議会報告

【質問項目】

1、尾﨑県政について

2、憲法問題

3、貧困と格差の拡大

4、農業

5、幼保無償化

6、子どもの医療費無償化

7、学力テスト

8、特別支援学校新設

9、四万十川メガソーラー

 

【尾﨑県政について】

●吉良県議 お許しが出ましたので、日本共産党を代表して順次質問をさせていただきます。今議会は、尾﨑知事が11月の知事選に出馬せず、次期衆院選挙に高知2区から自民党公認で出馬することをめざすと表明した直後の定例会ですので、まず、3期12年間の尾崎県政の評価、並びに、私たち県議団の県政への姿勢を述べさせて頂きます。

尾﨑知事は、第一次安倍内閣の官房副長官秘書官の経歴がある官僚出身で、自民党政治と距離の近い政治家であると思っていました。しかし、橋本前県政の積極面を継承する姿勢を早々と明らかにし、県民に軸足を置いた県政運営にあたり、私ども県議団の論戦や県民の声にも耳を傾け、くらしを守る施策での制度的後退を余儀なしとせず、積極果敢な施策を展開しました。それゆえ、私たちは二期目、三期目の知事選では対立候補を立てず、是々非々の立場で、暮らしを支える側面を前進させる姿勢をとってまいりました。

国の悪政のもとで、第一次産業の低迷、若者の県外流出、人口減、少子高齢化、また南海トラフ地震など、県民の命と暮らしを守る課題に対し、地元資源に光を当て内発的発展の産業政策や、医療福祉を雇用面からも重視する施策、学校図書支援員の創設やスクールソーシャルワーカーの手厚い配置、耐震リフォームの積極的推進、また、旧陸軍44連隊跡の購入など、私たちの提案とも共通する施策を実施してきました。

国政にかかわる問題でも、県民の立場から、核ゴミ処理施設の否定、米軍機の低空飛行訓練に対して騒音測定器を設置し中止を求め、国が隠し続けたアメリカビキニ水爆実験核被災船員に対しては、健康相談会を実施し国に救済を要望しています。また脱原発の立場で四電の株主総会で主張するなど、伊方原発の1、2号機の廃炉に貢献したと言えます。

問題点・課題の一つは、目先の学力テストの「全国順位向上」を目標とした教育行政です。それは深刻な教員多忙化、教員不足を加速させ、子どもたちの成長を歪めるものであり、私たちは予算修正提案も行い、厳しく対峙してまいりました。

そして、なによりも大きな弱点は、県民のくらしの厳しさ、地方衰退の元凶となっている国の悪政の根本的転換を求める立場にない事です。自民党政治のもとでも、県民の実態にもとづいたきめ細かい努力をつみあげれば一定の前進を築くことができることを証明したことは、私は重要だとは思いますが、やはり県政のとりくみだけでは若者の県外流出、少子化、人口減の流れを大きく変えるところまでは行かず、限界が示された12年ではなかったでしょうか。

私達は、農産物の輸入自由化、くらしと営業を破壊する消費税増税など、異常なアメリカいいなり、そして、大企業中心の自民党政治を放置していては、「県政の努力も無に帰する」と指摘し続けてきましたが、その弱点は期数を重ねるごとに顕在化しました。

TPPについて述べますと、当初は反対を表明していましたが、現在は「しっかり国内対策を」と容認に変わりました。消費税増税については、8%時には「今あげるべきではない」「景気や弱い立場の人に大きな影響を与える」としていましたが、現在は「社会保障の安定財源として最も相応しい」と10%増税の積極的肯定へと踏み込んできました。

安倍首相が執念を燃やす憲法改悪では、一期目には、「憲法第9条」については「平和の維持や発展に大きく貢献してきた」「これをしっかり守ることが必要である」と述べていましたが、2期目は、歴代の自民党政府の見解をも無視し、「集団的自衛権の一部容認」の9条空洞化につながる安保関連法案に理解を示す立場をとりました。その後も、「緊急事態条項」の創設を訴えるビデオメッセージを改憲派の集会に送っています。最近では、参院選挙区の「合区解消」を改憲理由として掲げ、県民を改憲の土俵にのせる役割を強めてきたと言えます。

尾﨑知事が、国政に挑むというそれ自体は個人の自由の問題です。が、それは、県民の暮らしの実態をもとに国に提案・要望するという尾崎県政の積極面を支えてきた有能な職員・職場、県庁という足場を失い、そのうえに、平和、暮らし、地方破壊を進めている国の悪政の流れに自ら身を投ずということであれば、これまでのような積極的役割を果たせるかどうかは、おのずと明らかだと考えるものです。

私達は、引き続き、県民のみなさんと築いてきた積極面をさらに前進させ、国の悪政から暮らしを守る姿勢を貫きます。そして、この間の市民と野党の共同をさらに発展させる立場に立ち、みなさんとよく話し合い、共同の候補者を擁立し、県民のくらしといのちに寄り添うあたたかい高知県政実現のために全力をつくす決意を、以上、表明するものです。

次に、知事の政治姿勢について、お聞きします。

 

【憲法問題】

●吉良県議 まず憲法問題です。千葉県で台風による被害が拡大しているもとで発足した第4次安倍政権は「改憲をなしとげる」事を最大の使命に掲げています。しかし、先の参院選では、安倍政権は、参議院で改憲発議に必要な3分の2の議席を失い、自民党も9議席後退し、単独過半数を失いました。共同、時事、朝日などの世論調査を見ても、「安倍首相の下での憲法改正」に「反対」が「賛成」を上回っており、改憲を国民が求めていない事がはっきりと示されたのが、先の参院選の結果です。

 安倍総理が改憲に暴走するのは、侵略戦争と植民地支配の加害の歴史を否定するところに原点があります。国内外の平和を願う人々の声を反映して生まれた日本国憲法を「連合国軍総司令部の憲法も国際法も全くの素人の人たちが、たった八日間でつくり上げた代物だ」と蔑視したのもそのあらわれです。日本国憲法の源流には、土佐の自由民権運動の思想が息づいていること、また日本共産党が戦前から掲げていた政策が反映したものでもあるなど、日本国民の平和と民主主義を求めてきた歴史を無視し侮辱する発言です。また、安倍首相は、終戦記念日の全国戦没者追悼式で一貫して、侵略戦争での周辺アジア諸国に対する加害責任に触れず、反省の言葉を排除したことに、歴史修正主義の立場である事が象徴的にあらわれています。国際的な到達点を無視し、「侵略の定義はさだまっていない」と詭弁を弄したこともあります。

知事は、平和憲法が「国民の間に定着している」もので憲法第9条は「しっかり守るという事が立脚すべき立場」と明確に述べ、憲法の源流に自由民権運動があることを「土佐人として誇らしい」とも答弁しています。

◆自民党公認をめざす政治家として、安倍総理の改憲の立場、侵略戦争だった事を認めない立場を、どう評価しているのか。知事にお聞きします。 

 

○県知事 吉良議員の御質問にお答えをいたします。

まず、安倍総理の改憲の立場、侵略戦争であったことを認めない立場を、どのように評価しているのか、とのお尋ねがありました。

安倍総理は改憲について、「困難な挑戦だが必ずや成し遂げる」と、意欲を示したうえで、「野党各党もそれぞれの案を持ち寄って、憲法審査会で憲法のあるべき姿について与野党の枠を超えて活発な議論をしてもらいたい」と述べておられております。

私もこれまで述べてきたとおり、現行憲法は制定されてから70年が経過しており、現行憲法で必ずしも対応できない根本的な事柄が生じているのであれば、憲法改正について、徹底した議論を行うことが必要であり、国会においてしっかりとした議論をすすめていく必要があると考えております。

また、先の戦争に係る歴史認識について、安倍総理は、戦後70年を迎えるに当たり、閣議決定もされた平成27年の内閣総理大臣談話において、「我が国は、先の大戦における行いについて、痛切な反省と心からのお詫びの気持ちを表明してきました」、「こうした歴代内閣の立場は、今後も、揺るぎないものであります」としており歴代内閣が持ち続けてきた思いを引き継いでいくことを明確にされているものと考えております。

私といたしましても、戦争の教訓を風化させることなく、平和の尊さ、平和を愛する心を次の世代に伝えていくことは我々に課された使命であると考えているところであります。

 

【貧困と格差の拡大】

●吉良県議 次に、貧困と格差の拡大についてお伺いをいたします。2011年9月県議会で、私は、日本の所得再配分機能が、OECD諸国の中でも最低クラスであるとの統計も示し、是正が必要なことを述べ、知事に社会保障など社会権の意義についてただしました。その時、知事は「社会権は、20世紀になって社会国家の理想に基づき、特に社会的・経済的弱者の方々を保護することにより、社会における実質的な平等を実現するために保障されることとなった人権であると認識しております」と答弁しました。

 しかし、現実の日本社会では、格差と貧困が拡大し、子どもの貧困、若者の非正規雇用、学生を苦しめる高い学費と奨学金という名の大きな借金、高齢者の孤独死、老老介護、8050問題などが大問題となっているように、基本的人権、社会権が蹂躙されている現実が広く存在していることは論をまちません。

 その最大の原因は、自公政治による異常な大企業中心、国民・労働者犠牲の政策が取られ続けてきたことにあります。それは、税収構造を見れば一目瞭然です。

消費税3%であった1990年度の国の税収は60兆1000億円です。消費税率8%の2018年度の税収は、60兆4000億円と3000億円の増に留まっています。消費税収は4.6兆円から17.7兆円へと4倍、額にして13.1兆円も確かに増えていますが、その3000億円分、率でいうと僅か2.3%しか反映しておらず、残り97.7%、12.8兆円という莫大な国民の血税はどこかに使われて税収に反映していません。なぜそうなるのか。それは、法人税収が18.4兆円から6.1兆円もへり、所得税収も26兆円から6.1兆円も減り、両税合わせ12.2兆円もの減に食われてしまったからです。

