議会報告

【質問項目】

・物価高騰

・軍事費2倍化

・新型コロナ対策

・食べて!飲んで! 高知家応援キャンペーンについて

・国保について

・土佐市メガソーラーについて

 

●岡田議員 日本共産党の岡田芳秀でございます。会派を代表して質問いたします。

 

【物価高騰】

●岡田議員 はじめに、諸物価が高騰している問題です。

ここにきて物価高騰がくらしと経営を直撃しています。コロナ禍からの経済回復による供給不足、穀倉地域の天候不順による不作などにより既に上がり始めていた原料、食料などの物価高が、ウクライナ危機により一気に顕在化をしました。

3月の消費者物価指数(生鮮食品を除く総合)は、前年同月比0.8%の上昇となっています。しかし、この数字は生活実態を反映していません。食品や電気・ガスなど生活に欠かせない品目に特化した「基礎的支出」は、4.5%の上昇となっています。

4月の消費者物価指数は2.1%上昇していますが、中身を見ると、食料品は4%値上がり、なかでも小麦は15.2%、食用油は36.5%も値上がりしています。生鮮野菜も天候不良などの影響で12.2%高くなり、生鮮魚介も、燃料費や輸送コストの上昇により、12.1%値上がりしています。また、日々の生活に欠かせない電気21%増、ガス17.5%増、ガソリン15.7%増の価格高騰は引き続き深刻です。

食品主要メーカー105社の価格改定計画に関する帝国データバンクの調査(5月21日発表)によりますと、6月以降に食品3615品目の値上げが予定されています。今年の値上げ計画の約4割が6月以降に実施される見通しです。帝国データバンクは「今年の夏は『値上げの夏』となりそうだ」と指摘しています。

重大なことは、光熱費や食料品などの生活必需品で物価上昇率が高いため、低所得者ほど重い負担になっていることです。また、コロナ禍のもとで踏ん張ってきた地域の事業者、一次産業を支えてきた事業者が、この物価高騰で、一気に廃業、離農となれば、地域経済と地域社会の崩壊をもたらすことも懸念をされます。

◆まず、この物価高騰の本県への影響に対する認識と、対策にむけた決意を、知事にお伺いいたします。

 

○県知事 岡田議員からの御質問にお答えをいたします。

まず、物価高騰の本県への影響に対する認識、対策に向けた決意はどうかという、お尋ねがございました。

原油価格や物価の高騰は、コロナ禍からの回復を目指します県内事業者の活動あるいは県民生活に新たな負担を生じさせるものだと捉えております。特に、一次産業分野を中心に原油や飼料などの高騰が生産コストを上昇させ、経営を圧迫しつつあります。また、本県は生活福祉資金の特例貸付を受けた世帯の割合が全国に比べて高い状況にあるといったことなど、経済的に厳しい方の割合が高く、食料品等の高騰による生活面への影響も懸念されるところであります。

こうした状況を踏まえまして、物価高騰による影響を最小限にとどめます効果的な対策を迅速に講じますように、全国知事会とも連携して、国に対して積極的に政策提言を行ってまいりました。その結果、本年4月には、一次産業におきますセーフティネット対策の強化や、生活困窮者への支援などを盛り込みました総合緊急対策が政府におきまして閣議決定されておるところでございます。

この中には本県の提言も数多く反映されておりまして、県としても国の対策を最大限活用し、事業者や生活困窮者等への支援を強化すべく、今議会に補正予算をおはかりしているところであります。

こうした補正予算の対策を迅速に講じますことで、事業者や県民生活への影響の緩和に努めます。あわせまして、県内の状況を注視しながら、国の動向や市町村の取り組みを踏まえまして、必要に応じて県として機動的に対処してまいる考えであります。

 

●岡田議員 世界的な物価高騰となっていますが、日本にはさらに大きな要因があります。アベノミクスの第一の矢として進められた異次元の金融緩和です。事実上の日銀の国債引き受けという禁じ手により、円安を誘導、あふれ出した資金が株式に集中し、株高を演出しており、一部の大企業、富裕層に巨額の富をもたらしました。経済の6割近くを占める家計は、円安による負担増、さらに二度にわたる消費税増税で、消費は低迷を続け、先進国で唯一成長できない異常な経済をもたらしました。

そのうえ、欧米の中央銀行がインフレ対策として金利引き上げに踏み切る中で、日銀は、政府の借金の半分、500兆円もの国債を引き受けていることから、金利引き上げをすれば国債価格が下落し、日銀の債務超過、円の国際的信用の失墜という破局的事態となることへの懸念から身動きがとれずにいます。そのため、金利の高い金融商品を求める投資マネーが日本から逃げ出し、円安が進行。原材料の多くを輸入に頼る日本では円安で物価高騰に拍車がかかっています。

日銀法は、「物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資すること」となっています。

◆日銀を「政府の子会社」扱いし、とめどない円安と物価高騰をもたらしたアベノミクスの罪は極めて重く、その是正に向わなくては、県民の暮らしと営業を守れないと思いますが、知事に所見をお聞きいたします。

 

○県知事 次に、物価高騰から県民の暮らしと営業を守るための国の経済政策のあり方について、お尋ねがございました。

安倍元総理が推進をされてまいりましたアベノミクスにおきましては、政府の財政出動と日銀による金融緩和などによりまして、我が国の経済が好転し、各種経済の指標の改善が進んだと、そういった結果をもたらしているというふうに認識しております。

一方、現下の情勢に目を転じますと、欧米と日本の金融政策の違いなどを背景といたしまして、急速に円安が進んでおりまし。この円安やウクライナ情勢などを背景といたしました現在の急激な物価高騰は国民生活に大きなマイナスの影響を及ぼすものだと考えます。

このため、先に政府が決定をいたしました総合緊急対策など、影響緩和策を迅速に講じていくということがまずは何よりも重要だと考えております。

また、日銀の黒田総裁は、先日、コロナ禍からの回復途上にあります日本経済の状況を踏まえ「金融引き締めを行う状況にはまったくない」という認識を示されました。 政府におきましても、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略、これらを一体的に進めます経済財政運営の枠組みを堅持する方針を打ち出しているところでございます。

引き続き、政府におきましては、物価高や円安の動向、経済状況などを注視しまして、機動的に対策を講じていただきたいと考えます。その上で、日本銀行とも意思疎通を図られまして、中長期的な物価の安定、さらには経済の持続的な成長を目指して取り組んでいただくということを期待しているところであります。

 

●岡田議員 問題を深刻にしているのは、雇用破壊・社会保障改悪・消費税増税の新自由主義政策によって国民の可処分所得が減らされ、日本が長期の消費不況に陥ったことです。一方、大企業は空前の利益をあげてきました。3月期の決算をみると、軒並み過去最高の純利益や経常利益を記録しています。しかし、その果実は、賃上げにも設備投資にもまわらず、トリクルダウンはおきませんでした。新自由主義政策の破綻は明白だと考えます。

内閣府が2月7日に発表した「ミニ経済白書」でも、日本経済の成長が弱まった要因として、企業の利益ばかりが増えて、労働者の賃金が低下していること、非正規雇用の増加にともなって働く人の収入が二極分化し、若年層の貧困と格差拡大が進行したことなどを指摘しています。

日本共産党は、アベノミクスによる減税で積みあがった大企業の内部留保130兆円に5年間、2%の課税をし、10兆円の財源で中小企業を支援しつつ最低賃金を大幅に引き上げること、世界の86ヵ国で実施されている消費税率の減税に日本も踏み出し、国民の可処分所得を増やす政治に転換し、物価高騰の打撃を和らげながら日本経済を立て直すことを提案しています。

◆格差の是正、国民の暮らしを豊かにする分配を強化する政策こそが求められていると思いますが、知事に考えをお聞きいたします。

 

○県知事 次に、いわゆる分配を強化する政策について、お尋ねがございました。

新型コロナウイルス感染症の影響で落ち込みました経済を回復させ、我が国を再び成長軌道に乗せていくというためには、デジタル化、 脱炭素化などの世界の潮流を捉えた成長戦略が不可欠であります。

これとあわせまして、成長で得た果実を全国、あるいは国民全体に広く分配し、持続的な成長につなげていくことが重要だと考えております。

昨年1 0月に就任された岸田総理は、主要政策といたしまして「新しい資本主義」を掲げられました。成長と分配の好循環の実現に向けて取り組む方針を示されたところでございます。この方針に基づきまして、今月の7日には「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」が決定されております。

この計画におきましては、我が国において成長の果実が地方や取引先に適切に分記されていないということ、設備投資や従業員給料に十分回されていないということが課題だとして挙げられています。その上で、次なる成長を阻害しているこうした「目詰まり」 を、積極的な政策関与によって解消していくことが必要だということが示されております。

こうした考え方の下、重点投資の柱の一つとして「人への投資と分配」を掲げ、賃金の引き上げの推進、企業の人的投資を早期に倍増させるといった方針などが示されました。

さらには、分厚い中間層の形成によって、格差の拡大と固定化によります社会の分断を回避する、そしてサステナブルな経済社会の実現を目指すという方向も明示されております。

