議会報告

【質問項目】
・防災 耐震化基準、避難所など
・教育行政 授業時数の削減、県版学力テストなど

●細木議員 日本共産党、細木良です。通告に従い順次質問いたします。よろしくお願いします。

【防災】
●細木議員 能登半島地震発生から2か月あまりとなりました。東日本大震災からもまもなく13年となります。改めまして、亡くなられた方のご冥福と被災されたみなさんへのお見舞いを申し上げます。南海トラフ地震がカウントダウンに入った今、揺れや津波、大規模火災から命を守る、そして震災関連死ゼロへ決意を新たに順次質問いたします。
能登半島地震で発生した被害状況について、矢守克也・京都大防災研究所教授は「平成に国内で発生した地震災害で表面化した課題が全て含まれる」、また岡村眞・高知大名誉教授「能登半島地震の被害はすべて南海トラフ地震でも発生し、地震の規模と被害はさらに大きくなる」と話されています。
大きな揺れ、津波、土砂災害や道路損壊とそれに続く集落の孤立、液状化、大規模停電、火災、志賀原発トラブルと避難困難な状況など、今回の被害は多岐にわたっています。県が来年度、現地の実態調査を行うと報道されましたが、今後の防災施策に調査結果が生かされることを大いに期待しています。
矢守教授は、南海トラフ地震に突き付けた課題として、これまでの複合的な災害現象に加え、ライフラインや道路・通信の途絶による集落孤立、救急救命など初動の遅れ、災害関連死、2次避難の困難さなどさらに先鋭化すると指摘。解決は困難だが、地域社会の自立を目指すこととして、電力や水などエネルギーを10日間確保する「地域自立圏」の方向性を示されています。そして、先進自治体の例として黒潮町が挙げられ、「防災×脱炭素×福祉」の旗印のもと施設整備や訓練が始まっていることも紹介していただいています。「地域自立圏フェーズフリー」(=日常と災害時を連続して捉える考え)の思想は被災時だけでなく日常的にも多くの効用を持つとの指摘は大変示唆に富むものです。
今回の地震でも倒壊死が多数発生しました。亡くなった方の9割が家屋倒壊による圧死・窒息死といわれています。住宅耐震化率の引き上げを改めて県の災害対策の最重点項目として位置付けることが必要です。その点で知事は資材高騰による耐震工事費上昇に対し、補助金引き上げを即座に決断したことは歓迎するものです。耐震化を促進する上でさらなる提案を行います。
◆改修費用の負担軽減のため段階的改修制度、非木造耐震改修制度をすべての市町村で制度化するよう積極的に働きかけてはどうか。土木部長に伺います。

○土木部長 住宅の耐震化を促進させるためには、住宅所有者の費用負担を軽減することは必須であると考えてございます。
このため、県ではこれまでに市町村長への説明や担当者研修会などの機会を通じまして、段階的耐震改修などに対する支援制度の導入を市町村に対して働きかけてまいりました。しかしながら、現在、段階的耐震改修制度につきましては19市町村、非木造体制改正制度 につきましては、25市町村での導入にとどまっている状況でございますで、今後も市町村に対しまして、制度の趣旨を十分に説明し、制度の導入を粘り強く働きかけ、住宅の耐震化 促進につなげていきたいと考えてございます。

●細木議員 資材高騰などへの対応として、
◆段階的改修制度への補助金引き上げも実施するべきではないでしょうか、土木部長に伺います。

○土木部長 段階的耐震改修につきましては、昨年度の実績を見ましても、現在の補助対象 限度額内でほとんど実施できている状況でございます。そのため、補助金の限度額の引き上げにつきましては、資材高騰による工事費への影響を注視いたしまして、必要に応じて検討していきたいと考えてございます。

●細木議員 県は、耐震改修を促進する上の課題として、低コスト工法を施行できる業者が少ないことを挙げています。
◆低コスト工法で施工できる事業者の育成状況について土木部長に伺います。