1989年の消費税創設以来、過去30年の消費税収は349兆円にもなりますが、同じ時期に法人税は地方分を含めて281兆円、所得税・住民税も267兆円減ってしまいました。消費税収は、大企業、富裕層向けの減税・優遇税制で消えた、その税収の補填につかわれたのが真実であり「消費税頼み」では、いつまでたっても社会保障も教育も財政も良くなりません。

◆税収構造の推移をどう認識していらっしゃるのか。「社会保障のための安定財源」というのは、国民をだますためのスローガンでしかなかったのではないか、知事の認識をお聞きいたします。

 

○県知事 次に、税収構造の推移と社会保障のための安定財源について、お尋ねがございました。

まず、税収構造については、ご指摘のあった平成2年度はバブル経済下であり、法人税収、所得税収とも過去最高水準にありました。その後、バブル崩壊による不況やリーマンショックによる景気後退により、平成21年度には、平成2年度に比べ、法人税は12兆円減の6.4兆円、所得税は13.1兆円減の12.9兆円と税収が大きく落ち込みました。そこから、近年はアベノミクスの取り組みなどにより税収が回復し、平成30年度は、平成21年度に比べ 法人税は5.9兆円増の12.3兆円、所得税は7兆円増の19.9兆円となっています。

平成21年度以降3回、法人税の実効税率の引き下げが、行われておりますが、単なる減税とならないよう課税ベースの拡大などをあわせて行っており、平成23年度以降は、法人税は増収傾向が続いております。国、地方を合わせた消費税収については、平成元年の導入以降、平成9年の引き上げまでは7兆円程度、平成26年の引き上げまでは、12~13兆円程度、その後は22兆円程度で推移していると認識をしております。

このように近年の動向を見ると、法人税、所得税、消費税いずれも増収となっているところであります。この消費税の引き上げ分については、社会保障の安定財源として、しっかり使われていると認識をしており、実際に数字を見ても、平成2年度から平成28年度にかけて、社会保障給付に係る国と地方の負担分は、16.2兆円から47.7兆円へ、30兆円以上増大しており、この金額は、消費税収入の増額分を超えております。

消費税は、先ほど申し上げたとおり、経済の動向や人口構成の変化に左右されにくく、安定していることに加え、勤労世代などの特定の者への負担が集中せず、経済活動に与える歪みが小さいとされています。そのため、幅広い国民が負担する消費税は、少子高齢化社会における社会保障の安定財源としてふさわしいものであると考えているところです。

 

●吉良県議 消費税導入時と現在の企業の経常利益と法人税収の割合を見てみますと、97年度は、企業の経常利益27.8兆円、そのほぼ半分が法人税収ですので、法人税収13.5兆円でした。2017年度の経常利益は3倍の83.6兆円になったにもかかわらず、法人税収は3倍化しておりません。(法人)税収は11.7兆円と逆に減少しています。特に安倍政権の下では、大企業は史上最高の利益を上げ続けましたが、日本経済全体には還流せずに、資本金10億円以上の大企業の内部留保は、116兆円も増えて449兆円にも膨れ上がりました。

日銀による国債の大量購入、日銀や年金基金などによる株式購入という異常で出口も見えない愚かな政策による円安・株高の演出で、富裕層に巨額の金融資産が集中し、アメリカの経済誌フォーブスが発表した日本の「長者番付」上位40人の資産は、安倍政権の7年間で7.7兆円から18.6兆円と2.4倍にも増えました。

OECDが実施している各国の時間当たりの賃金、残業代含みますが、その調査結果で、日本は過去21年間で8%減っており、主要国の中で唯一のマイナスであることが示されました。ちなみに同期間に、イギリスは93%もの賃金増1.9倍です、アメリカは82%、フランスは69%、ドイツは59%、1.59倍と増えています。韓国は167%、2.67倍と所得が上がっているのです。所得が再配分されるどころか、国民から、大企業・富裕層に逆に移転しているという日本の異常な姿を示すものです。

◆大企業、富裕層に富が偏在している上に、優遇税制で税の空洞化が作られる一方で、国民の貧困が広がっている、この政治が生み出した歪みをただすことなくして、日本社会の未来、地方の再生はないと思いますが、知事の認識をお聞きします。

 

○県知事 次に、特定の大企業等に富が偏在している状況を踏まえ、政治によるゆがみを正す必要があるのではないか、とのお尋ねがございました。

政府においては、アベノミクスによる成長と分配の好循環をつくり上げる中で、法人の内部留保が拡大していることに関連し、法人に対して、賃上げの要請や税制上のインセンティブを付与することを通じて、企業の収益を賃上げや設備投資につなげていく取り組みを進めているものと承知しております。

また、所得再分配機能を強化する観点から、平成27年分以降の所得税の最高税率を5%引き上げており、加えて、今般の消費税引き上げに伴っては、低所得世帯に対する高等教育の無償化や介護保険料の軽減、低年金者に対する給付金の支給などを実施することとしております。

このように国において、様々な格差是正策が講じられてきたものと承知していますが、私としては、今後とも、全ての世代の方が安心して暮らせる社会の実現に向けて、さらに格

差是正の取り組みを進める必要があると考えているところです。

そのためには、国全体として地域間格差を是正することが大きなポイントになるものと考えており、地方創生の推進など、地方の経済の底上げに資する様々な取り組みを格差是正の一環としてより骨太に講じていく必要があるとも考えているところでございます。

 

【農業】

●吉良県議 次に農業問題についてお聞きします。8月25日の安倍首相とトランプ大統領との日米首脳会談で日米貿易協定が大筋合意され、昨日9月25日発表されました。その内容は、まさに「失うだけのFTA」です。

農産物についてはそもそも、TPP水準が大問題だったわけですが、それさえも守れませんでした。

TPPは、牛肉・豚肉の関税は段階的に削減することになっていますが、先行したTPP11に米国が「劣後しない」ようにと忖度し、段階的削減期間を飛び越して、昨年12月に発行したTPP11の水準に一挙に適用させるとしています。

TPP11では、米国も含めた12か国全体の輸入枠を、米国が抜けた11か国でそのまま適用させた品目が、乳製品も含めて33品目もあります。これらについて、日米2国間で米国枠をまた新たに設定すれば、「二重枠」となり完全な「TPP超え」となります。乳製品などについて「二重枠」の設定が「見送り」になったので、現時点で「TPP水準」を維持しただけであり、自国分の乳製品などを米国が放棄するわけはなく再協議は時間の問題で「TPP超えを回避した」と考えるのは早計だと考えます。

加えて、余剰となっているアメリカの飼料用トウモロコシ270万トンを日本の民間に買わせる約束をさせられました。政府は、新たに発見された害虫の食害を輸入の理由付けにしていますが、大規模な食害は発生していません。そもそも食害が懸念されている日本の飼料用トウモロコシは葉や茎を青刈りして発酵させる粗飼料であり、米国から輸入しているのは濃厚飼料となるトウモロコシの実であり、まったく別物で代用できるものではありません。要するに使い道のないものに数百億円もの日本のお金が使わされることになります。これも実質的なTTP超えです。

一方、日本政府がメリットとして強調してきた自動車関税は撤廃どころか、20~25%の追加関税発動を避けることに必死の体たらくです。「25%関税を押し付けられなくてよかった」という論調がありますが、そもそもアメリカの、特定国を狙った25%関税適用などは、国家安全保障を名目とした明白なWTO違反です。しかし、日本政府は反論すらしていません。自由貿易が重要だと言いながら、理不尽なアメリカの要求に屈服しているのです。

農政に詳しい鈴木宣弘・東大教授は、「25%関税に脅されて、やはり差し出すだけになった。恐ろしいのは、味をしめた米国大統領は、引き続き25%関税をちらつかせることで際限なく日本に『尻拭い』『肩代わり』を要求してくるということである」と指摘しています。

◆日米FTA交渉は、知事が大事だとする「自由貿易」に真っ向から反する内容ではないでしょうか、知事の認識をお聞きいたします。

 

○県知事 次に、日米貿易交渉についてお尋ねがございました。

日本時間の本日未明、日米両首脳によって新たな貿易協定の最終合意がなされました。

これまでの報道によりますと、議員のお話にもありましたように、輸出面では、米国が離脱する前のTPPで予定されていた自動車や関連部品の関税撤廃は見送られたものの、懸念されていた自動車への追加関税の発動は回避されることとなり、かつ関税撤廃についても継続協議となっております。あわせて、多くの工業製品の関税撤廃や引き下げが行われることになったほか、牛肉については低関税枠が拡大されることとなりました。

また、輸入面では、例えばTPPでは合意していたコメの無関税枠の設定が見送られることとなりましたし、為替条項は盛り込まれておらず、引き続き金融政策が円滑に進むことが期待されるところです。

詳細な内容は今後検証されることとなりますが、今回の協定は、両国双方のさらなる貿易拡大につながるものであり、自由貿易に真っ向から反するものではないものと考えているところです。

今後は、残された自動車などの品目について協議が続けられることとなります。また農産品についても将来的に再協議を行うこととされています。政府においては、引き続き、我が国として攻めるべきところは攻め、守るべきものは守るという姿勢で臨んでいただきたいと考えているところです。

 

