議会報告

【質問項目】

・米価暴落問題

・地球温暖化防止

・南国市中心市街地活性化

 

●岡田議員 日本共産党の岡田芳秀でございます。通告に従いまして、順次、質問をさせていただきます。

 

【米価暴落問題】

●岡田議員 先ず、米価暴落の問題についてお聞きします。

 コロナ禍による米価暴落に歯止めがかかりません。全国では、今年の出来秋に農協が農家に支払う概算金(前渡金)で1俵1万円を下回る銘柄が続出し、なかには昨年の半値近くまで下がった銘柄もあります。概算金や買取価格の下落によりまして、前年比2割から4割の削減ということが見込まれておりまして、大規模農家ほど打撃を受けるという状態になっております。

 JA高知県(南国営農経済センター)によりますと、令和3年産うるち米の概算金は各品種とも一俵、1,000円から1,300円の大幅な値下がりとなっております。

具体的には、第一期の集荷開始から7月27日までの2等米、1俵、60㎏当りの概算金を昨年度と比較すると、「南国そだち」は11,700円が10,700円に1,000円下落。「よさ恋美人」と「コシヒカリ」がともに11,300円から10,000円に1,300円下落。「ナツヒカリ」も9,700円から8,400円に同じく1,300円下落しております。1等米、3等米も同じように下がっております。

くわえて、今年は、収穫時期の長雨で品質が低下した米が少なくありません。このことから、コメ農家は、初めてコロナ禍に見舞われた昨年以上に厳しい状況となっております。米価暴落は、農家にとって死活的な問題です。

◆まず、こうした概算金の大幅下落が高知県の農家に与える経済的影響についてどのように認識しているのか、農業振興部長にお聞きします。

 

○農業振興部長 令和3年産米の概算金は、本県だけでなく、全国的にも平成26年産以来の大幅な下落となっている状況であります。

 この概算金下落の影響を、本県で、最も生産の多い「コシヒカリ」で試算しますと、昨年より約1割の減収となります。特に大規模な稲作の専業農家の皆さまにとっては、大きな影響があったものと認識しております。

 加えて、南国市など、一部の地域では、8月の2週間近い長雨により、本来の収穫時期に刈り取りができず、倒伏による穂発芽の発生など品質低下の影響も出ていると認識しております。

 

●岡田議員 大変厳しい状況であります。

米価暴落の原因は、市場の在庫が積み上がっているということにあります。米の需要が、毎年8万トン、最近では10万トン減少していることもありますけれども、最大の問題は、昨年来の新型コロナウイルス感染症による業務用の米の大幅な需要減少にあります。したがって、対策としては、余ったコメを、政府が備蓄米として緊急に買い取って市場から切り離すということが必要で、それが最も有効な対策となります。

米価暴落は、まさに突発的な災害ともいえるもので、米農家にとっては何の責任もありません。

ところが、昨年の米価下落を受けて、自公政権がやってきたのは、主食用米から飼料用米や他の作物への転換の奨励でした。余剰米を買い上げない背景には、2018年から政府が米の生産調整から「撤退」したことがあります。つまり、米価を農業者任せ、市場任せにしてしまったことがあります。

政府は、備蓄米として買い入れを求める農家や関係者の声に耳を傾けず、生産者の「自己責任」による過去最大(36万トン=生産量の5%)の作付け転換を押し付けました。

生産者の懸命な努力によってこの目標がほぼ達成されたにもかかわらず、コロナ危機が長引いていることもあって、コメの過剰在庫が減らず、今年の米価がさらに、しかも大幅に下がったというわけです。

このままでは21年産にとどまらず22年産の米価まで暴落しかねません。

◆私は、米価を維持するには、政府が余剰米を買い取って市場から切り離すのが最も有効と考えますが、農業振興部長のご所見をお聞きいたします。

 

○農業振興部長 国は備蓄米について、需給状況に応じて、買い入れ数量を増減させるなど国による需給操作や価格の下支えにつながるような運用は、備蓄米制度の趣旨に沿わないという見解を示しております。

