議会報告

【質疑項目】

・新型コロナウイルス感染症対策について

 

●岡田議員 日本共産党の岡田芳秀です。会派を代表して提出議案に対する質疑を行います。

はじめに、新型コロナウイルスで闘病中の方々に心よりお見舞いを申し上げます。一日も早いご回復をお祈りいたします。また、医療機関、介護・保育・福祉職場、物流やスーパーなどライフラインを支えている皆様、また、対策に当たっておられる皆様に敬意と感謝を申し上げます。

幸い高知県では、4月29日以降、新型コロナウイルスの新たな陽性反応が出ておりません。このまま事態が収束すればいいのですが、決して油断はできません。

昨日、全国的に緊急事態宣言が解除されましたが、あくまで小康状態だと見ておくべきだと考えます。いまやるべきは、人間の体でいえば、この間に消耗した体力を回復し、次の感染の波に備えることではないでしょうか。具体的には、検査体制の拡充、医療体制の整備、そしてダメージを受けた暮らしと営業への補償です。言い換えれば、医療・暮らし・経済の基礎体力の回復です。以上のことが土台となってこそ、今後の経済回復の施策も効果を上げることができると考えます。

今回、提案された5月補正予算案を見た場合に、どちらかといえば、国の施策に沿った形で、「今後」に重点が置かれているように見てとれます。

◆補正予算案編成の前提となる県内の新型コロナウイルス感染症の現状をどう認識されているか、経済対策の土台となる感染症への備えをもう少し重視すべきだと考えますが、知事の所見をお聞きします。

 

○県知事 岡田議員のご質問にお答えをいたします。まず、県内の新型コロナウイルス感染症の現状認識と経済対策の土台となります感染症への備えについてお尋ねがございました。

 県内の感染状況につきましては、この間、事業者の皆様、あるいは県民の皆様が一丸となって休業や不要不急の外出自粛などに取り組んでくださいました結果、現在は落ち着きをみせているものととらえております。一方こうした感染状況が落ち着いている間に、次なる感染拡大に備えまして、検査体制の充実と医療提供体制の強化に最優先で取り組んでいくということが、重要だと考えております。そのため、可及的かつ速やかに対策を講じる必要があるものについては、補正予算を専決処分させていただいております。

具体的には、PCRの検査体制をさらに強化するため、PCR装置を追加し、一日当たりの最大検査可能数を、増やすこととしております。

また、簡易陰圧化装置の整備、あるいは入院患者を受けいれるための空床補償などによりまして、入院協力機関におきます医療提供体制のいっそうの充実をはかることといたしております。

さらに提出しております今回の補正予算案には、常に感染リスクのある中で、懸命に治療等にあたっておられます医療従事者への、新型コロナウイルス感染症にかかります特殊勤務手当を支援する経費を計上いたしております。

今後も引き続き県民の皆様の健康と生活を守ることを第一に、必要な対策を躊躇なく講じてまいります。

 

●岡田議員 その上で検査と医療の強化についてお聞きします。

日本のPCR検査は他国に比べて桁違いに少なく、感染の実態が正しくつかめない、との指摘があります。全国では、PCR検査までたどり着けず、症状を悪化させた事例が多く報告をされています。厚労省は、「37.5度の熱が4日間続いたら」という相談と受診の目安を見直しましたが、すみやかに検査が実施をされ、治療が受けられるようにしなければなりません。

高知県では、PCR検査機器を当初の1台から2台に、そして今後3台に増やし、最大216検体の検査ができるようになります。しかし実際には、ピーク時でも1日91検体、ピークを過ぎた後は1日10検体前後の検査数です。

◆厚労省の当初の目安によって検査が絞り込まれたのではないか、と考えます。医師が必要と認めた場合、速やかに検査ができるようになっているのかどうか、また衛生環境研究所では検査機器がフル稼働した場合に人員の手立てはできているのかどうか、健康政策部長にお聞きをします。

 

○健康政策部長 まずPCR検査について、医師が必要と認めた場合速やかに検査ができるようになっているのか、また、衛生環境研究所の人員の手立てはできているのか、とのお尋ねがございました。

 PCR検査につきましては、これまでも、発熱の状況等に関わらず医師が診察した結果、検査が必要と判断した場合はもれなく検査をおこなう体制をとってまいりました。そのうえで、これまで一日あたり最も多く検査した件数は91件で、一方、それに対して本県の衛生環境研究所では一日あたり最大で、144件の検査が可能であり、これまでのところ、必要な検査が実施できないという事態は発生しておりません。ただ、今後、患者数が大幅に増加することもあり得ることから、衛生環境研究所に、PCR検査機器を一台追加購入することにより、一日当たりの対応可能件数を216件に強化することとしています。