○土木部長 県ではこれまで耐震化に携わる事業者の育成に合わせまして、低コスト工法の普及に取り組んできたところでございます。
具体的には、事業者向けの説明会や低コスト工法を採用した模擬設計を行う実践的な講習会を継続的に開催し、普及に努めてまいりました。
講習会のアンケートによりますと、低コスト工法を採用している事業者は令和3年度が63%であったものが、令和5年度に77%になっておりまして、事業者の育成は一定程度進んでいると考えてございます。

●細木議員 設計事務所が14、工務店15ということですが、高知市外の業者が少ないと思いますので是非これからもよろしくお願いします。
◆低コスト工法のさらなる普及に向けての課題、土木部長に伺います。

○土木部長 低コスト工法で施工できる事業者数が地域によって偏りがあることが課題でございまして、事業者数が少ない市町村におきましては、耐震化の実績が伸び悩んでいる要因のひとつとなってございます。このため県では、特に耐震改修が実績が少ない市町村と協力いたしまして、地域の事業者向けに、耐震化や低コスト工法に関する勉強会を開催してございます。
その結果、耐震改修の増加につながった市町村も見られますことから、引き続きこれらの取り組みを進めまして、更なる低コスト工法の普及に努めてまいりたいと考えてございます。

●細木議員 よろしくお願いします。
高齢化の進展により、いつまで自分の家に住むことができるのか、子どもが帰ってくる見込みもない、そんな中費用をかけ耐震化することに躊躇する県民もおられます。さらに少ない費用で命を守る耐震シェルターの設置支援などを求める声もありますので、ぜひ、これもご検討いただきたいと思います。

現在、耐震改修制度の対象家屋は旧耐震基準の1981年以前の建物に限られています。1982年以降の建物も建築され40年が経過し老朽化しています。国交省の住宅局が行った熊本地震での木造建築物の被害の状況調査では、旧耐震基準81年5月以前は倒壊28.2%・大破17.5%、新耐震81年6月~新々耐震基準前の2000年5月までの建造物では、倒壊8.7%・大破9.7%となっています。今回の能登半島地震の倒壊状況はまだ詳細が報告されていませんが、昨年からの群発地震による家屋へのダメージもあり、82年以降の建物も倒壊被害が想定されています。徳島県では耐震改修の対象家屋を、2000年5月31日以前の家屋にまで範囲を広げています。あくまで旧耐震基準の家屋改修が優先と思いますが、
◆耐震改修助成制度の対象を新々耐震基準である2000年以前の家屋まで拡充する考えはないのか、土木部長に伺います。

○土木部長 県の耐震改修助成制度につきましては、現時点では倒壊する危険性の高い旧耐震基準の木造住宅を優先し進めてございます。
今回の能登半島地震におきましては、新耐震基準で建築されたと推定されます木造住宅の被害も報道されておりますが、現在のところを倒壊した建物の詳細につきましては、明らかになってございません。県といたしましては、今後の国の調査結果を踏まえまし、2000年以前の住宅への助成制度の拡充を検討してまいりたいと考えております。

●細木議員 今なお現地では1万人を超える方々が避難所で生活されています。寒さ対策、民間頼みの食支援、劣悪な避難所環境など課題は山積しています。避難所の環境整備については災害救助法を徹底活用し、食材費の引き上げなど特別基準を設定し改善すること等が必要だと思います。
災害関連死は、東日本大震災でも熊本地震でも障害手帳を持っていた人の割合がそれぞれ21%、28%と高くなるなど災害時には弱い立場の方へのリスクが際立っています。前回の質問で取り上げましたが福祉避難所、こども福祉避難所の指定を急ぐこと、避難所で生活することが困難な障害者で避難所以外の自宅や車中泊などで避難している方などへの支援など、誰ひとり取り残さない取組が重要です。
能登半島地震では、震災関連死を防止する目的で石川県が初めて1.5次避難所を開設しました。自宅や学校避難所からホテルなどへの2次避難所までの中間的位置づけとして、短期的な運用を想定したものです。対象となるのは高齢者や障がい者、未就学児童の家庭など福祉避難所的な受け入れを行っているようです。
◆「1.5次避難所」について、県としても導入を検討すべきと考えますが知事に所見を伺います。

