議会報告

  • 2022年12月21日
    2022年12月議会 吉良富彦議員による「学校給食費の無償化を求める意見書」賛成討論

●吉良県議 私は、日本共産党を代表いたしまして、ただいま議題となりました議発第6号「学校給食の無償化を求める意見書」議案に賛成の立場に立って討論を行います。

子どもたちはこの間コロナ感染による休校や学級閉鎖、なれないオンライン授業、グループ行動の制限、学校行事の中止や延期などの下に置かれてきました。7人に一人の子どもが「貧困ライン」を下回る状況に加え、コロナ感染と物価高が、子どもや保護者の生活、仕事、家計、心身に大きな影響を与えています。

2021年に認定法人「キッズドア」が行った「子育て困窮世帯の緊急アンケート」では、新型コロナ感染症流行前と比べて収入が減った世帯は7割、今も収入が減ったままだという世帯が5割に上っています。同じく内閣府がおこなった「子どもの貧困調査の分析結果」では、過去一年間に必要な食料が買えなかった経験は全体で11.3%、一人親世帯は30.3%、母子世帯では32.1%になっています。

小中学生を持つ子育て世代は、今、教材費、制服、体操着、学用品、給食費、修学旅行積立金等々を負担しており、中でも、学校給食への保護者負担は、年平均、公立小学校で4万7773円、公立中学校では約5万4351円(文部科学省調査2018年度)と、重い負担となっています。文科省は今年9月9日、物価高騰等に対応した学校給食費の保護者負担軽減の実施状況を公表しました。7月29日時点で、全国で8割を超える自治体が、地方創生臨時交付金などを活用し、軽減実施そして予定もしています。

文科省が2017年度に給食費を無償にしている自治体を初めて調査した時点では、小学校・中学校共に無償化を実施しているのは全国1740自治体の4.4%にあたる76自治体で、そのうち71が町村自治体であり、また、人口1万人未満の自治体が56自治体を占めていました。しかし、現在、子育て支援やコロナ禍による家計の負担軽減などを目的に、人口の多い自治体にも実施が広がっているのが大きな特徴です。

中核市の青森市は、今年度の補正予算で約5億円を計上し、この10月から小学校42校、中学校19校を無償化。本年度分は国からの新型コロナ臨時交付金で賄い、来年度以降も財源を確保し無償化を続ける方針です。青森市の実施によって、青森県での完全無償化は40自治体中14となっています。特別区である東京都葛飾区も、来年度当初予算に区立の小学校49校、中学校24校、特別支援学校1校の完全無償化を盛り込みました。

群馬県も、県内35自治体のうち29自治体が学校給食費へ何らかの支援をしており、うち14の自治体が完全無償化で、さらに人口20万人を超える太田市が この10月から中学生無償化を開始し、来年4月からは小学生も無償化することを決めました。これらの事例を見れば、自治体の財政力によらず、全国どこでも等しく教育条件が整備され、教育を受ける権利が保障されるよう、国の責任で給食費無償化を支援することが必要かつ可能であるといえます。

そもそも憲法第26条は「義務教育は、これを無償とする」と規定し、教育基本法第4条及び学校教育法第6条において、義務教育の無償が担保されています。2015年には食育基本法が、そして2016年には食育推進基本計画が制定され、学校給食は教育の一環として明確に位置付けらました。そして、文部科学省による学校給食無償化に関する調査において、無償化の成果として、児童生徒は「栄養バランスの良い食事摂取の意識向上」、保護者には「親子で食育について話し合う機会の増加」、教職員においては「食育の指導に関する意識向上」が見られたと報告されており、学校給食の無償化は、学校給食法に規定する「食育の推進」に間違いなく寄与し、教育的効果が高い施策であることが明らかになりました。

未だに学校給食の無償化に消極的な自治体の論拠に、1963年最高裁において憲法26条2項後段における「義務教育は、これを無償とする」という無償とは、「授業料の不徴収の意味とする」「授業料のほかに教科書、学用品、その他教育に必要な一切の費用まで無償としなければならないことを定めたものと解することはできない」という判例を引き合いにする場合がありますが、同判決は、後段に「国が保護者の教科書等の費用の負担についてもこれをできるだけ軽減するよう配慮努力することは望ましい」「財政等の事情を考慮して立法政策の問題として解決すべき」と述べ、政策として実施可能としており無償化を何ら阻むものではありませんし、何よりもこの間の国民の運動と無償化の前進の事実が、必要性そして妥当性を示しています。

また、学校給食法の第11条に学校給食費は「保護者負担」と明記されていることがあげられる場合があります。しかし、2018年12月6日、参議院文教科学委員会での吉良よし子議員の質問に対し、当時の柴山昌彦文部科学大臣は、学校給食法第11条の規定は、1954年の文部事務次官通達の通り、給食費の一部を補助することを禁止する意図はないこと、さらに、地方自治体がその判断によって全額補助することを否定するものではないこと、と答弁を行い、無償化を拒否する法的根拠を完全に否定しました。

本県で無償化や減免を実施している自治体は、土佐町、本山町、大川村、佐川町とまだまだ少ないですが、四万十町は来年度から、さらに、この12月議会で中土佐町も来年度実施に向けて予算編成を進めるとしています。また、県人口の半数占める高知市は、さる11月の臨時市議会で、市立の全小中学校・特別支援学校の給食費を12月から来年3月までコロナ対策臨時交付金を使い無償化することを決定しました。こういった状況から、本県でも今後、無償化を求める世論はさらに大きくなり、各自治体から県と国に対し支援を求める動きが活発になってくることは必至です。

高知県民は、憲法に明記された義務教育無償を掲げ、児童・生徒の保護者や地域住民が教科書の無償化を求める運動を起こし、ついに教科書の無償化を実現させた歴史を持つ県民です。いわば、憲法遵守、義務教育無償化実現の先頭に立ってきた県民です。その県民の議会としての歴史と伝統にふさわしく、いまこそ、子育て世帯の経済的負担を軽減し、学校教育の柱の一つでもある食育を推進するために、国に対し、学校給食無償化への支援を国の施策として行うよう、求めていこうではありませんか。

以上、同僚議員のご賛同を心からお願いいたしまして、私の賛成討論といたします。ご清聴ありがとうございました。