 また、この間、衛生環境研究所では職員の研修を行い、人員体制の強化を進めております。当初8名でローテーションを組んで対応しておりました、現在は14名まで増やし、さらに6月中には、2名増員して16名体制とする予定です。

 その結果、機器の増設による検査能力の向上と合わせて、さらに効率的な対応が可能となる見込みです。

 

●岡田議員 ◆また、発熱をした場合の外来診療の体制や、入院先の病院や病床の確保はできているのか、健康政策部長にお聞きします。

 

○健康政策部長 次に、発熱した場合の外来診療の体制や、入院先の病院や病床の確保について、お尋ねがございました。まず新型コロナウイルスの感染が危惧される発熱があった場合の外来診療につきましては、現時点で県内の各圏域に20カ所設置している帰国者・接触者外来で行うとともに、一般の医療機関においても、協力いただいており、一定必要な診療を行う体制は確保できていると考えています。

 また、入院先の確保におきましては、今後の波に備え、これまで以上の患者数の増加にも対応できるよう本日までに全部で166床を確保しております。

 これまでの県内の患者数、入院日数等などからするとこちらも一定程度確保できていると考えています。

 加えて、新たな宿泊療養施設も確保に向けて準備もすすめておるところです。

 

●岡田議員 地域の医療現場は、新型コロナ感染症の影響で厳しい状況に置かれています。

高知保険医協会が、4月下旬に196件の医療機関におこなったアンケートでは、地域の医療現場の厳しい実情が浮き彫りになっています。経営上、外来受診者の激減で、「半年持たない」、「スタッフ不足に拍車がかかった」など厳しい声が寄せられています。防護具については、マスクは一定量供給されるようになったものの、防護服、フェイスシールドなどの不足が続いているといいます。地域の医療機関がなくなることは、地域医療の崩壊に直結します。

◆地域の病院・診療所にも防護具が早く供給されるようにしなければなりません。医療機関を対象とした、財政的支援も含めた独自の支援策も必要です。県の対応と決意を、健康政策部長にお聞きします。

 

○健康政策部長 次に防護具の早期供給や医療機関を対象とした財政的支援も含めた独自の支援策も必要ではないかとのお尋ねがございました。

まず、医療機関におきます感染防護具につきましては、これまで国、および県から医療用マスク100万枚を順次配布するとともに、病院の在庫調査に基づき、備蓄状況がひっ迫している医療機関に対しては、緊急的に配布をしています。

県としましては、4月に専決処分いたしました補正予算などを活用し、不足しているN95などの高性能マスクや医療ガウン、フェイスシールドなどを中心に、感染防護具の確保と安定供給に引き続き努めて参ります。

次に感染症指定医療機関や、入院協力医療機関、帰国者接触者外来など新型コロナ患者の診療に携わっている、医療機関に対する財政的支援につきましては、診療に必要な施設の整備にかかる費用の支援や医療従事者に対する手当の支給への支援などを行うこととしています。合わせて一般の医療機関も含めた経営上の支援につきましては、新型コロナウイルス対応資金による利子補給や保証料の減免のほか、新型コロナウイルス感染症患者の発症により、休業した医療機関が再開するために必要となる消毒費用等の補助をすることといたします。

 

●岡田議員 医療機関と合わせて、介護施設での感染を防止することも極めて重要です。介護事業所のデイサービスや訪問介護での感染防止対策を支援し、利用者の命と健康を守る介護サービスの基盤をしっかりと守ることが必要です。そのためにも、感染の疑いのある利用者への対応など、コロナ対策を介護事業所任せにせず、市町村や保健所が相談に応じる体制を作り、支援をすることが大切です。介護労働者も利用者も、感染の疑いがある場合は、必ず検査を行い、安心して介護が続けられるようにしなければなりません。

◆医療従事者、介護職員・介護サービス利用者の抗体検査や、PCR検査の必要性に対する所見を、健康政策部長にお伺いします。

 

○健康政策部長 最後に、医療従事者、介護職員、利用者の抗体検査やPCR検査の必要性についてお尋ねがございました。

 医療従事者や介護職員、またその施設の利用者のPCR検査につきましては、院内感染を防ぐとともに施設の利用者の命と健康を守るうえでも医師の診察で感染の疑いがあるとされた方の検査は、確実に実施する必要があると考えています。県ではこれまでも医師が必要と判断した場合には、もれなく検査を行う体制をとってまいりました。今後も引き続き、この体制を維持してまいります。