今後、この計画に掲げられた施策の着実な実行を通じまして、成長と分配の好循環が図られまして、国民生活がより豊かになること、そういった方向が実現されることを期待いたしているところでございます。

 

●岡田議員 政府は4月26日に策定した「緊急対策」で、地方創生臨時交付金の「原油価格・物価高騰対応分」1兆円を創設しました。この交付金は、自治体が給食費を時限的に引き下げることや無償にする等の取り組み、仕入れ価格や燃油の高騰で収益が減少した事業者への支援や、認可保育園等の建設・整備が建築資材高騰で行き詰まる事態への支援に使えることが国会質疑で明確になっています。地方創生臨時交付金の2021年度の繰越分も合わせて活用できます。

◆県や市町村が物価高騰対策をすすめるための、情報収集と発信をしっかり進めていただきたいと思いますが、知事に決意をお聞きします。

 

○県知事 次に、県や市町村が物価高騰対策を進めるための情報収集また、情報発信について、お尋ねがございました。

今回の県の補正予算におきましては、地方創生臨時交付金を活用いたしまして、新分野への事業展開といった構造転換に挑戦いたします事業者や、あるいは物価高騰などの影響を受けました事業者の方々を支援したいというふうに考えております。また、給食費の値上げ分でございますとか、私立学校の授業料の支援などによりまして、生活者の負担を軽減するための予算を計上いたしております。

他方で、今後も物価高騰などの影響が一定期間継続をしていくということは、覚悟しなければならないというふうに考えております。

このため、国の制度や施策の動向を把握していくことはもとよりでございますが、事業者の方々、そして県民の皆さんの声をしっかりとお聞きした上で、市町村とも連携して必要な対策を講じてまいる考えであります。

あわせまして、県の様々な支援制度などの情報が広く県民の皆さんに行き渡りますように、引き続き積極的な情報の発信を行ってまいります。

 

【軍事費2倍化】

●岡田議員 次に、軍事費増額の動きなど平和をめぐる問題です。

ロシアのウクライナ侵略は、ひとえにロシアが悪いこのことは明らかです。武力によって現状を変更することは、国連憲章に違反をするものであり、けして許されません。厳しく批判をするとともに、一刻も早く兵をひくことをもとめたいと考えます。

他方で、我が国の国内では、ウクライナ危機に乗じて、敵基地攻撃の保有、軍事費の2倍化など、憲法9条をないがしろにする主張がなされています。軍拡のオンパレードといった事態にもなってきています。私たちは、「武力対武力」という危機を呼び込む悪循環や「民主対専制」という軍事ブロック的対応、排除の論理ではなくて、国連憲章のもと、体制、政治的立場の違いを超えて、すべての関係国を包摂した対話の枠組みをつくることこそ希望ある道だと提案しています。それはASEAN(東南アジア諸国連合)がすでに実施していることで、米中韓ロなど関係各国を巻き込み、紛争を戦争にしない粘り強い真剣な努力をしていることから学ぶべきが大切だと考えています。

軍事費をGDP比2%とするとなると11兆円を超します。世界で第3位の軍事大国になります。日本を軍事対軍事への危険な道に引き込むことにつながります。財源はどうするのか。5~6兆円の増額が必要となり、そのためには消費税率を2%上げるか、社会保障を削減するのか、例えば医療費の窓口負担は5兆円台なので、窓口負担を2倍化するのか。

先の財政制度分科会の分析も「他の経費の増減ぬきに議論できない」と釘をさしています。その議論を避けるために、安倍元首相が言うように国債でまかなうとなると、戦前のような歯止めのない戦費調達につながる危険があり、そもそも、その戦前の教訓から、財政法は赤字国債を禁止しているわけです。

◆防衛費の大幅増は、国民生活、地域経済を押しつぶすことになると思いますが、知事のご所見をお伺いいたします。

 

○県知事 次に、防衛費の増額についてのお尋ねがございました。

今月7日に政府が閣議決定いたしましたいわゆる骨太の方針におきましては、「防衛力を 5年以内に抜本的に強化する」ということが示されました。ロシアのウクライナ侵攻など国際情勢が厳しさを増す中でありますので、 国民の生命、財産を守るためには、我が国の防衛力を強化すべきという意見、声が出てくるということは理解できるところであります。

他方で、我が国が直面する課題は安全保障に限りません、コロナ禍からの社会経済の回復、地方創生の推進、少子・高齢化に伴う人口減少、国土強靭化など行政課題は様々でございます。また、持続可能な経済財政運営を行うためには、財政の健全化についてもしっかりと目配りをしていく必要があるということは言うまでもございません。

こうした様々な課題についてバランスを考えながら、今後の防衛費の増額あるいは財源手当のあり方について、国政の場でしっかりと議論をしていただくことが重要ではないかと考えております。

 

【新型コロナ対策】 

●岡田議員 次に、新型コロナウイルス感染症対策についてお聞きいたします。

新型コロナ感染による死亡者が3万人を超えました。その約4割が、今年に入ってからのものです。「重症化しない」どころか、もっとも犠牲者をだしているのが第6波、オミクロン株による感染拡大です。そもそも「重症化」などの判定基準は、肺炎を特徴としたデルタ株対応のもので、上気道での感染から全身に影響を及ぼすオミクロン株には対応していません。

厚労省は、新型コロナウイルス患者のうち、この1~3月に自宅で死亡した人が、少なくとも555人いたことを明らかにしました。このうち39%がワクチンを2回接種済みであり、死亡直前の診断時に軽症・無症状だった人も43.4%に上っています。

 さらに患者の3割程度に後遺症が見られ、その中には、日常生活を送るのは不可能なほどの深刻な状況も報告されています。東京都の発表では、オミクロン株は、デルタ株に比べ全身倦怠感の症状が出やすく、「感染しない」取り組みを呼び掛けています。

◆死亡者の多さ、深刻な後遺症の問題など、オミクロン株は決して「軽い」ものではないことを、しっかり認識することが重要と思いますが、健康政策部長にお聞きをいたします。

 

○健康政策部長 まず、オミクロン株についての認識について、お尋ねがございました。

国立感染症研究所の報告によりますと、オミクロン株はこれまでの流行株と比べ、感染から発症までの期間がより短く、また、感染力が強いことが感染者数の増加に影響している一方、総じて重症化リスクの低下が示唆されております。

本県においても、オミクロン株が主流となった第6波において、感染者が急増するとともに高齢者施設などで大規模なクラスターが発生しました。その結果、第6波の前半である1月から3月の間に、基礎疾患をお持ちの高齢者など6 8人の方が残念ながらお亡くなりになしました。感染者の中でお亡くなりになった方の割合、すなわち致死率は0. 53%で した。

この値は、第5波以前の致死率0.79%と比べますと低くなっており、さらに今年4月以降で見ますと、 1 2人がお亡くなりになっておりますが、ワクチン接種や迅速な入院治療 等により致死率は0. 11%とさらに低下しております。

一方で、季節性インフルエンザ等と比較して、重症化率や致死率が高いとされており、現時点ではまだまだ安心できないと認識しております。

また、療養期間の終了後も症状が遷延する、いわゆる後遺症で苦しんでおられる方がいるのも事実でございます。このため、県としましては、かかりつけ医によるフォローアップに加え、 必要に応じ高知大学医学部附属病院に設置している「遷延性コロナケア外来」、いわゆる後遺症専門外来に紹介いただくなど、重層的な診療体制を構築しております。

コロナ感染症に引き続く死亡や後遺症状を減らすためには、感染者の減少が重要ですので、引き続き、気を緩めることなく、感染対策の徹底やワクチン接種を推進し、感染拡大や重症化予防に努めてまいります。

 

●岡田議員 これまで政府は、ワクチン接種した方などに対するGOTOキャンペーンの再開を後押ししてきました。ワクチン接種したら9割感染を防ぐことができるという厚労省のデータが、海外の2割というデータと齟齬があることに疑問をもった学者の指摘で、このデータは、ワクチン接種歴が未記入だった人を、未接種扱いとしていたことが明らかになりました。現在、厚労省のデータでは、オミクロン株では、ワクチン未接種の人と二回接種の人で感染予防効果は変わらない、となっております。

◆この点での、行政の正確な情報提供が求められると思いますが、知事にお聞きします。 

 

○県知事 次に、新型コロナワクチン接種に関します正確な情報提供についてのお尋ねがございました。

現在、新型コロナワクチンは12歳から59歳までの方は3回、60歳以上の方は4回、の接種を受けるよう努めるとする予防接種法上の努力義務が課せられております。

ただ接種を拒みましても罰則の適用があるというものではございません。そういう意味で、強制ではないということがございますので、あくまで、ご本人が有効性、副反応といった正しい情報を参考に接種するかどうかの判断をしていただくということになっております。

このため、議員からご指摘がありましたとおり、行政からの正確な情報発信が必要であるということは当然のことと理解しております。私も全国知事会のワクチンチームリーダーといたしまして、国民に対します正確でわかりやすい情報発信を国に要請してきたところでありまして、引き続きその旨を訴えてまいります。