●吉良県議 安倍政権のもとで、食料自給率は過去最低の37%にまで低下しました。基幹的農業従事者は2010年の205万人から19年の140万人へと減少し、その42%は70歳以上です。近い将来、大量リタイアによる農業者の激減は避けられません。耕作放棄地も年々増え、いまや全耕地面積の約1割に達しています。

◆歴代自民党政権の農業政策の破綻は明白になっていると考えますが、知事の認識をお聞きします。

 

農林漁業の安全保障の機能、多面的機能を重視し、価格補償や所得保障などによる農業経営条件の抜本的な改善、また若者が安心して就農できる条件の整備などで多様な担い手を大幅に増やす方向への転換が求められます。

◆輸入自由化、大規模化・競争力一辺倒の農政を根本から転換することが急務と思いますが知事のご所見をお聞きいたします。

 

○県知事 次に、歴代自民党政権の農政の破綻は明白になっているのではないか、また、農業政策の転換が急務ではないかとのお尋ねがございました。関連しますので併せてお答えします。

少子高齢化の進展により、我が国全体で人口減少が進む中、農業の分野におきましても、農業者の高齢化などにより、農家戸数が減少し、それに伴い耕地面積が減少するといった厳しい状況が続いております。こうした中において、我が国の農業が今後も産業として持続可能なものであるためには、経営の規模を問わず、多様な担い手が地域地域において農業を続けていけることが重要であると考えております。

国におきましては、平成11年に「食料・農業・農村基本法」を制定し、以降、法に掲げる「食料の安定供給の確保」、「多面的機能の発揮」、「農業の持続的な発展」そして「農村の振興」という4つの基本理念を具体化するため、大規模化や競争力強化といった「攻め」の施策一辺倒ではなく、担い手の育成・確保対策や中山間地域の農業を下支えする日本型直接支払制度の推進など、地域農業を「守る」ための施策 についても、講じてきたものと認識をしております。

本県におきましても、産業振興計画のもと、国の制度も最大限有効に活用しながら、「次世代型こうち新施設園芸システム」の普及拡大の取り組みなどにより、産地の生産力を高めるとともに、より生産条件の厳しい中山間地域においては、 集落営農や中山間複合経営拠点の整備を進めるなど、「地域で暮らし稼げる農業」の実現を目指し、様々な取り組みを展開しているところです。

こうした取り組みを進めてきました結果、本県の農業産出額等は、平成20年の1,026億円から、平成29年には17・1パーセント増の1,201億円まで増加し、平成20年度には114人であった新規就農者数は、近年は毎年270人前後で推移するなど、各種の指標が上昇傾向に転じてまいりました。

今後も国においては、最先端のAIやロボットなどの技術を活用したスマート農業の推進や、我が国の優れた農畜産物の輸出拡大といった「攻め」の施策と併せて、本県のような中山間地域が多く、高齢化が進む地域に対しては、「守りの農業」についても、きめ細かな対策をしっかりと講じていただきたいと考えておりますし、県としましても、今後も必要に応じ、地方の声を届けてまいりたいと考えているところです。

 

【幼保無償化】

 次に、幼保無償化についてお聞きいたします。

消費税増税と一体で、10月から幼児教育・保育の「無償化」が始まります。しかし、今回の制度設計には、いくつかの重大な問題点をかかえています。

 第一は、今日の待機児童問題の根幹をなしている保育士不足、保育士の貧困な処遇に対する抜本的な手立てがなされていないことです。

第二は、保育士不足とも関係しますが、子どもの安全・命に対して、無責任な制度設計だということです。

 認可施設の基準でさえOECD加盟国では最低レベルにとどまっていますが、同改定では、国の認可外保育施設指導監督基準、これ自体、保育士の配置が認可保育所の3分の1という低いものですが、その最低基準すら満たさない状態の施設も5年間、「無償化」の補助対象としています。2004年から2017年の14年間で全国の認可外施設での保育中の事故で亡くなった子どもの数は137件で、死亡事故発生率は、認可施設の2.2倍となっています。認可外保育所に預けていて、子どもさんを失った高知市内の母親は、事故があって、初めてその保育士配置基準を知り、「まさか、子どもの命を守れないと思われる基準の施設が、堂々と営業しているとは思わなかった」旨、語っています。

今回の「改定」で、基準に充たない小規模事業所が次々と立ち上がるのでないか、と懸念の声が出ています。

子どもの安全、成長と発達にとって極めて重要な時期を担う保育の質が低下させられる危険があります。

◆認可外保育施設が幼保無償化の対象となることに対して、どのように対応していくのか教育長にお聞きします。

 

○教育長 まず、認可外保育施設が無償化の対象になることに対する懸念についてお尋ねがございました。

認可外保育施設の設置・運営にあたっては、利用する子どもたちの安全を確保することが大変重要であると認識しております。そのため、高知市の所管を除く県内の認可外保育施設に対しては、これまでも、県が子どもたちの安全を確保する観点から、定期的に立入調査を実施しております。

今年度は、9月までに対象26施設のうち19施設に対し立入調査を実施しており、残りの7施設についても来月中に実施することとしております。これまでの調査の結果、認可

保育所に準じた職員配置や、子どもの数に応じた必要な保育室の面積などを定めた指導監督基準を満たしている2施設に対しては、その旨の証明書を発行しており、基準を満たしていない17施設に対しては、基準を満たすよう、改善に向けて必要な指導を行っているところです。

今年度は、8施設に対し13項目について文書指導を行い、改善報告を求めています。平成29年度は、立入調査対象19施設のうち6施設に対し11項目について、昨年度は、調査対象3施設のうち1施設に対し2項目について文書指導を行い、全ての施設の改善を確認しております。こうしたことは、高知市においても、同様に取り組んでおられるとお聞きしております。

さらに、認可外保育施設においても保育所保育指針を踏まえた適切な保育が行われるよう、毎年、認可外保育施設の保育従事者を対象とした研修を実施しております。このほか、保育士・幼稚園教諭等を対象とした様々な研修への参加も促し、保育内容の充実にも取り組んでいるところです。

今後も、子どもたちの安全を確保するため、引き続き、届出対象となる全ての認可外保育施設に対して指導監督基準に基づく立入調査を毎年度実施し、基準を満たしていない施設に対しては、早急な改善と改善結果の報告を促すとともに、報告がない施設に対しては再度の立入調査を実施し改善に向けた指導を行うことにより、保育の質の向上に取り組んでまいります。

 

●吉良県議 第3は、今回の「無償化」において、幼稚園との整合を図るとして、これまで保育の一貫として保育料の中に含まれていた副食費が実費徴収される事となりました。批判の声に押されて、免除の範囲を年収360万円まで拡大しましたが、保育所での事務の煩雑化、また滞納世帯の保護者と緊張関係が強いられるなど、保育士不足に拍車をかけることになります。

 この実費徴収について、引き続き無償とすることを表明する自治体が次々とあらわれています。

内閣府は、5月30日「幼児教育・保育の無償化に関する都道府県等説明会」の資料である「幼児教育・保育の無償化に関する自治体向けFAQ」のなかで『これまで市町村が単独事業により利用者のさらなる負担軽減を講じてきた部分(政令で定める額と市町村が定める額の差額部分)についても、国や都道府県の負担が入ることになります。…このため、今般の無償化により自治体独自の取組の財源を、地域における子育て支援の更なる充実や次世代へのつけ回し軽減等に活用することが重要である』として『適切に対応いただきたいと考えています』と明記しています。そこで、県内のいくつかの自治体を調べてみますと、軽減される負担額で、十分、副食費の無償化を実現できる額となり、高知市や南国市などはこの9月に予算措置が講じることを決定しています。

秋田県は、25自治体のうち半数以上の14自治体(5市7町2村)がすべての対象児童の副食費を無料にする方向です。同県ではすでに、無償化に合わせて、多子世帯の副食費を助成する県と市町村の共同事業を立ち上げることを決めています。この助成事業に、市町村が独自に上乗せして行われるものです。うち4町1村では主食費も無償です。同県の担当者は「秋田でも少子化、人口減少が進むもと、助成事業は子育て世帯を支援するもの。やはり経済的支援が一番求められている」と語っています。

◆秋田県のような副食費無償化への県の補助制度を県内の全自治体に適用した場合、予想される県負担額はどれだけになるのか。県補助制度を創設し子育て支援への県の決意を示すべきではないか、知事にお聞きします。

 

○県知事 次に、保育所等における副食費の無償化に向けた県の補助制度の創設について、お尋ねがございました。

本年10月からの幼児教育・保育の無償化にあたって、引き続き保護者負担となる3歳から5歳の子どもの副食費について、秋田県においては、世帯の所得等により保護者の負担割合を設定し、市町村が無償化または減免しようとする場合に、県が補助する制度を創設したとお聞きをしています。高知県において、仮に県内市町村が3歳から5歳の子どもの副食費を全面無償化しようとする際に、県がl/2の補助を行うとすれば県負担額は、年間約2億7千万円となります。

なお幼児教育保育の無償化に当たっては、3歳以上の全ての子どもと、3歳未満の子どものうち、住民税非課税世帯の子どもの保育料等が無償となりますが、県内においては、9月13日時点で27市町村が、3歳以上の全ての子どもの副食費を無償とする方向で検討をされていると承知をいたしております。これまで、県では、高知版ネウボラの取り組みにより、妊娠期から子育て期まで切れ目のない総合的な支援体制の充実に努めるなど子育て支援施策全体について、各施策の連携も図りながら、充実強化を進めてきたところです。その中で、保育料については、18歳未満の子どもが3人以上いる世帯を対象として、3歳未満の第3子以降の保育料を軽減する市町村に対して補助してきたところですが、今後も、仕事をしながら子育てしやすい環境づくりなど少子化対策に資する施策全体をいかに充実させていくかなどを議論する中で、ご指摘いただいた副食費についても、検討されていくべきものと考えております。

