議会報告

●米田議員 私は、日本共産党を代表して以下質問を行います。

 

【コロナ禍と政府予算案等】

●米田議員 政治姿勢について、まずコロナ対策について知事にお伺いをいたします。

政府の21年度予算案は、昨年末に閣議決定された追加経済対策を具体化する20年度第3次補正予算案と一体に「15カ月予算」と位置づけられていますが、ともに「コロナの収束」を前提としたもので、現下のコロナ危機に真摯に向き合ったものとは言えません。

成立した第3次補正予算19.2兆円のうちコロナ対策費は4.4兆円にすぎず、一方、「Go To」事業に1兆826億円、財界が求めるデジタル化の推進など「ポストコロナ」を名目として「経済構造の転換」に11.7兆円、高額兵器のローン返済費など防衛費に3867億円となっています。21年度予算案には国民の強い声により、小学校2~6年生の学級編成標準を、5年間かけて35人にする40年ぶりの学級編成見直しに踏み出すことは貴重な前進ですが、中小企業の命綱となってきた持続化給付金や家賃支援給付金は、再支給はなく、またコロナ危機に地域として対応してきた医療機関の減収補填もありません。

それどころか、病院の統廃合や病床削減へ誘導する予算を2.3倍に増額されています。社会保障費の自然増については、2013~20年度に計1兆8300億円削減した路線を引き継ぎ、1300億円を削減しようとしています。低所得の介護施設入所者の食費・居住費を補助する「補足給付」の改悪や介護利用料の負担上限額の引き上げ、 75歳以上の医療費窓口負担2割への引き上げなど目白押しです。コロナ禍で低迷しているコメの価格を維持する対策も皆無です。

地方財源も、一般歳出総額は確保したと言いますが、社会保障、防災など行政需要の拡大に見合ったものでなく厳しい状況が続いています。とても、コロナ危機のなかで苦しむ国民の生活にむきあったものとはなっていません。

◆緊急事態宣言前につくられたコロナ収束を前提とした政府予算案は、以上のように、コロナ危機のもとで苦しむ県民の暮らしを支えるうえで極めて不十分なものではないか、知事にお聞きをします。

 

○県知事 米田議員の御質問にお答えをいたします。

まず、政府予算案について、お尋ねがございました。

今般の国の第3次補正予算では、新型コロナ対策として、医療提供体制の確保などを支援する緊急包括支援交付金が 1. 3兆円、地方創生臨時交付金が1. 5兆円増額をされております。さらに、地方のインフラ整備を後押しする防災・減災、国土強靭化関連経費2兆円なども計上され 、1月末に成立をしたところです。

また、新年度予算案では、前年度を上回る地方一般財源総額が確保されるとともに、地方交付税総額も前年度を0. 9 兆円上回る1 7. 4兆円が確保されました。加えて、今後も機動的にコロナ対策を講じていくため、5兆円の予備費が新たに計上されております。

こうした政府予算において、個別具体には、持続化給付金の再給付でございますとか、飲食店の取引先に対する一時金の拡充など、本県が求めて来たものが反映をされていないという点もございます。

しかしながら、総じて見れば 本県や全国知事会からの提言が多数盛り込まれておりまして、高く評価をすべきと考えているところです。

全体としては、国民の安心と経済を支え、地方にも目を向けた予算が組まれているというふうに考えております。

県といたしましては、新たな国の予算を積極的に活用いたしまして、感染拡大防止と社会経済活動の回復に向けて全力で取り組んでまいる所存であります。その上で、さらなる対応が必要な状況が生じた場合には、全国知事会などとも連携いたしまて、国に追加の措置を求めてまいります。

 

 

●米田議員 コロナ危機は社会の矛盾、脆弱性をあらわにしました。非正規雇用、フリーランス、女性、若者、そして中小零細業者は大打撃をうけています。医療機関や保健所が削減されてきた結果、現場が疲弊し、入院できずに自宅で亡くなる人も続出しました。女性や子ども、若者の自殺増など痛ましい事態に至っています。貧困と格差の拡大、自己責任を強要する新自由主義路線、インバウンド・海外頼みでなく、8時間働ければまともに暮らせる正規雇用の拡大、ケア労働と社会保障の充実、食料や医療品など命に直結する部門での自給率向上など、個人消費と内需に基盤を置く、バランスの取れた社会構造への転換が必要です。

 県予算案は、営業時間短縮要請などにともない影響をうけた業者への幅広い支援を打ち出したことや、小学6年生の35人学級導入、公立夜間中学の開校、防災面の強化などは県民の声に答えたものと評価するものですが、コロナ危機以前の新自由主義路線を踏襲した政府方針が前提となっており、さらなる検討が必要だと思います。

県政のとりくみにおいて、まず、医療、介護、障害者福祉、保育などケア労働の位置づけを抜本的に高めることを提案したいと思います。これらケア労働は県民の命と健康、暮らしを支える基盤であり、経済活動を支える前提でもあります。その充実とは、基本は人的体制の強化にあり、投資に対する雇用効果は極めて高いのが特徴です。高知県でのケア労働が、魅力的で安定した雇用の場となれば、定住、移住促進にも寄与し、県内の消費拡大の好循環を生み出します。それは産業政策の土台ともなりますし、災害に強い福祉のネットワークづくりも進みます。

新しい観点での社会、地域づくりが問われていると思いますが、予算案には、その観点はほとんど見られません。特に、コロナ危機で疲弊し、かねてから人手不足が言われているケア労働への手厚い支援が急務です。

60年代から70年代の公害や都市問題に対して、独自の規制や保育所建設、ごみの分別収集などで地方独自の努力が国の在り方を動かしてきました。地震活動期に入った90年代、住宅再建、耐震化に税金を投入する自治体の先進的取り組みが国を動かしてきました。課題解決先進県としての決意と覚悟が問われていると思います。

◆県、市町村の独自支援を含め、ケア労働の体制強化・処遇改善にとりくめば、どれだけの経済波及効果を生み出すことができるか、住みよい高知県にむすびつくか、国の細切れのあれこれのメニューを引っ張ってくるだけでなく、本格的な検討を行い、そして体制強化と処遇改善の目標をもって、それこそPDCAサイクルにより推進すべきと思いますが、知事にお聞きいたします。

 

○県知事 次に、医療、介護、福祉、保育分野に従事する方々の体制 強化と処遇改善について、お尋ねがございました。

平成29年度の県の就業構造基本調査によりますと、約6万人の方が県内の医療、福祉の分野で就業をされております。

こうした方々の人材の確保と処遇の改善を進めることは大変重要だと考えておりますし、ご指摘がありましたように経済波及効果としても大きいものがあると考えております。

このため、県では日本一の健康長寿県構想や子ども・子育て支援事業支援計画に医療・介護・福祉・保育の人材の確保と処遇改善を位置付けまして、目標を設定して取り組んでいるところであります。

具体的にはまず、医療の分野におきましては、高知医療再生機構と連携いたしました若手医師への支援や、高知県立大学での寄附講座による訪問看護師等の育成など医療従事者の確保、育成に取り組んでおります。

来年度からは、新たに、医師の労働時間短縮に向けた支援を行いまして、働き方改革への取組を強化してまいります。

また、福祉・介護の分野ではノーリフティングケアの推進 、ICTの導入支援、福祉・介護事業所認証評価制度を通じまして、処遇改善や人材確保の取り組みを進めております。  

来年度からは、介護職への転職を支援する新たな貸付制度なども実施をしてまいります。 さらに、保育の分野では市町村や関係団体と連携いたしまして、勤務条件の向上や職場環境の改善に取り組んでおり、来年度は経営者を対象とした研修を行うこととしています。あわせまして、市町村とともに保育士の負担軽減のための保育補助者の雇上げなどに対して支援してまいります。今後もこうした取り組みに対しまして、PDCAサイクルを回しながら充実強化をはかってまいります。

 

【コロナ収束と検査等】 

●米田議員 新型コロナに対するワクチン接種が、ようやく一部の医療従事者を対象に開始されました。国民にはいつ届くのかもはっきりしていませんが、ワクチンには期待をしています。ですが、抗体がどこまで持つのか、また変異しやすいコロナウイルスにどこまで有効なのか、不明の点も多くあります。コロナを収束させるには、検査、隔離・保護、追跡という感染症対策の基本が引き続き重要です。徹底した検疫と、積極的な検査によって、ほぼ日常生活を取り戻している台湾、ニュージーランドなどから学ぶことが必要です。

 どう努力すれば、我慢を強いられる生活から抜け出せるのか、希望を示すことが大事です。自粛をして新規感染を一定抑え込んだら、規制を緩め、社会活動を再開させる、というハンマー&ダンスと呼ばれる対応では、再拡大の波を繰り返すだけだということが、世界でも日本でも実証されています。新規感染者の拡大が落ち着きつつあるいまこそ、「ウイズコロナ」ではなく「ゼロコロナ」を目指した取り組みが求められています。