また、お話がございました厚生労働省のデータによりますと、感染防止という観点から見ますと2回の接種ではこの感染力の強いオミクロン株に対しては十分でないということが明らかになりました。

一方で、 3回目の接種を受けられた方では、感染率が有意に低下をしているというデータも示されたわけでございます。このため、特に、接種が進んでおりません若い世代の方に、積極的に3回目の接種を検討いただきたいと考えておりまして、県といたしましてもこうした正確な情報提供を引き続き行ってまいりたいと考えております。

 

●岡田議員 厚労省の調査で示されているように、4割の方は症状が急変し死亡しています。これは、第82回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードR4.4.25付で公開されています。従って、感染者は、コロナ対応の病床で対応するという基本を徹底すべきです。特に、オミクロン株での死亡の大半をしめる高齢者の施設での感染では、この原則の徹底がとりわけ重要です。 

◆感染者は原則、感染症対応病床に入院という原則の重要さ、また実際の運用についての認識を、健康政策部長にお聞きいたします。

 

○健康政策部長 次に、入院の重要さ、実際の運用について、お尋ねがございました。

新型コロナウイルス感染症の患者に対しては、流行の当初は感染症法上、全員に入院勧告を行うことになっておりました。が、病態の解明や治療戦略の進歩に伴い、令和3年2月には、宿泊施設や自宅での療養を感染症法上に位置づけ、入院を勧告すべき感染者も、施行規則で明示されました。

現状では、更なる知見を踏まえ国の通知により、入院勧告の対象を年齢や基礎疾患の有無等により絞り込む運用がなされています。

本県における運用につきましては、国の通知に基づき、年齢や基礎疾患の有無等により重症化リスクの判断を行い、無症状者及び軽症者は自宅療養もしくは宿泊療養とし、重症化 リスクのある患者、または中等症以上の患者は医療機関に入院する調整を行っております。

本年1月以降の第6波の流行では、全患者数約2万4千人に対し、中等症以上の方の割合は1. 4%でございました。ただ65歳以上の高齢者では9. 3%と7倍ぐらい高くなっております。そのため、重症化リスクのある高齢者などの場合は、抗ウイルス薬の処方を早めに行うとともに、症状、基礎疾患の有無と、病状などのリスク要因を正しく評価して、入院の必要性を判断しております。

 

●岡田議員 一方、新型コロナ感染症のやっかいなところは、多くの人は、無症状もふくめて軽微な影響ですむことです。誰もが同じような状態になるのなら、共通認識が容易に確立しますが、それができない本当にやっかいなウイルスです。だからこそ、感染拡大を防止しながら、いかに社会的・経済的な打撃をさけ、日常を取り戻すのか、対応が問われています。

それにはPCR検査の徹底した活用です。検査はPCR検査でないと意味をなしません。感染研のHPにも抗原定量検査はCt値30が限界であるとなっています。Ct値40まで検査できるPCR検査の1000分の1の感度しかありません。抗原定性検査は、Ct値25ぐらいが限界と指摘されています。Ct値とは増幅の回数です。

Ct値30幾らで、陽性が確認できる検体を、抗原検査は見逃します。抗原検査は陽性の確認はできるが、陰性の証明にはなりません。この3月、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会メンバーで、日本感染症学会の理事長もつとめた舘田一博教授が自らの体験談として、“のどがむずむずするくらいで高熱もなく、抗原検査を2日連続で受けても、いずれも陰性だったが、咳がひどくなり、熱も出たのでPCR検査をうけたら陽性だった。今、冷静に考えると、なぜもっと早め早めに、PCR検査をやらなかったのかと思う”と語っています。

学校のクラスで陽性者が出たら同じクラスの全員を検査して陰性なら出席できる。濃厚接触者も検査で陰性を確認すれば仕事に復帰できる、陽性者も陰性が確認できれば復帰できる、というシステムの確立が必要ではないでしょうか。潜伏期間を考慮して2度検査するなどの対応も重要です。医療、高齢者施設、保育、学校などで働く人には、2日に1回など頻回・定期的なPCR検査で、社会活動を安定して実施できるシステムの確立が必要です。無料で気軽に検査できる会場の確保は引き続き重要です。また安価で大量に検査できる、短時間で結果がわかるなどの新型のPCR検査機器も次々と開発されています。

新型コロナ感染症は、次々と新たな変異株が生れており、オミクロン株で終わるとは期待できません。

◆感染拡大を防止しながら、社会活動をまわしていくには、徹底したPCR検査の活用しかないと思うが、健康政策部長にお考えをお聞きいたします。

 

○健康政策部長 最後に、徹底したPCR検査の活用について、お尋ねがございました。

現在、新型コロナウイルス感染症において、ウイルスの重症化リスクが低いことやワクチン接種の効果等により、県内でも第5波までと比較して重症化が抑制されていると認識しております。

しかしながら、医療機関や高齢者施設など、より重症化リスクが高い集団において患者が発生した場合は、施設内でのPCR等の一斉検査を速やかに実施することにより、感染拡大の早期抑制に努めております。

一方で、学校や事業所などの一定重症化リスクが少ない集団に対しては一律に検査を行わず、症状が発現した場合には、早期に検査協力医療機関を受診していただくようお願いしているところです。

また、症状はないものの、感染に不安を感じる方については、県の臨時PCR等検査センターや、薬局等における無料検査を利用して不安を軽減していただいております。

なお、現在、この無料検査につきましては、地域の感染状況を踏まえ、実施について国と協議することとなっております。現時点では、6月末まで継続することとしておりますが、 7月以降については、今後、国と協議を行いながら検討してまいります。

PCR検査等をはじめとする検査の実施については、検査の特性と、対象となる方の特性、またその時点の感染状況などを勘案して、柔軟に方針を立てるべきものと考えております。

 

【食べて!飲んで! 高知家応援キャンペーンについて】 

●岡田議員 次に、物価高騰対策に関わり、いわゆる県版GoToイート「食べて!飲んで! 高知家応援キャンペーン」についてお聞きします。

報道によれば、知事は会見において、「ランチよりもディナー、小規模よりも比較的規模の大きな宴席を後押しする」と述べた、と報道されています。

昼間営業する喫茶店などの飲食業は、この間、時短営業協力金の対象にならず、相対的に顧客単価も低いため、いっそう厳しい苦境にあるといえます。実際に、東京商工リサーチの調査によれば2021年の「喫茶店」の休廃業及び解散が、2000年の調査開始以降ではじめて100件に達し、過去最多を記録しています。また、昨今の物価高騰を価格に転嫁することも、顧客単価が低い喫茶店などでは困難であるのが実態です。

◆知事の発言は、このような苦境にある昼間営業の小規模飲食事業者の実態を軽視しているのではないか。喫茶店などの小規模飲食事業者には、支援が必要ないというお考えなのか、知事にお聞きします。

 

●岡田議員 今回の県版GoToイートでは、従前、500円の額面で発行されていたクーポンが、5000円券など額面の大きなものに変更をされています。クーポン利用ではお釣りはでないわけで、これでは、知事がまさに言うように「ランチ」、つまり顧客単価が相対的に低い、昼間営業の小規模飲食事業者等にとってはメリットが薄いと言わざるを得ません。少なくとも、物価高騰対策として事業を展開するというならば、多様な飲食事業者が等しくメリットを享受できるような施策にすべきではないか。

また、利用者が使いやすいように、少額でも購入できるようにすべきではないかと考えます。

◆従前のように、額面は500円を基本としてクーポンを発行すべきではないか、と考えますが、知事にお聞きいたします。

 

○県知事 次に、キャンペーンにおきます小規模飲食事業者への支援の必要性、また、クーポンの額面についてのお尋ねがございました。関連いたしますので、あわせてお答えいたします。

今回の「食べて!飲んで!高知家応援キャンペーン」を設計するにあたりましては、可能な限り飲食店や旅館・ホテル業の皆さん方に直近の状況をお聞きして検討してまいりました。

その結果、ランチ及び少人数の会食は一定程度客足が戻っているとしたものの、特に大規模の宴会が依然として厳しい、戻っていないという声を多くいただいたわけでございます。

実際に、旅館・ホテルの本年4月の宴会人数は、コロナ禍前と比べて7割以上減少というようなデータもございました。

こうした声を踏まえまして、今回のキャンペーンにおきましては、引き続き低調な宴会需要の喚起ということに主眼を置きまして、券種の内訳といたしましては、5千円券1枚と千円券及び5百円券5枚のセットで発行するということとしました。

これによりまして、大小を問わず、宴会を促すということはもちろんでありますけれど、個人やグループによるランチなど、様々な形態で利用いただけるものと期待をいたしております。 県民の皆さんには、ぜひ、ご家族やお仲間を誘って複数人数でご利用いただくと、あるいは、これを機にディナーに足を運んでいただくきっかけとなればというふうに考えております。

