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- 2025年09月30日
- 議会(質問・討論)
- 2025年9月議会 岡田芳秀議員の代表質問(2025.09.26)
【質問項目】
・知事の政治姿勢
① 特定利用空港、②排外主義、③生活保護判決、④OTC類似薬の保険適用見直し
・公社等外郭団体のあり方の見直し
・消防広域化
・県民体育館の再整備
・最低賃金引上げ支援
・農政について
・文化財の保存活用
●岡田議員 日本共産党の岡田芳秀でございます。会派を代表して通告に従い質問いたします。
【知事の政治姿勢】
●岡田議員 先ず、知事の政治姿勢についてでございます。
① 特定利用空港
●岡田議員 はじめに、自衛隊による高知空港の軍事利用について、お聞きいたします。
今年9月19日は安全保障関連法成立から10年となりましたが、この安保法の下、全国、特に高知も含む西日本での軍事化が進められております。
8月4日、国は、高知空港を特定利用空港の対象候補としたことを、高知県と南国市に対し明らかにしました。国は年度内に選定する意向ですが、自衛隊機の利用増加や、騒音、武器・弾薬等危険物の取り扱いなど県民生活への影響が懸念されます。
日本共産党県議団は、防衛省等から、この問題に関するレクチャーを受けました。レクチャーの中で、防衛省は、空港等での訓練実施について、関係自治体や住民の合意は必要ないとの認識を示しました。民意を反映する仕組みがなく、訓練の拡大に対し歯止めがありません。
高知空港の歴史を振り返ると、戦後すぐ、当時の日章村の村長が、この方は後に県議をされた方ですけれども、村民大会でこのまま飛行場を認めて「もし飛行場が軍事に使われることになったら、どう責任をとるんだ」というふうに詰め寄られまして、「そんなことにでもなったら滑走路の上で腹を切ってやる」とこう答えています。これは『高知空港史』にも掲載されております。こう言って、農地等を戻してもらいたい村民を説き伏せて今の高知空港があります。こうした歴史も踏まえて対応する必要があります。
◆関係自治体や住民の合意なく、民間空港の軍事利用を拡大できる現在の仕組みは、騒音被害や危険物の取扱いなどにより住民の平穏な生活を脅かすものではないか、知事にお聞きいたします。また、今回のような国管理の空港における平時の軍事関連利用について、関係自治体・住民の合意を要件とするなど、民主的な歯止めを制度化する必要があると考えますが、合わせて知事にお聞きします。
○県知事 岡田議員の御質問にお答えいたします。
まず、いわゆる特定利用空港につきまして、住民の生活への影響、国管理空港におきまして、制度化についてのお尋ねがございました。
特定利用空港は我が国の安全保障環境を踏まえまして、自衛隊あるいは海上保安庁が平素から空港を円滑に利用できますように、管理者との間で、円滑な利用に関する枠組みを設けるという仕組みであります。高知空港におきましては、この枠組みは、防衛省と海上保安庁と空港管理者であります国土交通省との間で設けられますため、県はこれについて同意を求められる立場ではありません。
そうした中、国からは、特定利用空港を自衛隊が訓練で利用する際には、騒音による影響が最小限となるよう努めること、あるいは法令にのっとり安全に配慮するという説明を県としても受けているところでございます。また、住民への影響が想定されるような訓練を実施する場合には、事前に自治体への説明を行うという方針も示されているところでございます。このような国からの説明がございますので、国管理空港における自衛隊などの利用に関しまして、ご提案がありましたような形で自治体や住民の合意を要件とするといった制度化を求める必要はないと考えております。
しかしながら、県民の皆さんの中にはご不安、ご懸念を感じられる方おられることは事実でありますので、県といたしましては、引き続き県民の理解が得られるように丁寧に対応することなどにつきまして、国に申し入れを行ってまいります。
② 排外主義
●岡田議員 次に、排外主義についての認識と、本県における事実関係についてです。
7月に行われた参議院選挙では、物価高騰など深刻化する生活苦への無策や裏金問題への怒りが「政治を変えてほしい」という大きな流れとなり、衆議院に続き、与党を少数に追い込みました。日本共産党は「異常な大企業優遇、アメリカいいなり」の政治の転換を訴えてきました。選挙では野党の多数が消費税の減税・廃止を訴えました。また、介護職員の抜本的な処遇改善やコメの生産を保障する価格政策、企業団体献金の禁止、日米地位協定の見直しなど少なくない項目で共通の方向性を示しています。私たちは、国民の願い実現のために力を合わせ頑張りたいと決意しているところです。