 他方、抗体検査や一般的には過去の感染や免疫力の有無を調べるものですが、現時点で、新型コロナウイルスに関しては、陽性であれば再感染しないということを保証する報告はございません。今後、こうした点があきらかになって臨床現場で活用できるようになれば、医療従事者や看護師、介護職員、利用者のほか多くの人にとって安心感を与えるものになると考えられますので、国の動向を注視してまいります。

 

●岡田議員 ◆また、介護施設・事業所に対してマニュアルの作成、消毒用アルコールや防護服などの優先的支給など、感染症対策をどう支援していくのか、地域福祉部長にお聞きします。

 

○地域福祉部長 介護施設等における感染症対策への支援についてお尋ねがございました。介護施設等における感染症対策につきましては、国が示している施設向けのマニュアルに基づく手洗いや手指消毒などの対応に加えて、発熱等の症状がある職員は出勤を行わないことや、緊急やむを得ない場合に面会を制限するなど感染防止対策の徹底について依頼しているところです。

 さらに、本県への緊急事態宣言の発令に伴い、デイサービスなどの事業所に対してクラスター発生リスクを軽減する観点から自宅等で過ごすことが可能な利用者については、通所利用の自粛に協力を求めていただく対応を行っていただきました。

 このような中、介護施設等では、サービスの利用を控えている方の自宅を訪問して支援を行うなど代替のサービスを含めて、適切なサービスの提供につとめていただいております。

 県では、こうした介護施設等の感染防止対策を支援するため、衛生用品の確保に努め、これまでにマスク約74万枚や消毒液を施設に配布してきました。

 また、フェイスシールドや手袋などの防護具についても必要な施設に迅速に配布できるよう県で備蓄しているところでございます。

 今後におきましても、介護施設等のご意見をお聞きしながら、感染防止対策の支援に努めてまいります。

 

●岡田議員 次に、新型コロナ感染症の影響により打撃を受けている県民の暮らしと営業への支援策についてお聞きします。

まず、「高知県休業等要請協力金」(以下、「協力金」)についてです。

高知県では、4月24日から大型連休の終わる5月6日まで、感染リスクの高いとされる、接待を伴う飲食店やカラオケボックスといった遊興施設を対象に休業要請しました。また、接待がなくても酒類を提供する飲食店などには、夜間の営業時間の短縮を求めました。

この間、県の要請に応じた中小企業と個人事業主に一律30万円の「協力金」を支給する(内訳は、県20万円、市町村10万円)ことになっています。

 ◆「協力金」の申請書類の提出期限は6月15日ですが、3100件あまりの申請があったということですけれど、これまでの審査の結果、不支給となったケースがあれば、その件数と理由について、商工労働部長にお聞きします。

そして、ご協力いただいた事業者には、速やかに支給されるよう要請します。

 

○商工労働部長 まず、休業等要請協力金の不支給の状況について、お尋ねがございました。協力金につきましては、昨日までに申請のあった3128件のうち1567件の審査を終了し、このうち18件の申請に対しまして不支給とする決定をしております。

 不支給のケースは、従来の営業時間が、17時までの喫茶店など、今回の休業または営業時間短縮の対象とならない施設からの、申請がほとんどとなっております。

 

●岡田議員 高知県は今月14日、国の「緊急事態宣言」の対象から解除されたことを受けて、県民に求めていた接待を伴う飲食店などへの出入りの自粛について、適切な感染防止策を講じている店については対象としないことを決めました。一方、営業を再開した事業者には従業員のマスク着用といった感染防止の対策を求めています。

◆5月補正予算案には、感染症対策や新サービスの展開等の新しい生活様式の実践に要する経費を支援することが盛り込まれていますが、補助対象が5者以上のグループなどに限定をされています。

一方、県の自粛要請が解除された後も、休業を続けた事業者もあり、感染リスクへの備えに取り組んでいる事業者もあります。こうした事業者も含めて、業種を問わず、事業者個々の取り組みにも支援が行き届くようにすべきと考えますが、県の考えを商工労働部長にお聞きします。

 