記者会見におきましては、苦戦が続きます飲食店を県民挙げて応援していただきたいという思いを申し上げたところであります。

セット内容に関しましては、飲食店や金融機関の方々にご意見を伺いましたところ、過去のやり方に比べますと枚数を数える手間が削減されるうえに、数え間違いのリスクも軽減できるということでござまして、こうした方々からは大変好評をいただいたということもございます。

こうした取り組みによりまして、コロナ等の影響を受けております飲食店のみならず、食材を供給される生産者の方々あるいは卸売の事業者の方々、さらには交通事業者の方々などの支援にも繋がっていくということを期待しているところでございます。

 

【農政について】 

●岡田議員 次に、農政について伺います。

世界で、気候変動や長期化するコロナ禍、ロシアのウクライナ侵略により食料価格が過去最高のペースで上昇しています。

FAO(国連食糧農業機関)は、2022年3月の食料価格指数(これは2014年~16年の平均を100として、変化を指数化したものです。)が159.3ポイントで、2月を17.9ポイント上回り、「1990年の統計開始以来、過去最高値を更新する高騰」だと発表しました。食料価格指数は穀物、肉、乳製品、食用油、砂糖の価格動向を示すものですが、これらがすべて上昇しています。特に食用油は2月から3月にかけて46.9ポイント増の248.6、穀物は24.8ポイント増の170.1と、史上最高を更新しています。1ヵ月の上昇幅も史上最高です。

とりわけ、ロシアのウクライナ侵略が食料の供給網に大打撃を与えています。ウクライナとロシアで世界の小麦輸出の30%、トウモロコシ輸出の20%を占め、ヒマワリ油はウクライナ1国で8割近くを占めています。ロシアは侵略軍の撤退を拒否しており、ウクライナでは穀物等の物流が滞り、冬小麦の収穫や輸送も危ぶまれております。加えて気候変動や肥料危機によって、アメリカやブラジルなどの食料生産にも黄信号がともっています。

国連のグテレス事務総長は、「ウクライナ危機により、人類の5分の1を超える17億人もの人たちが貧困や飢餓に追いやられる可能性がある。これは、過去数十年間見られなかった規模だ」「国連は全ての国に対し、買いだめや不当な輸出規制をやめ、備蓄分を飢餓のリスクが最も高い国に提供するよう求める」(毎日新聞、4月14日付)と警告しています。

EU(欧州連合)は、ウクライナ危機に対応して3月23日に「欧州食料安全保障危機対応メカニズム」を発動し、農家や消費者に対する支援に乗り出しています。その内容は、①休耕地での飼料・食料用穀物の緊急増産、②直接支払いの増額、肥料価格上昇などに対する追加の財政支援、③食品の付加価値税(消費税)引き下げ、④「貧しい人々への援助基金」を活用した食料支援、などです。

これに対し日本はどうか。①米をつくるなと言うだけでなく、転作で麦、大豆、飼料を作る支援の交付金をカットしようとし、水田つぶしと食料減産・自給率低下に拍車をかけています。②また、肥料・飼料・燃油高騰対策は「適切に検討する」とお茶をにごしていると言わなければなりません、③消費税の引き下げについては「全然考えていない」と拒絶しています。困っている人への食料支援も申し訳程度です。

コロナ禍とウクライナ危機で、食料も肥料も飼料も外国頼みにしてきた農政の破たんが浮き彫りになっています。国連が戦後最悪の食料危機を警告しているいま、岸田政権には危機感も有効な対策もなく、国民や農民に自己責任を押し付けています。食料自給率向上の目標も達成されたことがなく、本腰を入れて取り組もうとする姿勢が見られません。

◆長期化するコロナ禍とロシアのウクライナ侵略などにより、世界の食料危機が警告されているもとで、食料安全保障の観点からも国内のあらゆる条件を汲みつくして食料増産、食料自給率の向上に真剣に取り組むこと、またEUのような農家や消費者への支援に踏み出すよう政府に強く求める必要があると考えますが、知事のご所見を伺います。

 

○県知事 次に、食料増産や食料自給率の向上に真剣に取り組むことなどを政府に求めるべきだという点について、お尋ねがございました。

お話がございましたように、干ばつなどの気候変動に加えまして、ロシアのウクライナへの軍事侵攻も重なりまして、食料自給率の低い小麦、大豆などの価格が急騰しております。 このため、こうしたリスクを見据えた国内の農業生産の拡大などの対策を講じることが、一層重要となっていると認識しております。

こうした中、この4月に「原油価格・物価高騰等総合緊急対策」を政府がとりまとめました。この中で、輸入に頼っている穀物・飼料の国内生産の増強でございますとか、肥料の調達国の多様化などに取り組むといったこと、さらには地域の実情に応じまして、原油価格、物価高騰対応が行えますように、「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」を拡充するといった対策などが打ち出されたところであります。

我が国の食料の安定供給を図ります上では、現状のような厳しい状況下におきましても、農業者が意欲を持って生産し続けられることが重要だと考えております。

国におきましては、お話にございましたEUなどの制度も参考にしながら、我が国の実情にあったさらなる支援策を、十分に議論していただきたいと考えております。

県といたしましても、引き続き、国の動向を注視いたしますとともに、全国知事会などとも連携し、必要な政策提言を行ってまいる考えであります。

 

●岡田議員 本県においても、燃油の高騰に加えて、飼料や肥料、農業資材の値上がりが続いており、農家の皆さんの経営を圧迫しています。

JAは6月1日から肥料などの値上げに踏み切りました。肥料の値上げの背景には、日本が化学肥料の原料をロシア、ウクライナ、中国など海外からの輸入に大きく依存しているという事情があります。窒素、リン酸、カリの三要素のうち、リン酸、カリは100%が輸入原料です。

農業機械の燃油、飼料や肥料、農業資財の高騰は、農家にとって死活問題です。生産者は独自の努力で物価高に対応していますが、それにも限界があります。物価高は更に長期化・深刻化することが懸念されており、生産者は国や県の支援を求めています。物価高が続く一方で販売価格は上がらず農業経営は苦しくなるばかりです。ありとあらゆる資材の価格が高くなっており、支援をしないと農業をあきらめてしまう人も出てきます。

◆飼料や肥料、農業資材などの安定供給と農家負担の補てんを具体化するよう、県として国に求める考えはないか、また、相談窓口の設置や、農家負担の補てんを県独自に実施する考えはないか、知事にお伺いいたします。

 

○県知事 次に、飼料や肥料などの高騰対策に関しまして、国への要望、県独自の対策の実施について、お尋ねがございました。

まず、国への要望に関しましては、 4月12日に「原油等価格高騰に対する総合緊急対策に関する提言」を行いました。このうち、農業分野におきましては、第一に「施設園芸等燃油価格高騰対策の継続」 、第二に「肥料等農業用生産資材の高騰に対応した新たなセーフ ティネット制度の創設」 、第三に「配合飼料価格安定制度の予算の確保と制度の充実」 、第四に「飼料や肥料などの輸入原材料の安定確保対策の実施」この4点につきまして、要望・提言をいたしております。

その結果、 4月28日に政府の「総合緊急対策」が閣議決定されておりますが、この中にも多く、反映されたというふうに考えているところであります。

そのうえで、さらに、農家の経営コストに占める割合が高い燃油あるいは飼料の費用などにつきましては、県独自で緊急的に支援するということといたしまして、必要な予算案を今議会に提案させていただいております。

今後とも、必要な対策が講じられますように、十分に意を用いてまいりたいと考えております。一方で、お尋ねのありました相談窓口といたしましては、農業者の身近な存在であります、各地域の農業振興センターあるいは家畜保健衛生所におきまして、相談を受けております。 今後も引き続き、価格高騰への相談も含めて、丁寧に対応してまいりたいと考えております。

 

●岡田議員 次に、農業の経営安定対策について伺います。

農業の経営安定対策としては、米、麦・大豆など土地利用型の農業経営には、畑作や米の直接支払交付金、水田活用の直接支払交付金、収入減少影響緩和対策(いわゆるナラシ対策)などがあります。また野菜、果樹等には、野菜価格安定対策事業等があります。さらに2019(平成31)年1月から収入保険制度が開始されました。

しかし、それぞれの制度にはメリット・デメリットがあります。例えば、収入保険は、農作物であればほとんどのものが対象となり対象品目が多い、取引先の倒産や本人や従業員のけがや病気による減収も補償対象になるなど補償範囲が広い、さらに地域を限定しない、出荷先も自由などのメリットがある反面、青色申告でないと加入できない、あくまで収入(農家にとっての売上)が補てんされるので、肥料代や燃料の高騰等による所得減に対しては対応できない、といった問題があります。

施設園芸が多い本県では、野菜価格安定事業も重要です。この事業は、指定野菜、特定野菜等を対象に、価格が著しく低落した場合に生産者に価格差補給金が補給されます。この制度の問題は、①地域の主力作物が中心で、加入したくても生産品目が該当しない、②加入したくても販売価格が安く元手となる原資がない、③補給金を受け取ると次の負担金が増えるので、再度の負担金の支出が困難になってくる、といった課題があります。そのため、農業従事者全戸にいきわたる事業にはなっていません。さらに、最低基準額(価格補てんの対象となる下限の価格)を下回った分は交付の対象になりません。

