議会報告

【質問項目】

1、 知事の政治姿勢(公助の役割、エッセンシャルワーカーの処遇改善など)

2、 新型コロナウイルス感染症対策(社会的検査、感染防止策、学生支援など)

3、 農業政策(種子条例、種苗法「改正」、ほ場整備など)                      

 

【知事の政治姿勢について】

●岡田議員 日本共産党の岡田芳秀です。冒頭、新型コロナウイルス感染症によって亡くなられた方々に心からの哀悼の意を表します。また、闘病中の方々にお見舞いを申し上げますとともに、一日も早いご回復をお祈りいたします。そしてまた、医療従事者をはじめ、コロナ危機のもと献身的に奮闘されている方々に敬意と感謝を申し上げます。

それでは通告に従い、会派を代表して質問を行います。

はじめに、知事の政治姿勢について伺います。

安倍首相の突然の辞任により、安倍政権を7年8カ月以上官房長官として支えてきた菅氏を首相とする内閣が発足をいたしました。

菅首相は、16日夜の就任会見で「安倍政権が進めてきた取り組みをしっかり継承する」と強調するとともに、「私が目指す社会像、それは、自助・共助・公助、そして絆であります。まずは自分でやってみる。そして家族、地域でお互いに助け合う。その上で政府がセーフティーネットでお守りをする。」とこう主張しました。

しかし、安倍政治のもとで国民の暮らしは苦しさを増しています。二度の消費税増税や医療・介護などの負担増、そして異次元の金融緩和の名で、日銀による国債の大量購入、あろうことか株式まで大量に購入するという禁じ手により、円安・株高を作り出し、一部の大企業と超富裕層は潤いましたが、実質賃金、可処分所得は低下をし続けています。その上に、収束の見通しがたたない新型コロナウイルスの感染拡大の中で、国民に「自助」や「自己責任」を迫ることは、政治の役割を放棄するものだといわなければなりません。

この主張は、憲法の規定にも反するものです。憲法第25条は「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」と国民の生存権を明記し、そのために国がなすべき責務を規定しています。まさに政治の役割は「公助」を充実させることにあります。

自身もコロナに感染し、一時は集中治療室に入った英国のジョンソン首相が、「コロナウイルスは『社会というものがまさに存在する』ことを証明した」「われわれの国民保健サービスを守れ」と発言したことが、世界で驚きをもって受け止められました。新自由主義、「小さな政府」と自己責任押しつけの元祖――同じイギリス保守党党首だったサッチャー元首相の「社会なんていうものは存在しない」「自分の面倒は自分で見てくれなければ困るのです」と言い放った言明を、真っ向から否定したからです。

ヨーロッパでは、死者の急拡大を受けて4月13日、イタリアのミラノ、オランダのアムステルダム、スペインのバルセロナ、フランスのパリ――4都市の市長が共同アピールを発表しています。この間の政策が「公共サービスを脆弱にし、経済成長を遅らせ、社会的な不平等をつくりだしました。われわれは今でもその代償を払い続けています」と述べ、「われわれは失敗に終わった処方箋に戻ってはなりません」「われわれは連帯と協力の原則が圧倒的に広がるよう要求します」と訴えています。

このようにコロナ危機を経験して、世界各地で新自由主義への深刻な反省が語られています。

◆そこでまず憲法25条がいう国の役割の意義、「公助」を充実させるところに政治の役割があるという認識について、知事の所見をお聞きします。

 

○県知事 岡田議員の御質問にお答えをいたします。

 まず、憲法第2 5条に規定する国の役割の意義などについて、お尋ねがございました。

憲法第25条に基づきまして、国は、「すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」ということは、これは憲法の条文にも明記をされているところで論を俟たないところでございます。

一方で、平成2 5年に、作成をされました社会保障制度改革国民会議の報告書におきまして、日本の社会保障制度は、自助、共助、公助の最適な組み合わせに留意して形成すべきというふうにされています。これは、まずは「自助を基本としながら、 「共助」が自助を支え、それらで対応できない困窮などの状況については、「公助」が補完をするという仕組みを表したものであると考えております。

国の責務として、「公助」は当然ながら重要な要素になりますけれど、この「自助」「共助」を支援していくということも、公の役割ではないかというふうに考えております。

 

●岡田議員 新型コロナウイルスの大流行は、世界と日本の社会の脆弱さ、矛盾を炙り出しました。それは新自由主義の破たんが明らかになったということです。すべてを市場原理にゆだね、あらゆる規制を取り払い、資本の目先の利潤を最大化していく。社会保障をはじめ、公的サービスを切り捨て、商品化し、自己責任を押しつける。これが、社会全体をもろく弱いものにしてしまいました。

日本でも、1980年代以降、新自由主義の路線が、社会のあらゆる分野から「ゆとり」を奪ってきました。そこに今回のコロナ危機です。

感染が急速に拡大した4月から5月、首都圏や近畿の大都市圏などで病床が逼迫(ひっぱく)し、「医療崩壊の瀬戸際」という現場からの訴えが相次ぎました。深刻なことは、5月10日時点の日本国内の感染者は約1万5千人で、フランスやドイツの10分の1、イタリアやスペインの15分の1ほどだったにもかかわらず、「医療崩壊の瀬戸際」の危機的事態が生じたことです。

 日本のICU(集中治療室)は、人口10万人あたり5床にすぎず、ドイツの6分の1、イタリアの半分以下です。医師数は、人口1000人あたり2.4人で、OECD加盟36カ国中32位、OECDの平均からみると14万人の医師が足らない水準です。

全国1481の病院が加入する全国公私病院連盟の邉見公雄(へんみ・きみお)会長は、「しんぶん赤旗」のインタビュー(5月3日付)で、次のように述べています。

「本来、医療には緊急時のための“余裕”がないといけません。しかし国は、『効率至上主義』で、病院のベッドを常に入院患者でいっぱいにしないといかんような診療報酬にしてしまいました。」「特に国は“自治体病院に投入している税金は無駄だ”みたいなことばかり言って、地域医療構想などで自治体病院をさらに減らそうとしています。こういう緊急時になると『頑張れ』と言いますが、いつも手足をくくられて仕事をしているような状況です。国の効率至上主義のもとで医師の総数は足りないままです。国が感染症対策を軽視してきたため、感染症を治療する診療科の医師や専門家も減っています。すべてが今回の新型コロナの問題につながっています」と話しています。

保健所の深刻な疲弊も、新自由主義によるリストラが招いたものです。1990年代の地域保健法による「業務効率化」や、2000年代の「地方分権改革」による国の責任後退のもとで、全国の保健所数は1990年の850カ所から、2019年には472カ所へと激減しています。

高知県でも2003年までは県内に10カ所の保健所がありましたが、現在は福祉事務所と統合した県の「福祉保健所」5カ所と中核市である高知市の1ヵ所の合計6ヵ所となっています。

◆医療から”余裕”を奪ってきた国の効率至上主義の医療政策をどう受け止めているか、そして保健所の充実・強化にどうとりくむのか、知事に伺います。

 

○県知事 次に、国の医療政策への受け止めと、保健所の充実・強化についてのお尋ねがございました。

現在国は、いわゆる団塊ジュニア世代が高齢者となります2040年を見据えまして、全世代型社会保障改革の検討を進めております。地域医療構想の推進や医師の偏在対策、医師等の働き方改革など、 医療提供体制の改革にも取り組んでいるところであります。

こうした取り組みは、国民に必要な医療サービスをしっかり提供するということを前提といたしまして、経済・財政的にも持続可能な体制を構築するということを目指して進められていると考えておりまして、単に効率性のみに主眼を置いたようなものではないというふうに認識をしております。

また、住民に身近な保健福祉サービスの実施主体が市町村に権限移譲されていくという中で、県の保健所は、専門的・広域的なサービスを提供できる拠点として再編をするという考え方で対応をしてまいりました。その結果、ご指摘ございましたけれども、かつて県内に1 0ありました保健所につきましては、今の5つの福祉保健所及び高知市保健所にいま集約をされた形となっているところであります。

保健所の充実・強化につきましては、まずは、当面の新型コロナウイルス対策といたしまして、引き続き、福祉保健所内での体制の整備、あるいは本庁と福祉保健所間の応援体制等に取り組んでまいります。