 

【子どもの医療費無償化】

●吉良県議 次に子どもの医療費無償化についてお聞きします。

尾崎県政では、子育て支援を重視してきました。特に、全国的にも遅れていた中学校給食が須崎市の2校をのぞいて実施となり、子どもの医療費無償化も、高知市も小学校卒業、他の自治体は中学校卒業以上へと前進をみています。私達も市町村議員や住民の方々と力をあわせ実現に力を尽くしてまいりました。中学校給食実施では、県が積極的に市町村に働きかけたと承知しております。

しかし、残念なのは、この医療費無償化の前進部分と中学校給食の実施において、県の独自財源は殆ど支出されていないという事です。反対に、県の乳幼児医療費助成制度の予算額は、制度が拡充していないために、少子化を反映し、予算規模は、2010年度の4億9500万円から、17年度3億9900万円と、1億円も減っています。

◆子どもの医療費無料化について県下の市町村が、住民の願いに応え財政出動の努力をしてきた一方で、県の乳幼児医療費助成制度予算が1億円も減っていることをどう評価なさっているのか、知事にお聞きいたします。

 

○県知事 次に、県の乳幼児医療費助成制度に関する予算が1億円減っていることに対する評価について、お尋ねがありました。

「乳幼児医療費助成事業費補助金」の予算につきましては、他の予算と同様に、毎年、前年までの実績額などを考慮して、計上しています。

お話のありました2010年度は、前年度に新型インフルエンザが大流行したことから、ここ10年間で最も多い約4億9500万円を当初予算に計上いたしました。

他方、その後は助成対象となる乳幼児数が徐々に減少してきたことに伴い、実績額も漸減したことから、2017年度の予算では、2010年度と比べ約1億円少ない約3億9900万円を計上したものであり、決して、県が裁量的に予算を削減しているものではなく、予算計上としては適切になされているものと考えております。

なお、直近の2018年度、2019年度は、対象となる乳幼児数が減少する中にあっても、それぞれ、2017年度に比べて微増の4億2百万円、4億円を予算計上しておりますし、この予算については、疾病が大流行すること等の事情により、実際の補助額が当初予算額を上回ることも想定されますが、そうした場合には、補正予算を組んで必要な助成金を市町村に交付することを予定しているものであります。

 

●吉良県議 厚生労働省の2018年度調査で、高校卒業まで助成している市区町村は、通院と入院ともに全体の3割を突破しております。「中学校卒業まで」と合わせると、通院も入院も約9割に達しています。高知県の子どもの半数は高知市にいます。その高知市の小学校卒業までの医療費無償化の費用は10億800万円かかっていますが、うち県負担は2億円にとどまっています。高知市では、中学生の無償化の市民の声に対し、すべて市の単独財源となることをあげ「2億円の財源は厳しい」と説明をしている状況があります。

知事は、国に対しては、全国一律の子どもの医療費助成制度をつくるよう要請しているとおっしゃいますが、「県として、やる気がない」との表明にも聞こえる、との住民の指摘も聞こえてきます。

◆県も高知市はじめ市町村と足並みを揃え子どもの医療費無償化の拡充に予算出動をすべきと思いますが、知事にお聞きいたします。

 

○県知事 次に、県も高知市をはじめとした市町村と足並みを揃え、子どもの医療費無償化の拡充に予算出動すべきではないか、とのお尋ねがありました。

子どもの医療費の無償化の問題については、これまで申し上げてまいりましたように、子どもが生まれ育った環境によって左右されず、全国どこでも治療費を心配することなく安心して医療を受けられるよう、社会全体で支えていくことが必要であり、子どもの医療費は、国の責任において全国一律に実施すべきものだと考えております。

こうした観点から、全国知事会等を通じて、新たな子どもの医療費助成制度の創設を国に提言してきたところであり、県としては、これからも引き続き全国での実施が実現するよう提言を行っていく必要があると考えております。

他方、県の助成制度を上回る就学期以降の子どもの医療費無償化につきましては、各市町村において、すでに、それぞれの置かれている状況や財政状況などを踏まえつつ対応しているところであり、県が中学校卒業までの医療費の助成の拡充を行ったとしても、単に市町村での財源の振り替えになるだけで、本当の意味での子育て支援策の充実にはつながらないと考えております。

県としましては、引き続き、市町村に頑張っていただいている事業は市町村にお願いしつつ、合わせて県独自の他の施策を展開するなどして、限られた財源の中で、子育て支援の施策が全体としてさらに充実し、子育てしやすい環境となるよう全力で取り組んでいく必要があるものと考えているところです。

 

【学力テスト】

●吉良県議 次に全国学力テストについてお聞きします。

 今議会知事提案説明の教育の充実の項で、知事は、この間「チーム学校の構築」などいくつかの施策をのべたのち、「これら一連の取り組みを発展させてまいりました結果」全国学テの小学校算数が43位から6位と大きく上昇しております。と述べています。この発言は公教育の様々な施策の目標を学テに収斂させてきたことを奇しくも示すものです。公教育は「個人の価値を尊重して」「人格の完成」を目指して行われるものです。全国学テの順位を競い合うために子どもたちは学校に毎日通っているのではありません。

全国学テの目的は「学力・学習状況を把握・分析」するもので「本調査により測定できるのは学力の特定の一部分であること、学校における教育活動の一側面に過ぎないことなどを踏まえるとともに、序列化や過度な競争につながらないように十分配慮する」と文科省自身も示しています。

◆しかし、知事の発言は、学校長や教員をして、結局は学テの順位数値で結果を出すことに、子どもたちを今まで以上に追い込むことになると危惧するものですが、知事のご所見をお聞きいたします。

 

○県知事 次に、全国学力・学習状況調査について、お尋ねがございました。

本県の子どもたちが、これからの時代を自らの力で力強く生き抜き、自らの夢に向かって羽ばたけるようにするためには、知・徳・体の調和のとれた生きる力を育んでいくことが必要となります。このうち、知の分野において確かな学力をしっかりと身に付けることは、子どもたちが、自らの夢や目的を実現していくために、大変重要であると考えております。

学力は、多面的・多角的に評価されるものであり、お話にあったこの全国学力調査だけで評価されるものではなく、他の学力調査や各種のアンケート調査、学校における日常の授業や子どもの発表などから、総合的に評価されるべきものであります。 一方で、全国学力調査は、OECDなどの国際的な学力調査の結果や課題なども考慮しつつ、学習指導要領に示された目標・内容に基づき実施されるものであって、出題される問題にあっては、これからを生きる子どもたちに必要な学力観が示された良問であると捉えております。

さらに、その結果は、客観的に全国の状況とも比較・検証できることに加え、学校での授業改善や県・市町村の施策の効果・成果を測ることにも利用することができるものであります。そのため、全国学力調査は、多様な学力評価の指標・手法の中でも、特に、有効なものであると捉えているところです。

したがって、今後とも本県の教育施策の進捗管理やさらなる改善に向けて、全国学力調査は活用されていくべきものと考えておりますが、併せて、個々の子どもたちの学力の定着状況は、先ほども申しあげましたように、全国学力調査のみをもって、把握・評価するものではなく、様々な視点を持って多面的、多角的に評価していくことが重要であるとも考えておるところです。

 

●吉良県議 ◆また、次期教育大綱では基本目標に現行大綱のように「小学校の学力は全国上位を維持し、更に上位を目指す。中学校の学力は全国平均以上に引き上げる」との序列競争を煽る目標設定はすべきでないと考えるものですが、知事にお聞きいたします。

 

○県知事 次に、次期教育大綱における目標設定のあり方について、お尋ねがございました。

高知県の教育大綱では、「学ぶ意欲にあふれ、心豊かでたくましく夢に向かって羽ばたく子どもたち」、また「郷土への愛着と誇りを持ち、高い志を掲げ、日本や高知の未来を切り拓く人材」の育成を基本理念に掲げており、そのために必要となる力を一人一人の子どもたちに育むことを大きな目標として各事業に取り組んでいます。その際には、県民の皆様とも目標を共有して、総力を挙げた取り組みとしていくためにも、具体的で客観的なわかりやすい数値目標を設定することが必要であります。

また、明確な数値目標が設定されていなければ事業実施において選択する手段やそのボリュームが定まらず、その状況で事業を実施しても十分な成果が期待できません。さらに、適正で効率的な予算の執行という面や県民の皆様への説明責任という面からも、しっかりと数値目標を立てることが必要であります。

そして、このような数値目標を設定するにあたっては、先ほども申しあげた、良問で構成され、かつ、全国比較や経年比較も可能な全国学力調査の結果を活用することが、有効であると考えるものです。

こうした理由から、これまでも全国学力調査における全国平均や全国順位を指標として、目標達成に必要な具体の取り組みを進めてきたところです。この結果、本年度、本県の小学生の学力は引き続き全国レベル以上を維持し、中学生の学力が全国の平均集団に入ってきたことは大変嬉しいことであり、学校や教員の皆様、そして各家庭の皆様のご努力、何より小中学生子どもたちのがんばり、これに敬意を表するところであります。

ただ、もとより、全国学力調査の結果のみをもって、学力の定着状況を把握しようとするものではなく、全国学力調査の結果以外から把握される様々な事柄、学習シートや単元テスト、また、授業中に作り上げた作品などを総合して、それぞれの子どもの定着状況を把握しようとされてきたものと考えております。

