支援が必要という結論になっております。

 

●塚地県議

いまお話になった、かなり法的な助成も必要なんじゃないかというお話だったんですけれど、ちょっと具体的なところで伺いたいとおもいますが、この事業で、設置後になって、売電益が法人の「収益」として認定をされて、国税である法人税15%が課税されるという、当初想定していなかった事態が判明しました。

さらに問題は、町内会が収益事業を行う法人とみなされて、法人税が課税されることにより、それに伴って法人市民税、法人県民税、固定資産税などが連動して課税されるということも明らかになりました。

市の補助金を使って町内会が防災施設に太陽光発電を設置したことによって、町内会が収益を上げている法人と見なされ、収益の少なくない部分が税金として徴収をされてしまいます。

小規模の発電施設では、初期投資と税金で、かえって赤字になってしまう可能性もあります。

設備を設置した町内会では、10年間で約100万円以上にのぼる多額な税負担と、これまでなかった確定申告などの納税事務が生じることに困惑が広がり、市の補助制度の事業スキームがなりたたない状況が生まれておりまして、これにどう対応するのかがいま高知市でも検討されているところです。

今回の、町内会などが取り組む余剰売電における売電益を、一律に「収益」と見なして法人税を課税していくことには、この2町内会にとどまらない大きな問題があるのではないかと思います。

今後、集会所などを震災発生時の避難所として活用する際の電源として、太陽光発電設備、さらには蓄電設備設置を他の地域にも広げていこうとする場合、受け皿となる団体への課税問題が重大な障害になることが考えられます。また、県が力を入れている地域の小水力発電事業でも、同様の問題が生じるということも予想されます。

 町内会など地縁団体が再生可能エネルギーを導入した際の課税について、現状を県はどう認識されておられるか林業振興環境部長に伺います。

 

■林業振興環境部長

 現状では、町内会など地縁団体につきましても、再生可能エネルギーによる発電事業を行い収入を得た場合には、収益事業を行っているとして課税対象となり、法人税のほか、県税や市町村税が課税されることになるものと認識をしはおります。

 ただ、先程も申しましたように、発電量が少なくて、売電収益も多くありませんので、お話にもありましたように、税の負担、なかでもですね、収益事業を行うことにより発生することになります法人県民税、法人市町村民税の均等割の負担は大きいというふうに考えております。

 

●塚地県議

均等割りの負担が大変大きくなっていて、それを何とかできないかということが、これから大きな議論にもなってこようかと思います。

町内会など公益的性格を強く持つ地縁団体などによる発電益を、一律に「収益」とするのではなく、発電量によっては、法人税を課税しないように国の考え方を変更させることが、再生可能エネルギー発電の促進にとって重要だと考えますが、この点どのようにお考えか改めて林業振興環境部長に伺います。

 

■林業振興環境部長

 町内会などの地域の住民の方々が、災害時の非常用電源の確保や地域のコミュニティづくりなどを目的として行う発電事業については、その公益的な意義については、十分ふまえる必要があるというふうに思っております。

 ただ、法人税等に関する取り扱いは、国がこれまで数多くの課税事例を踏まえまして、積み重ねてきた中で整理をしてきた考え方であると思いますので、その変更を求めることは、なかなか容易ではないというふうに考えております。

 

●塚地県議

これまで、県は、NPO法人の収益に対して、国の法人税や収益に見合って付加をされます、法人県民税のうち均等割については減免措置を執り、基本的に均等割については免除措置を執っております。仮に、NPO法人が発電事業を行った場合は、法人県民税の均等割については、どのような措置となるのか、併せてその意図について文化生活部長にお伺いいたします。

 

■文化生活部長

 NPO法人の法人県民税の均等割につきましては、NPO法人に対する課税免除を定めた条例によりまして、発電事業が税法上の収益事業に該当する場合でも、その収益を特定非営利活動に充てる時は、課税が免除されることとなっております。

 この措置は、公共サービスの担い手としての活躍が期待されているNPO法人の財政基盤を、税制面から支援し、その活動を促進するために設けられたものだと承知をしております。

 

●塚地県議

NPO法人が公益的な役割を果たす団体、その団体を支援し援助する措置ということで条例で定めて、法人税の県民税の均等割りは免除するという措置になっております。例えば、今回、高知市が事業化した町内会が防災目的で設置した発電施設の売電益、これらもまさに官民共同で町内会自身は公益的役割を担って官民共同でこれから一緒に防災も取り組んでいく、まちづくりも取り組んでいくという団体な訳です。ですから、ここにNPO法人には非課税なものを新たにするという考え方は私はもう少し整理されていい問題ではないのかというふうに考えております。

この点はですね、今後、県が推進をしていきます集落活動センターの収益事業などにも当然関わってくる問題でもあろうかと思いますので、ぜひそこのところはですね、NPO法人の非課税という問題と整合性が持たせられる形で、県としても対応ができないかなぁというふうに思っておりますけれども、この住民組織の収益活動推進について課税をされるということについてですね、地方税の問題に総務部長がどのような問題意識を持たれて、これからどのような対応を取られようと考えているのかという点をお伺いしたいと思います。

 