その上で、今後の感染拡大の状況によりましては健康政策部以外の部局の保健師等の活用などもはかっていくつもりであります。

一方、中長期的な充実・強化の在り方に関しましては、新型コロナウイルス感染症が終息をいたしました段階で、一連の感染症対応を検証する中で、保健所機能のあり方についても検討してまいる考えであります。

 

◆また、コロナ禍によって急きょ医療体制の拡充が必要となりましたが、今後も発生しうる感染症を想定して県の地域医療構想の拡充をはかる必要があるのではないか、いまの構想で十分な対応ができるのかどうか、あわせて知事に伺います。

 

○県知事 次に、県の地域医療構想の拡充の必要性と、今の構想での対応についてお尋ねがございました。

今回の新型コロナウイルス感染症への対応につきましては、 現行の地域医療構想を前提としながら、検査体制の充実あるいは入院病床の確保に努めてまいったところであります。

他方、国の社会保障審議会医療部会におきまして、新型コロナウイルス感染症への対応を踏まえた今後の医療提供体制について、議論が始まっております。

その議論の動向によりましては、地域医療構想についての国の考え方が変更される可能性もあるわけでございます。ただ、現行の、大きく申しまして、急性期から回復期への病床のシフトといった地域医療構想の大きな方向性そのものは変わらずに、引き続き取り組んで行く必要があるのではないかというふうに考えております。

県といたしましては、国の議論の動向に注視をしてまいりますけれども、こういった中では、例えば、感染症の対応も念頭に、一定の見直しが要請をされるという場面もあり得ようかと思いますので、こうした要請がございましたら、この県の地域医療構想の内容の見直しについて、検討してまいりたいと考えております。

 

●岡田議員 新型コロナ危機は、人間は一人では生きていけない、他者によるケアなしには尊厳ある生活は保障されないということを明らかにしました。にもかかわらず、日本では、医療、介護、障害福祉、保育など、ケア労働、すなわち命を守る仕事が重視されず、粗末に扱われています。

医療従事者には平素からきわめて過酷な長時間労働が強いられています。介護・障害福祉・保育では、労働者平均より月10万円も賃金が低く、低賃金による「人手不足」が深刻です。「医療や介護従事者などに感謝する」と言うのであれば、こういう現状こそあらためなければならないと思います。国全体でみても、日本の社会支出は、対GDP比22.7%で、ドイツの27.0%やスウェーデンの26.7%の8割、フランスの32.2%の7割の水準にあります。

◆こうした貧しい現状を改め、介護、福祉、保育分野の抜本的な処遇改善を図るなど、命と尊厳を守るケアに手厚い社会をつくることが必要ではないか、知事にお聞きします。

 

○県知事 (途中で介護、福祉、保育分野の処遇改善について、ご答弁を失念しておりましたので、お答えをさせていただきます。)介護、福祉、保育分野の処遇改善について、お尋ねがございました。

介護・福祉職員、保育士等の処遇改善につきましては、これまで国におきまして、介護報酬等の加算が充実されるなどの支援策が講じられてまいりました。

こうした中で、国の賃金構造基本統計調査によりますと、介護・福祉職員の令和元年の一月当たりの給与は、加算措置が設けられた平成21年から3万5千円の増加となっております。また、保育士につきましても、加算措置が設けられた平成25年から比較いたしますと4万5千円の増加となっているということでございます。

このように、これまでの取組によりまして介護職員等の処遇改善は一定進んできているものと考えております。

こうした処遇改善に加えまして、県といたしましても、 ICTの導入によります業務の効率化、あるいはノーリフティングケアの推進によります負担軽減などに取り組んでまいりました。

介護・福祉職員や保育士等は、利用者やそのご家族の生活を支えるうえで、無くてはならない存在であります。その役割を正しく評価し、処遇に反映することが必要だと考えているところであります。今後におきましても、現場の状況もお聞きしながら、さらなる処遇改善について、国に提言をしてまいります。

 

【新型コロナウイルス感染症対策について】 

●岡田議員 次に、新型コロナウイルス感染症対策について伺います。

アメリカのジョンズ・ホプキンス大学の集計によると、9月29日時点で世界の新型コロナウイルス感染者が累計で3,300万人を突破し、死者は100万人を超えました。世界では、いまだにところを変えて感染が広がっています。

日本では、7月、8月と東京、大阪など大都市圏や沖縄などで感染の第2波が生じました。

本県では、4月末以降、2カ月余り落ち着いていましたが、7月12日にまた陽性反応が出て、その後も度々、感染が確認されています。8月には高知市春野町の障害者支援施設でクラスターが発生し、高知医療センターでは職員が感染しました。また、高知市内の複数の小学校での感染もありました。感染防御のために相当な努力をしていても防ぎきれないというのが、厄介なところです。

児玉龍彦東大先端研がん代謝プロジェクトリーダーは、新型コロナウイルスの特徴は、ウイルスが世界を巡ってどんどん変異をし、進化をしており、無症状の人からも感染が広がる、より少ないウイルスでも感染をする、しつこいウイルスになっていることが特徴だといいます。したがって、症状が出た人への対応だけでは不十分で、街中の無症状の人の中で感染者を見つけ出し、保護し、治療することが大切です。

児玉氏は、感染の集積地(エピセンター)と、その周辺と、未集積地に分けて、それぞれの地域にそれぞれの対応をすることが重要だと指摘をします。

感染の集積地には外から医療資源を投入し抑え込む、網羅的なPCR検査をして無症状の感染者を見つけ出し、隔離、治療をする。その周辺地域は、世田谷モデルといわれるような、保健所、医師会の検査数を増やす、学校や保育所、介護施設など人に接するエッセンシャルワーカーの事務所を繰り返し検査をする、繁華街や劇場などでは一人ひとりの希望に応じた検査をする、そしてそれを支える社会のシステムをつくる。そして感染者の少ない地域では、学校、会社、病院、地域などで、症状のある人がいる場合はPCR検査・抗原検査、抗体検査を行う、症状のある人がいない場合は、健康診断のときに抗体検査をして、どういうところに感染された人が多いかを見て、その感染者が多いところでPCR検査をやっていくのが合理的だといいます。

いま求められているのは、こうした識者の知見も含めて検討し、効果的な対策を講じることです。私たちはそのために国会での徹底論議を求めています。

科学を尊重し、国民に信頼される政治をつくることが大切です。安倍前首相は、全国一律休校要請、「アベノマスク」など、科学的知見を無視した思い付きのような対応で、混乱と不信を招きました。

経済効率のみを優先する新自由主義の政治から、人間のケア、雇用、教育、食料、エネルギー、文化・芸術など、人間が生きていくために必要不可欠なものを優先する政治に切りかえていかなければならないと考えます。自己責任の押し付けでなく、人々が支え合う社会をつくることは、感染症やさまざまな自然災害に強い日本をつくることにもなります。

感染拡大、自粛要請、自粛解除、そしてまた感染拡大という、悪循環から脱出するためには、感染の実態を把握し、隔離、治療を徹底することが不可欠です。

そのためには、保健所の行政検査だけでなく、もっと広く社会的検査を行うことが必要です。日本の検査機器には大量の検査ができるものもあります。エッセンシャルワーカーの事務所や地域での社会的検査(PCR検査・抗原検査、抗体検査)は、財政力のある事務所が独自に行っている例はありますが、やはり国が方針を持ち、財政的支援を行わなければできません。

8月19日の衆議院厚生労働委員会で、わが党の宮本徹議員が重症化リスクの高い人が多くいる医療機関・介護施設等で働く人への定期検査を国の検査戦略に位置付け、行政検査として行えるよう求めたのに対し、加藤勝信前厚労相は、感染を未然に防ぐことは重要だと述べ、施設内で陽性者が発見された場合だけでなく周辺地域の感染状況をふまえ、医療従事者、入所者などに必要な検査を行うように徹底したいと答弁しています。

世田谷区では、発熱の有無にかかわらず、区内すべての介護施設や保育所・幼稚園の職員らを対象に、新型コロナウイルスのPCR検査を行うことにしています。保坂展人(のぶと)区長は、「感染しても無症状な方を特定してクラスター化を防止し、地域全体の感染を防ぎたい」と話しています。