 1月8日、本庶佑(たすく)氏、山中伸弥氏らノーベル医学生理学賞を受賞した4氏が声明を発表し、「PCR検査能力の大幅な拡充と無症候感染者の隔離を強化する」ことを提言しました。本庶氏は、「現在の最大の問題は無症候感染者だ」と強調し、日本の検査数が国際的にみて、「いまだに少ない。感染者の早期発見と隔離は医学の教科書に書いてある。なぜ厚労省が教科書に書いてあることをしないのか理解に苦しむ」とのべました。さらに、1日2000検体を処理できる完全自動のPCR検査機器を搭載したコンテナトレーラーが開発されていることも紹介し、「なぜやらないのか」と厳しく指摘をしました。

 世界でも特異な検査抑制路線をとってきた厚労省・感染研も、対策の破綻にあい、路線を変更しつつあります。2月4日、衆議院予算委員会で、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長は、「検査の文脈でいうと(宣言を)解除した後の都道府県で最も大事なこと」として「感染のリスクの高いところを中心に、無症状者に焦点を合わせた検査をやることによってリバウンド(再拡大)を防ぐ」ことだと述べました。

 医療機関・高齢者施設でクラスターが続発している問題でも、無症状感染者という「感染源」が市中に多数残る状況では、人と人との身体接触が避けられない医療・高齢者施設などでクラスターを防ぎきれないことを示すものです。これら施設への社会的検査の拡充も急務です。

 この積極的検査は、無症状だが飛沫の中にウイルスを多く持つ人を早期に発見するための感染拡大防止策であり、治療のための診断をするさいに行うPCR検査だけでは、肺の奥にウイルスをもつ人は発見できないという偽陰性の問題とは別物です。検査の自動化などヒューマンエラーをなくし、偽陽性者に再度検査すれば、特異度99.9%でも100万人に1人しか偽陽性は生まれず、それにCTや精密抗体検査を組合せばほぼ回避できます。諸外国はそうやって進めています。

ハーバード大学大学院で公衆衛生修士号を取得し、現在群星沖縄臨床研修センター長をつとめる徳田安春医師は「無症状者が問題です。感染予防にとって大事なのは、Aさんに感染しているウイルスがBさんに感染伝播(でんぱ)するかどうかです。Aさんが無症状なら咳も痰も出ません。その時の感染力の有無は唾液や咽頭液にウイルスがいるかいないかが決定的です。発声(しぶき)など唾液等から感染が起こります。無症状者の唾液にウイルスがいるかどうかの検査感度が問題で、そう考えるとPCR検査は100%に近い高い感度を持つゴールドスタンダードです。」(赤旗 2020年7月25日)と述べています。

また、日医有識者会議 PCR班責任者 宮地勇人東海大教授は「精度管理をしっかりやることで、99・99%以上にまで特異度を高めることができます。ここまで高めれば、感染の可能性が高い場合と低い場合で違いはなく、偽陽性はほとんど出ません。だからこそ、PCR検査は献血に基づく輸血製剤の安全性チェック、すなわちHIVウイルスやB型・C型肝炎ウイルスのスクリーニングにも使われているのです。」 (赤旗2020/8/20)とも語っています。

◆そこで、感染拡大、クラスターの発生を防止するために、医療機関、高齢者施設、学校、保育所などで簡易な抗原検査を定期的に実施し、陽性反応が出た人はPCR検査を実施する。また希望する飲食店やホテルなどの抗原検査の助成をする、というコロナ収束にむけて、県民に希望の見える対策に踏み出すべきと思いますが、知事にお聞きをいたします。

 

○県知事 次に、医療機関や高齢者施設などでの検査や希望する飲食店などへの検査の助成について、コロナ対策に関連してのお尋ねがございました。

国立感染症研究所や日本感染症学会など複数の機関が共同で作成した指針におきましては、無症状者の検査といたしまして、「感染拡大地域において、幅広く簡易な抗原検査を実施することは感染拡大の防止の観点から有効であると考えられる」としております。

ただ、その際も、特に検体中のウイルス量が少ない場合には、感染をしていても結果が陰性となる場合がありまして、引き続き感染予防策を実施するということが条件とされているところであります。

また、一方で、一般社団法人日本臨床検査医学会からは、無症状者に対しては簡易キットによる抗原検査は精度の低さから推奨されないといった論文も出されているところであります。

こうしたことから、感染の状況に関わらず、定期的に簡易な抗原検査を実施するのではなく、これまで本県が行ってまいりました方針といたしましては、感染が相当程度拡大をし、かつ、クラスター連鎖が生じやすいと考えられる状況と認められる場合に、必ずしも濃厚 接触者に該当しない方も含めて、接触者としてそういった地域や集団、所属等に属する者に広く検査を行うというこういう方針をとっておりまして、その方針に沿って今後も対応してまいりたいと考えております。

また、飲食店やホテルなどの検査への助成についてもお尋ねがございましたが、本県におきあましては必要な場合には、県民の身近な場所で、自己負担なしで委託行政検査を受けることのできる体制が整っております。ご本人がいつもと違う症状等を感じられた場合に、検査協力医療機関等を受診し、医師の判断に基づいて検査を受けていただくことが適切であるというふうに考えております。

 

●米田議員 また、入院・宿泊療養が求められる場合に、家族の関係で自宅療養をせざるを得ない場合があります。鳥取県では、高齢者が残る場合には訪問介護サービス、子どもがいる場合には児童養護施設でも一時預かり、犬・猫のペットの預かりも実施をしています。観察期間中の食料、日用品の支給をしている自治体も少なくありません。

◆安心して入院・宿泊療養ができるよう支援体制を強化することが必要ではありませんか、お伺いをいたします。

 

○県知事 次に、入院・宿泊療養が求められることとなった方が安心して療養できる支援体制についてお尋ねがございました。

議員からご指摘がございましたとおり、新型コロナウイルス感染症の患者さんの中には、様々なご事情から、すぐに入院や宿泊療養生活に入れない方もいらっしゃいます。

それぞれの患者さんのご事情は様々でございますが、これまでも家族の介護あるいは幼い子どもの預かりがいる、ペットを飼育しているなどの事例がございました。保健所では、こうした事例について、丁寧に聞き取りをし、対応方法を一緒になって考えまして、全ての事例について必要な療養が結果としては行われたということになっております。

このように、現時点で必要な支援体制は確保できているというふうに考えますけれども、今後も、プライバシーに配慮しながら個々の事例ごとに丁寧に対応いたしまして、関係機関や関係者の協力をいただきながら、安心して療養生活に入れるよう支援をしてまいります。

 

【コロナと罰則規定】

●米田議員 次に、特措法等の罰則規定についてお伺いします。

 新型コロナウイルス対応の改正特別措置法・感染症法が、短時間の審議で改正が強行されました。感染症法に患者に対する罰則を創設することは、感染症対策の進むべき方向をねじまげる歴史的な逆行です。感染への不安から「患者を隔離しろ」「行動を全部明らかにしろ」との声は、結核でもHIVでも患者への差別となって襲いかかり、ハンセン病では強制隔離政策という国による歴史上最悪ともいえる人権侵害になったのです。よって感染症法では前文に、その反省と教訓を明記したのであります。

改正案に対して、短期間で、患者当事者、医療・公衆衛生、法曹関係者などから次々に罰則規定への反対の要請・声明などが出されていますが、どれも新型コロナ感染者への差別・攻撃を助長させること、感染症対策に困難をもたらすだけとの懸念が示されています。

◆知事は、歴史的反省と教訓、患者当事者、医療・公衆衛生、法曹関係者からの懸念の声をどう受けとめておられるのか、また実際の運用についての考え方についてお聞きします。

 

○県知事 次に、感染症法の罰則規定についての懸念の声の受け止めと、実際の運用の考えについてお尋ねがございました。

感染症対策にあたるうえでは、過去にハンセン病、 HIV 等の患者に対するいわれのない差別や偏見が存在したということを教訓として生かしていく必要があります。この点はご指摘の通りだと考えております。

今般の法改正におきまして、様々なご意見があったことは承知いたしておりまして、それぞれの立場や知見に立ったご意見だというふうに受け止めております。

ただ、私としましては、協力をお願いしても応じていただけないというケースが現実にありますし、こうしたことも想定をされますので、説得をしていくための備えとして罰則も一定のものが必要ではないかというふうに考えております。

また、運用に当たりまして、感染者等から十分な協力が得られない場合でも、まずは丁寧に説明することが必要であるということは言うまでもございません。あくまでも悪質なケースに絞って罰則の適用を検討するという、かなり限定的なものになると考えております。

 