○県知事 お話のございました1.5次避難所につきましては、今回の能登半島地震で石川県が初めての試みとして取り組まれたものでございます。
本県では、そういった性格のものでもありましたので、この1.5次避難所を想定した準備は今までしておらなかったところでございます。その準備の必要性も含めて検討を行う必要があると思います。
今回の石川県の場合は、能登半島地震のエリアでは大変大きな被害でございましたけども、金沢市のエリアは、比較的被害が少なかったと、その中で広域的な避難のいわば準備段階としての1.5次避難所を作ろうという流れになったということだと思います。
南海トラフ地震の場合、かなり広域で相当な被害が想定されるということ、あるいは広域避難の準備がどの程度進んでいるかということによって,その必要性は異なってくるという、そういった点の詰めも必要だと思っております。
そういう意味で この準備の必要性も含めまして検討を行いまして、必要となった場合には、石川県で課題となっておりました専門職の人材確保や資機材、マニュアルの整備こういった準備を進めてまいる考えであります。

●細木議員 先月開催された「県防災関連製品フォーラム」で石川県に派遣された四万十市の職員さんが、報告の中で1.5次避難所の課題として、介護スタッフの離職が多くスタッフが不足していること、プライベートルームを作るためのテントや段ボールベッドなどが不足をしていた、2次避難所のホテルの活用期限が終了すれば仮設住宅の建設の遅れもあり1.5次避難所にまた戻る可能性も出されていました。
本来は、建設型仮設住宅の早期着工、みなし仮設住宅の確保、繰り返しになりますが福祉避難所の確保です。県が今回初めて石川に派遣したDWAT支援スタッフからの検証等をもとに、震災関連死を防ぐために1.5次避難所の検討をお願いしたいと思います。

内閣府「高齢者・障害者等の個別避難計画に関する防災と福祉の連携について」のとりまとめでは、個別計画作成について、都道府県の関与により、管内の市区町村の事例や経験の共有が図られること等により、市区町村の取組が標準化され、単独での取組と比較して効果的・効率的な実施が期待される。都道府県の役割は重要であり、都道府県と市区町村で対応について検討し、特に人材育成や関係団体との調整など広域的に取り組むことが効果的・効率的となる事項については、都道府県の関与による個別計画策定促進の取組の実施を検討することが期待される、としています。
個別避難計画作成の遅れている自治体への県の支援の強化とともに、避難された後、震災関連死や症状の悪化を防ぐためにも災害時個別支援計画の作成も求められています。
◆難病患者さん等の災害時個別支援計画の作成状況について健康政策部長に伺います。

○健康政策部長 はい。県では、平成27年度に医療ケアの中断が命に関わる方を支援するため、南海トラフ地震時重点継続要医療者支援マニュアルを策定しました。
支援の対象となる方は、在宅で人工呼吸器を使用している方や、在宅酸素療法を行っている方などで、市町村に災害時個別支援計画の具体的な作成方法を示し、個別避難計画と合わせて作成するように要請しております。
令和5年9月1日現在では、市町村が把握している人工呼吸器使用者 65人のうち31人の方が作成済みで、同様に在宅酸素療法の治療の方は 522人のうち83人が作成済みとなっております。個別支援計画の作成を加速化すべく、引き続き市町村に対して働きかけを強めてまいります。

●細木議員 今回の地震で大規模停電が発生し、今なお停電のところもあると思います。できるだけ早期に100%作成できるようにお願いいたします。
助かった命を守るため、シームレスに医療・福祉的ケアにつなげるよう、
◆高齢者や障がい者、乳幼児など避難生活で配慮を必要とされる方々について、個別避難計画にその配慮の内容を記載しておくべきでないか、子ども・福祉政策部長に伺います。