また、検査には、多くの検体をまとめて一度に検査する「プール方式」もあります。

◆世田谷区の先進的な取り組みをどう受け止めているか、本県における学校や保育所、介護施設など人に接するエッセンシャルワーカーの社会的検査の必要性、国の財政支援の必要性について、健康政策部長にお聞きします。

 

○健康政策部長 まず、新型コロナウイルスの検査に関する世田谷区の取り組みへの受け止め、またエッセンシャルワーカーに対する社会的検査の必要性や財政支援の必要性について、お尋ねがございました。

世田谷区の取り組みは、区内で日々新たな感染者が出ているという状況などを踏まえ、介護事業所や障害者施設等で働く職員等を対象として、公費による社会的検査を行おうとするものと確認しています。

これは、感染者が増加している世田谷という地域において、介護事業所等を利用している高齢者等の重症化を避け、また、施設でのクラスター発生を抑制しようとする、意欲的な取り組みだと受け止めています。

他方、本県においては、これまでも、学校や福祉施設等で感染者が出た場合には、濃厚接触者に該当しない児童生徒や利用者、職員などにも幅広くPCR検査を行ってまいりました。 

そうした中、去る9月1 5日に新型コロナウイルス感染症に関する検査体制の拡充に向けた新たな指針が国から示され、その中で、「感染者が多数発生している地域やクラスターが 発生している地域においては、その期間、医療機関、高齢者 施設等に勤務する者、入院・入所者全員を対象に、いわば一斉・定期的な検査の実施を行うようお願いしたい」との要請 がありました。

県としましては、感染の広がりがない地域で予防的な検査を行うのではなく、この国からの指針で示されたとおり、感染者が多数発生している地域などで、公費負担のある形でエッセンシャルワーカーを含め幅広に検査を行うことが適当だと考えています。

 

●岡田議員 また、冬場に向けた備えが大切です。季節性インフルエンザとのダブルで新型コロナウイルス感染症が広がる可能性があります。患者さんにとっては新型コロナかインフルかの見分けがつきません。何らかの自覚症状があって検査を受けに行こうと思ったとき、身近な医療機関で、ワンストップで検査が受けられるようにしておくことが大切です。その点で、症状のある人が電話で予約したうえで診察を受けPCR検査を受けられる「検査協力医療機関」のリストが公表されたことは、検体を県外に送ると結果が出るまでに数日かかるなどの課題は残るものの検査体制の拡充となるものであり、関係者のご努力と多くの医療機関のご協力に敬意を表します。

◆また、県が、インフルエンザの予防接種が無料で受けられるようにすることを評価いたします。そのうえで、病床確保、医療機器、医療スタッフの確保など、やはり心配な冬場に向けてどう備えるのか、健康政策部長にお聞きします。

 

○健康政策部長 次に、冬場に向けた病床や医療機器、医療スタッフの確保についてお尋ねがございました。

インフルエンザの流行時期とも重なる冬場に向けて、新型コロナウイルス感染症の再拡大が懸念されますが、これまでの県内での流行状況からみて、当面、現行の確保病床192床 プラス宿泊療養施設で対応可能と考えています。

また、それぞれの入院医療機関においては、必要な医療従事者の確保もしていただいています。なお、今後の季節性インフルエンザの流行状況や、感染症法上の新型コロナウイルス感染症の位置付けの見直しの動きなどを注視し、病床の確保数については必要に応じて見直しを検討いたします。

医療機器につきましては、本県の入院医療機関における稼働可能な人工呼吸器は、補正予算等により新たに整備したものを含め135台あり、病床確保計画に応じた十分な数が確保 されています。膜型人工肺装置いわゆるエクモにつきましても、必要に応じて、機器や医療従事者を医療センターに集約してより多くの重症患者に対応できるよう、関係医療機関と協定を締結しているところです。

今後も、状況を見極めながら早め早めの対策を心がけ、季節性インフルエンザとの同時流行に備えた体制を確保してまいります。

 

●岡田議員 新型コロナウイルスの危険度は、感染症法で5段階の上から2番目にランクされ、感染者は公費負担で入院しています。ところが、政府は、感染者の8割を占める無症状者、軽症者を入院させると医療機関や保健所の業務を圧迫するなどとして、無症状者や軽症者には入院勧告をしないという方針で新型コロナウイルス感染症法上の運用を見直そうとしています。

◆知事は、9月3日の記者会見で、この政府方針に対して、「入院、検査に自己負担が必要になり、感染防止対策、治療の態勢に支障を生じる懸念はぬぐえない」として慎重な検討を求めました。政府にたいする具体的な働きかけが必要だと思いますが、知事の考えをお聞かせください。

 

○県知事 次に、新型コロナウイルスの感染症法上の運用を見直そうとする政府方針に対しての対応につきまして、お尋ねがございました。

新型コロナウイルスにつきまして、感染症法上の運用が見直しをされることによりまして、仮に入院治療や検査の公費負担がなくなってしまうという場合には、経済的理由から 入院や検査に協力しない方が生じてしまうのではないかという懸念がございます。結果として、感染拡大防止対策に支障をきたすのではないかとの懸念があるわけでございます。

この点を踏まえまして、今月26日の全国知事会議におきまして、地域によりまして感染状況や医療提供体制等が異なる実態に即しました慎重な検討を行うように国に求める緊急提言を取りまとめたところです。

一方で、これと入れ違いの形になりますが、2 5日に開催をされました国の感染症部会におきましては、ひとつは入院措置の対象を高齢者や基礎疾患を有する等の重症化リスクのある者などに絞り込むという点は、掲げながら、片方で併せまして、都道府県知事等が入院を必要と認める者については、合理的かつ柔軟に入院措置ができるようにするというような見直しの方向性が示されました。

今回、先ほど申し上げました後段によりまして、知事の判断によりまして、入院措置ができるという枠組みは維持する方向が示されましたので、当初の懸念は解消されたと考えておりますが、引き続き、国によります具体的な制度改正の内容を注視してまいりたいと考えております。

 

●岡田議員 県が創設した「高知県中小企業新型コロナウイルス感染症対策事業費補助金」は、7月14日に募集を開始後、募集期間9月30日までよりひと月以上も早く8月26日をもって受付終了となりました。この事業は、「新しい生活様式に対応した事業活動の再開や、従業員の方々や来客、利用者をはじめとする県民の安全・安心を確保するため」の感染防止対策を支援するものです。ウイルスを除去する空気清浄機の購入費用やエアコン工事、飛沫防止アクリル板等の設置に係る工事費用などが対象となっています。

◆新しい生活様式が推奨されており、その対策のために多くの申請があったことは喜ばしいことです。予算を確保し、補助事業を継続すべきだと考えますが、商工労働部長の考えをお聞きします。

 

○商工労働部長 中小企業新型コロナウイルス感染症対策事業費補助金について、お尋ねがございました。

本補助金につきましては、6月議会において3億7500万円の補正予算をお認め頂き、議会終了後ただちに受付を開始したところ、想定を大きく上回る申請があったことから、当初の4倍を超える15億8000万円の予算を確保して取り組んでまいりました。最終的には、 1,151件の申請を受け付け、現在、順次交付に向けた事務手続きを行っているところでございます。

本補助金をきっかけとして、県内の様々な業種の事業者が積趣的に感染防止対策に取り組まれていると受け止めておりまして、本補助金の目的である「新しい生活様式」に対応した事業活動の継続や、県民の安全・安心な生活の確保が一定図られてきたのではないかと考えております。

新型コロナウイルス感染症対策に関しましては、感染予防や感染拡大防止、経済影響対策など幅広い取り組みが必要である一方、まだまだ先が見通せず、かつ財源にも限りがあることから、当該事業を追加で実施するにあたっては、国費の増額など財源の確保が必要となります。その上で、今回の取り組みの検証を行いますとともに、関係団体の皆様からご意見をお伺いするなどして、事業の必要性について検討してまいります。

 

●岡田議員 次に、経済的な支援策についてお聞きします。

一つは、新型コロナウイルス対策として国が医療・介護・障害分野の職員に支給する慰労金についてです。慰労金は2月28日から6月30日までの間に、介護施設や障害者福祉施設などで10日間以上勤務した「利用者と接する職員」が対象で、最大20万円が支給されます。