 私も、国の見解と同様の認識をしているところでございます。

 国においては、消費喚起とともに、主食用米からの転換を支援するなどの需給対策を十分に講じていただきたいと考えております。

 

●岡田議員 はい。国が、市場から切り離すということがポイントだと思います。

生産量の多い「コシヒカリ」が1俵1万円。これでは農家はやっていけないと思います。米を一俵作るのに生産費はいくらかかかるか。農水省の資料(「米の生産コスト低減について」R3年4月)によると、令和元年度で全国平均15,155円です。認定農業者15ha以上でも10,851円かかります。

概算金では生産原価が賄えません。つまり赤字経営が続くと、とてもじゃないけれども、農業は続けられない。これが現状です。

これまでは労務費の部分を切りつめて農家はなんとかやってきたというのが実情だというふうに私は思っております。昨年の値下がり、そして今年の大幅な値下がりは、限界を超えていると言わなければなりません。この事態を放置していては、農家の皆さんが生産意欲を失ってしまうと思います。

◆農家の皆さんの生産意欲を喚起するためには、米の生産費を賄える、価格保障、あるいは所得補償で家族農業を支援することが必要だと考えますが、知事の所見を伺います。

 

○県知事 米は我が国の主食でございまして、この生産を家族農業が守っているということ、そして、農家所得の向上を図っていくということは極めて重要であるというふうに考えております。

 その支援策といたしまして、米は他の品目よりも著しく高い関税で守られているということがございます。そうした米に関しまして、生産費を賄えますような価格保障、あるいは所得補償まで行うということになりますと、他の農産物の生産者、他の産業の事業者などの理解が得られないと、そういう事情があるというふうに考えております。

 こうしたことがございまして、かつて存在しておりました、所得補償、あるいは米価の変動補填といった交付金の制度が廃止されているという経過をたどったというふうに理解をいたしております。

 

●岡田議員 農業の自然環境保全だとか、水の資源の保全、あるいは地域を守っているというような役割を十分理解していただいて、米をしっかり守っていくということを私は大事だと思います。そのための施策を講じていかなければ、ならないと思います。

 収入保険や、米・畑作物の収入減少影響緩和交付金(いわゆるナラシ対策)など、下支えの支援制度がありますけれども、加入者は限られています。収入保険は青色申告でないと加入できないうえ保険料も高い、ナラシ対策は認定農業者や集落営農といった要件もあります。いずれにしても、販売収入に応じた支援であり、生産原価を賄うものではありません。生産者米価が下がり続け、売上高が減っていくと、おのずから補償額も下がっていきます。こうした支援策があっても、やはり生産費が賄えなければ、いずれは農業が続けられなくなるのではないかというところにきているのだと、私は思います。

◆収入保険は、生産者の負担を軽減し、白色申告でも加入可能にする、そして生産費を賄えるものにするなど、使い勝手の良い制度に改善を求めることが必要と考えますが、国に求める考えはないのか、知事にお伺いいたします。

 

○県知事 お話のございましたいわゆる収入保険につきましては、様々なリスクから農業経営を守っていくために、品目の枠にはとらわれずに、農業者の収入全体をみて総合的に対応する制度として設計をされているというふうに理解をしております。

 そういう意味で、あくまで収入の減少を補償するためのセーフティーネットという性格のものでありまして、生産費をまかなうという構造にはなっていないというふうに考えております。

 また、これにつきまして、多額の国費を投入して収入の減少を補償するといった制度の枠組みの上から、収入の把握の正確性はやはり担保していかなければならない、とそういうことでございますので、青色申告書に限定をして適用されているというふうに認識をしております。

 本制度の趣旨を踏まえますと、国のこうした取り扱いは、一定の合理性を持っているというふうに考えまして、この見直しを求めることまでは必要ないのではないかというふうに考えております。

 

●岡田議員 生産費を賄える支援がなければ、やっぱり農家を続けられないのではないかと、私は、思います。ナラシ対策にしても、農水省が試算をだしていますけれど、一定補填はされても、やはり、収入が減るということが出ております。