次期教育大綱の策定にあたっては、全体としては現教育大綱の知・徳・体の分野における基本目標の設定を踏襲しつつ、不登校の児童生徒への支援など強化すべき分野については、さらなる充実を図っていくこととしており、これらの各施策、事業について、しっかりと数値目標を設定していくことが必要になるものと考えておるところであります。

 

●吉良県議 学テの現場での弊害は何度もこの議場で取り上げてきましたが、実際、追い込んだ結果、生徒の「指導死」を招いた10年連続で学テ日本一の福井県の例を本年2月議会でも取り上げました。福井県では2017年の中学三年生の自殺を契機に、県議会が、自殺に追いやった教員の不適切な指導の背景に、学力を求めるあまり業務が多忙化し精神的ゆとりを失ったことがあったとして、本県でも実施している県版学テ等の取り組みを学校裁量に任せることなどを含む「教育行政の根本的見直しを求める意見書」を可決した例です。2月議会時に紹介できなかった福井県議会総務教育常任委員会委員長で、自民党の斎藤新緑県議のコメントを紹介します。「福井県は学力日本一ではなく学力テスト日本一です。学力テストの平均点を上げることに、どれほどの意味があるのか。『福井型教育』と言って、新たな施策をどんどん打ち出す一方でこれまでの施策を減らすことをしないため、教員の仕事は常に増え、学校現場で悲鳴が上がっています。『授業準備ができない。蓄積した疲労で授業のパフォーマンスも落ちる。』との声も届きました。尋常でない多忙化の下、教員のストレスは限界に達しています。常任委員会では、この状態を解決しない限り、同じような事件は防げないと考え、教育行政の在り方について意見をまとめました。子どもたちには問題意識をもって、多様なものの見方や考え方、生き方を学んでほしい。故郷を担う人間づくりを目標にした教育を目指すべきです。」これは、まさに本県の状況にそのまま当てはまるものではないでしょうか。

学テを利用し、競争を煽り見せかけの一時的な「学力」というものの数値を追う指導はもう限界にきていることに私たちも気付くべきです。本県では、学テを受けることを拒否する生徒・保護者も出始めています。2018年には広島県が業務改善の視点から「県独自の学力テストを休止する」と福井県に続き県版学テを取りやめの方向性を決定しています。 

◆2月議会での県版学テへの私の問いに教育長は、「学テについては、継続してやっていくというふうに考えております」と答えていますが、先に述べたように「学力・学習状況を把握・分析」するものであるなら全国学テに毎年63億円も使う必要はなく数年に一度で、そして、抽出で十分であると考えますが、あらためて教育長にお聞きします。

 

○教育長 次に、全国学力・学習状況調査について、数年に一度の抽出による実施で十分ではないか、とのお尋ねがございました。

文部科学省では、この全国学力・学習状況調査の目的は大きく3つあるとし、1つ目は、義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から、全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握・分析し、教育施策の成果と課題を検証し、その改善を図ること。2つ目は、各学校における児童生徒への教育指導や学習状況の改善等に役立てること。3つ目は そのような取り組みを通じて、教育に関する継続的な検証改善サイクルを確立することをあげています。

さらに、文部科学省において、この調査問題については、これからの社会において求められる学力を具体的な問題として示しているものとされていますので、教員はこの間題の意図などを学習し、授業改善に生かしていくことが重要となっております。

統計的なものとして、全国的な学力や学習状況の傾向や、都道府県別の傾向を把握するということであれば数年に1度の抽出による調査になるようにも思います。

しかしながら、県教育委員会としましても毎年の施策の成果を把握し、改善点を検討するためのデータとして活用しておりますし、各学校においても、それぞれで児童生徒の状況を把握し、学校ごと、学級ごとに応じた授業改善を行い、また、小学校・中学校それぞれで卒業までに身に付けておくべき学力について、児童生徒個々の状況に応じて教育指導を行うために、毎年悉皆で行っている本調査を活用しているものです。

このように学力向上に向けた検証改善サイクルを確立するためには、毎年度、全国学力・学習状況調査の実施とその結果の活用が大変有効であると考えております。

 

●吉良県議 ◆また、福井県や広島県が県版学テを現場裁量にしたり、休止したことをどう認識しているのか。また、本県の県版学テや単元テストは取りやめるべきだと思いますが、併せて教育長にお聞きいたします。

 

○教育長 次に、福井県や広島県の県版の学力調査の扱い方についての認識と、本県が独自に実施する学力定着状況調査や単元テストについて、お尋ねがございました。

文部科学省のホームページ公表資料では、平成30年度に独自の学力調査を実施している都道府県・指定都市は、小学校で46、中学校では47となっています。また、同資料では、福井県は全小・中学校で県独自の学力調査を実施し、広島県は質問紙調査を実施していることが公表されています。

いずれにしましても、それぞれの自治体には独自の教育課題があり、その解決に向けて効果的な施策が検討され、取り組みを進められており、福井県と広島県でも、それぞれの自治体の事情の中で、今回の取り組みの変更が判断されたものと認識しております。ただ、各県の事業や取り組みについても広く研究し、その良さを本県の教育施策に生かしていくことは大切なことでありますので、様々な機会を活用して情報収集や研究を行ってまいりたいと考えております。

本県独自の学力定着状況調査は平成24年度から開始し、現在は小学校4・5年生、中学校1・2年生を対象に実施しております。これは、それぞれの学年で身につけるべき学力の定着状況を1年間のスパンで調査・把握して、一人一人の子どもの強みや弱みを強化・補強した上で、次の学年へ進級させようとするものであり、併せて、この調査結果を教員や学校の授業改善に資することを大きな目的としています。

この県版学力調査を全国学力・学習状況調査と合わせて実施することによって、一人一人の子どもの学力の定着状況を経年で把握することができ、それぞれの習熟に合わせたきめ細かな学習支援が可能となり、また、授業改善サイクルの確立にもより有効に働くものと考えています。

また、単元テストは、1つの単元が終わる時点で、学習内容が十分に理解され、定着されているのかを測り、習熟度に合わせた個別学習をすすめるもので、特に積み重ねが必要な算数・数学において効果を表しています。

このような取り組みにより、授業改善や学力向上に成果もあがっておりますので、現時点においては継続が必要であると考えております。

 

【特別支援学校新設】

●吉良県議 次に、特別支援学校新設についてお聞きいたします。

丁度1年前の9月議会で私が、そして続いて12月議会で中根議員が取り上げて、教室不足など過密、過大規模化の実態を告発して、知的障害児学校を新設するよう提案を行いました。教育長は、直ちに学校現場を訪問もし、「将来を見据えた抜本的な改善、解消の方策について、具体的な対応策を検討していく」と前向きな姿勢を示されました。そしていま、「高知県における知的障害特別支援学校のあり方に関する検討委員会」が設置され検討が進められています。

検討委員会設置の目的を明示した要綱第1条は、「高知県における知的障害特別支援学校の児童生徒数の増加傾向による学校の狭隘化等の課題に対し、将来を見据えた抜本的な改善、解消の方策について検討すること」と述べています。しかしこの間の2回の検討委員会の審議経過は、その目的から離れ、目先の課題解決のみに審議を誘導しようという県教委事務局の姿が見られます。

最も重要な一つである規模の問題について、審議をこれから積み重ねて決めていく第1回検討委員会であるにもかかわらず、なんと、いきなり”山田特別支援学校校区に40~50人規模の対応が必要”と人数まで示して事務局である県教委自らが案を示す始末です。

その姿勢は2回目にさらにエスカレートします。現特別支援学校について増築は困難である、そして施設の新築については、調査の結果、高知市に適当な土地はない、あっても整備期間4~5年かかる、と否定的見解を並べ立てた一方、既存施設を活用した整備なら複数の情報がある、などと審議の方向性を特定の方向に導く意図的記述が報告という形で委員に示されています。

◆まさに県教委主導そのものです。”県教委事務局案ありき”の提案をするのであれば何も検討委員会は必要ありません。教育長は、県民に十分な審議を保障するために検討委員会に審議を諮問したのではないのですか、お聞きします。

 

○教育長 次に、検討委員会は、県民に十分な審議を保証するために審議を諮問したのではないかとの、お尋ねがありました。

高知県における知的障害特別支援学校の在り方に関する検討委員会は、知的障害特別支援学校の児童生徒数の増加傾向による学校の狭隘化等の課題に対し、将来を見据えた抜本的な改善、解消の方策について検討することを目的として、本年6月に設置をしたものです。

7月の第1回の会議では、教育委員会事務局から検討委員会に対して、議論に必要な情報として知的障害特別支援学校の現状や児童生徒数の増加要因、今後の児童生徒数の推計などを説明するとともに、それらに基づき、考えられる対応の方向性の案をお示しいたしました。

8月の第2回では、委員会から提出の要請があった資料として「これまでの対応の状況」についてご説明し、そのうえで具体的な対応策についてご意見をいただきました。

検討の大前提として、施設整備の必要性の有無及び施設整備をする場合にどの程度の規模とするかという点について、さまざまなデータから児童生徒数の推計を行い、その根拠を示しながらご説明いたしました。

本県中央部の知的障害特別支援学校の児童生徒数の推計については、「高知県まち・ひと・しごと創生総合戦略」における高知県人口の将来展望に基づいて算出しました。これには、インクルーシブ教育システムの推進等による減少要因は考慮しておりませんが、全児童生徒数における知的障害児童生徒数の割合が徐々に上昇していることから、平成30年度には0.97パーセントであったものを令和2年度以降は1.01パーセントまで上昇すると仮定して推計をしております。