県は、対象職員は約4万人で、多くの人に支給できるようにしたいと、事業所に申請を呼びかけています。そして、対象をあったかふれあいセンターの職員にも広げたことは大変喜ばれています。

ところが、今月9日に開かれた新型コロナウイルス感染症対策調査特別委員会での報告では、介護施設からの申請は三分の一程度だとお聞きしました。

退職された方から、ご自身が給付の対象か、お問い合わせがあったとも聞いています。医療・介護・障害分野で働く皆さんに報い、だいじな職場を支えるためにも、もっと多くの事業所が申請できるよう、さらに周知が必要だと考えます。来年2月が申請の締め切りです。

◆医療・介護・障害分野の事業所への説明、周知をどうはかってきたのか、現状を踏まえて今後どう周知をはかっていくのか、健康政策部長、及び地域福祉部長にお聞きします。

 

○健康政策部長 最後に、医療分野の事業所への慰労金制度の説明、周知についてお尋ねがございました。

医療分野の事業所への慰労金につきましては去る7月22 日に、交付要綱を、対象となる医療機関等へ通知するとともに県のホームページにも掲載いたしました。

また、 8月6日、 7日の2日間、県内4会場で5回の事業 者向けの説明会を開催し、 8月にはテレビやラジオで制度に ついての広報を行ってまいりました。

その結果、 8月末までに、事業の対象となる約1,000の医療機関等のうち698施設から交付申請があり、個人からの申請分を含めると17, 582人分の慰労金の支払事務がすでに完 了しております。

一方、まだ交付申請のない医療機関等は残っておりますので、引き続き、慰労金の対象範囲や申請の手続の方法等について、テレビやラジオといった県の広報媒体等を通じて丁寧 に周知を行ってまいります。

 

○地域福祉部長 介護・障害分野の慰労金制度の説明、周知について、お尋ねがございました。介護・障害分野の慰労金につきましては、本県では7月29日から申請の受付を開始しております。受付開始に先立ち、事業者向けのパンフレットや申請マニュアルを作成し、事業所に通知するとともに、県のホームページにも掲載いたしました。 また、 7月28日に県内4会場で5回の説明会を開催したほか、8月には、テレビやラジオで広報を行うとともに、ハローワークに個人申請用のパンフレットを置いていただくなど、周知を図ってまいりました。その結果、8月末までに、対象となる約2,200の事業所の約4割にあたる879事業所から申請があり、個人からの申請分を含めると12,552人分の慰労金の支払事務がすでに完了しております。

介護・障害分野の慰労金については、原則として事業所が行う感染症対策に係る支援金と合わせて申請する取り扱いとなっていることを考慮しますと、順訓に申請が進んでいるも のと考えております。

今後につきましても、申請状況に留意しながら、申請が遅れている事業所には個別に確認や助言を行うとともに、新聞などのマスメディアを通じて更なる周知を図ってまいります。

 

●岡田議員 一方で、医療・介護・障害分野で働く皆さんと同じように、人と接する仕事をしている保育や放課後児童クラブ、児童福祉施設で働く人たちには慰労金がありません。

保育や放課後児童クラブ、児童福祉施設で働く人たちは、子どもたちをしっかり見守り、おもちゃなどもこまめに消毒するなどして、感染者を出さないように気を配り、毎日緊張を強いられています。

◆こうした施設の関係者は慰労金の対象外ですが、慰労金を出す考えはないか、知事に伺います。

 

○県知事 次に、保育や放課後児童クラブ、児童福祉施設の関係者 への慰労金の給付につきまして、お尋ねがございました。

国の慰労金の支給対象となっておりません保育施設や児童養護施設などにつきましても、高齢者施設などと同様に、緊急事態宣言期間中におきましても、事業継続が求められておりました。

このため保育施設などにおきましては、子どもたちの安全を最大限確保しながら受け入れなどを行っておりまして、こうした点に対する配慮も必要ではないかというふうに考えております。

一方で慰労金の必要性や対象範囲につきましては、基本的には、国の責任においてしっかりと検討をし、決定されるべきものと考えております。このため、6月に、全国知事会と全国知事会の次世代育成支援対策プロジェクトチームにおきまして、全国の意見を取りまと めまして、厚生労働省などに要望活動を行いました。さらに、一昨日は、本県として独自に厚生労働省に対して政策提言を行ったところでございます。

今後とも、保育施設などの職員に対しましても、国の責任において慰労金が給付されるように全国知事会などとも連携をいたしまして、国に対して働きかけてまいりたいと考えております。

 

●岡田議員 二つ目に、「持続化給付金」等の給付金・支援金を、課税対象としないよう求めることです。

 今回の「持続化給付金」等は、新型コロナウイルス感染症の影響をうけて収入が減少し、厳しい経営環境にある事業所に、「事業の継続を支え、再起の糧として」、基準に基づいて審査し、一定の金額が給付されるものです。損失を補償するものではなく、生存・生業を補償する給付金であり、いわば「見舞金」のような性質のものです。一律10万円の「特別定額給付金」は課税対象外となっています。これと同様に、「持続化給付金」等も課税対象外にすべきです。

 今のままでは、税務上、益金もしくは総収入金額に算入されるものとして、課税対象として計算しなければなりません。所得が上がって所得税や住民税、国保税などが上がっては何にもなりません。

◆国の「持続化給付金」や、地方の「給付金・支援金」等に対して、所得に算入しない措置を求める考えはないか、知事にお聞きします。

 

○県知事 次に、国の持続化給付金や地方の支援金などについて、税務上な扱いについてのお尋ねがございました。

まず、各都道府県が実施をいたします個人や事業主に対する協力金や助成金等につきましては、特例的に非課税扱いとするべきではないかと、いう提言を全国知事会を通じて行ったところでございます。

一方、国におきましては、その後、国会におきます質問主意書の回答におきまして、この持続化給付金等に関しましては、「他の事業者との間の公平性も鑑み、非課税とすることは考えていない」との答弁がなされまして、答弁書も出されているということでございます。

このために、地方団体からの支援金等につきましても、この今、お話がございました一律10万円の特別低額給付金が、非課税ということではございますが、この特別低額給付金は、子どもからお年寄りまで国民に等しく、一律で給付するというものとは違いまして、この事業の所得に代わるものとして事業者の方に支払われたという性格を考えますと税務行政 上、事業に係る所得と同じように課税収入の扱いとするということ自身はそれなりの合理性があると考えますので、この点は致し方ないのではないかというふうに考えているところでございます。

 

●岡田議員 次に、コロナ禍での学生への支援について、お聞きいたします。

コロナ禍が長期化・常態化する中で、学生も深刻な状況が続いています。県下で、学生への食料支援が続けられていることが、学生生活の大変さを示しています。学生向けの食料支援を運営する「子ども食堂こうち」に、この間、実態をお聞きいたしました。学生向けの食料支援は、5月末から週2回のペースで取り組まれ、これまでに、のべ約2000人が食料を受け取ったとのことで、現在も支援が継続をされています。

日本共産党後援会と、民青同盟高知県委員会が共催する「ほっとまんぷくプロジェクト」は、高知大学、県立大学、工科大学、専門学校生など県内学生を対象に食料支援を実施し、のべ約800人に食料を配布しています。

JA高知市も高知大学生向けにコメ1トンを寄贈、また高知医療生協も工科大学や、高知大学物部キャンパスなどで食料配布を行ったということです。

様々な学生食料支援にボランティアで参加しているASKU(高知大学学生会)の高知大学生にも、この間あらためて、お話を聞きました。高知大学一回生の男性は、4月当初は、「一日3食の内2食はマヨネーズのみをスプーン一杯なめることで済ませ、もう1食はシリアルなどを食べていた。カロリーは足りたが、空腹感はどうしようもなかった。食料支援があってありがたかった」と話してくれました。