そして、次の問題ですけれども、種苗法が改定されたことに伴って、今後、登録品種を自家採種する場合に利用料が発生することになってきます。私は、種苗法は登録品種も自家採種できるように元に戻すべきだし、生産者が利用料など新たな負担増とならないよう法改正が必要だと考えます。

◆高知県が育成権者となる水稲の「南国そだち」「よさ恋美人」の自家採種については、これまで通り利用料を無償にできないのか、知事にお伺いします。

 

○県知事 これまで、自家増殖をする場合には、利用料の徴収対象となっておりませんでしたが、お話がございましたように、法改正がございまして、令和4年の4月から利用料の徴収が可能となるという制度となりました。

 県といたしましては、第一にできるだけ農家に新たな負担をおかけしないということ、

第二に県が育成をした品種を、本県の農業振興のためにしっかりと活用していただくということ、こういったことを重視いたしまして、現在この取り扱いを検討中でございます。

 JAなどの関係団体とも協議をいたしながら、利用料などの取り扱いにつきまして、今年末をめどに結論を得たいというふうに考えております。

 

●岡田議員 新たな負担にならないように、ぜひともよろしくお願いをいたしたいと思います。

コメの国内需要減少の一方で、義務ではないМA(ミニマムアクセス)米を需要の1割に及ぶ77万トンも、毎年、日本は輸入し続けております。この輸入は中止すべきだと考えます。コメが余っているのに輸入を続けるというのは、愚の骨頂だと言わなければなりません。

 米価下落の問題の本質は、先に言ったように、政府が米価を維持しようとせず、市場任せにしていることにあります。このままだと農業をする人もいなくなります。農家をあきらめさせるような農政を続けてはならないと考えます。

政府は、生産費を賄えるだけの生産者米価に責任を持つべきです。輸入自由化が進むもとで、民主党政権時代に、コメの直接支払交付金が   作られました(平成22年度)。一反1万5千円で、農家にとってはありがたい制度でしたが、自公政権になって、これが半額の7,500円になり、平成30年度から廃止されました。

 米は日本人の主食です。日本では2千年以上昔から米が作られてきました。それが、日本の文化、地域の文化を育んできたといっても言い過ぎではないと思います。この米を作る農家を支援することは、政治の務めであると考えます。

 特にこの近年、安倍・菅政権をみますと、主食に対する責任を放棄してきたのではないかと言わなければなりません。米価下落も農家の自己責任というなら政治は必要ないのではないでしょうか。

◆米価が市場任せで良いのか。主食である、米の安定生産に向けた政府の需給調整が、やはり必要だと考えますけれども、この点で知事の所見を伺います。

 

○県知事 米の需給調整につきましては、かつて国が生産数量目標を配分すると、いわゆる減反という形で実施をされてきたというふうに理解をいたしておりますけれど、生産者の皆さんの自由度を拡大させるという観点から、これは平成30年産から廃止をされております。

 一方で、生産が過剰になった場合につきましては、米価の下落によります生産者の経営の悪化を招く恐れがあるということはご指摘の通りだと思いますので、この需要に応じた生産を行っていくと、そうした政策をとっていくということが大事であるというふうに考えております。

 このために、具体的には、水田活用の直接支払交付金の制度を活用いたしまして、例えば、飼料米への転換でございますとか、高収益の作物、例えば野菜などの導入などによりまして、生産者、関係団体、行政が一体となって取り組んでいくとこういった取り組みを進めていくということが、重要であるというふうに考えております。

 

●岡田議員 わかりました。需要の拡大も非常に大事だと思います。

次に、食料自給率についてお聞きをいたします。

農水省は8月25日、2020年の食料自給率、カロリーベースですけれども、37.17%と過去最低になったと発表しました。20年の米の作況は99と平年作にもかかわらず、作況74の大凶作だった1993年の37.37%より低く、天候不順だった2018年の37.42%よりも低い、まさに異常事態です。

 政府は「食料・農業・農村基本計画」で食料自給率45%という低い目標を掲げていますが、実績はというと、1994年の46%を最後に、目標からは遠ざかるばかりです。そして、過去5年間で農業従事者は46万人も減少をしております