○商工労働部長 次に新しい生活様式の実践に要する、事業者個々の取り組みに対する支援についてお尋ねがございました。事業者各自の取り組みに対しては、国において、通常枠とは別に、特別枠を設けている小規模事業者持続化補助金やいわゆるモノづくり補助金等により、支援がなされることになっております。加えて、県内の市町村においても、個々の事業者を対象としたさまざまな支援の動きがでてきております。そのため県といたしましては、商店街や業種別の協同組合など一定のまとまりあるグループが共同して行う取り組みに対しまして、支援対象とさせていただいたところでございます。

 今後も、国や市町村独自の支援策をふまえながら、県内事業者の様々なニーズをお聞きすることで、効果的支援制度を構築してまいりたいと考えております。

 

●岡田議員 次に、「持続化給付金」についてお聞きします。

 政府(経済産業省)は、感染症拡大により、特に大きな影響を受けている事業者に対して、事業の継続を支え、再起の糧となるよう、事業全般に広く使える返済不要の給付金として、「持続化給付金」を支給します。給付額は、中小企業等は200万円、個人事業者等は100万円です。農業、漁業、製造業、飲食業、小売業、フリーランスを含む個人事業者など幅広い業種で、事業収入を得ている法人・個人が対象となります。

 ところが自分が対象かどうか、分からないという方もいます。申請する上で大きなネックになっているのは、手続きがすべて電子申請となっていることです。パソコンやスマホが使えないと申請できません。使える人でも、書き込み途中で失敗してあきらめたという人もいます。

◆国は「申請サポート会場」を県下6カ所に設けて対応していますが、県東部は安芸市だけです。県東部に増設するよう国に求める考えはないか、商工労働部長にお聞きをします。

 

○商工労働部長 最後に、持続化給付金の申請サポート会場の増設に関するお尋ねが、ございました。持続化給付金の申請サポート会場については、県内では商工会議所内のスペースをお借りしておりますことから、高知以外では、西部に4カ所、東部に1カ所のみとなっております。国では、申請サポート会場が設置されない地域には、キャラバン隊を派遣して、申請をサポートするとしておりますけれども、一時的なキャラバン隊の派遣では、十分な対応ができないことも予想されます。このため、県としましては、東部地域に限らず、県内各地に申請サポート会場が増設され、きめ細かな対応が可能となるよう国に要請をしております。

 

●岡田議員 申請書類の作成では、前年度と比較して月々の収入が減ったことを示す記入が分かりにくい、というご意見を伺います。確定申告書の提出を求められますが、白色申告、青色申告を問わず、確定申告書に収入金額の記載がされていないことのみをもって、給付決定をしないという運用がなされています。収入金額の記載がない確定申告書であっても、正当、適法なものです。収支内訳書や売上帳等で前年売上を確認する方法も採用すべきです。

◆持続化給付金の申請については、「給付に該当する中小法人・個人事業者をだれ一人取り残さない」ようにしなければなりません。国に対して、手続きの簡素化、紙媒体による申請も含めて、より柔軟な対応を求める考えはないか、知事にお聞きします。

 

○県知事 次に、いわゆる持続化給付金に関しまして、柔軟な対応を国に対し、求める考えはないかというお尋ねがございました。国の持続化給付金は、多くの事業者の事業継続を後押しし、地域経済への負の波及を食い止めるため、有効な制度であるというふうに考えております。このため県におきましては、迅速かつ確実に給付をされますよう、関係省庁、あるいは県選出の国会議員の皆様に、手続きの簡素化、あるいは、電子申請が困難な事業者の皆様への支援措置について、緊急提言を重ねてまいっております。

 今後も持続化給付金の給付状況を踏まえながら、全国知事会とも連携をはかりながら、必要な提言を行ってまいる考えであります。

 

●岡田議員 「持続化給付金」は、前年同月比の売上50%以上減が要件となっています。しかし40%減でも、30%減でも経営が苦しいことに変わりはありません。

◆県として、50%未満の売り上げ減少率であっても、感染症の影響を受けている事業者を対象とする、県独自の給付金を創設し、支援対象を拡大する考えはないか、知事にお聞きをいたします。

 

○県知事 次に、現在の持続化給付金の対象とならない事業者に対します、県独自の給付金の創設についてどうかというお尋ねがとございました。

 県におきましては、持続化給付金の拡充に向けまして、手続きの簡素化などに加えまして、売り上げの減少要件の緩和、あるいは開業間もない方への対応など、事業規模に応じた給付を緊急提言したところであります。