○子ども・福祉政策部長 個別避難計画は、災害時に自ら避難することが困難な高齢者や障害のある方などがどのような避難行動をとればよいか、あらかじめ作成する避難のための計画です。
国が定めた個別避難計画の必須の記載事項には記載した後の避難生活にかかる事項はありませんが、個別避難計画を作成する際に避難生活における支援について検討しておくことは重要な視点だと考えております。そのため、県では平成25年に県が作成した災害時要配慮者の避難支援の手引きにおいて、避難生活を支援する避難生活支援者をあらかじめ決めておくことの必要性を記載し、市町村や関係者に対して助言をしてまいりました。
県としましては、命を守るために避難することを最優先とし、引き続き、まずは国が定める必須事項を記載した個別避難計画の作成を市町村に促してまいります。その上で 今回の能登半島地震における課題も検証し、避難生活での支援について、個別避難計画への記載も含め検討してまいります。

●細木議員 よろしくお願いします。
文科省は、学校体育館の空調設置について「災害発生時において地域の避難所としても利用される既存体育館への空調設備の設置については、校舎の空調設備の設置が進むにつれ、設置計画の検討が進むと考えられる。断熱性能を確保した上で空調を設置するなど、各地方公共団体においても対策を検討していただいた上で、引き続き、教育環境改善に取り組む。」と方向性を示しています。全国的な設置率は10%未満のようですが、猛暑による熱中症対策、指定避難所として活用される体育館に空調を設置する自治体が増加しています。床面輻射方式などランニングコストを抑える方法や停電時でも稼働できる動力源確保など開発されているようです。
利用できる財源として、学校施設環境改善交付金、緊急防災減債事業債があります。学校施設環境改善交付金は、空調設置経費の1/2を国が補助するもので期限は2025年度までとなっています。対象工事費は下限400万円~上限7000万円、地方負担分は「防災減災国土強靭化緊急対策事業債」を充てることができます。こうした有利な交付金をぜひ活用していただきたいと思いますが、
◆県内の学校体育館の空調設置状況について教育長に伺います。

○教育長 はい。体育館に空調が設置されている本件の学校数は令和6年2月末現在で、県立学校は5校で、設置率は11.1%、市町村立学校は同じく5校で、設置率は1.8%となっております。

●細木議員 県立学校の今後の空調設置計画について教育長に伺います。

○教育長 はい。体育館に空調が設置されていない40校について、令和4年度に計画を策定し、優先順位をつけて設置を進めるようにしております。
まずは、災害時に要配慮者の避難所にもなる特別支援学校を優先し、本年度から順次進めているところであります。本年度は盲学校、高知ろう学校、日高特別支援学校、山田特別支援学校の実施計画を行っております。また来年度は、今年度実施設計を行っている4校の設置工事と、中村特別支援学校及び山田特別支援学校田野分校を併設する中芸高校について実施設計を行う予定としております。

●細木議員 愛知県は2024年度から2027年度までの4年間で全ての県立高校の体育館・武道場に空調を完備する方針を決定しております(4年間で180億円)。教育委員会の所管ではありますが、知事部局としても積極的に検討して、前倒しで設置の検討を進めていただきたいと思いますので、知事、よろしくお願いいたします。

能登半島地震でも仮設住宅の着工が遅れています。特に土地の確保が困難なことが報道されていますが、高知県も同様の課題に直面しています。公有地のみでは限界であり、農地など民有地の確保が必要です。L2クラス想定時の仮設住宅の必要戸数は7.7万戸で現在4.6万戸が不足、面積として約460ヘクタール不足している状況です。
農家が所有する農地について、農家やJAなど地方自治体と災害発生時の避難空間、延焼遮断機能、仮設住宅建設用地、資材置き場、生鮮非常食の調達および防災訓練の実施場所等として利用する内容で協定・登録する「防災協力農地」制度があります。
◆県内の防災協力農地の協定・登録の現状について農業振興部長に伺います。