 新型コロナウイルスの世界的な感染爆発が起こる中、米の輸出国のベトナムなど19カ国が食糧輸出を規制しました。これらの国からの輸入が少なかったため、日本への影響はありませんでしたけれども、食料を外国に頼ることの危うさが明らかになったと思います。今こそ食料自給率の向上が求められております。

◆食料安全保障の上から、自給率低下の現状をどのように評価しているのか、知事にお伺いいたします。

 

○県知事 食料自給率の低下についてでありますが、国におきましては、この自給率が長期的に低下してきた主な要因が何かということに関しまして、国民の皆さんの食生活の大きな変化によりまして、自給率が比較的高い米の消費が減少するという一方で、自給率が比較的低い畜産物などの消費のウエイトが増加をしたと、結果的に、自給率が低下をしてきたという分析をされているところでございます。しかし、食料の安定供給というのは、国の基本的な責務の一つであるというふうに考えております。

 近年食料供給を巡りますリスクが多様化をいたしますなかで、我が国の農林水産業の生産基盤を強化し、そして、この食料自給率の向上に努めることこのことは極めて重要だと認識をしております。

 ただ一方で、現状といたしましては、ご指摘ございましたけれども、目標といたします令和12年度のいわゆるカロリーベースでの食料自給率は45%ということでございますが、現状基準値が37%というような水準でございますから、この目標が低いというお叱りがございましたけれども、この目標を達成するにつきましても、さらなる努力が必要なそんな状況にあるというふうに考えております。

 

●岡田議員 今年、高温の問題がありまして、カナダ、アメリカで、高温・乾燥の影響で、小麦の作柄が非常に不作で、国際的な価格も値上がりしております。そのため10月から、日本にも影響が出てきまして、小麦関連食品の値上がりも続いておるわけでありまして、貿易に頼るということの影響も、十分考えて、国内の産業、農業、大事にしなければならないと思いますけども。

日本の食料自給率の低下について、日本人の「食生活が変化した」からだと、あるいは「食の洋風化」であるという見解も聞かれますけれども。これは否定できないとしても、私は、やはり自国で生産できるものまで外国から輸入するという、輸入自由化を進めてきたことに最も大きな要因があると考えます。

 (この間)9年余り続いた自公政権の元、TPP11をはじめ、日欧EPA、日米貿易協定、RCEPと、大がかりな農産物の輸入自由化が強行されてきました。その結果、農産物は輸出の伸びの10倍以上の輸入が増えています。農業の国際競争力をつけなければ輸入が増えるのは仕方がないといわれるかも知れませんけれども、国土の広さや、自然環境など、おのずから日本には限界があります。例えば、アメリカのコメ農家の耕地面積は平均160ヘクタールです(USA Rice)。これに相当する日本の農家はまずありません。(北海道でも1経営体当り耕地面積は平均30.2ヘクタールです(R2年調べ)。アメリカの五分の一以下です。

食料自給率低下の主原因を「食生活の変化」に求める限り、自給率の向上は望めないのではないか、情勢如何ではさらに低下する恐れさえあるのではないかと考えます。

◆食料自給率の向上に向け、今後、どういう取り組みが必要だと考えるのか、知事の所見をお聞きします。

 

○県知事 この食料自給率の向上に向けてでございますが、国の食料農業農村基本計画におきましては、この食料自給率の目標達成に向けまして、重点的に取り組むべき事項といたしまして、ひとつには、農業生産の面において、国内農業の生産基盤を強化していくということ、また、国内外の情勢の変化に対応した生産供給をはかっていくということが、掲げられております。

 一方で、食料の消費の面におきましては、消費者と食・農との深化をはかる、また、食品産業と連携をはかっていくとこういった取り組みが掲げられているところであります。国におきましては、こうした観点からの施策が講じられておりますけれども、今後も引き続きこの食料自給率の向上に向けまして持てる施策を最大限に講じていただきたいというふうに考えております。