■総務部長

町内会は、地方自治法上、認可地縁団体ですけれども、認可地縁団体は、税法上公益法人等とみなされております。

地方税法上、公益法人等、これは、収益事業を営んでいるか否かにかかわらず、法人県民税の均等割、20,500円でございますけれども、それと法人税割の両方が課税されます。法人事業税は公益法人等が、収益事業を営んでいる場合に、その事業に課税されます。また、別途、法人市町村民税の均等割も別途、課税されまして、問題となっている高知市の場合、これは均等割は6万円となっております。

法人・団体等は、地方公共団体から公共サービスの提供を受けており、公費的性格の住民税の均等割、これを広く薄く負担していただくというのが地方税法の趣旨でございます。

そのうえで、県税条例におきましては、認可地縁団体の場合、収益事業を行わない場合に限っては、他の公益法人と同様に法人県民税の均等割は課税免除するということになっております。

今回、町内会が発電した電気を売ることが税務署において収益事業に該当すると判断されました。これに伴って、現在の税制上は、収益事業を行う町内会には県においても法人県民税の均等割と法人税割の合算額が課税されることになったものでございます。

先程、文化生活部長が答弁しましたとおり、NPO法人につきましては、特別の条例がございます。こうした場合の均等割は、課税免除するということとなっておりますけれども、認可地縁団体には今、条例がございませんので、これは、免除することはできないということになっております。

今、我々としても、集落活動センターの支援の一環として、地方税の取り扱い、条例の制定の可能性についても検討を始めているところでございます。課税免除につきましては、総務省から通知が出ておりまして、「その内容について、徹底的検討を加え、濫用することがないように特に留意すること」とされております。税の大原則である公平性・平等性の確保、他の類似事案への影響を考えると簡単に結論はでないとは思いますけれども、課税免除の目的、理由などと共に運営主体、受益の範囲、利益の使途、他への影響など様々な要素を丁寧に検討してまいりたいと考えております。

 

●塚地県議

ぜひとも検討をお願いしたいと思います。これからは本当に地域の●●団体という方々と県との共同ということも大事な課題になってまいりますので、ぜひ丁寧な検討をしていただき、条例化ができるものなら条例化をしていただく方向での検討をお願いしたいと思います。

最後に今後、地域で防災に資する小規模発電を縦横に広げていくためにも、地域の公益的性格を持つ団体の発電事業が一律に課税されることがないように特例措置を設けるように、国に働きかけるべきではないかという思いもございますが、知事にお伺いをいたします。

 

■知事

収益事業をですね、行ってる場合に課税をされることについて、税の公平性、平等性の観点からやむを得ないところもありますし、なかなかですねこういうことについての特例措置というのは難しい面もあろうかというふうに思います。

ただ、他方で、町内会の皆様方など皆さんがですね、やっておられる公益的な取り組み、その公益性というのを、重視しなければならないというのもまた、確かではないのかなというふうに思います。

地域の活動を支援するという観点で、県としてどのような対応ができるかよくよく研究をしてまいりたいとそのように思います。

 

【ひとり親家庭の支援】

●塚地県議

 時間がなくなりましたが、最後に、ひとり親家庭の支援につきまして、地域福祉部長にお伺いをいたします。

 一人親家庭は、本県で、平成24年15,000世帯を超えています。そのうち母子家庭は12,832世帯に上ります。県としは平成24年に第2次高知県ひとり親家庭等自立促進計画を持ち対策を強化をしております。しかしながら、その対策の中で、母子家庭を日常的に支援をする「母子家庭等日常生活支援事業という事業がございますが、いま高知県ではその事業の実施状況がどうなっているのかお伺をいします。

 

■地域福祉部長

 母子家庭等日常生活支援事業につきましては、本県では高知市で平成18年度から実施されておりましたが、利用者が少なかったことなどにより、平成20年度で事業が廃止されており、現在のところ、県下の市町村において、当該事業の実施はなされておりません。

 なお、平成24年9月に県内の全市に対して、同事業で提供される生活援助と子育て支援サービスに対する市民からの要望状況などについて、調査を実施いたしましたところ、3市から同事業に対する要望があり、そのうち、2市については母子家庭以外も利用できる代替事業による対応とし、1市については対応ができていないとの回答があっております。

 

●塚地県議

代替事業と言われているものの中に、例えば高知市でしたらファミリーサポートセンターなどがございます。ただ、ファミリーサポートセンターでは1時間の利用料がですね、ヘルパーさん派遣で600円から700円かかるという状況で、なかなかこれでは厳しい財政状況の母子家庭が活用することができないという声も出ているところで、母子家庭ではぜひ切実に、この日常生活支援事業をやってほしいという声が出ていますが、このことの実施にむけて市町村に要請をすべきだと思いますが、地域福祉部長のご答弁をお願いします。

 

■地域福祉部長

 母子家庭等日常生活支援事業につきましては、ひとり親家庭における修学や疾病の際などにおける生活の援助や保育サービスのニーズへの対応が可能な事業となっておりまして、併せて、利用料金につきましても低所得世帯に配慮した金額となっており、ひとり親家庭の生活の安定を図るためには有益な事業だと考えております。

 このため、県といてしましても。ひとり親家庭を支援するための同事業へのニーズや、サービスの提供主体の確保などといった実施する際の問題などについて、市町村における実態の把握に努めまして、市町村による事業実施に向けての検討をすすめてまいりたいと考えております。