食料支援のニーズはこの間も減っておらず、毎回40人ほどが食料を受け取りに来ているようです。そもそも一回生は、コロナ禍の中で、生活費などに当てるはずだったバイト自体を始められておらず、食料支援の必要性が続いています。また、オンライン授業が中心で、学生同士の結びつきが断たれ社会的孤立を強めていることが深刻です。食料支援に来ることで、結びつきや友人を得るという大きな役割も果たしているとのことです。ボランティアとして参加する学生も60人となっているということをお聞きをしています。バイトも一定再開し始めているとのことですが、そもそもバイト自体を始められてない学生や感染のリスクを考えてバイトを控えているという学生もおり、大変な状況にある学生のためにも、今後も食料支援を継続していくとのことです。

6月定例会で、当会派の中根議員も指摘をしましたが、学生への食料配布が必要となっていることそのものが非常事態です。今回、あらためて、食料支援の実態を聞き取り、調査した結果も踏まえると、まだまだ学生への食料支援の必要性があり、支援を継続しなければならないことが浮き彫りとなっています。

◆まず、コロナ禍が常態化し、中長期的に改善が見込めない中で、社会的孤立を深め、ボランティアによる食料支援が続けられている学生の現状への受け止めを、知事にお聞きをいたします。

 

○県知事 次に、コロナ禍が常態化する中での学生の現状への受け止めについて、お尋ねがございました。ボランティアによる食料支援のお話もございました。これは、冒頭お話がありました「自助・共助・公助」の中でいいますと、まさしく共助の活動だと考えます。こういった共助の活動を善意で行われている方々に対しては敬意を表したいと思いますし、我々行政の方は、国、地方しっかり役割分担をし、連携をしながら必要な公助を行っていく。また、大学当局とも連携をしてご協力をいただいて、必要な公助がいきわたるように努力をしていくということが必要ではないかと考えております。

一方で社会的な孤立の問題についてでありますが、大学での対面授業が実施されない中でございまして、新たな友人関係を作ることもできないといったことで、学生の皆さんが孤独感を抱く状況は、全国的にも言われているというふうに承知しております。

他方で、高知県立大学、あるいは高知工科大学におきましては、教員によります電話連絡、事務局からのオンラインによる情報提供などを丁寧に行うことで、学生一人一人の状況に留意しているというふうにお聞きをしております。

さらに、本県では、県立大学など4つの大学が既に対面の授業を再開をしておりますし、残ります高知大学、高知工科大学も来月から対面授業を再開する予定だとお聞きをしておりますので、学生を取り巻く環境はさらに改善していくものというふうに考えております。

また、各大学では、経済的な困難など不安を抱えている学生の相談に対応いたしまして、授業料の減免など修学の継続への支援につなげているというふうにお聞きしています。

今後も各大学には、相談窓口のさらなる周知や、学生に対するきめ細かな対応を要請をいたしますとともに、県としましても、引き続き大学を通じて学生の状況の把握に努めてまいります。

 

●岡田議員 国による「学生支援緊急給付金」は、対象となる学生総数370万人に対して43万人分、約10人に1人しか対象にならないとの問題点が指摘をされてきましたが、「家庭から自立してバイト収入で学費を賄っている」こと、「新型コロナでアルバイト収入が50%以上減」など、厳しい要件が課されていたことが、利用への大きなネックとなっています。

実際に、県内学生から、「要件を見て自分は対象にならないと思った」、「ほかに困っている人がいると思い、申請しなかった」などの声が出されています。加えて、「大学からの説明をもっと充実させてほしい」「やり方がわからなかった」「申請期間を長くしてほしかった」などの声もあります。大学別の申請者数も、学生数の25%から4%と大きな幅があるのが実情です。必要な学生に公的な支援の手が届いていないことが強く懸念されます。

一方で、新型コロナウイルス感染症で、困難な状況に置かれている学生を支援しようという自治体・行政の動きも、起こっています。

出身学生などに地域の地場産品を送る取り組みは、全国各地に広がっており、県内でも梼原町が町外在住の学生ら250人に「ふるさと梼原」セットを発送しています。9月、11月にも第2弾、第3弾と継続支援する予定です。四国では、徳島県が県外在住の学生等5,000人にふるさと回帰「絆」便として、物産品の支援をしています。こういった施策は、学生はもとより、コロナ下で苦境にあえぐ業者への支援ともなるものです。

また、兵庫県朝来(あさご)町では、町内出身の大学生らを対象に家賃月額の2分の1、月額上限2万円の2カ月分、最大4万円の家賃補助を実施しています。固定支出であり重い負担となっている家賃を、行政が支援する動きは重要です。

学生への給付金を自治体独自で行っている事例もあります。八王子市では、国の「緊急給付金」が受けられなかった学生で、出身者と八王子市内に住民票を置き、アルバイトで生活している方に給付金10万円を支給。甲州市では、大学生等生活支援給付金で、5万円を支給など、自治体独自の給付金も広がっています。

コロナ禍が長期化する中で、行政として、困難を抱える学生にどう向き合うのか、その姿勢が問われています。

高知県でも、県立大学の授業料免除の追加など、この間、重要な学生支援も行われており、そのことは高く評価するものです。しかしながら、高知県内の大学生、専門学校生などは約15,000人おり、幅広い学生を視野に入れた支援策を打ち出す必要があると考えます。先に述べたASKUの学生は「小中学校、高校なども授業が再開する中で、大学生は社会的に最後まで取り残されている」と指摘をしています。

コロナ禍で、深刻な社会的孤立の状態にあり、心理的にも経済的にも厳しい生活を送っている学生を励ます行政からの力強いメッセージが必要です。

◆県内の学生、また、県内出身学生らに、地場産品の送付や家賃補助、給付金など、高知県として支援し、「高知県は学生を応援する」というメッセージを強く発信する考えはないか、文化生活スポーツ部長にお聞きをいたします。

 

○文化生活スポーツ部長 新型コロナウイルス感染症の影響を受けた学生への県の支援策について、お尋ねがございました。

コロナ禍における学生への支援につきましては、様々な方策が考えられるところですが、それらの全てを、県が単独で行うことは困難であると考えております。

このため、本県では、議員のお話にありました家賃補助や給付金など、生活費に着目した支援につきましては、国に対し、全国一律の制度として学生向けの新たな給付金の創設などを提言するとともに、創設されました学生支援緊急給付金をはじめ、生活福祉資金貸付金や休業支援金など、学生が利用できる支援制度について、大学を通じた周知に努めてまいりました。

他方、家計が急変した学生などの授業料の負担を軽減することによる、学びの継続への支援といたしまして、公立大学が行う授業料の減免に要する経費に対し、6月補正予算で支援措置を講じたところであります。

さらに、コロナ禍における学生の学びの機会を確保するための支援といたしまして、公立大学における感染予防のための施設改修や、遠隔授業を実施するための設備や機器の整備 などへの財政的支援に関し、今9月補正予算案に計上させていただいております。

県といたしましては、こうした一連の取り組みによりまし て、学生の学びをしっかりと支援していきたいと考えております。

 

●岡田議員 学生への新型コロナウイルス感染症の影響が深刻なのは、そもそも、学生の約半数が貸与型「奨学金」を借り(2017年2月26日、高知新聞調査報道)、また、親・保護者からの仕送りも少ない中で、学費・生活費などにアルバイト収入を充てていたというコロナ禍以前からの深刻な実態があります。学生は、感染症の影響が出る前の段階で、すでに、相当に困難な状態にあったということです。仮に、感染症の影響がすぐになくなったとしても、この現状が変わるわけではありません。新型コロナウイルス感染症によって、既に広がっていた学生の深刻な実態が鮮明になったものと言えます。このコロナ禍を、我が国の高等教育の構造的な問題に目を向け、改善する機会としなければなりません。

学生の現在の困難の構造的背景には、OECD加盟国38カ国のうち、日本は国内総生産(GDP)に占める教育の公的支出の割合が極端に低いという状況があります。

この間公表されたOECDによる2017年の教育への公的支出・対GDP比の調査では、日本は2.9%であり、OECD平均の4.1%を大幅に下回り、38カ国中37位でワースト2位という地位にあります。OECD調査によれば、日本の国公立大学の授業料は、「データが入手可能な国々の中で最も高い」と指摘をされ、貸与型奨学金などによって日本の学生の卒業時の平均負債額は約290万円に達すると報告をされています。