 そうした中で、今回の2次補正の中で、開業間もない方への対応ですとか、フリーランスの方々への対応、こういったものについては、一定措置が取られる方向であるというふうに承知をいたしてります。一方で、高知市をはじめます県内複数の市町村におきまして、国の持続化給付金の対象とならない売り上げ減少率が、相対的に低い事業者の方々に対する、独自の支援制度の創設も検討されたり、発表されたりといった状況にございます。

 県といたしましては、そうした動きも見据えました上で、この新型コロナウイルスの影響で売り上げが減少いたしました事業者に対しまして、現状に加えまして、さらにどのような支援が必要かということにつきまして、幅広く検討してまいりたいと考えてございます。

 

●岡田議員 次に、県内学生への支援についてお聞きします。

 日本民主青年同盟高知県委員会が取り組んだ県内学生の実態調査によれば、感染症の影響でアルバイト収入が減るなどして学費・生活費負担がひっ迫し、また精神的にも不安定な状態に追い込まれていることが浮き彫りになっています。コロナ禍によって一人の学生も学業を断念してしまうことがないようにしなければなりません。

 ◆早急に大学や専門学校の協力のもと学生の生活実態を把握するよう県に求めます。県内の大学や専門学校が学費減免や学生への給付金の支給などを実施できるよう、県の支援が必要と考えますが、知事に所見をお聞きいたします。

 

○県知事 次に、大学や専門学校が学費減免などを実施できるようにするための県の支援について、お尋ねがございました。

 県内の大学や専門学校では、本年4月からの高等教育の修学支援新制度の活用でございますとか、大学独自の取り組みなどによりまして、経済的に厳しい環境にある学生を支援いたしておると承知しております。また、国に置かれましては、すでに創設されました、学生支援緊急給付金の制度に加えまして、各大学などが独自に実施いたします授業料の減免制度への助成について、検討されておりまして、この2次補正予算の中で、方向が出されるということだと承知をしております。

県といたしましては、県内の大学や専門学校にご協力をいただきまして、学生の生活実態、あるいは支援の状況などについて、各大学などで把握をされている内容を集約することとしております。その結果、ならびに今後の支援策の動向も踏まえまして、さらなる国への提言も含めまして、必要な取り組みを検討いたしたいと考えております。

 

●岡田議員 政府は学生支援策を決めましたが、給付金の支給対象となる学生は約1割にすぎません。困っている学生はもっと多くいます。現金給付だけでなく、学費の引き下げや延納、家賃補助など、必要な学生に行き届く支援策を政府に強く求めていただくよう、知事に要望いたします。

 

●岡田議員 次に、県立学校の再開についてお聞きします。

◆すべての県立中学・高校、特別支援学校が昨日再開をされました。生徒の健康を守り、学習環境を整え、教職員の健康を守ること、保健室等の必要な対策や非接触型体温計の配備など、新型コロナウイルス感染症にどういう対策をとっているのか、教育長職務代理者にお聞きをします。

 

○教育長職務代理者 県立学校における新型コロナウイルス感染症に対する対策について、お尋ねがございました。県内での新型コロナウイルスの感染状況が落ち着いてきたことなどから、県立学校では、5月25日からすべての学校を再開しています。

 学校再開に際しては、文部科学省の通知等に基づく様々な感染予防対策に取り組んでいます。具体的には、養護教諭を中心とした感染予防体制を整え、児童生徒や教職員の健康状態の把握、手洗いやマスク着用の指導、手でよく触る場所の消毒や換気など全体で可能な限り、感染リスクを下げる取り組みを徹底し、学習環境を整備しています。

 また、マスクや消毒液、非接触型体温計につきましては、各学校の規模に合わせた必要数を国の制度を活用して、全校に整備することとしています。

特別支援学校では、スクールバスでの「三密」状態の緩和をはかるため、スクールバスを増便するなど乗車人数の調整を行っております。また、障害の状態や特性に応じた感染症予防対策が必要なことから、例えばマスクの着用では、相手の口の動きが、見えないとコミュニケーションがとりづらい高知ろう学校の児童生徒に対して、教職員が、フェイスシールドを着用するなど、様々な工夫を行っています。今後再び、感染の流行も懸念されることから、学校医など専門家と連携し、各学校における新型コロナウイルス感染症への対策を徹底してまいります。

さらに、児童生徒が感染症を理解し、感染リスクを認識したうえで、自らの健康を守ることが重要となりますことから、新しい生活様式で示された一人ひとりの基本的感染対策、日常生活を営む上での基本的生活様式など実践できるよう学校においても、指導してまいります。