◆この収入保険制度や野菜価格安定制度に対して、食料自給率の向上や地域活性化の観点からも、生産者が安心して農業を続けられるよう制度の改善を求める声が上がっています。これらの課題をどう受け止め、どう改善に取り組むのか、知事に伺います。

 

○県知事 次に、収入保険制度や野菜価格安定制度の課題の受け止めそして改善について、お尋ねがございました。

お話にありましたように、これらの制度に対して、農業者の皆さんから様々な声があることは承知いたしております。

このため、県として、運用の範囲内で対応が認められている部分は、速やかな対応を図ってまいっております。例えば、コロナ禍によりまして、シシトウ価格の大幅な下落が見込まれましたことから、野菜価格安定制度におきまして、価格補償の対象となります最低基準額を令和3年の11月12月におきましては、引き下げるという改善を行いました。

また、国が、特例として1年間に限って認めました野菜価格安定制度と収入保険の併用につきましては、地方からの要望も踏まえて2年間に延長されるといった、柔軟な運用の改善も図られているところでございます。

お話にありました、制度に加入するための資金は、既存の農業者向けの融資制度を活用して対応するということも可能でありますので、そうした点も含めて、制度のPRを行いまして、加入促進を図ってまいります。

今後も、農業者の皆さんの様々な声をお聞きする中で、必要に応じまして、県で可能な運用の改善を図るということと同時に、全国知事会などとも連携し、国に制度の改善を提言してまいりたいと考えております。

 

●岡田議員 次に、有機農業の振興についてお聞きします。

気候変動への対策や持続可能性が重要な課題になるもとで、有機農業が改めて見直されています。

有機農業を推進するため「有機農業の推進に関する法律」(有機農業推進法)が2006(平成18)年12月に成立し、翌年4月に施行されて以降、15年が経過しました。

この法律において「有機農業」とは、「化学的に合成された肥料及び農薬を使用しないこと並びに遺伝子組換え技術を利用しないことを基本として、農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減した農業生産の方法を用いて行われる農業をいう。」とされています。

この法律は、有機農業の推進に関して、国及び地方公共団体の責務を明らかにしています。

県が定めた「高知県有機農業推進基本計画」、令和3年度からおおむね10年間を対象としていますが、有機農業の生産に係る目標を「有機JAS認定事業者における有機農業の取組面積及び環境保全型直接支援対象で支援の対象となる有機農業の取組面積について、2017年(平成29年)の151haから、2030年(令和12年)に408haとすることを目標とする。」、また、「有機農産物生産の中心となる有機JASの認証農業者数を2017年の82人から、2030年に221人にすることを目標とする。」としています。

他方、今年4月22日には、「みどりの食料システム戦略」のための法案(通称:みどりの食料システム法案)が国会において全会一致で可決、成立しました。

「みどりの食料システム戦略」(以下、「みどり戦略」)は、2050年までに有機農業を25%に拡大し、農薬をリスク換算で50%削減、化学肥料を30%削減する目標を掲げた、これまでの農政にはない画期的なものです。しかし、大きな問題があります。それは、有機農業拡大の方向性はいいのですけれども、では日本はどのような持続可能な農業を、どのような食、社会をめざすのかという具体的な姿が見えてこないし、共有できていないということです。現在、農業の技術革新、イノベーションばかりが先行して、地域やコミュニティー、農家の姿が見えてこないということが言えると思います。

この「みどり戦略」は、「パリ協定」(地球温暖化対策の国際的な枠組み)に復帰したバイデン政権のもとで変化してきているアメリカ農業の動向やEUの新戦略を踏まえて農水省が打ち出したものです。多くの課題を抱えていますが、「環境に配慮した食料システムの改革が必要」だという国連食料サミットが示す認識までようやく日本政府の認識が至ったということを示しています。

他方で、農産物の輸出拡大をめざす政府にとって、世界的に環境への配慮の基準が厳しくなり、世界で有機農業が拡がれば、有機でないと輸出が伸びないというロジックも存在しています。

◆こうした流れの中で、「高知県有機農業推進基本計画」を達成するために、とりわけ有機農業の取組面積及び有機JASの認証農業者数の2030年目標を達成するために、具体的にどう取り組むのか、農業振興部長にお聞きします。

 

○農業振興部長 まず、有機農業の推進における具体的な取り組みについて、お尋ねがございました。

国は、「みどりの食料システム戦略」において、有機農業の面積拡大を取組方針の一つとして掲げておりますことから、県においても国に準じ、2 0 3 0年には有機農業の取組面積 を408haに拡大し、有機J AS認証の農業者数を221人に増加する目標を「高知県有機農業推進基本計画」に位置づけております。

その目標を達成するためには、生産量と品質の向上や販路の拡大、担い手の確保・育成などの取り組みの充実強化が必要となります。

このため、まず、生産量と品質の向上では、新たに育成する有機農業指導員が中心となって、生産者への栽培技術の指導を行うとともに、基礎研修の開催、施設園芸で培った天敵や太陽熱消毒などのIPM技術の有機農業への応用など、栽培技術指導を強化してまいります。  

また、販路の拡大では、県内量販店とタイアップした有機 コーナーの設置や、県内外での商談会への参加などを通じて、新たな販路の拡大につながる取り組みを支援してまいります。

担い手の確保・育成では有機農業を志向する新規就農希望者などを対象とした有機農業の魅力を伝えるセミナーや就農相談会の開催、農業担い手育成センターでの研修、有機農 業団体と連携した新規就農者へのフォローなどの取り組みを強化してまいります。

さらに今後は、現在、実施しております有機農業の実態調査を基に、有機農業の拡大につながる取り組みの強化を図ってまいりたいと考えております。

 

●岡田議員 ◆また、有機農業の推進をはかるには、人材の育成、産地化などの取組が重要です。県のみならず市町村での有機農業の推進体制の整備=市町村整備、50%以上にするなど、も必要と考えます。どのように推進体制の拡充をはかるのか、農業振興部長にお聞きします。

 

○農業振興部長 次に、有機農業の推進体制の拡充について、お尋ねがございました。

有機農業を推進するには、地域地域において関係機関などが一体となって取り組むことが重要となりますので、市町村や農業振興センター、 J A、有機農業者などによる推進体制 の整備が必要となります。

そのため、まずは、有機農業の取り組みなどを支援する環境保全型農業直接支払交付金を活用しております四万十市や馬路村などの1 3市町村において、有機農業を希望する方の就農相談から研修、就農、定着に至るまでを、 一貫して支援する体制を整備していきたいと考えております。

また、その他の市町村においても、有機農業の実態調査を基に、有機農業が行われている市町村に対しては、交付金の活用に加え、推進体制整備を呼びかけてまいりたいと思います。

 

●岡田議員 ◆加えて、学校給食での有機食品の利用など有機農業を地域で支える取組や、有機農業への消費者の理解をどうすすめていくのか、農業振興部長に伺います。

 

○農業振興部長 最後に、有機農業への消費者の理解などをどう進めるのか、とのお尋ねがございました。

有機農業を推進していくうえでは、有機農業が果たす環境への負荷の低減や自然循環機能などを消費者にご理解していただくことが極めて重要となります。

そのため、県では、生産者団体や県内量販店と連携し、有機農業者と消費者との交流の場である高知オーガニックフェスタや、有機農産物を積趣的に販売している県内量販店を通 じて、消費者の有機農業への理解の醸成を図ってまいりたいと考えております。

また、消費者や生産者団体の方々を対象としたSDGsについての講演会なども活用しながら、有機農業の取り組み等をP Rしてまいります。

こうした取組により、消費者の方々に有機農業に対する理解を深めていただき、有機食品の消費拡大につながるよう、努めてまいります。

 

【国保について】 

●岡田議員 次に、国民健康保険の保険料水準の統一について伺います。

 国民健康保険制度の改革については、国の国保基盤強化協議会において、国と地方が、国保の安定的な運営が可能となるよう長期間の協議を行い、平成27年2月12日に、「国民健康保険の見直しについての議論の取りまとめ」が行われました。

 その内容は、平成 30 年度から、都道府県は、国保の財政運営の責任主体となり、安定的な財政運営や効率的な事業の確保等の国保運営について中心的な役割を担うこととし、市町村は、地域住民との身近な関係の中、被保険者の実情を把握した上で、 保険料の賦課・徴収、個々の事情に応じた資格管理・保険給付の決定、保健事業など地域におけるきめ細かい事業を行うこととされました。

また、都道府県は、市町村ごとの分賦金の額を決定し、この決定に当たっては、市町村の医療費適正化機能が積極的に発揮されるよう、市町村ごとの医療費水準を反映させるとともに保険料率については、市町村ごとに設定することを基本とする、ともされております。