しかし、一方で、国民の苦しみの原因に外国人を優遇する政治があるかのような主張が繰り広げられ、排外主義的な空気が広がっていることを軽視することはできません。月18日付け地元紙の社説は「排外主義は、物価高や格差拡大などで高まった国民の不満が外国人にぶつけられているのではないかと指摘され、欧米で見られる右派ポピュリズムとも重なる。それがもたらすのは差別の助長、分断の拡大にほかならない。」と警鐘を鳴らしています。
◆そこで、選挙戦の中で喧伝された、「外国人が国民健康保険を乱用し、過度な優遇を受けている」、「外国人は生活保護を受けやすい」、「外国人の犯罪が増えて治安が悪化している」、「奨学金を外国人に優遇している」などの言説、これは、私たちは事実無根だと認識していますが、県として認識はどうか。県政においてそうした事実があるのか、知事にお聞きいたします。
○県知事 次に先の参議院議員選挙の運動期間中におけます、外国人に関する言説につきまして、お尋ねがございました。
お話がございました、例えば、国民健康保険でありますとか、生活保護、あるいは犯罪の検挙状況などにつきまして、県内の市町村、あるいは関係機関に外国人をめぐる状況はどうなのかということをお聞きいたしました。その限りでは、ご指摘がありましたような形で外国人が公共サービスで、取り立てて、優遇されているというような主張を裏付けるような事実は確認されませんでした。
従いましても、ご指摘のあったような外国人に対する言説の多くは、正確な事実や根拠に基づかない一部の方のご主張がSNSなどを通じて広く拡散されたものではないかという風に私としては受け止めているところでございます。
●岡田議員 7月23日から青森県で開かれた全国知事会は、「外国人の受け入れと多文化共生社会実現に向けた提言」をまとめています。この提言は、在留外国人が約377万人、外国人労働者が約230万人と過去最高となっていることに触れながら、「国は外国人を『労働者』と見ているが、自治体から見れば日本人と同じ『生活者』であり『地域住民』である」と主張したことは極めて重要だと受けとめました。そして、介護・年金・教育などの課題が顕在化し、全国的な対応が求められると指摘し、「外国人の受け入れと多文化共生社会の実現に国が責任を持つべきだ」と強調し、政策提言をしています。
また、会議の最終日に採択された「青森宣言」は、「争いよりも対話、異なる意見を尊重し、困難な時にこそ温かい心で誰一人として置き去りにしない」と述べ、各知事が「排他主義、排外主義を否定し、多文化共生社会を目指す」という立場とることを強調しました。さらに、選挙中、SNSで偽・誤情報が拡散したことが課題となっていることを踏まえて、「民主政治を脅かす不確かで根拠のない情報から国民を守り、国民が正しい情報に基づいて政治に参画できるシステムの構築」も要請しています。この間、島根県の丸山知事をはじめ多くの知事が積極的に発信をしています。
◆全国知事会の提言や決議をうけ、浜田知事において、ぜひ本会議の場から県民そして県内で働き、生活する外国籍の住民に対し、排外主義を許さない、多文化共生社会を築いていくという力強いメッセージを発信していただきたいと思いますが、知事の決意をお聞きいたします。
○県知事 次に、そうした中で、いわゆる多文化共生社会を築いていく決意はどうかという お尋ねがございました。人口減少が進みます本県では、地域の活力を維持し、将来の成長に繋げていきますためには、若い外国人材を積極的に受け入れまして、地域の一員として活躍をしていただくことが大変重要だという風に考えます。
特に令和9年度から始まります育成就労制度のもとでは、これまでの技能実習制度と比べますと、転籍の制限が緩和されまして、より条件の良い地域に外国人材が流出することが懸念をされております。
このため、外国人材の皆さんに治安の良さ、あるいは人との繋がりの濃さといった本県の強みをPRいたしますとともに、生活環境の充実を図るということが、これまで以上に重要になると考えます。従いまして、県では、有識者の皆さんにご意見をいただきまして、外国人材の受け入れ定着を推進するためのプランを今年度末に策定をすることといたしております。