 

●岡田議員 最後に、いわゆる出口戦略についてです。

新型コロナウイルス感染症の次の波に備えつつ、高知の経済回復をどう図るか。まず県内の経済活動を回復させつつ、全国へ働きかけることになると考えます。先ずは足元を固めることが大事です。全国的な感染収束には、ワクチンができるまでもう少し様子を見なければならないという指摘もあります。

◆その際、コロナ感染症対策との関係で、文化・スポーツなどのイベント開催に、どういう基準を設けて、どう取り組んでいくのか、文化生活スポーツ部長に考えをお聞きをいたします。

 

○文化生活・スポーツ部長 文化やスポーツなどのイベントとの開催の基準と取り組みについて、お尋ねがございました。

 本県では、県民の皆様に対しまして、今月末までの間、50人以上のイベントなどの開催・参加の自粛をお願いしているところです。来月以降のイベントなどにつきましては、昨日変更されました国の基本的対処方針を踏まえ、県の新型コロナウイルス感染症対策本部において、県内の感染症状況などに応じた対応方針を検討しております。

 また、イベントの開催にあたりましては、引き続き待合場所などにおける密集の回避、手指の消毒、マスクの着用、室内の換気など、適切な感染防止策を実施していただくよう、お願いしてまいります。

 

●岡田議員 ◆「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」の交付限度額が示されました。高知県は約53億円です。長期的な対策が必要であり、国に対して、増額を求める考えはないか。知事にお聞きをしまして、第一問とします。

 

○県知事 最後に、国に対しまして、地方創生の臨時交付金の増額を求めることについて、お尋ねがございました。本件独自の制度融資にかかります財政負担でございますとか、今後のさらなる感染症対策、あるいは経済影響対策の財政需要といったことから考えますと、第一次配分のございました交付金の額では本県においても全く足りていないという状況でございます。

 そのため、これまで、全国知事会とも連携をいたしまして、国に対して臨時交付金の飛躍的な増額といった提言を重ねてまいったところでございます。そうした結果もございまして、昨日安倍総理が記者会見の中で、この臨時交付金の2兆円の積み増しという方針を発表されました。この点は私としても非常に評価できるというふうに考えております。今後は、総額は確保の見通しがたったわけでございますが、各団体の配分の問題がございます。本件のように財政力の弱い団体におきましても、様々な必要な対策を講ずることができるように、配慮をもとめて、関係の方面に働きかけを続けてまいりたいと考えております。

 私からは以上であります。

 

●岡田県議 それぞれご答弁いただきまして、ありがとうございます。検査についてですけれども、日本医師会が5月13日付の報告書で、PCR検査は医療と社会経済を維持するための社会的基盤と認識をすべきだという提言をされております。医療と社会経済を維持するための社会的基盤ということで、検査の重要性を指摘されています。

 感染の全体像をつかむうえでも、あるいはリスク管理の上でも検査が非常に大事だと、言うふうに思います。状況が落ち着いている今こそ、第二波に備えて検査体制、そして、医療体制の整備と機能の強化を図っていくことが大切だと思います。先ほど病床確保で166床確保されているとご答弁ありましたけれども、厚生労働省が示した計算式により算出されたピーク時の一日当たりの患者数、これと比べるとやはりまだ足りないというふうに認識をします。そういう点でも一定の手立てが、なお必要だというふうに思います。

 また、暮らしと営業に対する補償については、協力金や給付金が早く手元に届くようにしなければなりません。業務に当たっている皆さん大変だと思いますけれども、暮らしも営業も待ったなしの状態です。スピード感をもって取り組んでいただくようになお要請をさせていただきます。

 また、学生の5人に一人が退学を検討するという非常に衝撃的な報道もありましたけれど、希望をもって頑張っておられる学生の皆さんが学業を断念することがないように、引き続きのご支援をよろしくお願いをいたします。

 そして、今回の支援策からもれた、のらない個人事業者等もあります。高知新聞でも、体験型観光事業者へ支援が届いていないというような報道もありましたけれども、業種や業態によっては、影響の現れ方もいろいろ変わってくると思います。一定長期にわたる経済的影響を前提とした事業と生活の支援がなお必要だというふうに思います。

 国の動向も見ながら、県としてできる限りの支援策を引き続き県として取り組んでいただきますように、要請をしまして、そして私たちも県民の皆様のご要望に、お応えできるように頑張る決意を申し上げまして、質疑を終わります。