 学生の困難な状況は、日本全体の未来にも関わる重大な問題です。高等教育の環境整備は、我が国の社会の将来にわたる基盤となります。

◆この間、コロナ禍で鮮明となった学生の困難な状況を改善するために、国の責任において「授業料を半額にする」など、抜本的な高等教育への公的支出増、構造的改善を国に求める考えはないか、知事にお伺いいたします。

 

○県知事 次に、抜本的な高等教育への公的な支出の増、あるいは構造的改善を国に求める考えはないか、というお尋ねがございました。

教育への投資につきましては、教育活動をより良いものとし、我が国の持続的な成長・発展につなげるためには、その充実が不可欠であると認識をいたしております。

とりわけ、高等教育段階におきます教育費の負担軽減につきましては、国の教育再生実行会議の提言でも、優先して取り組む必要があるということが指摘をされております。

また、国の教育振興基本計画におきましても、OECD諸国など諸外国におけます状況を参考といたしまして、政府は、様々な教育課題への対応に必要な教育投資を確保する必要があるとされています。

こうした議論もありましてこそ、今年度から国におきまして、消費税率10%への引き上げによる財源も活用して、高等教育の修学支援の新制度が始まりまして大幅な充実がはかられたものというふうに認識をしております。

国におきましては引き続き、教育投資を効果的、効率的に投入をすることによりまして、教育力の向上、人材力の強化といった成果につながる取組を進めていただきたいと考えております。

 

【農業政策について】

●岡田議員 最後に、農業政策についてお聞きします。

はじめに、種子条例の制定について伺います。

コメ、麦、大豆などの主要農産物の種子供給について公的責任を定めた主要農産物種子法が2018年4月から廃止されて、2年余りがたちました。この間、種子への公的責任の後退を止め、地域農業を守ろうと、各地で種子条例制定の動きが広がっています。

「日本の種子(タネ)を守る会」のまとめによると、6月議会までに種子条例を制定したのは、北海道、宮城、山形など21道県。ほかにも、岩手県、島根県などで条例制定に向けた動きがあります。

今年だけ見ましても、石川県、鹿児島県、群馬県、三重県、広島県の5県で条例が公布され、順次施行されています。どの県も、国の種子法廃止を受け、それぞれに内容は異なりますが、本県と同じように要綱を定め、種子供給を続けていましたが、いよいよ条例の制定に踏み切ったものです。

群馬県では、条例に従来の奨励品種などの選定とその種子の安定供給という大きな柱のほか、新品種の育成を行うことが明記をされ、育種事業に予算の裏付けができ、画期的な条例を制定してくれた、と大変喜ばれています。

ところが本県では、独自の要綱を制定し、法廃止後も同様の体制を維持していてくことができているとして、条例制定を求める声をなかなか聞き入れません。

その理由として農業振興部長は、2月定例会で坂本議員の質問に、「県、種子協会、種子生産者それぞれの役割を要綱に明記することにより、引き続き安定的に種子を生産、供給できるものと判断をしましたことから」と答えています。知事も同様の答弁でした。

しかし、要綱は、あくまで要綱であり、行政機関内部における内規であって、議会の議決も必要なく、法規としての性格をもたないものです。あくまで現状が維持できているからそれで良いというのでしょうか。

全国で種子条例制定の動きが広がっているのは、国民の命の源であり、国民共有の財産である種子を守る、法の後ろ盾がなくなったからです。良い種を、安定的に安くという生産者の希望だけでなく、消費者にとっても食の安全、安心につながる問題だからです。

種子法廃止と同時に成立した農業競争力強化支援法(8条4項)には、国や県の農業試験場が開発してきたコメの種とその情報を民間企業に提供しなさいという規定があります。けして強制ではないといっても、種が守られるかどうか不安です。

高知県は農業県です。種子条例を制定し、高知独自の新品種の育成に、今まで以上にとりくむ、とこういう積極的な姿勢を示していただきたい。農業に一層誇りの持てる高知にしていくための大きな一歩となります。

農水省も今では、地方から種子法に代わる種子条例ができることについて、地方分権のもと地域に合った優良な種子ができることは歓迎だと述べています。

◆全国の動きに呼応して条例制定に踏み出す考えはないか、そのために県民や関係者の意見を聞く考えはないか、知事にお聞きします。

 

○県知事 次に、種子条例の制定について、お尋ねがございました。

平成29年4月、種子の開発・供給に民間活力を導入するということを目的にいたしまして、「主要農作物種子法」いわゆる「種子法」の 廃止法案が可決をされました。平成3 0年4月に廃止されました。

農業団体からは、平成29年6月に「種子法廃止後も優良な種子を安定して確保するため、これまでと同様、県が種子の生産・普及において中心的な役割を担うよう」要請がございました。

この要請を受けまして、法廃止後の県の役割につきまして、 J Aや種子協会などの農業団体や、稲作農家などの生産者の方々と協議を重ねまして、「高知県主要農作物種子生産要綱」を制定したものでございます。

この要綱には、ひとつには、普及すべき奨励品種の決定、そして、ふたつには原種(げんしゅ)、原原種(げんげんしゅ)の生産、みっつには、種子を生産するほ場の審査や発芽率の調査といった「種子法」に基づきまして県が担ってまいりました役割を明記をいたしております。

種子法が廃止されてから現在まで、この要綱に基づきまして、種子法の廃止前と同様に優良な種子を安定的に生産・ 供給する仕組みを堅持できているというふうに考えております。    

また、これまでのところ農業団体や稲作農家の方々から、条例の制定を求める声はないことから、現時点で条例を制定する必要はないというふうに考えております。

今後も、様々な機会を捉えまして、農業団体や県民の皆様のご意見をお聞きしながら、優良な種子が安定供給されますよう、適切に対応をしてまいります。

 

●岡田議員 次に、種苗法改正の議論に関係して、県の見解を伺います。

種苗法改正案が国会に提出されて、先の国会で継続審議となっています。女優で歌手の柴咲コウさんが「種の開発者さんの権利を守るため、登録品種の自家採種を禁ずるという認識だが、何かを糾弾しているのではなく、知らない人が多いことに危惧しているので触れた」とツイートをして、話題となりました。

種苗法は、新しい品種の開発者の権利を守るものであり、農業における著作権、特許権を守る法律です。開発した新しい品種は国に登録することによって、「登録品種」として保護対象となります。今回の改正案は、開発者が栽培地域を指定することができることによって、この登録品種が海外に流出することを防ぐことが柱だといわれています。

しかし、東京大学大学院農学生命科学研究所の鈴木宣弘教授は、「改正案だけでは流出は防げない」、日本の品種の海外流出を防ぐには、当該国での品種登録がセットで必要だ、と指摘しています。例えば、国内では登録品種であるシャインマスカットが、中国や韓国などで期限までに日本側が登録を行わなかったために、無断で栽培されているという実態があることからも、このご指摘にうなずけます。

一方の懸念は、農家が収穫物から種や苗木を採取し、翌年の栽培に使う「自家増殖」については、これまで原則自由だったものを種苗法上の登録品種については許諾を必要とする、としていることです。つまり、昔から使っている在来種である一般品種は自家増殖できても、登録されている品種は、これからは勝手に使ってはいけないし、許諾料も必要になるということです。

農協からは、多様な農家がいる中で、育成権者の許諾をとることが本当にできるのか、可能なのか、農家の自家増殖は継続して認めて欲しい、という意見が出ています。

登録品種は全体の1割程度であまり影響はないという話もありますが、鈴木教授によれば、コメでいうと栽培実績がある品種に限ると、登録品種の割合が全国平均で6割余りになるといいます。

自家増殖が制限されることで、海外のグローバル企業が登録品種を増やし、日本の農家に種を売って儲けられるようになるのではないか、むしろ海外の企業に種を握られる、種を囲い込まれるのではないかという懸念も生まれています。

十分な国会審議もなく、民間の力を活用することを理由に種子法を廃止し、種を民間企業に譲渡しなさいという別の法もつくった。その後での、今回の種苗法改正です。登録品種の自家増殖(採取)が難しくなると、企業、海外のグローバル企業の種を使わなくてはいけなくなる。つまり、種を企業に支配されるという懸念が生まれました。自家増殖した種が開発品種と似ているとして企業から訴訟を起こされるリスクも高まります。そうなると、いよいよ種の多様性、地域の特性が失われます。