●米田議員 求められているのは、患者の人権擁護を貫く具体の施策です。また、入院できずに自宅で亡くなる方がおられるもとで、新型コロナの患者の「自宅療養」を感染症法に位置づけたことも、患者の人権擁護からの後退といわなければなりません。

特措法に事業所に対する罰則を規定することは、長期にわたる新型コロナの影響で苦境にたつ事業者に、補償もなく休業や時短営業に従わせるというものであり反対です。

緊急事態宣言を発令しなくとも、罰則を科すことができる「まん延防止等重点措置」という新たな規定を設けました。どういう基準でどのような措置がとられるのかは、すべて政令に委ねられています。国会報告も義務づけていません。

◆感染症抑制には自覚的な協力が必要であり、社会的な連帯が求められます。事業者が安心して自覚的に感染抑制に協力するには、罰則ではなく補償が求められています。知事の認識をお聞きします。

 

○県知事 次に、事業者が感染抑制に協力するための補償についてのお尋ねがございました。

感染拡大防止のための休業や営業時間短縮の要請の実効性を高めるためには、 「罰則」だけではなくて事業者に対する「支援」も併せて行うことが重要だと考えております。

これまで、県内で感染が拡大した昨年暮の全国第1波の際、また、年末年始の第3波の際に、県内全域の飲食店などを対象に、県としても休業や営業時間短縮の要請をいたしたところであります。

対象となりました県内事業者のほとんどは規模が小さいために、その後の事業継続を考慮しますと、必要な支援を速やかに届けるということが肝要であるというふうに考えます。

このため、昨年春の要請の際には、協力金として1事業者あたり30万円を、また、年末年始におきましては、1店舗 につき1日あたり4万円を一律で支給をすることといたしました。

大都市部などで家賃が高い地域あるいは大規模な事業者の方々からは、「協力金の金額では不十分」との声もあるということは承知をしておりますけれど、本県におきましては多くの事業者の方々にご理解、ご協力いただきまして、そうした結果として、感染者の減少につながったというふうに考えております。

休業等の要請に伴います事業者への支援につきましては、今後も事業者の方々の声もお聞きしながら、必要な支援を速やかに行うという考え方で対応をしてまいりたいと思います。

 

●米田議員 特措法によって新型コロナ患者の受け入れ要請に応じない民間医療機関に名前の公表という社会的制裁を行うことは、政府の長年の医療政策の失政を省みず、現在の病床逼迫(ひっぱく)の責任を民間医療機関におしつけるものです。

◆協力を求めるというのであれば、昨年の緊急事態宣言後、減収補填(ほてん)を行って医療機関の経営不安を払拭(ふっしょく)した上で、診療の研修など丁寧な対応をすべきです。知事の見解を伺います。

 

○県知事 次に、新型コロナウイルス感染症患者の受入れ要請には、受け入れ病院には丁寧な対応をすべきではないかとのお尋ねがございました。

これまでも、患者さんの入院対応の協力を求める際には、減収補填にも資するように、空床補償等の支援を行ってまいりました。

また、感染症指定医療機関と連携をいたしまして、新型コロナウイルス感染症の診療に携わる人材の研修やあるいは情報共有を促進するなど入院対応が行えるための環境整備に努めてまいったところであります。

今回の感染症法の改正におきましては、入院患者の受入れの協力要請に応じなかったときには、医療機関などに対しまして勧告や公表ができることとなっておりますけれども、その前には当然ながら十分に相手方と協議をし、ご協力をお願いしてまいります。

しかしながらその上でなお、残念ながら勧告や公表を行わざるを得ないという場合には、そこに至るまでの間、しっかりと適正な手続きを経まして、また透明性を確保して対応してまいりたいと考えております。

 

●米田議員 診療報酬の体系再編による急性期病床の削減、また診療報酬の引き下げなど長年の社会保障抑制政策が新型コロナウイルス患者の受け入れ余力をそいできたことは明らかです。

新型の感染症は、21世紀に入り、人間の活動の行き過ぎた自然への介入、そして気候危機による生態系の変化により、次々と発生しています。今回の新型コロナウイルスの収束に力をつくすとともに、新たな感染症に備えて、命と健康を、国民を守る安全保障政策としての医療・公衆衛生の再構築が求められています。

しかし、21年度予算案、健康長寿県構想などを見ても、新型コロナ危機が浮き彫りにした社会の脆弱性を根本から見直す発想はなく、政府の方針を引き写したようなものにとどまっていると言わなければなりません。

◆新たな感染症から、国民を守る安全保障政策としての医療・公衆衛生の再構築について、御所見をお聞きします。またその中核である保健所、衛生環境研究所の充実・強化について、知事の考えを併せて伺います。

 

○県知事 次に、安全保障政策としての医療・公衆衛生の再構築と保健所・衛生環境研究所の充実・強化についてお尋ねがございました。

今般の新型コロナウイルス感染症への対応では 保健所は、全国的に積極的疫学調査等の重要な役割を果たす一方で、大きな業務負荷が発生しているものと受け止めています。

本県におきましても、1 1月下旬からの第3波の感染の波におきましては、対策の最前線で対応にあたった福祉保健所や衛生環境研究所に大きな業務上の負担がかかった時期もございました。

そうしたことから、新たな感染症に備えた公衆衛生対策といたしましては、感染症の拡大時にも円滑に業務の移行ができるよう平時から準備を整えておくことが極めて重要であるというふうに考えております。

国は来年度の地方財政対策の中で、感染症対応業務に従事をいたします保健師の恒常的な人員体制を強化するために必要な地方財政措置を講ずるということといたしております。   

県といたしても、これも踏まえまして、有事に備えまして、福祉保健所や衛生環境研究所 の必要な人員を確保いたしますとともに、専門人材の育成など、機能の確保・強化に取り組んでまいります。

 

【オリンピックとジェンダー平等など】

●米田議員 次に、東京五輪・パラリンピック開催、ジェンダー平等について、知事に伺います。

1年延期され、今年7月23日に開幕予定の東京五輪・パラリンピックまで5か月となりました。新型コロナウイルスの感染が世界的に拡大し、感染力がより強いとされる変異株も発生し、五輪開催に対する不安や危惧、反対の声が高まっています。

1月の各種世論調査で、「再延期」と「中止」を求める声が合わせて約8割に上っています。「朝日」は「再び延期」51%、「中止」35%、産経・FNNは「再延期せざるを得ない」28・7%、「中止もやむを得ない」55・4%―などとなっています。

JOC理事からも「新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言の発出や変異型への懸念もあり、『残念だけど、難しい』というのが冷静で、現実的な感覚なのだろう」との声があがっています。(元柔道選手の山口香さん、「朝日」26日付)。

開催には様々な問題があります。①ワクチンは一部の国で接種が始まったものの、世界保健機関(WHO)は今年中に集団免疫を達成することはあり得ないとしており、ワクチン頼みの開催は展望できない、②各国の感染状況による練習環境の違いや、ワクチン接種でも先進国と途上国の格差があり、「アスリート・ファースト(選手第一)」の立場からも開催の条件はない、③五輪開催には当初から「1万人程度」(橋本聖子五輪相)の医療スタッフが予定されており、これにコロナ対策を加えればより大規模な体制が必要とされていますが、数ヶ月後にそれだけのスタッフを五輪に振り向けるのは非現実的であることなどです。

◆今夏の五輪・パラリンピック開催を中止し、コロナ収束に全力をつくすべきと思いますが、知事にお聞きをいたします。

 

○県知事 次に、オリンピック・パラリンピックの開催について、 お尋ねがございました。

夏の東京オリンピック・パラリンピックの開催につきましては、 悲観的な見方も増えてきておりますけれども、ぜひとも開催したいという思いは、まだ決して捨てるべきではないというふうに私としては思っております。

私といたしては、オリンピック・パラリンピックの開催が、人類がコロナに打ち勝った証として、当初の計画のような完全に近い形で開催できることを、なお期待をいたしております。

そのためにも、関係者が一丸となりまして、感染症対策もしっかりと行いまして、安全・安心な大会を開催できるよう準備を進めていくことをお願いいたしたいと考えております。

 

●米田議員 東京五輪・パラリンピック組織委員会の森前会長は、自らの女性蔑視発言で、国内外からの厳しい批判をうけ、辞任に追い込まれました。しかし、これで終わったわけではありません。発言を批判し、辞任・解任を求める声は、組織委員会の内部からも、また菅首相をはじめ政権からもありませんでした。

アメリカで放映権を持つ、最大のスポンサーであるNBCが公式サイトで「去らなければならない」との意見表明をしたことで、逃げられなくなっての決断でしかありません。NBCは、意見表明の中で「この国は、ジェンダーギャップ指数の調査で153か国中121位にランクされた」と女性差別の現状を触れ、「性差別の舞台は、長年、日本や広範囲な五輪活動の両方で見られてきた。森氏は、それを世界に向けて明らかにするカーテンを開け放ったに過ぎない。」と強烈なメッセージを世界に発信しました。