併せて、国保運営に最終的な責任を負っている国は、毎年約3,400億円の財政支援の拡充等を実施することにより財政基盤を更に強化することとされました。

このような国保制度改革を一体的に行うことにより、国民皆保険制度の最後の砦である国保の持続可能性を高め、国保の安定的な運営が可能となるとされました。

しかし、国では、令和3年度からの第2期都道府県国保運営方針の策定に合わせ、令和2年5月に改訂を行った「都道府県国民健康保険運営方針策定要領」で、「保険料率については、市町村ごとの医療費水準や医療提供体制に差があることに留意しつつ、将来的には、都道府県での保険料水準の統一を目指す」とし、保険料率の統一へ向けて大きく変更をいたしました。

この保険料水準の統一は、「国民健康保険の見直しについての議論の取りまとめ」の内容とは大きく相違するものと言わざるを得ません。

◆そこで、制度改革が行われてわずか3年にも満たない中で、被保険者の負担に大きく影響を与える、このような重大な変更が行われたことについて、どのような状況の変化や理由があったと考えているのか、知事にお伺いいたします。

 

○県知事 次に、国民健康保険制度改革におきます保険料水準の統一化を巡る状況の変化あるいは理由についてどうかという、お尋ねがございました。

この点につきましては、国からは平成27年2月の時点におきまして、保険料の算定は市町村ごとに設定するということを基本としつつ地域の実情に応じて、都道府県ごとに保険料率を一本化することも可能な仕組みとすると、そうした考え方がすでに示されておったところでございます。

その後、令和2年5月に改定されました「都道府県国民健康保険運営方針策定要領」におきましては、「国保制度改革については、概ね順調に実施されており、今後は国保の都道府県単位化の趣旨の深化として、保険料水準の統一に向けた議論が求められる。」というふうに述べられているところであります。

こうしたことを見ますと、国は制度改革に対して、今回特に重大な変更を行ったものとは考えておりませんで、国保改革の実施状況を踏まえまして、将来的に保険料水準の統一を目指すとこういった大きな流れをより明確にしたものだというふうなとらえ方をしているところでございます。

 

●岡田議員 他方、財務省では、財政制度等審議会の議論において、国保の保険料水準を統一することは、国保財政における給付と負担の関係の「見える化」を図り、都道府県を、給付と負担の相互牽制関係のもとで両者の総合マネジメントを行う主体としていくうえで、極めて重要とするとともに、達成時期を区切るなど保険料水準の統一を一段と加速させる方策を講ずるべきともしています。また、保険料水準の統一が行われた場合、国保の安定化のために国が約1千億円を負担している高額医療費負担金制度や特別高額医療費共同事業が不要となる、ともしています。

このため、財務省にとって保険料水準の統一は、国保の被保険者のことを第一と考えてではなく、地域医療構想や医療費適正化計画などと合わせ、都道府県に医療費の増加抑制の全責任を負わせ、国費を削減するためのガバナンス強化の手段として行おうとしているのではないかと考えます。

◆市町村の保険料水準を見直すことによって、被保険者を犠牲にし、国費をカットすることを考えていると思いますが、知事のご所見をお伺いいたします。

 

○県知事 次に、市町村の保険料水準を見直すことによります国費のカットにつきましてのお尋ねがございました。

ご指摘がありました、国の財政制度等審議会におきましては、都道府県によるガバナンスの発揮を通じて、医療費適正化をより実効あるものとする、そして、国保財政におきます給付と負担の関係の「見える化」をはかり、都道府県を両者の総合マネジメントを行う主体としていく。そのために、都道府県内の国保の保険料水準の統一等の加速化をはかるべきとこういった流れでの議論が行われているというふうに承知をしております。

一方で国保制度は、国民皆保険のいわゆる最後の砦といたしまして、その安定的な運営が求められているわけでございますけれども、他の健康保険の制度と比べまして、年齢構成が高い、医療費水準が高いということから、保険料負担が重くなりがちであるということ、また一方で、加入者の所得水準は低いといった構造的な課題を抱えておりますため、制度的に国費等の公費による財政支援が行われるという仕組みになっております。

国保制度が構造的な課題を抱える中で、投入されています国費は、国保財政を支え、国保を安定的に運営するための大変貴重な財源となっているというふうに考えます。

こうした国費が一方的に削減されるということはけしてあってはならないと考えておりますが、仮にそのような動きがある場合には、必要な国費の確保について、全国知事会とも連携しながら、しっかりと意見を述べてまいりたいと考えております。

 

●岡田議員 さて、国が強引に進めようとしている保険料水準の統一は、平成27年の「国民健康保険の見直しについての議論の取りまとめ」における、安定的な運営のための前提が大きく変わったと思います。

議論の取りまとめは、運営方法の在り方の見直しと3,400億円の公費の拡充は一体のものと考えられます。

◆このため、保険料水準の統一を行わなければ、国保の持続可能性が損なわれ、安定的な運営ができないのであれば、3,400億円の公費についても見直しを行い、安定的な運営が可能となるよう再拡充を求めるべきだと考えますが、知事のご所見を伺います。

また、このような重要な問題は、事務レベルでの協議だけでなく、国保基盤強化協議会を開催し、議論を行うべきと考えますが、併せて知事のお考えを伺いたいと考えます。

 

○県知事 次に、公費の再拡充を求めること、そして、国保基盤強化協議会の開催についてのお尋ねがございました。

先ほどお答えいたしましたように、保険料水準の統一につきましては、これはいわば都道府県レベルでの自主的な取り組みというふうに考えております。国は制度改革に重大な変更を行ったというような性格のものではないと考えております。

このため、国に、先の制度改革の際に拡充されました3,400億円の公費の再拡充ということを直ちに求める状況ではないと考えているところであります。

また、現時点では、国は地方に対して、保険料の統一に向けた議論を深めるということは求めておりますが、これをペナルティなどを設けて、強要しているというわけではございません。このため、国に対しまして、国保の運営に重大な影響を与える制度改正などにつきまして、国と地方で協議を行うための国保基盤強化協議会の開催を求めると、そういった状況には、現在のところは、ないというふうに考えているところであります。

 

●岡田議員 さて、現在県内では、令和12年度に保険料水準の統一を行うべく、県は市町村と協議を進めています。

県の説明では、すべての市町村長が「将来的な統一は必要」という意見で、将来どこに住んでいても、同じ所得、同じ世帯構成であれば同じ保険料を目指すことにも異論はなかったとしています。

しかし、保険料水準の統一を行う時期については、反対の意見や慎重な議論を求める意見も出されています。

これは、医療費水準の低い市町村の保険料が、統一によって上がることについて被保険者の理解を得ることの難しさからだと考えます。また、統一の前提として高医療費市町村の医療費適正化への努力を求める声もあります。

県では、今後の国保の安定的な運営のために、様々な方法の検討を行い、その結果、保険料水準の統一以外に方法はないとの結論に至ったのか疑問です。

◆例えば、現在の納付金の仕組みにおいて高額医療費負担金や特別高額医療費共同事業の検討はなされたのか、今後の国保の安定的な運営のためには保険料水準の統一が必要と考えて議論を進めている理由を、知事に伺います。

 

○県知事 次に、高額医療費負担金や特別高額医療費共同事業の算定方法の検討と保険料水準の統一の理由について、お尋ねがございました。

まず、本県におきます高額医療費負担金と特別高額医療費共同事業の国保事業費納付金の算定方法につきましては、制度導入時に、県と市町村で検討し決定をいたしております。

その結果、レセプト1件あたり80万円を超えます医療費を対象に共同負担する高額医療費負担金につきましては、市町村の財政運営の安定に与える効果が少ないということがありまして、全体での負担は行わないということといたしました。

一方で、レセプト1件あたり420万円を超えます医療費を対象に共同負担をいたします特別高額医療費共同事業につきましては、小規模な市町村の財政負担の緩和を図る必要があるという考え方で、これは県全体で負担をするというような判断をしたところでございます。

ただ、そのような中でも、小規模な町村で高い医療費がかかる患者が多く発生した場合には、この特別高額医療費共同事業におきまして、カバーできるのはこの420万円超の部分でございますので、この420万円までの部分でも相当な負担になってくる、ということがございます。そういう意味で、特別高額医療費共同事業では賄いきれないということで、保険料の急激な引き上げが必要になってくるというような関係にあるというふうに考えます。   

こうしたリスクをさらに小さくするということを考えますと、市町村ごとに医療給付費と保険料収入を均衡させるということではなくて、県全体で均衡を図る仕組みとしていくことが望ましいというふうに考えております。

特に、人口減少、少子・高齢化が全国より先行しております本県では、今後も国保の加入者が減少いたしまして、小規模な市町村国保の増加が見込まれます。こうした中で、国保を安定的に運営していくためには、「県内国保の持続可能性」そして「加入者間の公平性」を確保するという観点からの保険料水準の統一が不可欠であるというふうに考えまして、統一に向けた議論を全市町村の合意のもと進めてまいっているところでございます。

 