○農業振興部長 防災協力農地制度は、事前に登録した農地を発災後に仮設住宅の建設用地に利用することを目的として、都市計画法に基づく都市計画区域内の農地が対象とされております。
また登録された農地で行う防災訓練の費用などに対しまして、国の支援事業が設けられておりますが、市街化区域に対象が限られており、県内の自治体では高知市、南国市、香美市、いの町の4 市町の農地のみが該当します。
現時点で高知市と JA高知市との間で 災害時における米の優先提供に関する協定が締結されております他、南国市において2名の農家が所有する30アールの農地が防災協力農地として登録されております。

●細木議員 ◆まだまだ少ないようですが、今後協定登録を増やす上での課題について、農業振興部長に伺います。

○農業振興部長 はい。この度の能登半島地震を踏まえますと防災協力農地制度は、建物が密集する市街化区域における早期の復旧に向けた有効な取り組みの1つであると考えております。
今回、市街化区域を定めている高知市などの4 市町に確認したところ、農業振興面で業務に直接関係しないこともありまして、いずれの市町も、農業担当部署の職員にその制度そのものが知られていなかったということが分かりました。
南海トラフ地震対策は、県市町村が全部署を挙げて取り組むべき課題でありますことから、まずは4市町に対しまして、国の支援事業を含めた制度内容や先行する他県の事例などをしっかりと周知してまいります。

●細木議員 田畑の原状復帰が難しいことや農家のメリットが少ないなどの課題もあるとお聞きしています。先ほど謝礼金などの交付の事も話されましたが、県独自、市町村独自でそうしたメリットなども検討していただきたいと思います。
◆続いて、民有地の確保状況はいかがでしょうか、土木部長に伺います。

○土木部長 これまで、建設候補地としての民有地の把握につきまして、市町村と連携して進めておりまして、昨年12月末現在で、目標の460ヘクタールに対しまして270ヘクタールとなってございます。

●細木議員 ◆確保の目標達成に向けて、土木部長に今後の課題を伺います。

○土木部長 特に多くの仮設住宅が必要となります都市部におきまして、建設候補地は十分に把握できてないことが課題となってございます。このため、これまでの市町村と連携 した取り組みに加えまして、議員からお話のありました防災協力農地について、農業振興部と連携するなど、建設候補地の目標達成に向けた取り組みを一層進めてまいりたいと考えてございます。

●細木議員 南海トラフ地震発生後も災害復興住宅建設までの間、長期にわたって仮設住宅で居住することも想定しなければなりません。帰還困難地域に自宅がある場合や、住宅再建が困難な高齢者などそのまま居住する選択を望まれる方も多いのではないでしょうか。長期間居住するためにはプレハブ仮設ではなく、居住環境の良い県産材を使用した木造仮設住宅を大量に供給できる体制も望まれます。現在、事前復興まちづくり計画作成が県内の自治体で取り組まれ県も支援していますが、
◆仮設住宅について、復興受入住宅として再利用することと合わせ、希望される方においては継続して居住できるような仮設住宅の活用方法について検討すべきと考えますが土木部長に所見を伺います。

○土木部長 住宅再建が困難の方を受け入れる住宅として仮設住宅を再利用することにつきましては、被災者の安定的な住まいの確保に有効な手段の1つと考えてございます。
平成28年の熊本地震におきましては、住宅再建が困難な方に対しまして、仮設住宅を再利用した市町村があることが分かっております。県といたしましては、このような事例を、担当者会等を通じまして、市町村と共有しているところでございます。
引き続き、市町村と連携いたしまして、再利用を考慮した仮設住宅の構造や建設候補地の選定につきまして検討していきたいと考えております。