このことを、女性蔑視、差別、排除という日本社会の深刻なゆがみを変えるきっかけにしなければならないと思います。

根強い性差別意識が存在しているという自覚がまず重要です。そして県庁の組織ではどうか、国際人として通用するバカロレア教育に熱心な教育行政・学校現場ではどうか、他山の石として取り組むことが重要だと思います。

◆すでに新たな男女共同参画プラン案が出されていますが、森発言と国際世論の反応から、新たに何を教訓とし、研修材料として取り入れるつもりか、知事、教育長に、見解を伺います。

 

○県知事 次に、東京2020組織委員会の森前会長の発言と国際世論の反応から、何を教訓とし、研修材料とするのかとのお尋ねがございました。

今回の事案は、固定的な性別役割分担の意識や、無意識のうちの性別による不合理な差別・区別が社会の中に根強く残っていることのあらわれであるというふうに受け止めております。

県では、次期「こうち男女共同参画プラン」に基づきまして、こうしたことを生じさせないように、様々な場での意識を変える取組を進めることといたしております。

具体的には、幼少期からの教育や、職場・地域などのあらゆる場面、あらゆる対象への広報や啓発、研修に取り組んでまいります。

こうした教育や研修などの実施にあたりましては、意識を変えていただくきっかけとして具体的な事例なども活用しながら、より効果的な内容としてまいりたいと考えます。

 

○教育長 まず、東京2020組織委員会の森前会長の発言と国際世論の反応から何を教訓とし、研修材料として取り入れるかとのお尋ねがありました。

県教育委員会は、これまでも、子どもや障害者、女性など、県民に身近な人権課題の解決に向けて、高知県人権教育基本方針に基づいた取組を計画的・継続的に推進してまいりました。

その取組により、例えば、男女混合名簿の実施率は、平成21年度は各校種で50%前後であったものが、本年度は県立学校の100%をはじめ、小中学校でも90%を超えている状況です。また、本年度の本県小中学校管理職の女性割合は、学校長が25%、教頭が38%となっておりまして、10年前と比較して10ポイント以上増加し、全国平均よりも高い状況となっております。

一方で、令和元年度の本県公立学校教員の育児休業の取得割合は、女性100%に対して、男性1.4%であるなど、育児等の役割は、未だ女性に多くかかっている状況が伺えます。

このため、昨年10月に子育て世代の男性教職員を対象に、育児休業取得の意向等に関する調査を実施したところです。今後その調査結果も踏まえて、さらなる啓発と、管理職による制度の周知や配慮事項の確認などにより、育児休業等の取得促進に努めてまいります。

県教育委員会としましては、ジェンダーギャップ指数なども教材に、人権課題を考える研修をさらに充実させる必要があると考えており、LGBTなど新たな人権課題を含めて教員研修や学校での人権教育の充実に努めてまいります。

 

●米田議員 また、現役のアスリートや、アスリートの経験のある指導者が勇気のある発言をしましたが、現役選手の発言が「異例」とされること自体が、権力的で閉鎖的な構造を浮き彫りにしています。県の職場、学校においても、「おかしい」という思いを率直に言え、それが受け止められることが、新たな知恵と活力を呼びます。

◆ぜひ、知事と教育長には、職員、教員と子どもたちに対して、おかしいことはおかしいと、率直に意見を言ってほしい、そのことで不利益があることは許さない、全力で守る、とのメッセージを出していただきたい。またそれを担保するシステムも構築してほしいと思いますが、それぞれのご見解をお聞きします。

 

○県知事 次に、ジェンダー平等に関し、職員にメッセージを発すること、それを担保するための仕組みについて、お尋ねがございました。

県では、これまでも、こうち男女共同参画プランに基づきまして、性別にかかわりなく誰もが活躍できる高知県を目指しまして、取り組んでまいりました。

性差に基づく差別はあってはならないことでありまして、こうした不合理な差別に対しましては、職員が「おかしい」と気付き、指摘のできる職場をつくっていくということが大切であります。そのため、このプランに基づきまして、男女平等・共同参画の意識を高めるための職員研修を平成2 1年度から実施いたしております。

また、職員が多様な意見や知恵を出し合える職場環境を整えるということは、社会状況の変化に柔軟に対応し、様々な課題を解決していくためにも重要なことと考えております。そのため、県政運営指針において、建設的な異論を唱え合える組織文化の醸成、あるいは風通しの良い職場づくりを進めることを掲げまして、私からも職員に対し、機会を捉えて直接伝えてまいりました。

くわえて、仕事の上で感じた不安や問題点などで職場での解決が難しいものにつきましては、外部の弁護士などに気軽に相談ができます外部相談員制度といった仕組みを設けております。また、職場の法令違反等に関します通報を処理する仕組みとして、公益通報の制度も設けているところでございます。こうした取り組みをしっかりと継続していきますことで、性別にかかわりなく、互いに尊重し、協力し合える県庁組織づくりに引き続き努めてまいります。

 

○教育長 次に、ジェンダー平等に関し、教員と子どもたちにメッセージを発することや、それを担保するための仕組みについて、お尋ねがございました。

人権教育は、知的な理解だけで終わるのではなく、自らの生活を高め、全ての人の人権が大切にされる人権文化の豊かな社会をつくることを目指しております。そのためには、大人も子どもも人権感覚を醸成することにより、差別に気付き、不合理に対して「おかしいことはおかしい」と声を上げ、行動する力を育むことが大切であると考えております。

このため、県教育委員会では、子どもたちが年度初めに学級目標や行動目標を話し合い、決定した内容をポスターとして作成する取組や、特別活動等で子どもが主体的に話し合い、 学校生活の改善や人間関係を深める取組を推進しています。

また、県教育委員会では、自他の人権を守ろうとする心情や態度を育む教育を確実に実践するため、「高知県人権教育推進プラン」を策定しており、今後ともプランの周知と実践に向け、検証委員会の開催や、それらの評価に基づく取組を徹底してまいります。

そして、風通しの良い職場づくりのためには、教職員間のコミュニケーションが重要です。このことは、不祥事の未然防止にもつながるもので、今年度から校長会などの機会を捉えて、学校組織のあるべき姿を検討した「学校組織の在り方検討委員会」の報告書を活用し、風通しの良い職場づくりと管理職の組織マネジメント強化に取り組んでおります。

加えて、学校以外の第三者に相談できるよう、弁護士などの外部相談窓口を設置しており、これらの周知にも努めてまいります。

 

【原発と再生可能エネルギー】

●米田議員 次に、原発ゼロ、再生可能エネルギーについて、知事に伺います。

福島第1原発事故から今年3月で丁度10年になります。節目の年を、原発ゼロにすすむのか、原発を永続させるのかが鋭く問われる中で迎えています。

昨年12月、菅政権は、原発を「確立した脱炭素技術」として「最大限活用していく」と明記(成長戦略会議「実行計画」)し、新型原発の開発も行うとした「グリーン成長戦略」を決定しました。温暖化対策を口実に原発永続化をたくらむものです。

しかし、この事故を起こした福島原発は、今年になり、原子炉格納容器の蓋の部分に、2号機では約2京(京は兆の1万倍)~4京ベクレル、3号機では約3京ベクレルという人が近づくこともできない量のセシウムが付着していることが確認され、廃炉にむけた見通しはまったくたっていません。また、凍土壁建設など巨費を投じたにも関わらずデブリに触れ放射能汚染水となった地下水の流出はとまっていません。未だに3万7千人を超える(昨年7月段階)住民が避難を強いられています。たまり続ける汚染水の問題も深刻です。核廃棄物を後の世代に押し付ける現実は「不正義」そのものです。この現実を直視するなら、環境問題を原発推進に利用することは許されません。

しかも、安倍前政権がトップセールスでおしすすめた原発輸出は、安全対策費の高騰、一方で再生可能エネルギーの大規模な普及のもとで、すべて頓挫しており、経済政策としても破綻しています。

原発訴訟では、運転差し止めや設置許可取り消しの判決が出され、賠償請求訴訟では、国と東京電力の責任が明確に認められました。

◆知事は、福島原発事故が甚大な被害をもたらし、未だに収束していない現状をどう認識されているのか。

◆原発を永続化させるのでなく、原発ゼロに進むべきと思うがどうか、併せてお聞き致します。

 

○県知事 次に、福島原発事故の現状に関する認識と、原発ゼロに進むことについてのお尋ねがございました。

福島原発事故から10年近くが経過をいたしまして、当初は12市町村で指定されておりました避難指示区域は、段階的に解除されてきております。一方で、なお残る7市町村では、帰還困難区域として指定された区域が残っているところでございまして、未だふるさとに帰ることが出来ない方がいらっしゃるわけであります。