 県におきましても、産業振興計画を推進していくということを通じまして、県産の農水産物の生産の拡大、そして、地消と外消によります消費の拡大にしっかりと取り組んでいくと、それがひいては食料自給率の向上につながっていくものだというふうに考えているところでございます。

 

●岡田議員 私は、関税ゼロにむかう農産物の輸入自由化はやめて、自国の農業を保護することが大切だと考えます。もちろん貿易一般に反対するものではありません。農業保護というのは、どこの国でも当たり前に行っていることです。

先進国で日本のように食料自給率が37パーセントというような国はありません。例えば、数字をあげますと、オーストラリア223%、アメリカ130%、フランス127%、ドイツ95%、イギリス63%、イタリア60%です。日本は断トツの最低クラスとなっております。これは食料安全保障の上からも問題です。

農業を国の基幹産業と位置付けて、自国の食料は、できるだけ自国で生産すると、そして足らざるもの、日本では生産できないものは輸入するということを基本にすべきではないかと考えます。

◆自国の農業を保護する意義について、知事の所見をお伺いいたします。

 

○県知事 我が国の農業は食料の安定供給はもとよりでありますが、のみならず、国土の保全あるいは、水源のかん養といった多面的な機能を有しているというふうに考えております。このために、農業の生産活動が持続可能なものになるということが、何よりも必要だと考えております。このため、経営安定対策あるいは直接支払制度など、国の施策によりまして、しっかりとこの農業者を支えていくということが肝要であると考えております。

 

●岡田議員 次に、食の安全という角度から、お聞きいたします。

食の安全を確保するということでも国内生産が重要です。国内生産者をまもることが、食の安全につながります。輸入小麦からグリホサートが検出された事例もあります。

「スーパーに行くとあれもこれも輸入品。安全なものを食べ続けるには、近くで生産されたものが安心だし、生産者の顔が見えればもっといい。輸送コストを考えても、近くで生産するのが一番いいのではないか」と話す消費者も少なくありません。直販店などの売上がいいのは、かなり新鮮だということに加えて、そういう消費者の意識があるからではないかと私は思います。

輸入野菜では、残留農薬の危険が指摘されています。また輸入牛肉・豚肉については、アメリカ・カナダ・オーストラリアでは、発がん性やアレルギーなどの危険がある「成長促進ホルモン剤」が牛や豚の“増体重”薬として使われています。日本は国内での使用は禁止していますが、輸入は禁止していません。

アメリカでは、輸入を禁止しているEU向けには、ホルモン剤を使わない「特別プログラム」の豚肉・牛肉が生産され、日本にはホルモン剤を使った「一般向け」が輸出されています。検査が空洞化すれば、危ない豚肉・牛肉が大手をふって輸入される危険も高まります。すでに牛肉の自給率は36%、豚肉は50%です。

◆こうしたことからも、国内生産を増やしていくことが、食の安全・安心につながると考えますが、知事の所見をお聞きします。

 

○県知事 食品の安全性につきましては、輸入食品でも、国産食品でも国内で流通する際には、食品衛生法によって、同じ基準が適用されているという状況ではございます。

 一方で、海外からの輸入の食料は輸出国での大規模災害などによります農産物の不作、あるいは他の輸入国との競争などによりまして、大幅な減少といった不測の事態が生じるということは考えられます。こうしたリスクの低減を図り、また国民生活に不可欠である食料を将来にわたって、安定的に供給をし続けるためには、国内生産を増やしまして、食料自給率を高めていくことが必要だというふうに考えますし、また議員からご指摘がありました食の安全という観点からですね、国内産が、多少価格が高くても安心して食べられるということで、消費者の方々に選択いただけるとこれは大事な視点だと思いますから、こういった点についても、農政の展開においてですね、必要なバックアップを考えていくということはしかるべき対応だというふうに考えております。

 

●岡田議員 ありがとうございます。スイスなどではそういった取り組みがやられているということですけれども、次に、地球温暖化防止に関連してお聞きをいたします。

 