【教育行政】
●細木議員 続いて、教育行政についてお伺いをします。
教職員の働き方改革として、昨年9月議会で余剰時数削減の問題を取り上げました。この間、県内の教育現場で変化が起こっていますので順次伺います。
現在県内では、土佐町町議で教育研究者でもある鈴木大裕さんの呼びかけによって党派を超え「高知若手教職員と議員のつどい」が定期的に行われ、教職員の声を聞き、どう議会で生かしていくのか、意見書の提出や、余剰時数削減について熱い論議が交わされ私も参加させていただいています。
参加した教職員は「議員さんが各議会で取り組んでくれることに励まされた」「熱心に質疑、発言される議員さんの姿勢に感激しました。立場を越え共に語り合うことでの気づきがあり、現場でのやる気が湧いてきました」などの感想が寄せられています。
昨年12月議会では、参加している議員メンバーを中心に県内12の自治体議会で同時多発的に「余剰時数」問題が取り上げられました。その中で余剰時数の多さが高知県全体の問題であること、そしてその背景には余剰時数を看過してきた県教委の体質も関係していること、始業前や下校前時間の補習を授業時間にカウントしない「隠れ授業時数」があること、余剰時数を「学校行事」の時数に移行することで対応するように“隠ぺい”までしていた自治体があることが判明しました。
◆県内の地教委におけるこうした余剰時数の実態を県教委として把握していたか。教育長に伺います。

○教育長 はい。市町村立小中学校の教育課程につきましては、地方教育行政の組織及び運営に関する法律において、学校を所管する教育委員会が管理することとされております。
このため、県教育委員会としましては全ての市町村立小中学校の授業日数を調査はしておりません。ただ4年ぶりに国が実施をいたしました令和4年度教育課程の編成実施状況調査の結果から、県内の公立小中学校におきましても、標準授業時数を大幅に上回っていた学校が一定数あることを認識したものでございます。

●細木議員 学力向上のため以前、県が委嘱した教育研究者が余剰時間の積極的活用や夏休みを短縮して加力学習に当てるようアドバイスを行っていたとそんな実態もあったとお聞きをしていますが、夏休みを大幅に短縮している学校については、実態把握しているのか 伺います。

○教育長 はい。県教育委員会としまして、年度当初に、県内全ての市町村立学校の始業式等の日程について情報提供を頂いており、夏休みの期間につきましても把握をしているところであります。
その中で学校によっては、夏休みを短縮し、各学期の初めの1週間を半日授業としている学校があることは承知をしているところであります。緩やかな学期スタートとすることで、休み明けの児童生徒の心理的な負担の権限や、教員の多忙化解消につなげていくという風に伺っております。

●細木議員 逆行しているように思いますが、はい。
高知市はじめ、この3月から水曜日は5時間授業に変更されるなど授業時数削減を年度内に迅速に対応したことは評価できます。
◆来年度に向けて、文科省通知に基づき教員の働き方改革として余剰時数をどのように抜本的に削減していくのか具体的に伺います。

○教育長 はい。昨年9月の文部科学省の通知を受けまして、翌10月には、市町村教育長を対象とする研修会で、また11月から12月にかけて市町村の指導事務担当者会で授業時数等についての通知内容について周知をいたしました。
併せて、改善を図るよう指導を要請してきたところであります。その上で、来年度の教育課程の編成が確定する前のこの年度末におきまして、再度、重要時数につきまして、標準の授業時数を大幅に超えることがないよう注意喚起を行ってまいります。また、新年度に入りまして市町村教育委員会におきまして、各校の教育課程の編成状況をチェックの上、ご報告をいただき、県として確認をするようにしております。

●細木議員 現在、今、教育課程、来年度の編成をされている途中だと思いますが、余剰時数70だったら構わないということではなくって、できるだけ標準時数に近づけるように県教委としても、しっかりと地教委と協力しながら進めていただきたいと思います。