このように、原発はひとたび事故を起こした場合、甚大な被害をもたらしまして、復旧・復興にも長い年月を要する大きなリスクを負っているということは事実だと考えます。

こうした原発事故のリスクを考えますと、原発に依存しない社会を目指して、原発への依存度を徐々に減らしていくべきであるというふうに考えております。

 

●米田議員 気候危機対策と持続可能な社会づくりのためには、再生エネルギーの本格的導入と省エネルギーの徹底が不可欠です。コロナ危機からの経済社会の回復においても、世界の潮流は「グリーン・リカバリー」、環境に配慮した回復です。

ところが、日本の再エネ拡大の障害となっているのが、原発や石炭火力発電所を優先する国の姿勢です。送電網への接続や供給力調整で、原発や石炭火力を守るために再エネが排除されてきたことにあります。

昨年8月、原子力資料情報室が、有価証券報告書を用いた原発コストの検証結果を発表しました。2011年度から2019年度の原子力発電費総額15.37兆円、うち発電に寄与していない原発分は10.44兆円にもなります。この10兆円は電気料金として、国民は、なんのサービスを受けることもなく負担させられたと告発しています。これは電気代高騰の「原因」と言われるFIT賦課金12兆円と匹敵する額です。

さらに昨年実施された容量市場の入札の結果が衝撃をあたえました。新電力の75%が「容量市場で事業継続が危ぶまれる」(日経エネルギーNext10/12)と報じられました。

容量市場とは、太陽光発電などの自然変動に対する調整力として、今後も必要となる火力発電などの電源設備の「容量」を確保するための市場のことを言います。従来の卸電力市場が発電した「電力量」(キロワット/アワー)を取引するのに対して、容量市場は発電能力の規模」(キロワット)を取引する市場です。

再生可能エネルギー100%にいたる過程で、電気料金で太刀打ちできなくなった火力発電などの投資がされなくなり、調整力としての一定量の火力発電の維持が不可能になる、という事態に対処するために考えられ、実験がすすめられている市場システムです。総括原価方式から電力自由化に替わったもとで、調整力としての火力発電の維持費用を消費者に負担してもらうものです。

入札の結果、上限額に近い値段となり、3年後から年間1.6兆円の国民負担が発生します。一番の問題点は、この1.6兆円のお金は、現在有している原発、石炭火力を含む発電能力に応じて分配されること、FITの対象となっている発電設備は対象外であることから、事実上、原発、石炭火力への補助金、再エネ・新エネの抑制策としてはたらくことです。気候ネットワークなど多くの環境団体から見直しの声が上がっています。

容量市場は本来、再エネを推進するために、調整力として二酸化炭素排出が比較的少ない液化天然ガスを中心とした火力発電を一定水準で維持するための仕組みです。そのため欧州などでは、原発、石炭火力を容量市場の対象から外しています。ところが、日本の制度は、本来の目的と180度違ったものになっています。

◆消費者、国民負担の増大や原発・石炭火力の永続化、再エネ普及・拡大を阻害する恐れなどが指摘をされています。県民にとっても県経済にとっても、不利益をもたらすことになる「容量市場」の抜本的な見直しを政府に提言すべきと思いますが、知事にお伺いをします。

 

○県知事 次に、エネルギーの供給におきますいわゆる容量市場の抜本的な見直しにつきまして、お尋ねがございました。

再生可能エネルギーは、天候等によりまして発電量が変化するということがございますので、主力電源化を目指していくためには、発電量の変動をカバーするための調整力を確保していく必要がございます。

容量市場は、こうした調整力の確保あるいは、中長期的な電力供給力の確保を目的として、昨年創設された制度であります。

この容量市場は、新たな制度でありまして、随時必要な見直しも行っていく方針だというふうにお聞きをいたしております。また、FIT制度の賦課金のような電力消費者の負担を義務づけてはおりませんので、消費者に対して新たな負担が生じるような制度ではないというふうに認識をしております。

安定的な供給力を確保し、再生可能エネルギーの主力電源化を実現していくためには、容量市場は必要な制度であるというふうに考えているところであります。

 

●米田議員 次に、20年度から新設された「地域活用電源」のうち、営農型太陽光発電については一定の要件を満たせば10年以内の一時転用許可を得られるものについて、自家消費要件のないFITの継続が認められましたが、さらに積極的な対応が求められています。

日本の農地約450万ヘクタールに対して、耕作放棄地はおよそ1割の42万ヘクタールにのぼります。この耕作放棄地を太陽光発電に活用できれば、低コストで、自然環境も保全され、営農者にとっても地域にとってもメリットが生まれます。 

そのためには営農者(地権者)が自ら行う営農型太陽光発電については一時転用許可や収量規制を撤廃すれば、耕作放棄地等での太陽光発電の実施が格段に容易になるのではないでしょうか。太陽光発電からの収益も農業収入に含めることにより、地域社会を支える大きな手立てとなりうるものです。

◆再生可能エネルギーに関連した、耕作放棄地等の有効活用としての営農型太陽光発電の設置について、知事の認識をお聞きします。

 

○県知事 次に、耕作放棄地等の有効活用策としての営農型太陽光発電の設置についてお尋ねがございました。

営農を継続しながら、上部空間に太陽光発電設備を設置する、いわゆる「営農型太陽光発電」は、平成25年3月に農地転用の取り扱いが明確化をされまして、農地に設置することが可能となりました。

それ以降、設置件数は全国的に増加傾向にありまして、本県においても、本年2月末時点で、19件、19ヘクタールの設置面積となっております。

設置にあたりましては、適切に営農をしているということが前提となっておりますので、農地の一時転用許可の手続きあるいは地域の平均単収の8割以上の収量を確保するといった要件など、一定の規制を設けているところであります。

これらの許可手続きや規制を設けていることで、耕作放棄地を農地として再生し、営農を継続するきっかけの一つとなるものと考えております。

一方、導入にあたりましては、営農と発電を両立し、継続していくことが非常に重要なポイントだと考えております。

そのため、太陽光パネルの遮光の影響を考慮しました作物の選定でありますとか、売電のための電力網への接続が容易であるといったことも必要になります。「営農型太陽光発電」は、こうした観点を十分に踏まえたうえで導入することによりまして、農業経営の改善や耕作放棄地の解消につながるなどの効果が期待できます。併せまして、再生可能エネルギーの導入促進においても有効な手段の一つであるというふうに考えているところであります。

 

【介護保障】

●米田議員 次に、介護保障、住み続けられる地域づくりについて、知事に伺います。

新型コロナウイルス感染症の影響で経営が悪化した介護事業所が増えています。厚生労働省の調査では、新型コロナ流行前と比べて事業所の収支状況が「悪くなった」と答えた介護事業所が5月で47.5%、10月でも32.7%ありました。高齢者が感染を恐れて利用を控えたり、事業所側もコロナ対応で支出が増えたり、密にならないよう受け入れ人数を制限したためです。

しかし、介護事業所の経営が大変なのはコロナ危機の前からです。この20年間、介護報酬は、従事者の処遇改善や消費税対応などによる引き上げはありましたが、介護サービスや経営にとって厳しい引き下げが続いています。特に2015年の4・48%もの引き下げが今も大きく影を落としています。さらに介護人材の不足が深刻です。国は介護労働者の賃金を引き上げてきたと言いますが、現在でも全産業平均より8.5万円も低いままです。2020年1月~2月にかけて、読売新聞が「介護保険20年」の特集記事のために、県庁所在市、政令市、中核市、東京都特別区の106自治体を対象にしたアンケート調査をしました。結果は、9割の当局が、介護保険制度を今後10年、現行のまま維持するのは「困難」と回答。その理由の第一は「人材や事業所の不足」74%、第2位は「保険料の上昇に住民が耐えられない」64%となっています。

処遇改善のために介護報酬を引き上げれば、保険料や利用料のアップとなり、負担が増える現在の仕組みに問題があります。改善のためには国庫負担を引き上げる必要があります。

 日本共産党は、国庫負担を緊急に、介護保険導入前の国庫負担率である35%への10%引き上げること、将来的には、公費負担を現行の50%から75%に引き上げることを提案しています。

 国庫負担の引き上げについては、民主党政権下の時に、自民党は、消費税10%に引き上げるときには、公費負担を60%にし、その10%は国費で出すことを提案していました。公明党においても13年参院選の政権公約で、公費負担を当面6割、2025年には3分の2を公費で賄うことを打ち出していました。

◆負担増、利用制限は「介護の社会化」という制度発足の趣旨に反するものであり、介護をめぐる現状の困難を打開するためには、介護保険の公費負担を引き上げる以外にはないと思うが、知事にお聞きいたします。

 