【地球温暖化防止】

●岡田議員 二酸化炭素削減の目標達成にむけて、産業振興計画はじめ県の施策に気候対策、気候危機をしっかり位置づけることが不可欠です。

温室効果ガスの34%が食料由来であり、うち71%が農業と土地利用の変化に関係しているという指摘がされており(欧州委員会、合同調査センター)。環境破壊につながる工場型農業・畜産の見直しも今いわれてきております。持続可能な開発目標(SDGs)でフードシステムの改革が目標とされ、国連で家族農業に焦点があてられたのも、気候危機打開と無関係ではありません。

◆環境への負荷をあらわす概念の一つに「エコロジカル・フットプリント」があります。こうした概念を活用して環境負荷の見える化を図り、共感を得ることが大事だと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。

 

○県知事 ただいまご指摘がありましたエコロジカル・フットプリントといいますのは、例えば、世界中の人々が日本人と同じ暮らしをしたとしたならば、地球2.2個分の資源が必要になるといった形で、人間の活動が、地球環境に与える負荷をいわゆる見える化をしていくとそういった指標・試みであるというふうに理解をいたしております。

 脱炭素化はもとよりでありますけれども、環境への負荷の少ない循環型社会を実現をしていくということにも向けまして、例えば環境負荷や温室効果ガスなどの排出の状況また本県の現状取り組みの成果などを見える化して、県民の皆さんに分かりやすく示していく ということは大変大事な視点であるというふうに考えております。

 ご提案のございましたエコロジカル・フットプリントの手法も含めまして、効果的な見える化の方法を検討してまいりたいと考えております。

 

●岡田議員 県の取り組みのアピールにもなりますし、啓発にもなると思いますので、よろしくおねがいいたします。

 高知県が今年3月に作成した「高知県地球温暖化対策実行計画」の資料編をみておりまして、部門別の温室効果ガス排出量の将来推計で、2013年から2030年にかけて、農林水産業、製造業、産業廃棄物で増加となっています。

◆今後、産業を振興するとしても、こうした部門でも排出量削減の方向で再検討する必要があるのではないかと私は考えます。この点について、知事にお伺いいたします。

 

○県知事 ご指摘がございましたように、カーボンニュートラルの実現に向けましては、産業部門に限らず、家庭や運輸などあらゆる部門に起きまして、これまで以上に対策を強化し、温室効果ガスの排出量を削減していくということが、必要だと考えております。

 このため現在29%以上となっております中間年の2030年の削減目標を、本年度策定いたしますアクションプランの中で、大きく引き上げる方向で見直したいというふうに考えております。ご指摘がありました産業部門等につきましても、例えば、高効率機器の導入でございますとか、省エネ化の徹底などの対策を強化することによりまして2013年度比で削減となるように目標を見直したいというふうに考えております。

 

●岡田議員 よろしくお願いいたします。

林業においてですけれど、固定した二酸化炭素を放出させる皆伐促進でよいのかも問われています。皆伐やそのための大規模な作業道の設置が、異常気象のもと、土砂災害などを誘発しているとの調査報告もあります。

気候危機打開として、太径木を育てる林業の重視、自伐型林業の推進が、ますます重要となっています。

◆皆伐後の再造林の現状をふまえ、気候危機に対応した林業対策をどのように考えているのか。知事の認識をお聞きいたします。

 

○県知事 ご指摘がございましたように、地球温暖化に伴います気候変動によりまして、毎年、全国各地で、豪雨災害が発生をしております。こうした中、皆伐後の再造林などによります適正な森林管理はますます重要となってまいります。

 高知県内の再造林率は、平成29年から令和元年までの3カ年の平均におきまして、38%という水準、4割に満たない状況でございます。このために、令和元年度から、県なり6林業事務所に、増産・再造林推進協議会を設置いたしました。

 市町村や林業事業体と連携をいたしまして、再造林を予定していない森林所有者に対しまして、地域ぐるみで働きかけを実施すると、また補助金による支援と合わせまして、再造林の拡大を推進いたしております。