EUは、穀物など主要作物の自家増殖は規制対象から外しています。日本は、登録品種に限るとはいえ、一律に許諾性の網をかぶせることになります。

種を守ることに効果が少なく、農家を縛るという副作用が大きいと考えられる今回の改正内容では、農民の基本的権利が失われる危険があります。

◆今回の種苗法改正に関する議論に対する受け止め、改正案にたいする考えを、知事にお聞きをいたします。

 

○県知事 最後に、種苗法改正に関する議論に対する受け止め、改正案に対する考えについて、お尋ねがございました。

種苗法の改正案に関する議論におきましては、近年開発された優良品種、いわゆる「登録品種」の海外流出を防ぎ保護することで、新品種の開発が促進されるといった期待の声があります。

他方、「登録品種の自家増殖が許諾制となることによって、農業者の負担が増えるのではないか」、また、「海外流出を防ぐことができず、海外企業等に種を支配されるのではないか」 といった懸念の声も、ご指摘の通り、ありまして様々な議論がなされているというふうに認識をしております。

まず、議論の前提として、全国で栽培されています多くの品目は、利用制限のかからない「一般品種」であること、また、「登録品種」でも作付けするたびに種や苗木を購入している品目が多いことから、実際にこの法律改正の影響を受ける範囲は、非常に小さいものというふうに考えております。

懸念されています農家への負担につきましては、例えば水稲の登録品種の多くでは品質管理の観点から自家増殖を行っていないこと、イチゴでは既に許諾を得て栽培していることなどから、農業者の負担が大きく増えることはないというふうに考えております。

また、登録品種の海外流出につきましては、これまで種苗販売後の海外への持ち出しを規制できず、流出に歯止めがかからないという状況にありました。この点はご指摘合った通りだと思います。

今回の改正案につきましては、種苗販売時に海外への持ち出しや栽培地域を制限ができ、また権利を侵害した場合は刑罰の対象となるなど、一定の抑止効果が期待できるものになっていると考えております。

種苗法で優良な新品種の開発者の権利を守っていくということは、さらなる新品種の開発を促進し、日本の農業の発展に大きく貢献するものであります。

このため、今後の国会での継続審議におきまして、懸念する声も踏まえて、しっかりと議論を尽くしていただきたいと私としては考えているところでございます。

 

◆また、高知県では、稲、ナス、ピーマン、シシトウについて、登録品種が使われていますが、栽培実績がある品種に限って、登録品種の割合はそれぞれ何%か。種苗法改正の影響についての認識を、農業振興部長にお聞きをいたします。

 

○農業振興部長 まず、本県で栽培されている登録品種の割合と種苗法改正の影響について、お尋ねがございました。

本県で栽培実績のある登録品種の、作付面積の割合につきましては、 水稲 9パーセント ナス14パーセント、ピーマンで9パーセント シシトウで 29パーセントとなっております。

種苗法改正の影響への認識としましては、まず、本県で栽培しているナス、ピーマン、シシトウなどの野菜では、現在でも自家増殖は行われておらず、作付けするたびに苗を購入 していることから、影響は生じないものと考えております。

一方、水稲では一部の農業者において、許諾を受けることなく登録品種の自家増殖を行っており、改正内容によっては、農業者に新たな事務手続きや費用負担が生じる可能性が ありますことから、今後、国会での継続審議の動きを注視してまいります。

 

●岡田議員 次に、南国市で進められている、国営緊急農地再編整備事業、いわゆる国営ほ場整備事業についてお聞きします。

はじめに、この事業を進めるために今年6月末までの本同意の確認などに取り組まれ、大変ご苦労されている農家の皆さん、役員、関係者の皆さんに敬意を表します。

戦後の農業を担ってきた昭和一桁生まれの方々が80代後半となり、農家の高齢化が進む中で、これからの農業を担っていく担い手の育成と、農作業がしやすく、新しい事にもチャレンジできる経営基盤の強化が急がれます。南国市で進められているこの事業は、地域の農業を継承発展させていく大きなチャンスとして、農家や関係者の十分な話し合いと納得の上で推進していかなければならないと思います。

◆これから522ha、15団地でほ場整備がされることになっていますが、現在の進捗状況と、今後のスケジュールについて、また、これまでの取り組みで明らかになってきた課題がありましたら、それらも含めて農業振興部長にお聞きをいたします。

 

○農業振興部長 次に、南国市の国営ほ場整備事業の現在の進捗状況と今後のスケジュール、また、これまでの取り組みで明らかになってきた課題について、お尋ねがございました。   

本事業は、南国市において、522ヘクタールのほ場整備を国が事業主体となって、集中的に実施することで、効率的な生産条件の確保を早期に図るものです。

また、現在の水稲を中心とした営農から、露地野菜などの収益性の高い作物への転換や、次世代型施設園芸の拡大など稼げる農業の実現を下支えする事業であり、県としても大いに期待しております。

現在、国において、事業の実施に向けた法律に基づく事務手続きが進められており、このまま順調に進めば、本年の1 2月までには国営事業としての計画が確定し、事業に着手することになります。

また、県では、事業の推進母体となる土地改良区の設立認可に向けて、申請内容の審査を行っているところです。

今後のスケジュールにつきましては、工事の実施にあたり必要となる、工事計画や換地計画に対する地権者の合意形成などを、国や南国市との連携のもと円滑に進め、予定工期である令和11年度の完成を目指してまいりたいと考えています。

一方で、事業を推進していく上での課題もあります。

ほ場整備の事業効果を最大限に発揮するため.には、事業に参加されない農地が区域内に点在することがないよう、引き続き、未同意の方の参加を促進していくことが必要です。

また、南国市には埋蔵文化財が広く存在していることから、その発掘調査と工事の計画や実施時期などの調整も必要となってまいります。

こうした課題は、いずれも工事の進捗に大きく影響を及ぼすことから、今後とも引き続き、関係者が一体となって、課題解決に向けた取り組みを進めてまいります。

 

●岡田議員 最後に、農地の基盤整備と関係して2点お尋ねします。

一点目は、南国市立スポーツセンターの南を流れる錆野川の南側の土手と周辺の田んぼの土が地盤沈下をしている問題です。数年前から地権者から指摘のあったものです。ここは河川改修の際、自然工法が取り入れられているところです。今年の田植えの時期に、県中央東土木事務所の担当者に来ていただいて、地権者と、農業委員と一緒に現地を見てまわりましたが、車が通る土手のアスファルトの下に土砂がないという、危険な個所も見つかりました。農地が下がったという農家は、土を入れて耕作を続けています。いまは稲刈りも終わりましたので、田んぼに入って調査することもできます。

◆周辺をしっかりと調査をしていただき、対策を講じていただきたい。この対応について、土木部長にお聞きします。

 

○土木部長 錆野川の土手と周辺の地盤沈下への対応について、お尋ねがございました。

お話のありました区域は、周辺の地盤が軟弱ということもあり、これまでにも度々河川管理道の一部で沈下が発見され、部分的な補修工事を実施し対応しています。

本年も4月に補修工事を行い、現在、沈下の進行がないかなどの経過観察をしているところです。

この管理道は、一般の方の利用もあることから、周辺の地盤状況も確認し、予防保全に努めるとともに、引き続き、こまめな巡視を行い、異常が見られた場合は速やかに、補修工事を実施するなど、適切な維持管理に取り組んでまいります。

 

●岡田議員 二点目は、十市地区・東沢で、以前ほ場整備をした農地が地盤沈下により不具合が生じ一枚の田んぼとして利用できなくなっている問題です。このままでは、耕作放棄にもつながりかねません。南国市の計らいで土を入れていただいたこともありますが、なかなか改善が進まないのが現状です。土地改良区も苦慮しており、耕作者に調査票をまわしたところ、「不等沈下をしている」「基盤が高く耕土が少ない」「苗が流れる」「一部で石が多い」「水持ちが悪い所、逆に水がたまる所がある」など、60筆の是正を求める要望があがっています。自費でトラック20台分の土を入れたが効果がなかったという農家もあります。

◆県としても、南国市と協議をしていただき、対策を講じていただきたい。どういう対策ができるのか、農業振興部長にお聞きをいたします。

 以上をもって、第一問と致します。

 