○県知事 次に、介護保険の公費負担について、お尋ねがございました。

高齢化が進行する中で、介護保険制度を将来にわたって安定して運営していくためには、給付と負担のバランスを図りながら、制度の持続可能性を高めていくということが重要であります。

そのため、給付の面では必要としている方に確実にサービスが提供されるのはもちろんのことですが、負担の面では、その能力に応じて負担の軽減が図られる必要があるものと考えております。こうした中、先般来、社会保障と税の一体改革が進められまして、所得の低い高齢者の保険料の軽減でございますとか、介護職員の処遇改善などに、消費税引き上げによる増収分を財源とした別枠で公費の投入が行われているところでございます。

今後、高齢者人口がピークになると見込まれます2040年に向けまして、介護保険制度が果たす役割は一層大きくなると考えられます。

介護保険制度がしっかりとした財源に裏打ちされた持続可能な制度となりますよう、引き続き、全国知事会などと連携を図りながら、国への提言活動などに努めてまいります。

 

●米田議員 高知県は、中山間地域が多く、訪問医療・介護に不向きという地理的条件、単身の高齢者世帯が多く、家庭の介護力が弱いという現状のもとで、療養病床などが求められてきた現実があります。

一方、現状においても山間部の奥深い地域、離島においては、介護保険料は払っているが、サービスを提供する事業者が存在しないという現実があります。それを補うために、訪問介護についての県単独の事業者支援、あったかふれあいセンターによる支援、介護職員が研修を受ける時の代替職員の派遣支援、ノーリフトケア推進など工夫し努力してきましたが、これからもその枠組みで維持できるのか・・・まさに全国に先駆けて少子高齢化を迎えている高知県だからこその取組をし、国に制度改正を迫らなければならない。そうした立ち位置にある自覚が知事には求められています。しかし、その意気込みは予算案や健康長寿県構想からは受け取ることはできません。目玉にしている在宅の介護度をあげるという政策は、政府の財政誘導による成果主義を無批判に取り入れたものでしかありません。

◆介護サービスの空白をなくすための中山間地域、離島での介護事業の支援、先進自治体が行っている処遇改善(例えば、柏崎市夜勤1日1400円支援)のための独自の助成など、課題解決先進県としての取組が求められていると思いますが知事にお聞きをいたします。

 

○県知事 次に、中山間地域におきます介護事業への支援などについて、お尋ねがございました。 本県ではこれまで、県民の皆さまが住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう、様々な取組を全国に先がけて進めてまいりました。

例えば、子どもから高齢者までの生活を支える地域福祉の書店であります「あったかふれあいセンター」はサテライトを含めまして、約300カ所に達しまして、県内各地で広く定着してまいりました。

また、中山間地域におきます、訪問介護や訪問看護などのサービス確保に向けまして、市町村と連携して本県独自の支援措置に取り組んでまいりました。

こうした取組によりまして、現在、遠隔地にお住まいの約1,000 人の方が訪問介護な・どのサービスを利用されております。また、平成2 3年度の制度開始以降、1 3 2人の介護職員などの新たな雇用にもつながっております。訪問看護におきましても、平成2 5年度以降、サービスの提供回数は、 2倍以上の約8,000件を超えるなどの成果が出ているところであります。

今後におきましては、希望される方が住み慣れた地域で、 入院や施設入所によらず、在宅で療養できるような施策を展関していきたいと考えております。こうした思いから有識者等によります「高知県在宅療養推進懇談会」を設置し、本県におきます在宅療養の推進について検討を行っていただいているところです。今後も当懇談会におきまして、本県がこれまでに取組んできた施策を、評価をいただくとともに、各地域の実情を踏まえて、さらに議論を深め、全国に発信できる取組みにつなげてまいりたいと考えております。

 

【教育行政】

●米田議員 次に、教員の採用、審査について教育長にお聞きします。

 採用審査における内定辞退者数の多さは異常です。2019年度実施審査では、小学校教諭の採用予定者数120名に対し、採用内定者数128名を発表したものの、辞退者数が98名もでています。辞退率は実に76.5%となります。本年度実施の審査結果は、同じく小学校教諭で、採用予定者数110名に対し、採用内定者数150名を発表したものの、辞退者は97名、辞退率は64.6%となります。

文科省の集計によると、全国で一番早い6月の実施や関西会場実施などによって、本県の教員採用審査の採用者数定員に対する受審倍率・全校種では7.4倍、全国2位という高倍率です。それは教育長が12月議会で答弁した小学校では「採用倍率は7年前と比べると半分以下に下がっており、受審者数を増やし、優秀な教員をできるだけ多く確保すべ」し、と受審者数増を図り、倍率は見事増やしました。しかし結局、優秀な教員を確保するという教育長の意図は達成できているのでしょうか、それ以上に7割もの辞退者数を出すという異常な事態を繰り返すことになっています。さらに、日々教育現場で奮闘する臨時教員の皆さんの登用への道を、結果として厳しいものにしているのではないでしょうか。

◆来年度審査に関する説明会がこの3月27日にも行われようとしていますが、失策と言われても仕方がない採用審査制度を見直すこともなくこのまま漫然と続けるおつもりなのか、教育長にお聞きをします。

 

○教育長 次に、教員の採用審査制度を見直すことについてお尋ねがございました。

小中学校では、5年前から今後5年程先までの約10年間の間に、全体の約半数の教員が定年退職を迎える状況にあり、それに伴って大量採用が必要なことから、人材の確保が厳しい状況になっております。本年度実施の小学校教諭の採用審査では、911名の受診がありましたが、このうち県内出身者としては、新卒が77名、臨時教員や任期付き教員等が95名の合計172名となっております。

現在128名を採用予定としておりますので、仮に県外からの受審者数を0とした場合、倍率は1.34倍となり、今回に限っては、県内関係者のみで計算上は採用予定数を満たすことはできますが、例年新卒の受審者は80人前後で推移していますので、翌年度は倍率が1倍を下回る可能性が高く、それ以降は必要とする採用者の確保ができない状況が何年か続くことが見込まれます。

こうしたことから、平成28年度からは1次審査の一部の校種について県内会場に加えて関西会場でも実施し、また、平成29年度からは一次審査の日程を早めるなど、受審者数を増やし、優秀な教員をできるだけ多く確保すべく取組を行っているところでございます。

なお、小学校教諭に係る辞退者につきましては、令和元年度実施の採用審査では、名簿登載者が232名に対して辞退者が99名で、辞退率は42.7%、同様に、令和2年度実施では、現時点で、名簿登載者数が252名となっておりますのでそれに対して辞退者が119名で、 辞退率は47.2%となっております。

また、辞退者を含んだ全名簿登載者に対する受審者の倍率は、令和元年度実施は4.0倍、同様に令和2年度実施は3.6倍となっており、多くの受審者の中から必要な採用者数を確保できていることから、現在の採用審査制度は、全国的に見てもうまく機能しているものと考えております。

本県では、令和7年度までは大量退職が続きますことから、更により良い審査方法等を研究しながら、本県が求める資質や能力を有する優秀な人材を確保できるよう、引き続き、取り組んでまいりたいと考えております。

 

●米田議員 無駄に受審者数を追う現行採用選考審査制度は、高知で教職に就く意思がない腕試し的受審者の名簿登載という愚かな結果を生じさせ、同時に、本県教育を日夜支えている臨時教員には虚しさを覚えさせ意欲を殺ぎ、結果的に教職への道を断念させている事に一役買っているのではないかと懸念をします。

事実、教育新聞は、次のような記事を掲載しています。『新卒者の受審者数は小幅な減少にとどまっている一方、臨時教員など既卒者の受審者数が大きく減少している。文科省は「近年の民間企業などの採用状況が好転していることや、新規学卒者の採用者数の増加などにより、教員採用選考審査に不合格となった後、講師を続けながら教員採用選考審査に再チャレンジする層が減ってきている事が主な理由」と分析する』というものです。

 目を外や上にばかり向け無駄な内定者を追いかけるのではなく、足下のこの高知の学校現場で頑張っている臨時教員に向けるべきです。党県議団は、9月議会、12月議会と続けて提案をしましたが、受審者を増やす事に主軸を置くのではなく、今改善が迫られているのは、臨時教員が培ってきた力量を総合的に、測れる採用選考審査とすることです。

 既に各県では先の文科省の分析に応えるように、臨時教員のチャレンジを促すことで、不足する教員確保への取り組みを進めています。1から3年の勤務実績のある臨時教員などを対象とする「教職経験者特別選考」枠を設定する県が増えています。前提条件として、志望する自治体で働いていることとし、最近では常勤・非常勤を問わずとし、しかも1年の経験があればいいという神奈川県のような県も出始めています。それらの審査で免除されている事には、一次審査の免除、教職教養を論文に変更できる、筆記審査のうち教養審査を免除、筆記審査を面接審査に変えて実施、などです。臨時教員が一番負担になる筆記審査に要する時間は500~600時間というアンケート結果が出ています。1年計画で実施しても1日2時間ほどの筆記のための勉強は、現場での仕事を終え明日の教材研究はもちろん、部活や地域行事への参加等もあるなかで、臨時教員には極めて困難を強いるものとなっています。