教員の長時間労働を改善するためには、自治体が押し付けている不要不急の業務削減も重要な課題ですが、県教委が起点となって学校に大きな負担を強いている「県版学力テスト」について伺います。
全国の都道府県別の学力テストの実施状況はH30年以来、文科省は調査していませんので今回議会事務局に依頼し、昨年度、令和4年度の全国の県版学テについての実施状況を調査していただきました。
昨年度実施しなかった都道府県は小学校で15、中学校で14となっています。実施しているところでも悉皆でなく希望制のところも見られます。
併せて実施していない理由も伺いました。複数県の回答ですが「学力の定着度の把握は全国学力学習調査で十分で独自調査の必要性はない」「全国学テの結果を施策に反映させることに注力する必要があるためやらない」、「各校がPDCAサイクルを確立する様子が見られたため中止をした」、「学校負担軽減のため」、静岡県では「県独自で実施する必要性を感じない。調査に時間をかけるよりも日頃の子どもたちの学習指導や教師の授業改善に時間をかけることが重要と考えており、県としてもそちらに力点を置いているため」また、様々出されていますが、奈良県などは「平成27年度から3年間にわたって県内小中学校児童生徒の学力学習状況をよりきめ細かく把握分析して指導の効果を検証し、学力等の工場のための方策を探る資料とするため実施をしてきたが、調査結果から学力と学習に対する意欲や興味関心との間に強い相関関係が見られることから児童生徒の学習状況を把握し指導に活かすことで、学力の向上が図れると判断したため中止をした」というようなところもありますし、「全県で学力調査をすることによって競争を煽ることになるからやっていない」というような回答も寄せられています。
ちなみに青森県は来年度から教員の働き方改革を進めるためという理由で県版学テを中止するとのことです。
また費用についても伺いましたが、悉皆か希望制か、対象学年と児童数により大きく変動はしますが最小は茨城県の70万円、最大は大阪府の6億円となっています。高知県は3450万円です。
県教委にも報告書をお渡ししていますので教育長も目を通していただけたと思います。
◆毎年多額の費用をかけ、学校、教職員、子どもに大きな負担をかけてまで県版学力テストを実施する理由を伺います。

○教育長 はい。高知県学力定着状況調査は小学校4年生、5年生、中学校1年生、2年生を対象に実施し、各学年で身につけるべき学力の定着状況を把握して1人1人の子どもの強みや弱みを強化・補強した上で、次の学年へ進級させようとするものであり、合わせて、この調査結果を教員や学校の授業改善に資することを大きな目的として実施をしております。  
また、全国学力学習状況調査と合わせて実施することで、学力の定着状況が子どもの経年で把握することができ、児童生徒1人1人に応じたきめ細やかな学習支援が可能となり本県児童生徒の学力向上につながるものであり、そうしたことから実施をしているところであります。

●細木議員 費用について、通告はしていませんがちょっとお聞きをしますが、お隣の徳島県は悉皆で県と同じ対象学年も同じ、科目は若干少ないですが、費用は225万円です。なぜこんなに高知県と費用の格差が生まれるのか説明していただきたいと思います。

○教育長 徳島県がどのような実態で、そのような金額になっているのか、そこは承知しておりませんので、少しこの場でお答えすることはできないと思っております。

●細木議員 昨年度、国民大運動高知県実行委員会と県教委が交渉した結果がホームページにアップされています。県版学テを実施する目的として、「児童生徒の学力の定着状況を調査・把握し、授業改善や学力向上対策のPDCAサイクルを確立していくため、また各校の教育活動の質の向上を図るため必要である」と記載しています。しかし、授業改善や授業準備の時間さえ取ることができないほど学校現場は時間的余裕が今ないのが実態ではないでしょうか。
◆県版学力テストに参加するかどうかは毎年地教委に確認しているとお聞きしていますが、参加しない選択もあるのか、教育長に伺います。