その結果、県中央部の3校間で通学調整ができれば理論上現状の施設で対応できるものとなりましたが、地域性や通学の利便性を考慮すると、山田特別支援学校校区では40-50人規模の人数超過への対応が必要とし、委員の皆さまにも確認していただいたところです。

これらは、課題解決の方法を検討していただくために、根拠を明確にお示ししながら必要な情報を提示させていただいたものであり、決して事務局案ありきということではありませんし、検討委員会の議論を具体的に進めるためには、こういった情報を事務局が提示することが必要であると考えております。

今後とも、検討委員会においては、根拠をお示しして資料を提出するとともに、会議も公開し、透明性を確保しながら取り組んでまいります。

 

●吉良県議 この10年間、一貫して渦巻いていた声と願い・取り組みが大きな流れになってきています。

障害児と保護者、学校現場、医療・福祉関係者、県民が、ゆたかに学べる教育の実現をめざして高知市に小・中・高、寄宿舎のある県立の100名規模の知的障害特別支援学校をつくろう、と呼びかけています。

自立する力を付けてほしい、小学部から高等部まで、地域で手厚くみてもらえる学校がほしい、地域で障害児が大切にされ、安心して学べる教育条件を整えてほしい、寄宿舎とスクールバスは絶対必要、子どもが増え学校が過密化で教室もカームダウン室もない・少ない、等々声と願いがいっぱいです。

いま、高知市立の特別支援学校に130名の児童生徒が学び、約100人は、日高や山田の特別支援学校に通っています。子どもも保護者も学校の先生も、多忙な労働と、ますます厳しいくらしの中で、成長と発達、穏やかで幸せな日々を願っています。

第2回特別支援学校の在り方に関する検討委員会の協議の概要の末尾に「会議終了後、会長と事務局で協議し、次回検討委員会までに、知的障害特別支援学校及び各市教育委員会を対象に『特別支援学校に対するニーズ調査』をおこなうことになった。」と付記されています。手順は先に述べたように検討委員会で審議して決定したことではなく、会長と事務局が勝手に審議を経ずして決めたことは問題ですが、しかし、ニーズ、意見を聞くことは極めて重要であることは言うまでもありません。

◆今回の検討委員会の目的からいっても、保護者やこれら「学校をつくる会」のみなさん、そして誰よりも現場で奮闘する学校のみなさんと意見交換・懇談することは極めて有意義ではないでしょうか、教育長に伺います。

 

○教育長 次に、狭隘化の対応に関して、保護者や「学校をつくる会」、学校の関係者と意見交換・懇談することについて、お尋ねがございました。

検討委員会の委員には、医療や福祉の立場から、知的障害のある児童生徒やその保護者との関わりを持つ方々、保護者の代表として知的障害特別支援学校や小中学校のPTA連合会会長、関係自治体の教育長など知的障害特別支援学校に関わる方々を委嘱し、さまざまな視点から幅広く協議いただいているところです。また、県中央部の各知的障害特別支援学校長もオブザーバーとして参加しております。これまでに、教職員団体からは、6月に県教育委員会に対して、検討委員会の委員の選定や会議の持ち方に関するご要望を文書でいただきました。また、この教職員団体からは、7月には当検討委員会の委員に対して、施設整備等に関して高知市内に100名規模の小・中・高一貫した寄宿舎のある新しい学校の整備を求める提案書が送付されたこともお聞きしておりますし、8月にはこの教職員団体の方が県教育委員会事務局を直接訪問され、担当課においてお話を伺っております。

今後も、教育委員会として、いろいろな機会を通じてご意見をお聞きしてまいりますし、私といたしましても、来月から複数の職員団体や各種団体の方々と色々とお話をする機会がすでに具体的に予定されております。このような場において、この特別支援学校の整備についても、意見交換させていただくことになると考えております。

 

●吉良県議 先日県議会総務委員会が、岐阜県岐阜清流高等特別支援学校を訪問して、当該支援学校と県の特別支援教育の取り組みを視察・研修しています。「地域で学び地域で育ち地域に貢献する」を基本理念とする「子どもかがやきプラン」(平成18年策定)と改訂版(平成21年策定)にもとづいてこの間新たに8校を新設し、20の特別支援学校を整備しています。そして、子どもの増加による施設の狭隘化の解消と、社会的自立のための教育の充実が急がれていること、県も議会も厳しい財政の状況の中でも特別支援学校の整備については別問題、との認識に揺るぎはなかったと思います、との説明に同僚議員は大きな衝撃を受けたと話しています。こうした全国の先進的な取り組みに学び、検討委員会の目的にある抜本的な改善、解消への審議にも真正面から臨むべきです。

◆先の視察には、教育次長も同行していたとの事ですが、次長からの報告を受けての感想及び、山田特別支援学校の過密、過大規模化の緊急な改善はもちろんですが、関係する知的障害特別支援学校適正化等、将来を見据えた抜本的な改善、解消の方策について真摯に向かい会うべきと考えますが、教育長の御所見を伺います。

 

○教育長 最後に、岐阜県の視察の報告を受けての感想と全国の先進的な取組に学び、将来を見据えた抜本的な改善や解消の方策について検討すべきではないかとのお尋ねがございました。

岐阜県教育委員会では、特別支援学校の児童生徒数が増加し、教室数不足が深刻化した状況等を踏まえ、平成18年3月に特別支援教育の推進のために「子どものかがやきプラン」を策定し、そして、このプランに基づき「地域で学び 地域で育ち 地域に貢献する」という子どもたちの育成を目指して、各地域の特別支援教育の核となる特別支援学校8校を新

たに整備しているとのことでした。

また、その1つである岐阜清流高等特別支援学校は、平成29年度に開校した知的障害の生徒を対象とした高等部のみの特別支援学校で、1学年48人(8人×6学級)、全校生徒は137名となっております。 圏域ごとに8校の特別支援学校を計画的に整備された岐阜県の取組はたいへん興味深く、その背景や過程などについて詳しく勉強したいと思いましたし、校舎については、8校のうち、6校は統廃合となった高等学校等の空き校舎を活用しているとのことから、既存の施設を活用した効果的な取組が行われているという感想を持っております。

本県においても、山田特別支援学校の狭隘化と県中央部の知的障害特別支援学校の規模の適正化等については、早期に対応すべき重要な課題であると認識しており、検討委員会に

おいては必要なデータをお示ししながら、将来を見据えた抜本的な改善、解消の方策について、具体的な対応策を検討していただいております。

今後、さらに2回の検討委員会を実施し、11月を目途に意見のまとめをいただき、意見のまとめを基に、他県の取組も参考にしなから、本県に合ったかたちで、できるだけ早く課題解決に向けた具体的な方策を県教育委員会として決定していきたいと考えております。

 

【四万十川メガソーラー】

●吉良県議 最後に、四万十川流域へのメガソーラー建設計画についてお聞きします。

観光客からも人気が高い「佐田の沈下橋」の約1キロ上流に大規模太陽光発電所(メガソーラー)の整備が計画されています。出力3メガワットで8.3haの河川敷に太陽光パネルを約4ha設置するというものです。多様な生態系や景観を守るため大規模な造成や建造物を制限する四万十川条例を県は制定しています。2016年18年の過去2回の当該地へのソーラー計画は、同条例に基づき、水害の恐れ、景観破壊、住民の反対を理由に不許可にした経緯があります。そして2018年4月、同条例には「許可が必要な工作物」として「太陽光発電」も新たに追加されています。にもかかわらず、今回は、四万十市長が許可しそうだと感じている住民の皆さんが、四万十市、そして県に対する憤りと批判の声を大きくしています。「業者が数次にわたり県との問い合わせや協議を行っているのに訴訟をちらつかせる強硬な姿勢を示しているのは、県と市の対応に何か非があったからではないか」という疑念も起こってきています。

◆県は、四万十市並びに事業者と、どのような協議、連絡、接触を行ってきたのか、林業振興・環境部長にお聞きします。

 

○林業振興環境部長 四万十川流域のメガソーラー計画についての一連の質問にお答えいたします。

まず、県は、四万十市ならびに事業者と、どのような協議連絡、接触を行ってきたのか、とのお尋ねがございました。

今回の太陽光発電施設の建設計画に関し、条例や規則の解釈、運用について、四万十市から県に対して問い合わせや相談がございまして、随時、助言を行っているところです。

また、県の「太陽光発電施設の設置・運営等に関するガイドライン」に基づいて、地元への説明会を早期に開催するよう、事業者に対し、県から直接要請を行っております。

 

●吉良県議 知事は今月13日の記者会見で、本県が策定した太陽光ガイドラインでは、地域の関係者に対する事業内容の説明協議を行い、地元合意を得たうえで事業を進めるように求めている、と発言なさっています。しかし、9月13、14両日に開かれた佐田、三里での地元説明会は、本来主催すべき事業者が一人も来ずに四万十市が行うという、前代未聞の開催となっています。

◆知事が言う国・県の「ガイドライン」に照らすと、住民との合意を図る事を端から無視し怠っている事業者に、事業許可を出すことはあってはならないと考えるものですが、林業振興・環境部長にお聞きします。

 

○林業振興環境部長 次に、国や県のガイドラインに照らして、住民との合意を図ることを怠っている事業者に事業許可を出すことはあってはならないのではないか、とのお尋ねがございました。

国が定めている、固定価格買取制度いわゆるFITの「事業計画策定ガイドライン」では、「事業計画作成の初期段階から地域住民と適切なコミュニケーションを図るとともに、地域住民に十分配慮して事業を実施するように努めること。」が求められております。