◆本県においても、必要な教員を確実に採用、確保できる選考審査として、臨時教員対象の特別選考枠を設定するなどの方法を検討すべきと考えますがどうか、教育長にお伺いをいたします。

 

○教育長 次に、臨時教員対象の特別選考枠を設定するなどの方法を検討することについて、お尋ねがございました。

本県では、現在、臨時教員に対して、前年度の1次審査を合格した者について、翌年度の「1次審査」を免除しており、本年度実施の採用審査では4名を免除いたしました。また、本県の臨時教員として2 4月以上の勤務経験を有する場合にも、1次審査における「教職・一般教養」の筆記試験を免除しており、本年度の採用審査では4 4名を免除いたしました。本年度実施した採用審査では、本県の臨時教員として受審した者の約半数が、いずれかの免除対象となっております。

こうした措置を設けることで、臨時教員のチャレンジを促すことに繋がっているものと考えておりますし、これは他県で実施されている措置と同等の措置であると考えております。

また、教員に求められる資質や能力につきましては、臨時教員の経験の中で高まるものと考えており、その力量は、現在行っております2次審査の模擬授業や面接審査の中で、適 正に評価がされているものと認識しております。

臨時教員の皆さまには、今後も学校現場において実践を積むことによりまして、専門力を高め、まずは1次審査の筆記試験を突破していただき、その上で2次審査の模擬授業や面 接審査において、臨時教員としての強みが発揮できるよう努めていただきたいと考えております。

今後も大量退職が続く中で、質の高い教員の確保は課題でありますことから、更に他県の取組なども情報収集しながら、引き続き、採用審査の実施方法等について研究を行ってまい ります。

 

●米田議員 2012年8月の労働契約法改正によって、民間企業では有期雇用が5年続いた場合、労働者の申し入れがあれば、無条件で無期雇用に切り替わるが、教員など公務員は適用除外となっています。

◆学級担任など正規教員と同じ職務を果たすことを5年も続ければ、民間企業と同じように無期雇用へ転換したり、正規化したりする仕組みが必要だと考えますが、教育長の思いをお聞きいたします。

 

○教育長 最後に、民間と同様に正規化する仕組みの必要性について、お尋ねがございました。

地方公務員法22条の3第5項に規定されております「臨時的任用は、正式任用に際して、いかなる優先権をも与えるものではない。」との趣旨や、地方公務員が労働契約法の適用除外となっていることを勘案しますと、現行の法令等のもとでは臨時教員を勤務年数のみで正規化する仕組みを整えることは困難だと考えております。

 

【県土の軍事化】

●米田議員 次に、県土の軍事化について知事に伺います。

 2月8日午前10時58分頃、足摺岬沖合約50㎞の海域において、海上自衛隊潜水艦「そうりゅう」と香港船籍の貨物船「オーシャンアルテミス」約5万トンが衝突する事故が発生しました。今回の衝突事故は、「そうりゅう」が浮上する際に貨物船を探知できず発見が遅れ艦橋部分を衝突させたもの。洋上にいる船舶が浮上してくる潜水艦を回避することはほぼ不可能で、事故の責任は100%潜水艦側にあると指摘をされています。

 しかも、この事故現場は県の大型浮魚礁ブイ「土佐黒潮牧場」の近くで、鰹やマグロが捕れるため、多くの漁船が行き来する海域で、「もし、漁船だったら沈没は免れなかった」など、高知県漁業協同組合を始め多くの関係者から、激しい怒りと不安の声が上がっています。

私ども県議団は、翌日、直ちに、原因究明と再発防止を求める要望書を、防衛省中国四国防衛局と浜田知事に提出し、対応を求めました。知事もその翌日、防衛大臣に、事故原因、再発防止策の速やかな情報提供を求める要請を行っています。

◆そこでまず、この事故に対する知事の思いと、現時点で防衛省からどのような報告がなされているのかお聞きします。原因の究明と再発防止策の説明については、公開の場で行われるべきと考えますが併せて伺います。

 

○県知事 次に、今般の潜水艦の衝突事故に対します思いと事故原因等の説明を公開の場で行うべしという点について、お尋ねがございました。

今回の事故が発生しました海域では、本県の漁業者が日常的に操業を行っておりまして、一歩間違えると大惨事につながりかねないものであったと考えております。

また、漁業関係者などに強い不安感を与えておりまして、県民の安全・安心を預かる立場にある者といたしまして、極めて遺憾に感じております。

このため、事故発生の2目後、防衛大臣に対しまして、事故原因の徹底究明や確実な再発防止策を講じること、再発防止策及び事故調査結果を速やかに情報提供すること、を求める要請書を提出いたしました。

これを受けまして、海上自衛隊の呉地方総監部の担当者が危機管理部を訪れまして、事故概要のほか、原因究明、再発防止に取り組んでいること、「詳細な事故調査結果などを改めて県に説明する」旨の説明がございました。

県民の皆さまも関心の高い事故原因や再発防止策の国からの説明については、ご指摘もありましたように、非公開ではなく公開の場で行われるべきものだと考えております。

一昨年の11月には米軍機が高知県沖で墜落した事故に関しまして、中国四国防衛局から事故調査の結果や再発防止策の説明をお受けしましたけれど、その際にも県の要請によりまして報道機関に公開をいたしております。

今回の事故に関する今後の説明にあたりましても、これまでと同様に公開の場で実施していただくよう国に求めてまいります。

 

●米田議員 ◆この海域付近ではこれまでも「潜水艦の潜望鏡が見えたことがある」との漁民の声も聞かれており、事実解明は当然ですが、潜水艦の浮上訓練・演習を行うにはあまりに危険が大きすぎる海域です。演習そのものを事故の起こった海域では、今後実施させないという強い要請が必要だと考えるものですが、知事のご所見を伺います。

 

○県知事 次に、潜水艦の訓練に関する防衛大臣への要請について、お尋ねがございました。

厳しい安全保障環境の中、国民の平和な暮らしを守り抜くために自衛隊が果たす役割は重要だと考えておりまして、国内における自衛隊の訓練そのものは必要なものであると認識しております。

しかしながら、その訓練が決して国民・県民の生命や財産を脅かすものであってはならないと考えます。

今後、国による事故原因の調査結果や、事故原因を踏まえた再発防止策が県に示されることになっております。

私自身もその内容を精査し、仮に対策が不十分であると判断いたした場合には、訓練の中止も含めて国に働き掛けていくことが必要だというふうに考えております。

 

●米田議員 今回の衝突事故現場の南方約30キロには、公海に凸型に設定された日米の空・海の軍事訓練場「リマ水域」があります。土曜・日曜を除き訓練が行われ、米軍はここでの訓練内容は明らかにしていません。漁船はその間、立ち入り禁止されているだけでなく、実弾訓練による周辺漁場への影響も懸念をされています。

県としてもこれまで、優良な漁場であるリマ水域の指定解除を国に求めてきました。◆今回の衝突事故が、直接関係しているのかは現段階では明らかではありませんが、県が先頭に立ち県民運動を展開する必要があると思います。今後リマ水域の撤廃にむけてどのように対応されるのか、知事に伺います。

 

○県知事 次に、いわゆるリマ水域の指定解除に向けた対応について、お尋ねがございました。

リマ水域は、カツオやマグロの好漁場でありながら、軍事演習区域となっているために操業が大きく制限されておりまして、漁業生産面の損失を招いております。

また、この水域を迂回することにより燃油コストが増大するなど、本県の漁業振興の阻害要因となっております。

リマ水域演習区域の指定解除につきましては、昭和35年 から5回にわたりまして県議会で意見書の議決や決議がなされた経緯がございます。

県といたしましても、長年にわたり、国に対して指定解除を要望してまいりました。

また、県漁連や関係漁協で組織されておりますリマ・種子島・沖縄等対策委員会も、昭和37年から国に要望を行っております。

このリマ水域演習区域につきましては、日米安全保障条約に基づく法律によりまして昭和27年に指定されたものであります。指定解除は非常に困難な課題であるというふうに受けとめておりますけれども、引き続き国に対して指定解除を粘り強く求めてまいります。

 

●米田議員 本県は海域だけでなく、上空においても米軍機の低空飛行訓練が増大し、再三にわたる県の要請にも誠意ある米軍の対応が成されていません。

◆低空飛行訓練の中止を求めるための取り組みとして、低空飛行の実態を映像記録する機器の設置を求めていましたが、来年度の国の予算案に盛り込まれていると思いますが、どのように設置され、県はその映像を今後どのように管理、活用されるおつもりか知事に伺いまして、第一問とします。