 また、このお話がありました自伐型の林業につきましても、間伐による適切な森林管理を行う重要な担い手であるというふうに認識をいたしておりまして、実施規模などから、間伐等の国庫補助事業が活用できない場合におきましては、県の単独事業で支援をするという取り組みも行っております。

 本県の豊かな森林資源を適正に管理をしていく、そして、気候変動に対応した多面的機能の維持増進と林業の振興を推進していくという考え方で対応をしてまいりたいと考えております。

 

●岡田議員 はい、わかりました。

木材を利用した高層建築などが、大手のハウスメーカーなども参入して、徐々に拡大しつつあります。本県でも早くからCLTに着目するなど努力をつづけてきました。また、奈良県が大学と協力し、杉材をマホガニーのような高級材に変えるケボニー化といわれる研究も進んでいます。世界に目を移せば、コンクリートの材料となる砂不足が大問題となりつつあります。

◆木材の可能性について、どう認識しているのか、知事にお伺いいたします。

 

○県知事 木材の可能性についてということでございます。

 強度や耐火性能が高い木の壁や柱の開発がすすんでまいっておりますし、また国民の環境への意識も高まっているという中でもございます。

 こうした中で、世界各地で、高層建築への木材の利用が進んでおりまして、国内でも木造の高層建築が増加をいたしております。現実に、県内におきましても、CLTを活用いたしました、中高層の庁舎ですとか施設の建設がされているところであります。さらには、本県で開発されました新たな工法などが、広い空間や高いデザイン性を求められる建物で、活用されているとこともございます。

 国のグリーン戦略におきましても、建築分野での木材利用と合わせまして例えばプラスチック代替製品などの新たな産業資材・素材としての利用拡大も大いに期待をされているという環境にあると考えます。

 今後は、この都市の木造化、木質化をはじめといたしまして、ただいま申し上げましたようなあらゆる分野で木材の可能性が、拡大をしていくのではないかというふうに考えております。

 

●岡田議員 はい、わかりました。

日本共産党は「気候危機打開のための2030戦略」を発表いたしました。その中で、再生可能エネ導入の最大の障害となっている乱開発をなくすための規制強化を提案しています。メガソーラーや大型風力発電のための乱開発が、森林破壊や土砂崩れ、住環境の悪化や健康被害の危険を広げております。森林法などの現行法は、森林を伐採してメガソーラー発電所をつくるなどの事態を想定しておりません。環境保全と建設可能地域を分けるなどゾーニングをすることも必要だと思いますけれども、自治体が住民の参加・合意のもとでこうしたことが大事だと思います。

◆規制強化の必要性について、林業振興・環境部長、どうお考えか、お聞きをいたします。

 

○林業振興・環境部長 乱開発をなくす規制強化につきましては、森林法では、令和元年12月に、太陽光発電施設の設置を目的とした開発行為の許可基準の運用細則が新たに定められまして、土砂流出や崩落防止の観点から、地表保護のための措置等の基準があらたに整備されております。

 また、環境アセスメントにおきましては、令和2年4月から、これまで、対象となっていなかった太陽光発電事業が新たに追加されております。このアセスに関しましては、県におきましても、環境影響評価条例施行規則の一部を改正いたしまして、条例に基づき設置するアセスの対象に、太陽光発電施設を追加するとともに、法にはない森林伐採面積、これも要件とさせていただいております。

 また、来年度施行予定の地球温暖化対策推進法におきましては、自治体が、地域住民らの了解を得たうえで、再エネ施設の設置を促進する促進区域の規定が設けられておりますが、この促進区域につきましても、現在、国におきまして、土砂災害の危険性がある場所を除外するという方法で検討していると承知しております。

 引き続き、こうした国の規制の見直しなどその動向を注視し、必要に応じて対応してまいりたいと考えております。

 

【南国市中心市街地活性化】

●岡田議員 最後に、私の地元であります南国市の中心市街地活性化についてお聞きをいたします。

 今年3月21日に、「南国市ものづくりサポートセンター」として、「海洋堂spacefactoryなんこく」がオープンいたしました。

現在は、その周辺と市街地の道路整備が進んでおり、地域の活性化と産業振興が図られることが期待されております。同時に、今は、カーボンニュートラルや地球温暖化防止に取り組むことが求められており、SDGsの推進などにも留意したまちづくりが重要になっていると考えます。