○教育長 はい。高知県学力定着状況調査への各学校への参加につきましては、先ほど議員 お話いただいたように、各市町村教育委員会に意向を確認した上で実施をしております。これまで全ての市町村が参加してくださっており、本調査の趣旨を理解し適切に判断いただいているものと考えております。
県教育委員会としましては、これからも本調査の趣旨を引き続き丁寧に市町村教育委員会に対して、説明していくこととしており、その上で参加不参加につきましては各市町村において適切にご判断いただけるものと考えております。

●細木議員 現場の声を紹介します。県版学力テスト前に過去問の「練習」が常態化しており、貴重な授業時数が奪われている。「教科書はどうでもえいき、過去問をやらせて結果を出してほしい」と言われた先生もおいでます。業者に委託しているものの自校採点が常態化するなど教職員の労力も時間も取られています。また、テストの結果は学校間競争にも使われており、結果が悪かった場合、指導主事の訪問対象となり試験対策の押しつけとなっているようです。
 悉皆調査で行うテストは学力のごく一部であるにも関わらず、結果が学力の全てであるかのような扱いは教育の意義が矮小化されているのではないか、学校や先生の序列化につながっているのではないか、私は、大きな危惧を抱いています。
先日不登校問題を扱ったNHKの番組で子どもたちは競争を求められる窮屈さを訴えていました。国連子どもの権利委員会から日本政府に対する勧告を紹介します。
「本委員会は,日本の学校制度が並外れて優れた学力を達成していることを認識するものの、学校および大学の入学をめぐって競争する子どもの数が減少しているにもかかわらず、過度な競争への不満が増加し続けていることに留意し、懸念する。本委員会は、高度に競争主義的な学校環境が、就学年齢にある子どもの間のいじめ、精神的障害、不登校・登校拒否、中退および自殺の原因となることを懸念する。また、子ども間のいじめと闘うための努力を強化すること、および、いじめと闘うための措置の開発に当たって子どもの意見を取り入れることを勧告する、あまりにも競争的な制度を含むストレスフルな学校環境から子どもを解放することを目的とする措置を強化すること。」など重要かつ強い勧告が日本に対して行われています。真摯に受け止めることが必要ではないでしょうか。
◆過度な競争教育の是正、教員の働きかた改革をすすめるため県版学力テストの中止を求めます。教育長の所見を伺います。

○教育長 はい。先ほども高知県学力定着状況調査の目的については述べさせていただきましたが、本調査は競争を助長するものではなく、この結果を1人1人の児童生徒の学力向上に生かすものであり、また学校や市町村教育委員会さらに県教育委員会において、それぞれに、授業改善や教育施策のPDCAサイクルを回すために活用するものであります。
現時点におきまして、子どもたちの学力向上や学校等の授業改善等に有効で必要なものと考えており、今後も継続していきたいと考えております。

●細木議員 教員の働き方改革については、国はサポートスタッフの配置拡充など安上がりの対応のみで、教職員の抜本拡充はないままです。これでは担任が足りない、教頭が授業する、産休育休の穴が埋められないといった教員不足は解決されないと思います。
少人数学級のさらなる推進、教員の授業の持ちコマ数を軽減すること、教員標準法の乗ずる数の見直しなどを抜本的な教職員定数の改善が必要だと思います。
一問一答に慣れてないので、ちょっと時間があまりますが、最後に、県の議事堂の前には初代高知県議会議長、衆議院議長、立憲政治の父と言われる片岡健吉像があります。
今年、生誕180年の節目の年となっています。片岡健吉氏は衆議院議長在職中58歳で生涯を終えています。私は馬齢を重ね、先日還暦を迎えました自由民権家として活躍し人格高潔の政治家片岡健吉さんの足元に到底及びません、これからも、県民の命と暮らしを守り抜くため、努力していきたいと思います。
今年度で退職される私と同年代の部長さんも多いとお聞きしています。長年にわたり、県政発展のために大変なご尽力頂きました。今後も新たなステージにおいてますますのご活躍を祈念いたします。以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。