 

○県知事 最後に、米軍機の低空飛行の映像記録についてのお尋ねがございました。

本県におけます米軍機による低空飛行の実態を把握するため、国の来年度予算案に動画が撮影できるカメラ、そして騒音測定器の設置費用を計上いただいているというふうに承知しております。

中国四国防衛局からは、固定式の観測カメラを本山町の雁山に設置すること、また騒音測定器を同町内の建物の屋上に設置することを検討しているというふうに伺っております。

撮影された映像で雁山と米軍機の高度を比較するというようなことで、飛行の実態がより正確に把握できるものというふうに考えております。

動画等のデータにつきましては、県や地元自治体の求めに応じて速やかに提供していただきたいというふうに考えております。

県といたしましては、提供された動画により、航空法に違反するような飛行が確認された場合には、米国に強く是正を求めるよう国に要請をいたしますとともに、その際の具体的な根拠の資料として、動画を活用してまいりたいというふうに考えております。私からは以上であります。

 

【再質問】

●米田議員 それぞれ丁寧なご答弁ありがとうございました。第二問をさせていただきたいと思います。最初に実務も入りますので教育長にお伺いしたいのですが、内定辞退者率は、考え方の違い、しかし、問題は、128人を採用するにあたって99名の結果としてですよ、辞退者を出しているという、極めて重大な問題ですし、これは何を指しているのかということをしっかりと、検討していただきたいというふうに思うんですが、この小学校で言ったら、去年度99名、本年度89名ということで辞退者の方の、県外で受験された、あるいは県外出身という割合、もしわかったら答えていただければというふうに思います。

それで、今、教育長は、臨時教員の方も採用されているというふうに言われましたけれど、この辞退者の数が多いことによって、臨時教員の皆さんに大変なしわ寄せがいっている、私たちの思いとしては、日々、現場で子どもたちに向き合いながら子どもの未来を支え、高知の未来、教育を支えている人たちが、まあいったら外される、非常に重要な、大事な人材を失っているんじゃないかという見方もできるわけですよね。まあ、現にそういうことになっているわけですから、私はそういうことも含めて、しっかりとこういうやり方でいいのかということをぜひやっぱり再検討、深くすべきだというふうに思います。

二つ目は、一次試験の免除とかありますけど、結局前年度通っていないと免除にならない度もあるわけですよね。それで、もう一回、試験を受けてということになるわけですから、この大変な、年間500時間、何百時間勉強せざるをえない、そういう負担はずっとついてまわるわけですよね。そのことをきちっとやはり解決をして、現場で、皆さん教育委員会が責任をもって臨時の先生を子どもたちに向き合っているわけですから、太鼓判おしているわけですよ。そういう人を何回も大変な筆記試験を受けさせる。それで、多数の内定辞退者が出ることによってその被害を受けていると思ったときに、本当に改善をしてもらいたいというのが二つ目の質問ですので、ぜひ、お答え願いたいと思います。

知事には、ひとつは、ケア労働やエッセンシャルワークの充実、改善についても、真摯にしていくということで示されましたけれど、保健所の体制強化ですけど、国による調査があって国に対して(報告)されていると思うんですけれど、しかし、この間30年間の保健所全国でみますと職員数は3万5千人から2万7千人に減り、それから交付税措置も111人から、標準団体で88人に減っているわけですね。それで、国が今度、標準団体で102人まで回復するといえども、それでもなお、保健所の職員は30年前よりも少なく、削減のままということになります。やはり、思いきって、今の時期に感染症対策も含めた保健師さんの充実、そして、母子保健や精神保健の対応も求められていますから、30年前とそん色ない体制を整えないと新たな、色々な業務が入ってきていますので、ぜひ、地方から声を挙げて、さらにやはり改善させていただきたいと思います。

同時に、薬剤師や獣医師さんの専門職員や事務職員の皆さんも大変な役割を果たされてきたわけですよね、この間ね。彼らがいないと追跡もできなかったわけですから、本当に、こういう職員も含めて30年前と比べて3万5千人から2万7千人へと削減縮小してきていますから、その回復と充実というのが、国民のいのちと健康を守る上で非常に大事ですので、それをぜひ検討していただきたいというふうに思います。

それと検査の問題については、濃厚接触者だけじゃなくてやると言われますけど、この間国も2月4日の通知を出されて、高齢者施設等の従事者の検査の徹底についてという要請をされておりますよね。そして、10の(緊急事態)宣言の都道府県だけじゃなくて、その他も含めて、高齢者施設職員の方の検査をやってくださいと、いうところまで前進してきていますから、私は、県はがんばっているといえども、そういう取り組み、対応はしていません。言われたように、無症状の方を発見するというのが、この新型コロナウイルス対策の肝ですから、そこをやっぱり、がんばって今25の都道府県が積極的にやっていますので、その点はぜひ、実施するように、強く求めたいと思うんですが、答弁をお願いしたいと思います。以上で、第二問とします。

 

○教育長 辞退者の、県外、県内の比率につきまして、申し訳ございません、今手元に正確な数字をもっておりませんけれども、県内出身者の方で、辞退をされる方というのはやっぱり比較的少ないですので、多くは、県外から受けている方だということは、この場でいえるというふうに思っております。

 それとですね、先ほどご答弁いたしましたように、毎年新卒者の県内の方々が80人くらい、去年は95名の臨時の方が受けられたということですけれども、毎年百数十名の新採採用者、小学校でとっておりまして、ご答弁したとおり、今年度仮に高知県だけで全部採用させていただいたとしても、来年、すぐに確保ができなくなって、再来年以降は何十人単位で、高知県だけの方でやってしまうと、何十人単位で確保ができないような状況になってきます。そういったことがありますので、平成28年度から県外でこういう開催をして、受審者の確保をしておるようなところでございます。

 それから、免除の話ですけれど、一次試験を、前年度に合格された方については、免除ということですけれども、県で24月以上の臨時教員の経験されている方については、筆記試験の内の一般教養については、免除させていただくような対応をとっております。臨時教員をやったことで、一般教養と加えて、専門の筆記試験まで、やめてしまって、選考していいのかという、そこについてはちょっと筆記試験をすべて、臨時教員をやってしまうことでクリアしていくということについては、ちょっとやはり、まず教員としての知識、必要な知識があるのかというところについては、やっぱり公正なペーパー試験ということで、確認をさせていただきたいというふうに思っておりますので、すぐにやるということについては、ハードルは高いのかなというふうに思っております。

 

○県知事 米田議員の再質問にお答えをいたします。一点目が保健所の体制強化についてであります。30年前と比べて、保健所職員が減っているじゃないかというご指摘がございました。ただ、この間ですね、保健所に関わります行政に関しましては、市町村との役割分担の見直しなどもございまして、県の保健所はより専門性の高い仕事に特化をしてきたと、いうようなこと、そうした中で、広域的な再編も行われてきたという中で、保健所職員が減ってきたという側面もあるというふうに考えております。

 また、今回、先ほどもご答弁いたしましたとおり、新興感染症への対応ということで保健所がその第一線で活躍をしてもらうということになるということは、明らかに今回、県民の皆さんも含めて認識をされたというところだとおもっておりますし、今回大変な業務の負担をおかけしているということも事実でございます。

 また、財政面の措置でも、地方財政上の措置が講じられるということでございますから、こういったことも踏まえまして、一方で、専門性の必要な人材、保健師さんですとか、薬剤師さんとかございますから、そういった方たちがただちに採用できるのかという人材確保の面での課題はありますが、いずれにいたしましても、様々な工夫も致しまして、保健所の体制の強化ということに関しては、地方財政措置もふまえて、しっかりと検討し対応をしてまいりたいと考えております。

 二点目が、コロナ関係の検査についてであります。これはもうご指摘ございましたように、厚生労働省の方からも例えば、老人福祉施設等におきまして、新たな発生、患者の確認がされたような場合には、全員、施設の入所者あるいは従事者等に対しまして、全員に対して積極的に検査をすべしといったような指針も出されているとこでございます。現実に、本件の感染状況、現状は落ち着いてきているということはございますけれども、そういった厚生労働省の通知も踏まえまして、必要な場合には積極的に事業者の方々のご意向もうかがいながら、無症状の方も含めて、検査も行うという形で対応してまいりたいと思います。

 

●米田議員 ありがとうございました。第三問です。採用試験の時期について、なお検討もしていただきたい、というふうに思います。それと知事に対しては、エッセンシャルワーカー、ケア労働に対しての見直しもやっていくということで、ぜひ、県民の実際の姿、県政全体の姿をしっかりとやっぱり見ていただきたい。その上で、地方自治の役割である、住民の福祉向上ということで、先頭に立ってやっていただきたいということをお願いして、すべての質問を終わります。ありがとうございました。