◆その上で、南国市の都市再整備に係る中心市街地のまちづくりについて、県はどう考えているのか、土木部長にお聞きをいたします。

 

○土木部長 南国市がすすめる中心市街地のまちづくりは、JR後免駅前広場、後免町商店街、ものづくりサポートセンター、そして、新設される予定の図書館を中心部に集約し、これらを結ぶ回遊ルートを合わせて整備しようというものであります。

 また、南国市はこの回遊ルートにつきまして、住民合意のもと、オープンスペースの緑化や、植樹、石畳の道といった居心地がよく、歩きたくなる空間の検討を行っています。

 居住や都市機能の集約による歩いて暮らせるまちづくりの推進は、CO2排出の低減をはかるものであり、都市緑化の推進は、CO2の吸収量増加につながるものであります。いずれもカーボンニュートラルの趣旨にそうものであり、SDGsの目標のひとつである住み続けられるまちづくりにも寄与するものと考えております。

 

●岡田議員 地域の活性化を図るには、地域住民のみなさんの力をお借りすることが不可欠です。先日、後免東町電停付近の交差点部の排水対策について、商店街の方からご相談を受け、中央東土木事務所に対応を求め、相談内容については早急に対応していただけるということで、解決の見通しが立ちました。

また、この交差点は、路面電車が走り、交通量も多く、複雑な形態であることから、交通の難所となっていましたが、現在、家屋等の用地買収が進み、工事が進められています。

◆この交差点の改良工事についての見通しを、土木部長にお聞きいたします。

 

○土木部長 後免町電停付近の交差点の改良につきましては、平成27年度から、着手をしておりまして、用地買収等をすすめ、令和元年に交差点の東側の道路拡幅工事に着手いたしました。

 今年度、とさでん交通と電停移設等の協議を行いまして、来年度、電停の移設や軌道工事、そして南国市の下水道工事を行う予定でございます。

 その後、横断歩道や信号機の設置等の工事を行いまして、令和5年度の完成を目指しております。

なお、交差点の排水対策につきましては、新設した水路と既設の水路の接合部で十分な排水ができない状態となっておりましたので、年内までに改善工事を行う予定としております。

 

●岡田議員 ありがとうございます。

◆南国市の中心市街地活性化を図るためには、商店街等との取組も不可欠と考えますが、県はどのように取り組んでおられるのか、商工労働部長にお聞きいたします。

 

○商工労働部長 南国市では、ものづくりサポートセンターのオープンを見据えまして、商工会を中心に商店街の事業者の皆さんや関係団体のほか、市と県も参画しまして、令和元年11月に南国市中心市街地振興協議会、こちらを立ち上げまして、令和2年9月に、南国市中心市街地振興計画を策定しております。

 この計画では、県内外から訪れるお客さんを商店街に取り込みまして、賑わいを創出するものづくり作家によるイベントとか、飲食店のスタンプラリーなどの取り組みが計画されております。

 現状では、新型コロナウイルス感染症拡大の影響もあり、実施できていないイベントもございますが、今後の取り組みがしっかりと実行され、効果を上げることができますよう引き続き、市とも連携して支援を行ってまいります。

 

●岡田議員 よろしくお願いいたします。

地域の課題解決も図られて、住みやすく、魅力あるまちづくりとなるように、引き続き県として南国市と連携して力を発揮していただきたいと思います。

今日の報道にありますように、気候変動を予測する数値モデルを開発した真鍋淑郎さん、愛媛県出身、米プリンストン大学で研究されてノーベル賞を受賞されました。これを契機にCO2削減の動きが国際的にも進んで行くものと思います。

一方で、格差を広げた新自由主義の経済路線の見直しも、広がってきております。こうした路線と決別し、人と自然が共生する社会にしていくことが大事だと思います。そうした取り組みを本県でも推進をされていくことを求めて、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。