○農業振興部長 最後に、ほ場整備地において発生している農地の地盤沈下による不具合への対応について、お尋ねがございました。

十市地区で実施しました県営は場整備事業につきましては、十市地区は場整備推進委員会及び南国市からの強い要請により、平成1 7年度に着手し、 23年度に完了しております。

当地区の地盤は、泥炭層が厚く存在しているため、地盤沈下への対応策として、十市地区ほ場整備推進委員会が事業着手に先立ち、約40万立方メートルの公共残土を受け入れていたところです。

ほ場整備工事では、この公共残土を利用して地盤沈下の影響を踏まえた盛土を行うなどの対策を講じていましたが、施工中も地盤沈下が生じたため、手直し工事を実施したうえで、 地質状況も含めて土地改良区の了解のもと、整備した農地を地権者へ引き渡しております。

ほ場整備後も、地盤沈下により、農地の高さが不均一になり営農に不具合が生じていることについては、土地改良区や地権者から県にも相談がございました。

しかしながら、不具合の要因となっている地盤沈下を抜本的に抑制することは、地質的にも困難であると考えております。県としましては、農地の地盤沈下による不具合は、国庫補 助事業の活用により、耕作しやすい農地に改善することが可能であると考えておりますので、南国市と協議し事業化に向けた検討を進めてまいります。

 

【第2問】

●岡田議員 それぞれに、ご丁寧な答弁ありがとうございました。いくつか要請と、2点ほど質問をさせていただきたいと思います。

 まず、公助を充実させる政治の役割についてでありますけれども、知事の答弁の中で共助、ともに助け合う活動を支援することも公の大事な役割だということを言われました。私たちの暮らしの現状に引き寄せて、やっぱり今、公助が、公で支えるということが大事になっていると思います。新自由主義の下で、もうけ本位の社会になって、今回の新型コロナ危機で、社会の脆弱性をあらわにしたと思います。こうした行き過ぎた新自由主義の路線を見直して、暮らしを支えていく、大切にする経済政策に改めていかなければならないというふうに思います。

 そのうえで、先日25日ですけれども、南国市で県民座談会「濵田が参りました」が、開かれました。私も、南国市選出ということで、参加をさせていただきました。皆さんから、それぞれのお仕事、活動の報告があった上で、たくさんの要望も寄せられたわけですけれども、知事におかれましては、ぜひこうした声を県政に反映していただいて、要望の実現のためにお力添えいただきたいというふうに思います。

 その中で、中山間の奈路地区の方から、小学校を残してほしいという声とそして、水の確保をしてほしいと、フロアからもその声もありましたけれども、強いご要望がありました。

 中山間の奈路地区では、上水道がなくて、谷川から水を引いて、使っているということですけれども、地域の皆さんも高齢化してきて危険だし、年間を通じての維持管理が大変になってきているんだという本当に切実な訴えでした。

 そして、移住したいと、田舎に移住したいという声もあったけれども、水の問題がネックになって、移住をあきらめたと、断念をされたという事例も話されました。こうしたことからも中山間の多い本県において、こういう生活暮らしを支えていくということが非常に大事になってきております。やっぱり共助とともに支えるということも高齢化の中で困難で、やっぱり、公、県政あるいは市町村政、本当に地域の暮らしを支える生活基盤の拡充、社会資本の充実、これを本当にはかっていくことが、これから大事になってくると思います。

 こういう点で、県が大きな役割を引き続き果たしていただきますように、強く要請をさせていただきます。

 次に新型コロナ感染症についてですけれども、エッセンシャルワーカー、人と接することの多い仕事をされているエッセンシャルワーカーの職場の皆さんの検査についてですけれども。やっぱり、こうした皆さんが、いわゆる社会的機能を支える大事なお仕事をされています。今回一問でも言いましたけれども、新型コロナは無症状者の中で感染が広がっているという特徴もあります。ですから、発症があってから、検査ということではなくて、無症状の状態の中でも、やっぱり感染の状況を把握するという意味からも、そして、感染を未然に防ぐという点からもまた仕事をされている方たちが、私たちは感染をしていないんだという自信をもって、仕事ができるということからも、今回のコロナの特徴に合わせたこうした社会的な検査というのが、私も大変大事だろうというふうに思うんです。

 そうした点で、職員や利用者の希望があれば、PCR検査を行っている自治体もあります。例えば広島県福山市ですけれども、県としても、感染症に強い社会をつくっていくという立場から、やっぱりエッセンシャルワーカーの職場の皆さんの検査の在り方、ぜひ検討していただきたいし、例えば、健康診断の時に一緒に検査を受けるとかということですとか、検査の在り方について、どうあるべきかということをぜひ、検討していただきたいですけれども、改めて、健康政策部長のお考えをお聞きをいたします。

 そして、次に学生の支援ですけれども、私も南国で医療生協の皆さんが、学生の皆さんへの「まんぷく食堂」ということで月に1回、食事の提供をされていました。私も、視察をさせてもらいましたけれども、7月は60人あまり、8月は30人あまり、9月は少し減って20人でしたけれども、やはり学生の皆さん食料を受け取りに来ていました。その中で、なかなか、大学にいけない、友人もつくれないという話もありましたけれども、やっぱり引き続き食料支援を続けていこうということで、この「まんぷく食堂」開かれる予定です。やっぱり高知県は学生を応援するんだというメッセージを出していくことが大事だと思います。徳島県でも様々な取り組みがされていますけれども、ぜひ、高知でももう一歩も二歩も踏み込んだ学生への支援を進めていただくようにお願いをいたします。

 そして、農政の問題で種子条例のことについて、お聞きします。

 知事の答弁で、条例制定を求める声がない、ということを述べられたんですけれども、けしてそんなことはありません。私も農業関係者の皆さんと、お話し合いをする機会がありますけれども、やっぱり条例をつくってほしいという声あるんですよ。そして、議会でも、いくつか、それを求める質問もされております。現状、(種子が)提供されているからいいんだということではなくて、前向きに取り組んでいただきたいと思います。島根県は有識者の会を開いて、3回開いて、種子条例の概要を今つくってパブリックコメントを集めています。来年からはもう実施する方向です。改めて実施する方向、決意はないか、お聞きして2問を終わります。

 

○健康政策部長 PCR検査についてはですね、当初は熱が数日続いたものだけというところから、先ほど答弁で申し上げました通り、今はその感染者が多数発生している地域や、クラスターが発生してる地域においては、すごく幅広くむしろやってほしいというふうに、国のスタンスも変わってきていますので、何が正解かということは、やがて時が解決をしていくわけなんですけれども、現状においては、PCR検査そのものの精度が100%ではないので、いわゆる無症状の方に検査をすることによる、むしろデメリットも多いということから、いわゆるその感染者が多数発生してるところというまず前提があって、そこでやっております。先般その高知市、高知県内でもあった障害者支援施設においても、感染者が発生した関係で、非常に幅広く、検査は定期的にしまして、今完全にクリーンということが、判明をしたところですので、従来そういった形で、高知県も取り組んできておりまして、いわゆる3月から発生した第一波もいったん収束をして、2カ月半あまり、ゼロになりましたし、この間、たぶんお盆の関係ですけれども、クラスターなどが複数発生したのも、また2週間近くあいたように、高知県の取り組みそのものは一定効果を奏しているという感覚でおりますので、今のところ、いわゆる無症状の方に、やみくもに検査をするというのは、むしろ、あまり効果がないというか、むしろ、危ない結果も与えてしまうという認識でいるところです。

 

○県知事 種子条例の制定に関して、農家の方々のご意見をもっと丁寧に聞くようにというご意見をいただきました。わたしども今までいろんな組織の方々と意見交換をする中で、具体的にこの種子条例、ぜひ条例をという声を必ずしもお聞きしていないということで、そういった答弁をただいま申し上げましたけれども、我々の方では、もちろん常日頃、水稲の生産とか振興に関わる方々、いろいろな形でご意見を聞く機会がございますし、また、例えば、普及活動の外部評価会ですとか、農村の女性リーダーの方々の認定委員会などの場を通じまして、農業の現場で関わっている方々の声を聞く機会がたくさんございますので、そうした場を通じましてこの種子条例に対する考え方に関しましても、ご意見を伺ってまいりたいというふうに考えています。