●岡田議員 現在、県内の市町村の医療費水準は、令和2年度で約1.9倍の格差があります。

このままの状態で、保険料水準の統一を行った場合、一人当たり保険料の額が、県の行った試算では、宿毛市が25,585円、四万十市は21,261円上がるように、県内国保の安定は、医療費水準の低い市町村の被保険者の犠牲の上に確保されることとなります。医療費水準の違いには、市町村の健康づくりの努力もありますが、医療資源の偏在という問題もあります。保険料負担の統一の前提にはこの問題の解決が必要だと思います。

◆知事は、統一が予定されている令和12年度までに、医療費水準が低い市町村の被保険者が納得できる水準まで、この格差をどう是正しようとしているのか、お伺いします。

 

○県知事 次に、医療費水準の格差についてのお尋ねがございました。

保険料水準の統一に向けましては、現在、医療費水準が低く、統一により保険料負担が増える可能性のある市町村から、医療費の高い団体は医療費適正化の一層の努力が必要なのではなかいというご意見をいただいております。

一方で、高齢化あるいは医療の高度化によりまして、一人当たりの医療費が増え続けている中であります。それを考えますと、現在医療費水準が低い市町村におきましても、将来的に医療費が上がらないで済むという保証は全くないわけでございまして、こうした市町村におきましても、将来的に医療費が上がらないように取り組むということも必要なことだと考えております。

このため、各市町村の医療費を分析いたしまして、健康づくりなどによります医療費の適正化に、県全体で一層効果が上がるように取り組んでいく必要があるというふうに考えています。

具体的には、県全域でのデータ分析に基づきまして、県と市町村が共通の目標を持ちまして、市町村のデータヘルスの計画と密に連携をいたしまして保健事業を推進していきたいと、そのために、県版のデータヘルス計画の策定に取り組んでまいりたいと考えております。

こうした県全体の健康づくりに向けました効果的な保健事業を実施していくということを通じまして、国保におきます医療費の適正化も進めまして、医療費格差の是正と保険料負担の軽減にもつなげてまいりたいと考えております。

 

●岡田議員 ◆保険料水準の統一に向けては、被保険者の理解を得ることが極めて重要なポイントとなります。市町村任せではなく、被保険者である県民に対しての説明についてどう考えているのか、知事にお伺いいたします。

また、国保の安定化については、国の負担を削る方向を根本から見直し、思い切った国費の投入が重要と考えるが、併せて知事のご所見をお伺いいたします。

 

○県知事 次に、被保険者の理解をいただくということ、そして、思い切った国費を投入すべきではないかということについて、お尋ねがございました。

保険料水準の統一によりまして、保険料水準の引き上げが見込まれる市町村もありますので、お話がございましたように、国保加入者の理解を得るということは極めて重要なポイントであると考えております。

このため、取り組みを進めるにあたりましては、県と市町村で丁寧に議論を行うということはもちろんでありますが、こうした議論の状況につきましては、その資料や議事概要を公表いたしているところであります。

一方で、現時点では、全ての市町村が方向性として「将来的に保険料水準の県内統一が必要」という意見ではございますが、具体的に統一をいつ行うかといった各論部分については、いまだ合意に至っているものではございません。

今後、市町村との合意が得られましたら、市町村とともに、国保加入者の皆さんと理解を得るための取り組みをより積極的に力を入れて行ってまいりたいと考えております。

また、国の負担についてでございますが、平成30年度から低所得者向けの保険料軽減措置の拡充などといった、毎年約3, 400億円、これは全国規模でございますが、の公費が投入され、国保の財政基盤の強化が図られました。これと合わせた形でセットの形で、国保の財政運営が県に移管をされるという制度の大改正が行われたものでございまして、この3,400億円については国の負担を削る方向ではなく、今後も国の責任において、確実に投入されるべきものと、いわば県に財政運営が移管されることのセットとしての措置だというふうに考えております。

一方で、さらなる思い切った国費の投入を求めるべきではないかという点につきましては、今後、国保財政につきまして、大きな影響がある制度改正が行われという場合には、全国知事会とも連携しながら、必要となる国費の確保について意見を述べてまいりたいというふうに考えております。

 

【メガソーラー】 

●岡田議員 最後に、土佐市宇佐でのメガソーラー開発計画について伺います。

  住民グループ「宇佐の自然を守る会」代表で、トンネル工事等の施工計画業務に長年従事してきている専門家の方がこの間、事業者が初めて本格的に実施した簡易コーン貫入検査による地質調査結果を入手し、これに基づいて地山の安定計算を行っています。

その結果、伐採していない状態で計算しても安全率は低く安定していない。斜面は約2.5メートルの深さまで柔らかい砂質土で、「想像以上に土質が悪く不安定。斜面傾斜が40度もある斜面の木を伐採し、線状降水帯に襲われれば確実に滑ります。また大雨を想定して、地層に0.3メートルの地下水がたまると崩壊する」「開発計画区域は、平均斜面傾斜は34度、スキーのジャンプ台に相当する急勾配です、最大40度、海岸まで1キロ。熱海の土石流は傾斜が15~25度、海岸まで2キロ。土石流は1~2万㎥で発生する可能性がある。熱海より危険」だと警告しています。また、線状降水帯の危険を直視して降雨量の見直しを含め土質を踏まえた再審査を強く求めています。

この地質調査結果は、この2月に出されたものであり、県の審査や、土佐市への条例に基づく協議には反映されていません。

◆ 初めての地質調査結果と、専門的知識を有する代表者の意見をどう受け止めているのか、また、事業者のこの報告書を、県が受け取ったのはいつか、併せて林業振興・環境部長に伺います。

 

○林業振興・環境部長 まず、初めての地質調査結果と、専門的知識を有する代表者の意見をどう受け止めているのか、また、事業者の報告書を県が受け取ったのはいつかとのお尋ねがございました。

土佐市宇佐の林地開発につきましては、先ほど知事からもありましたように、 事業者から4月に県へ着手届の提出があり、森林の伐採等に取りかかった段階でございます。

お話のありました簡易コーン貫入試験による地質調査は、事業者が、林地開発許可申請時に想定した岩盤層の位置の確認をするために行ったものでございます。

事業者からは、この調査結果に基づき、自然斜面の表層土 の厚さに関わらず、太陽光パネルを設置するための土台の杭の基礎は、岩盤層に到達するよう設計すると聞いています。  

専門的知識を有する代表の方のご意見につきましては、地域住民の切実なご意見として真摯に受け止め、事業者には、こうした地域の皆さまの声に対して、丁寧に対応するよう求めてまいります。

県としましては、事業者の計画をしっかりと確認したうえで、必要に応じた開発行為の変更手続き等を適切に指導していきます。なお、地質調査結果につきまして、県は5月1 9日に受け取っております。

 

●岡田議員 次に、2020年8月27日付知事名による、開発許可に付した許可条件、留意事項は極めて重要であり、”この条件に従わない場合は、この許可を取り消すことがある”との一文は極めて重いものがあると考えます。

  その一つの、洪水調整池等の防災施設の先行設置、を遵守させることが強く求められています。つい先日、5月22日の工事説明会での工事スケジュール資料には、必要なボーリング調査の実施予定も示さずに調整池工事より先に、作業道や伐採の工事を始める、造成工事も調整池が完了する前に始める等の予定になっています。

県は、説明会に参加した住民からの訴えで初めて知ったわけですが、許可条件に反して開発しようとする事業者の姿勢は決して許されません。住民の皆さんの災害発生への不安、開発行為への不信がますます強まっています。

◆明らかに信用を失う事業者の姿勢であり、許可を取り消すなど厳しく対処すべきと考えますが、知事に見解を伺います。

 

○県知事 最後に、土佐市宇佐のメガソーラーの開発計画につきまして、信用を失いますような事業者の姿勢に対して、厳しく対処すべきであるという点でのお尋ねがございました。

土佐市宇佐の太陽光発電施設の設置を目的といたしました林地開発につきましては、令和2年8月に、森林法に基づきます許可を県として行っております。その後、土佐市の条例に基づきます、土佐市との協議が行われておりまして、令和4年4月にこの市との協議が終了いたしまして、同月に林地開発の着手届が県に提出されたというような経緯をたどっているところでございます。

許可の際に付した条件につきましては、許可された開発行為が、林地開発許可制度の趣旨に沿って適切に行われることを担保するためのものでありますから、事業者においては、当然遵守すべきものと考えております。

今般、事業者が住民説明会におきまして、許可条件の内容と異なる工事手順を示すというような形で、地元住民の皆さんを不安にさせる説明を行ったということは、誠に遺憾なことであるというふうに考えております。

ただ、現時点で申しますと、許可条件の内容と異なるような開発行為そのものはまだ行われていないというふうに考えておりまして、住民説明会におきます説明が、この許可条件の内容と異なっていたということだけをもって、許可条件に違反しているとまではまだ判断できないというふうに考えております。

こうした状況を踏まえまして、県といたしましては、事業者に対しまして地元住民等の理解を得ていくということも含めまして、許可条件を遵守するよう指導いたしました。その結果、事業者もこの点については、従う意向を示しているところでございます。