また、本県が策定している「太陽光発電施設の設置・運用等に関するガイドライン」においても、工事の着手前までに地域の関係者に対し事業内容を説明・協議し、地域の合意を得た上で事業を進めるよう、事業者に対し求めているところでございます。

今回、太陽光発電施設の建設が計画されている場所は、過去にも反対運動が起こっている場所でありますことから、先ほどもお答えしましたように、県も四万十市とともに、早期

に地元説明会を開催するよう事業者に対し要請をしているところでございます。

事業者側は、四万十川条例の許可を受けたのちに地元説明会を開催するとの意向であり、これまで事業者による地元説明会は開催されておりません。

四万十川条例上は、地元合意は許可の要件とはなっておりませんが、四万十川は地域で暮らす方々にとっても、また県民、国民にとっても貴重な財産でありますことから、事業が地域と調和したものとなることが特に重要であると考えております。

このため、県としましては、事業者に対し、早め早めに住民説明会等を開催し、丁寧な対応を重ねて地域との合意形成を図っていただくよう、引き続き求めてまいります。

 

●吉良県議 今回の事業計画には、多くの問題点があります。県として、四万十市に対し、しっかりと助言をするためにも、以下の点について明確な答弁を林業振興・環境部長に求めます。

第一に、この事業が昭和38年8月豪雨、約13,400㎥/s(立方メートル・パー・セカンド)の水位を基準にしており、その1.19倍約16,000㎥/sの洪水が発生した昭和10年8月の水位を無視していることは問題です。近年の集中豪雨は予測を超えるものが頻発しています。また、当地は遊水地として機能を果たしてきたところでもあります。太陽光パネルや施設が流されれば、佐田の沈下橋に引っかかり被害を大きくします。さらに、パネルには有害物質を含むものもあり、下流5㎞にある水源地が汚染される危険性も発生します。四万十川下流の特産品であるアオサへの影響など、市民生活に甚大な被害を及ぼす事が予想されます。

◆当該地が河川法適用外の建設場所であるとしても、水位や遊水機能の補填や施設の流下などに関して、想定外の洪水対策を実証データとともに提示することなしに、建設を認めない姿勢を県、市とも示すべきではないかと考えますが、どう考えかお聞きします。

 

○林業振興環境部長 次に、想定外の洪水対策を実証データとともに提示することなしに、建設を認めない姿勢を示すべきではないか、とのお尋ねがございました。

今回の建設計画では、昭和38年8月洪水の際に浸水した水位を想定して、太陽光パネルの高さや、防護柵の設置などの洪水対策を講じるとお聞きしております。

こうした洪水対策について、想定する洪水の水位の設定や洪水対策の内容が充分なものとなっているかどうか、専門家の意見も付しながら、科学的な根拠を基に説明することを事業者に求めるよう県から四万十市に助言しているところでございます。

また、事業者からの説明内容の妥当性について、四万十市においても、専門家の助言も得ながら判断されるよう助言してまいります。

 

●吉良県議 ◆第二に、景観保全のため遮蔽することが必要ですが、事業者の木と竹の植樹計画で遮蔽できるのか、川の景観が保たれるのか、そもそも砂利のあった河川敷で竹や木が根付くのか、それらを担保する実証データの提出がない限り事業許可を認めるべきではないと考えるがどうか。

 

○林業振興環境部長 次に、事業者の植樹計画で遮蔽できるのか、川の景観が保たれるのか、竹や木が根付くのかといった実証データの提出がない限り、許可すべきでないのではないか、とのお尋ねがございました。

今回の建設計画では、四万十川条例施行規則に基づいて太陽光発電施設が四万十川や川沿いの道路から見えないように樹木等で遮蔽をすることが必要です。このため、まずは、事業者が、専門家の意見を付して、建設計画で予定する竹や樹木が実際に根付くことを説明する必要があると考えております。

具体的には、植栽を計画する竹や樹木について、それぞれの樹種の特性に応じた土壌改良や植栽手順、また、維持管理方法などに関し、専門家の意見を付して技術的に根付くということが可能であることを、具体的に説明するよう事業者に求めていくことを、四万十市に対し助言を行っているところでございます。

 

●吉良県議 また、改正FIT法は、事業計画と関係省庁や地方自治体からの情報提供などを基に、関係法令・条例違反等、認定基準への違反が判明した場合は、認定取消しができるとなっており、先の四万十市議会で、遮蔽ができない状態であれば発電させない、という執行部答弁もなされています。

◆県もFIT法に基づく対応姿勢はこの四万十市と同様の考え方なのかお聞きします。

 

○林業振興環境部長 次に、県もFIT法に基づく対応姿勢は、四万十市と同様の考え方であるのか、とのお尋ねがございました。

平成29年4月にいわゆるFIT法が改正され、関係法令の遵守が位置づけられ、法令違反があった場合には、関係省庁や地方自治体からの情報提供に基づき、経済産業省は事業者に対して、必要な指導及び助言を行い、改善を命じ、最終的にはFIT認定の取り消しを行うことができることとなっております。

今回、四万十川で計画されている太陽光発電施設に関しましては、四万十川条例がFIT法の関係法令に該当することとなります。

例えば、仮に発電施設の適切な遮蔽ができないなど、四万十川条例に違反する事態が生じ、四万十市が速やかな是正の指導を事業者に対して行いました場合には、県としましては、国に対し、適宜情報提供を行い、FIT法に基づき速やかに対応いただくよう、要請してまいります。

 

●吉良県議 第三に、今回の事業主は、東京都港区にある2014年設立の株式会社で、資本金300万円、従業員3人の小さな会社と聞いています。設置後に施設の流出やパネルの自然発火など問題が発生した場合、事業者が迅速かつ適切に対応できるのかはなはだ疑問です。

◆太陽光パネルの設置期間25年間、および、設置期間終了後の実効ある安全対策を担保させるべきだと考えますがどうお考えか。

 

○林業振興環境部 最後に、太陽光パネルの設置期間および設置期間終了後の実効ある安全対策を担保させるべきではないか、とのお尋ねがございました。

まず、発電施設につきましては、事業者がFITの認定を受ける際に、保守点検の責任者や、保守点検及び施設の維持管理計画と、かかる費用を算定し、提出することが求められております。

事業認定後は、自然環境や近隣への配慮を行いながら、この維持管理計画に基づいて、設備の保守、維持管理とともに災害の防止に努めていただくこととなります。

発電事業終了後につきましては、太陽光パネルなどの発電設備は、関係法令を遵守したうえで、可能な限り速やかに撤去、処分することが求められております。

その廃棄にかかる費用につきましては、FITの認定申請の際に、資金の積立計画を提出することが求められており、その積立額につきましても、毎年国に報告することが求められております。

加えて、廃棄費用の積み立てが確実に行われるように、現在、国において、新たな制度の検討もなされているところでございます。

また、災害などにより、発電施設が近隣に被害を及ぼすようなことがあった場合には、事業者が責任を持って、適切かつ誠実に対応していくことが、国のガイドラインで求められております。

県のガイドラインでは、事業者は、市町村や地域から合意内容について協定書等の書面を求められた場合には、誠実に対応することとしております。

これらのことを踏まえて、災害発生時の補償や事業者の責任の範囲、事業終了後の設備の廃棄など、地域の方々が懸念される内容につきましては、事業者に、四万十市や地域の方々と丁寧に話し合いを重ね、合意形成を図っていただくよう、要請してまいります。

また、その合意内容を協定書等の書面の形で明確に残していくことも必要であろうと考えます。

県内では、事業者と地元自治体が災害補償等に関する協定を締結した例もございますことから、こうした事例も参考にしながら、四万十市と連携して、地域の方々の懸念がなくなるような形で合意形成が図れるよう、事業者に対し、誠実な対応を求めてまいります。

 

●吉良県議 市長の許可容認姿勢に地元住民や観光業者、漁業関係者は危機感を抱き、四万十川観光遊覧船連絡協議会、四万十川中央漁協青のり組合、四万十川リバーアクティビティ連絡協議会、四万十川を後世に伝える会、四万十川の景観を大切に守りたい市民の会、四万十川ふるさとの自然を守る会など6団体は、「四万十川のイメージが悪くなる」「景観が損なわれる」「防災上も問題だ」と、不許可を求める「要望書」を市長に提出し、署名も9月18日段階で5,460筆となっています

そして、四万十市議会では9月20日、四万十川流域における大規模太陽光発電を許可しないよう求めた「陳情書」を賛成多数で採択いたしました。この議会の決定は非常に重いと言えます。

◆今回のメガソーラー建設計画について、知事の所見と対応についてお聞きいたしまして、私の第一問といたします。

 

○県知事 最後に、四万十川流域へのメガソーラー建設計画に対する所見と対応について、お尋ねがございました。

県は、四万十川の多様な生態系や景観を基礎とした流域の生活、文化及び歴史の豊かさを確保するとともに持続的な発展を目指した流域の振興を図り、四万十川を県民・国民共有の財産として、後世に引き継ぐことを目的として、四万十川条例を制定しております。

このため、四万十川流域での開発行為については、自然環境との調和、景観の保全、そして災害時の安全性の確保が大変重要だと考えております。

今回の四万十川での太陽光発電施設の建設計画につきましては、地域の方々から、洪水時に太陽光発電施設が破損したり、流出したりしないのかといった心配の声や、景観の保全のために植栽が計画されている竹や樹木が本当に根付くのかといった点について、特に懸念されているとお聞きしております。