今後、プランの実行を通じまして、市町村や事業者の皆さんと共に人口減少に立ち向かいまして、外国人を含みます全ての県民の皆さんがいきいきと暮らし続けられる、そうした高知県を築いてまいります。
●岡田議員 こうした排外主義の影響が、外国籍や外国にルーツを持つ児童や生徒が増えている教育現場で「からかい」や「いじめ」につながるなどの懸念が広がっていることが全国紙でも報道されております(毎日新聞8/31)。
◆年齢にあわせて、排外主義を許さないこと、多文化共生社会をめざしていることの理解を広めるとともに、子どもたちや保護者が安心のできる、現場の先生方も心配にならない環境づくりが大事だと思いますが、この点については、教育長に認識と取組をお聞きいたします。
○教育長 まず、多文化共生社会を目指すための子どもや保護者、現場の教員が安心できる環境づくりについて、お尋ねがございました。
子どもたちが、安心して学校生活を送るためには、1人1人の子どもが誰に対しても思いやりの心を持ち、相手の立場に立って考え、行動できる力を育むことが不可欠です。外国人に限らず、お互いの違いを認め、全ての人の人権を尊重できるよう、子どもの人権感覚を育んでいくことは重要な教育課題であると捉えています。このため、県教育委員会では、高知県人権教育推進プランに基づき、全ての児童生徒が、在学中に必ず外国人を含む県民に身近な11の人権課題について学習するよう取り組みを進めているところです。
各学校では日々の教育活動において、相手が誰であってもいじめやからかいなどによって人を傷つけてはならないことを指導しています。また、授業や学校行事を通じて外国人と交流するなどの体験から、他国の人々や文化に親しみ、相互理解の大切さを学ぶ取り組みが行われています。
加えて、外国人等の子どもが在籍する学校では、本人や保護者に対して必要に応じて通訳 機器を活用したり、優しい日本語の表記を用いたりするなど、コミュニケーションをとるための配慮もされています。
さらに、教職員に対しては、人権課題の理解はもとより、子ども1人1人が大切にされる学級づくりや、発達段階に応じた人権教育の指導方法についての研修を実施しています。
こうした取り組みを着実に進めていくことが、議員のお話にあった子ども、保護者、教職員が安心できる教育環境の実現につながるものと考えております。
③ 生活保護
●岡田議員 次に、生活保護費の減額(生活扶助基準引き下げ)は違法とした最高裁判決についてです。
安倍政権が2013年から15年にかけて食料や光熱費など日常生活に不可欠な生活扶助の基準額を平均6.5%、最大で10%も引き下げました。この引き下げは違法だと、全国で1000名を超える方々が原告となり、29都道府県で闘われてきた31の裁判をめぐり、6月27日、最高裁は生活保護費の減額は違法という初の統一判断を示し、国の敗訴が確定しました。
最高裁の判決は、生活扶助の額は従来、消費水準を指標としており、今回、専門部会にも諮らずに物価変動を直接の指標として改定したことは、専門的知見との整合性を欠き、違法だと断じました。しかも、物価指数の4.78%減は、厚労省独自の数字であり、総務省の消費者物価指数の下落2.35%に比べ過大となっています。生活保護利用者があまり買わないデジタル家電製品の大幅な値下がりを織り込むなど保護世帯の消費実態とかけ離れていることや物価が特に高騰した08年と比較するなど下落幅が大きくなるように操作したものです。こうした点は、日本共産党県議団としても、この場で何度となくただしてきた内容です。
判決について地元紙は社説(7/1付)で、引き下げの背景について、自民党の10%引下げの選挙公約の「早期実現のため、必要なプロセスを省いて進められたと指摘されても仕方がない。減額ありきだったと言ってもいい」と指弾しています。
◆まず、最高裁のこの違法判決について、知事の受けとめをお聞きいたします。
○県知事 次に生活保護費の減額に関しまして、最高裁判所の違法判決の受け止めについてお尋ねがございました。
生活保護制度は国民の健康で文化的な最低限度の生活を保障する重要な制度であります。生活保護基準の妥当性を担保いたしますためには、国において十分な検討と適正な手続きが求められると考えます。
お話がございました平成25年度の基準改定では、初めて物価下落率を反映させる調整が行われたところであります。
今年6月の最高裁判決におきまして、この物価下落率による調整につきまして、専門家における専門家による審議・検討を経ていなかったことが、手続き上違法であるという風に判断されたものと認識をしております。