従いまして、この太陽光発電施設の設置を目的といたしました林地開発が、法令に則り適切に行われますように、県としても定期的に巡回を行うということも含めまして、適切に事業者の方を指導してまいりたいと考えております。私からは、以上であります。

 

●岡田議員 また、2020年8月の林地開発の許可決定に際しての森林審議会の意見や、それを参考にした知事の開発行為許可の当初計画の重要な変更が次々なされようとしています。

  審議した時、作業道は現在の幅4㍍、長さ1.5㎞を活用、が新たに1.4㎞を設置する、当初の自然斜面の表層土除去方針を、残したまま太陽光パネル設置を検討する、立木の伐採については、土地の変更行為に該当しないため防災施設の設置に並行して行うことを認めてしまう等々です。

  審議会で審議をした、土砂の流失叉は崩壊その他の災害を発生させる恐れがないか、水害を発生させる恐れがないか、水の確保や環境の著しい支障や悪化させる恐れはないのか、これらの審査、判断に大きく影響するものばかりです。許可時点の計画を、事業所の一方的な考えで、なしくずし的に変更を容認する、追認するようなことは決して許されません。

◆許可条件に関わる重大な変更であり、再度、森林審議会の意見を聞き、県はそれを参考にすべきです。同時に山地災害や地質等の専門家を審議委員に選ぶ、また意見を聞く場を持つべきではありませんか、林業振興・環境部長にお聞きいたします。

 

先の専門家の方は、「私は、人命を預かって建設工事に従事し人命の重さを体感している、先日、県と話しをする中で、地質調査の結果を踏まえて審査を見直そうともしないなど県民の命を守る意識が欠落していると思う。激しい憤りを感じる」、と率直に語っています。

ぜひ、こうした県民の思いを真摯に受け止め、熱海の土石流災害を繰り返させない、県民のいのちを守る抜く立場で、県が総力を挙げて対応することを強く求めるものであります。

以上をもって、私の第一問といたします。

 

○林業振興・環境部長 次に、重大な変更は、再度、森林審議会の意見を聞き、県は参考にすると同時に、専門家の意見を聞く場を持つべきではないか、等とのお尋ねがございました。  

お話にありましたとおり、林地開発許可制度では、森林の持つ「災害の防止」 「水害の防止」「水の確保」「環境の保全」という4つの機能が損なわれることがないよう、一定の 基準を定めています。

具体的な基準としましては、土質に応じた切土・盛土の勾配や、下流の流下能力を超える水量が排水される場合に、洪水調整池を適正に設置することになっているか、などがございます。

議員が懸念されています行為のうち、立木の伐採につきましては、林業で言う皆伐にあたり開発行為に該当しないということから、防災施設の設置と並行して実施しても、支障がないものと考えております。

その他の行為等につきましては、事業者から具体的な計画が示された際に、しっかりと確認し、必要に応じた開発行為の変更の手続等を適切に指導してまいります。

森林審議会の開催につきましては、事業者からの具体的な計画を確認した上で、林地開発許可制度における県の基準に照らし合わせて、判断をしてまいります。

 また、変更内容等で、必要な場合には、専門家のご意見をお聞きしてまいりたいと考えております。

 

【第二問】

●岡田議員 それぞれにご丁寧に答弁いただきましてありがとうございました。二問ですけれど、まず新型コロナの関係で、お聞きをしたいと思うんですけれど、私質問の中でいいましたように、死亡直前の症状が、軽症・無症状が43.4%と4割ございます。急変をして、なくなるというケースがありますし、そして重症化の判断基準ですよね、これがオミクロン株に本当に対応しているのかというような指摘もあるところです。

 そうした中で、やはり患者さんについては、感染症病床に入院をされるというやはり原則をしっかり守った上で、対応されるということがやはり大事じゃないかなと、思うんですけれど、自宅待機ということも療養(施設)ということもありますけれど、そのやはり入院の原則ということをしっかりと守って対応することが大事と思いますが、改めて、健康政策部長にお聞きをしたいというふうに思います。

 それから、国保の関係で、知事からもご答弁をいただきました。国保料の統一については、国保法でもいつまでにしなければならないというような法の規定はないというふうに、私は認識をしております。

 ただ、令和12年度までに統一というようなお話もお聞きをしますけれど、しっかり議論をされて、医療費の低い市町村が納得をできるようなしっかりとした議論が、必要だと考えます。合わせて、国にですね、知事もご答弁の中で、構造的な課題があると高齢者が多くなっているし、収入も少ないというような構造的な問題を抱えているというご答弁がありましたけれど、この点は、国に対してもしっかり、全国知事会も通じまして、国費を入れてもらうということをもっと強く、主張していただいて、安定的な、国保の制度が運営されますようにしていかなければならないと思います。

 市町村については、しっかりとした合意形成ができるまで期限を切らずにしっかり議論をするということが大切だと思いますけれども、この点知事に伺いたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。

 

○健康政策部長 感染症法につきましては、あくまでも、入院勧告ということで、強制的に入院させるようなシステムではございません。また、この勧告につきましても、病状に応じて一定期間審査をするということで、あくまでも感染症法は人権を重視するような法制度に改正法の時になっております。ですので、本来入院が必要であるようなレベルの方には、必ず、勧告をするということになりますけれども、無症状、高齢者であるから無症状であっても勧告するということは法ができたときの趣旨とは少し反しますので、現在のような運用ということになっております。

 そういうことがございまして、先ほど説明しましたように、令和3年の2月に宿泊療養や自宅療養も法律上もきちんと位置付けたということでございますので、現在の時点は、コロナに対しては、全員入院というところ、法上の趣旨とは少し合わないということはご理解いただきたいと思います。

 

○県知事 国民健康保険の保険料統一に関する再質問についてお答えいたします。

 お話がございましたように、この保険料の統一の取り組みに関しましては、あくまで、各都道府県におきます自主的な取り組みとして行われているものでありますから、国の方からいつまでにやれといった期限が具体的に示されているわけではございません。

 先行して実施されています、私自身も関わりましたが、大阪府ですとか、奈良県の場合を考えましてもかなり長い年月をかけて、段階的に経過措置もしっかりとって、統一をしていくという形で行われているのが一般的でもございますし、そうした例も参考にしながら、ただいま議員からご指摘がありました関係の市町村、特に保険料水準の引き上げが想定をされるような市町村の十分なご理解をいただいて、すすめていくのが大事だと思っておりますから、この点は丁寧に。ただ、いつまでも議論しているというわけにはまいりませんので、一定の区切りをつけて、議論を進めていくということは大事だと思いますが、その起源ありきで、何と言いますか、強引に押し切るということではなくて、良く話し合いをして理解をえながら進めていくということで、合意形成をはかりたいと思っております。

 また、その前提といたしまして、国に対する財政措置の点についてでございますが、こうした取り組みはあくまで、各都道府県のレベルで、国保の持続可能性、負担の公平性、こういう観点から行われるものでありまして、国費の削減を、こういった努力をしていることを理由に行われるということは、まったく不本意な、私たちもまったく意図しない方向でございますから、けしてそうしたことにならないように、仮にそういうような話がございましたら、これは知事会等とも相談をして、しっかりと国に対してものを申してまいりたいと思っております。

 

●岡田議員 どうもありがとうございました。

 宇佐のメガソーラーの件なんですけれど、県が許可をして、説明会の中で、その許可した中身と違う説明もされたということで、ただその工事まではいっていないというご答弁であったと理解をします。ただ現地の皆さんも非常に心配をされていまして、また防災の面からでも危険ではないかという意見も引き続き上がっております。専門家の意見も引き続き聴取するとともに、現場の状況もしっかりと調査をいれてですね、住民の皆さんにしっかりご理解いただくということが大事だと思います。

 また、加えて、今後20年で2割降雨量が増すというようなことも言われておりますので、そういう先を見た防災対策を考えながらしっかりと対応する必要があるというふうに思います。またよろしくお願いいたします。

 あと、暮らしの問題では、軍事費の2倍化、これやると、結局はどっかにしわ寄せがくると思います。社会保障費の削減等しわよせがくるのではないかと心配をするところですし、やはり力に対して力ということになりますと、果てしのない軍拡競争になります。そしてまた、財政も傷んできて、暮らしにも平和にも影響が出てくると思います。憲法9条をもつ日本が、やっぱり、色々な様々な国とも話をしながら包括的、包摂的に、話し合いの枠組み、紛争を戦争にしない枠組みをアジアでもつくっていくという立場で、そして核兵器廃絶を進めるという立場で、日本はしっかりと取り組んでいくべきだというふうに考えるところでございます。

 また、秋にむけまして、帝国データバンクの指摘もありますけれど、さらに秋口以降も値上げが続くと、原油高の影響もじわりと広がるというような指摘もされております。暮らしにとっても、営業にとっても、厳しくなってきております。機敏に対応していただいて、県民の皆さんの暮らし、営業をしっかり守っていただくことを強く要請をいたしまして、私の一切の質問を終わります。

 ありがとうございました。