この建設計画に対し、地域のみなさまが懸念されている洪水時の安全対策や景観との調和といった点などについて、四万十川条例に照らし合わせたうえで、四万十市が適切に許可・不許可の判断をされるよう、県としても市に対してさまざまな助言を行っているところです。

また、現段階で事業者による地元への説明会は開催されていないとお聞きしておりますことから、県として事業者に対して早期に説明会を開催し、地域のみなさまの不安を解消するよう努力を惜しまず、丁寧に対話を積み重ねていただくよう、引き続き、求めてまいります。私からは以上でございます。

 

【第2問】

●吉良議員 2問を行います。まず、学テですけれども、知事も、それから教育長も、多角的にということをおっしゃっていますけど、それは現場をしらない認識です。のみになっているんですよ。学テのみになっているんです。そのことをやはり考慮せずに、このまま突っ走っていくということは絶対に、私は許されないと思います。

 ここに学力テスト体制を問うという高知県民主教育研究所の冊子があります。これを見ますと、「学力テストの正答率が大きく下がった、その結果県教委から学校施設に来る機会が増え、『学力』向上、正答率向上の指導が頻繁に行われた。常に市町村教育長から校長に、学力調査の結果に関する話と正答率向上に向けた校内取り組みの指導が入っている。子どもたちに時代の変化に対応できる力をつけるといっているけれども調査の結果が絶対的ない『学力』のものさしとして使われるようになった。職員に余裕がなくなっている。職員の長所である個性をつぶしている。学校行事が削られ、学校がつまらない場所へと変化している。宿題も大変増えている。その中で子どもたちもテスト偏重の中で、美術、音楽などそれ以外の強化が軽視されがちになっている。学力テストが学校へ入ってから夏休みだけでなく、冬休み春休みも国語や算数の宿題が出されている。その量も多く、子どもたちにとっては、負担となっている。高知市では市教委が長期休暇の前にすべての学校がどれだけ宿題を出したかを毎回調査している。テスト結果が悪かった学校には市教委からの指導が入る。そのことで宿題が増やされる。過去問を解くことはもう当たり前になっている」…そういうね状況が、授業改善を目指すのではなく、結果をあげるために教職員だけでなく、子どもたちも振り回されているという、これが現場の実態ですよ。

 知事も教育長も、ぜひ本当にこれで私たちが求める学校現場の姿なのか、前回もいいましたけれども、「ねえ、君、不思議だと思いませんか」という寺田寅彦のような問いが学校でできるものになっているのか、ぜひ現場で教職員と一緒に膝を突き合わせて、さあどうですかと、いうことを問うてあげたいです。ぜひそういう場を、結構ですよ、それは思い込んでやっているわけですから、国も含めて、でもね、やっぱり出ていって、どうですか、先生方どうですかと、子どもたちの実態はどうですかと、喜んで学校に来ていますかということをぜひ、聞く場を持ってあげてほしいと思います。

 それを実践しているところがあるんですよ。実は3年前に高知に来た鈴木大祐さんというね、知事も多分ご存知だと思いますけれど、教育研究者。彼は土佐町で、なんと議会として町内の先生方全部といっしょになってその多忙化の問題、現場の問題、いっしょに話し合って、そして、子どもたちも先生たちもおおいに喜んでいると、やる気になっていると、自分達の声を聞いてくれると、これは議会がやっているんですよね、常任会が、やっぱり土佐町の教育委員会もそれについて評価をしていると私は思うんですね。そういう取り組みをぜひ高知県としても、県教委としてもやっていただきたい。ただし地教委が出ていって、どうしてこんなに低いんだ、もっとやれ、追加出せなんていう、こんな貧弱な指導のあり方であってはいけないと思いますね。地教委に対しても、そういう土佐町の実践なども含めて、例を示しながら、忙しいですけれども出ていって、聞くという場をぜひ、もっていただけたらと思います。

 それから、教育大綱ですけれども、順位のこともそうですけれど、非常に、私、気になるのは、学力状況調査における児童生徒の道徳性、自尊感情や夢や志、思いやり、規範意識、これを「全国平均を3ポイント以上上回るものにしなさい」というのが目標に出ているんですよ。「自分には良いところがあると思う」、思うというのを全国平均より3ポイント上げろと、「いじめはどんな理由があってもいけないことだと思う」、「人の役に立つ人間になりたいと思う」、この思いを、内面の自由をどうやって教育の現場で、指導するんですか、どう思おうとそれはそれぞれの子どもたちの状況で判断されるべきなんですよ。それを3ポイント上げろなんていう、内面の自由に踏み込むような、この大綱の目標の設定のし方というのは、ぜひ、これは是正をすべきだと思います。この2点について、知事に、そして、教育長にもお伺いしたいと思います。

 それから、四万十川の方ですけれども、時間が無いですね、県が結局出ていってぎっちりやっているわけですよ、それは市の方にそういう専門家が、なかなか人数が少なくていないということがあってね、そういうことになっているんじゃないかと思うんです。やはり、私は、市に委譲したというのが今後悔しているんですけれども、ぜひ、もう一度県の方は、日本最後の清流で大事なところですから、観光資源としてもね、もう一度県として、人員もたくさんいるし、専門家もいる県がそれを担当していくように変えていくべきだと思いますけれども、それについてもご所見をお伺いして、質問を終わります。知事にお願いします。

 

○県知事 学力テストについてはですね。真の学力というものがあって、学力テストとの関係というのは、おそらく、こういうことだと思っております。真の学力が身についているのであれば、結果として学力テストの結果というのも向上していくであろう、ということだろうと、他方で、学力テストの結果が良いから、ゆえにもってして真の学力がついたとは必ずしも言えない、そういう結果にあるんだろうと思っています。

 前々から、申し上げておりますけれど、本県の学力テストの結果が、全国平均に比べても、著しく低いという状況というのは、結果の所、本当の学力という点においても著しく低いというものがやはりその背景にあったので、学力テストの中でそういう結果があらわれてきたということであって、やはりこれは由々しき問題として、我々として、努力を傾注しなければいけないということで、取り組んできたものでありまして。

 ただ、ご指摘もありましたし、我々もそう思っていますけれど、目的とすべきは、これは間違いなく、知・徳・体も含め真の学力、これが非常に大事ということは、間違いないだろうと思います。ですから学力テストの結果だけが、自己目的化するということであっては、いけないということは、それはよくよく気を付けないといけないと思いますし、もし学力テストの結果が自己目的化しているようなことがあるのであれば、その点については、一定是正をするような取り組み、それは大事な事だろうと私も思います。

 ただですね、真の学力が身についていれば、学力テストの結果においても良い結果が出てくる、そういう中にあって、やはり真の学力の状況というものを把握するための一つの手法として、学力テストを活かすということ、このことは大事なことだと私は思っているところです。

 そして、二点目の話でありますけれども、この道徳性について、全国平均を3ポイント場引き上げるということについて、内面の自由を侵害するのかという話でありますが。これも、結果として、子どもたちにおいて、自尊感情が高まっていけば、結果として、このポイントもあがっていくということ、そういうものだろうと、そういうふうに考えていまして、逆にいうとこのポイントを上げるということを自己目的化するということは、これはたしかにあってはならないことだと思います。アンケートにおいて、良いと答えなさいと、例えば行ったりしたりする、これはもってのほかなのであって、そういうものではないだろうと思います。ただ、道徳教育をしっかり施して、それが自尊感情とかの向上につながっていったのかなと、その結果が出ているのかなということを把握するときにおいて、何も操作をしないで、子どもたちが素直に答えた、その結果をひとつ参照するということは、それは十部ありうることではないかと、私は述べさせていただいております。

 3点目、その四万十川条例の問題で、四万十川条例についてということでありますが、今後この許可基準のあり方について、県として、どう関与していくかということを様々な事例も踏まえて、検討も重ねていかないといけないと思いますが、少なくとも現行の今問題になっている事例について、新たに変更したものを遡及適用することはできませんから、四万十市において対応されることになるわけでありますけれども、しかしながら我々としても、これにたいして技術的助言などしっかり対応していきたいと、そのように考えるところです。

 

○教育長 知事からもお話がありましたように、学テの件、自己目的化ということについては、私ども、もちろんそういったことやっているわけではない、そういう形になるということは、かなり問題があるかなと思っております。そういった学テの結果によって子どもたちがどんどん追い込まれていくということであってはならないという話であって、ここらへんについては、しっかりと市町村教育委員会とも連携と言いますか、協議と言いますか、お話し合いをしていきたいと思いますし、お話にありましたように、現場の先生方の声というのは、非常に大事だと私も常々、現場に行きたいとお話もしておりますし、積極的にお話もこれからも聞かせていただくというふうに思います。それと、聞かせていただいて、教育施策に反映していきたいと思っております。

 それから、大綱につきましても、色んな生徒指導上の課題にたいして、やはり自尊心を高めていくということが一番なんだろうと、その高めていくということで色んな施策を打って、それがどういうふうに、その効果が出ているかというそこをはかるために、子どもたちのアンケートで、ここをそういう3ポイントということを指標として使っております。ここは3ポイントが目的ではなくて、その授業が、自尊心を高めていこうという授業がやっていることがちゃんと成果が出ているのか、それをどうはかるのか、というような活用ですので、指標のありかたも次回以降3ポイントを使うかどうか別にしまして、何らかの指標はしっかりと決定をしていく必要がありますので、そういったことは取り組んでいきますけれど、数値で、両方とも学テも大綱の目標についても、数値ありきということでなくて、ということで取り組んでおりますので、よろしくお願いいたします。