●岡田議員 この「いのちのとりで裁判」の弁護団と原告は、違法判決をうけ、厚労省に対し、①全生活保護利用者に対する真摯な謝罪、②2013年改定前基準との差額保護費の遡及支給、③関連する諸制度への影響調査と被害回復、④検証委員会の設置や生活保障法の制定等による再発防止策の策定を求めました。
しかし、厚労省は、謝罪さえ行わず、自らが一方的に決めた『専門家』の『審議』に委ねて、弁護団と原告との実質的な話し合いを拒否し続けています。弁護団と原告が出した判決1カ月後の声明は「当事者を軽視、愚弄するものであって、余りにも不誠実」「違法性に関する認識や、それを是正する姿勢さえ明らかにしないのは、司法軽視も甚だしく、法治国家の基盤を揺るがすもの」と指摘し、一連の訴訟の早期全面解決にむけ実質的な話合いを行うよう、強く要請」をしました。
先日、厚労省の設置した専門家会議で、弁護団と原告のヒアリングは実施されましたが、会場での傍聴と話し合いの機会は拒否され、一方的に退出させられています。
◆最高裁で断罪されたにも拘わらず、行政としてあり得ない恥ずべき対応です。国は、弁護団、原告と真摯に向き合った対応をすべきだ、と地方からも強く求めるべきではないか。また、2013年から引き下げられた生活保護費を遡及支給し、関連する諸制度への影響調査と被害回復をすることは、物価高で苦しむ県民に対する喫緊の課題であり、早期実施を地方から強く求めるべきではないか、あわせて、知事にお聞きいたします。
○県知事 次に、この問題に関しまして、原告と真摯に向かい合った対応や生活保護費の遡及支給などの早期実施を国に強く求めるべきではないかというお尋ねがございました。
先の最高裁判決を受けまして、厚生労働大臣は真摯に反省すると発言をされ、厚生労働省におきましては、最高裁判決への対応に関する専門委員会を新たに設置されておられます。この委員会におきましては、判決で違法とされた平成25年度から29年度までの間、適用された生活保護基準にかかります今後の対応の在り方について議論が進められています。
その中で、原告関係者からのご意見もお聞きしているという風に伺っております。委員会におきましては、手続き上違法であるとされた生活保護基準の改定について、どのような手法で行うべきか、当時の最低限度の生活に必要な水準をどのように求めていくか、などが議論をされております。
こうした論点につきましては、専門家により慎重かつ丁寧な議論が必要な部分ではあると考えますが、私といたしましては、改定から10年以上の歳月が経過しておることを考えますと、早急な解決に繋がるような対応を期待いたしているところでございます。
④【OTC類似薬の保険適用見直し】
●岡田議員 次に、OTC類似薬の保険適用見直しに関してお聞きいたします。
参院選の中でも「現役世代の社会保険料負担の軽減」という看板で医療制度の改悪が主張されました。
2月県議会では、高額療養費の上限見直しについて質問しました。今回は質問しませんが、7月3日、国立がんセンターが公表した1万1000人の患者からの回答を得た調査結果を紹介します。金銭的な負担で生活に影響があったとの回答24.2%で、特に18~39歳では44.9%と、若年患者ほど経済的に重くのしかかっている実態が浮き彫りになっています。現役世代にも深刻な影響を与えることを指摘し、引き続き上限見直し撤回にとりくんでいきます。
6月に閣議決定された骨太方針の中で、ドラッグストアなどで市販されている薬と類似する処方薬、いわゆるOTC類似薬は、医療保険の適用外にするという「見直し」が明記されました。これは、県民のくらし、現役世代にも重大な影響をもたらします。
1つは、大幅に薬代が増えることです。国民病ともいわれる「花粉症」の薬・アレジオン錠は、24日分の価格は、保険診療なら約105円ですが、市販薬は約2000円します。アトピー性皮膚炎の薬・リンデロン軟膏100gは、保険なら約500円が約2万円に、鎮痛・抗炎症用のロキソニンテープ100mg・7枚入りは保険では約36円が約2000円へと、20~60倍に高騰します。しかも、保険適用外となれば、各自治体で実施している子どもや重度障害児者の医療費助成制度の適用外となり、大きな負担が発生します。自治体の制度が空洞化することは避けなければなりません。
2つ目は、治療手控えや予期せぬ副作用が懸念されることです。金銭的負担から治療を手控える患者が増える可能性や医師の診察を受けずに自己判断で薬を選ぶケースが増え、治療効果の不足や予期せぬ副作用が顕在化する恐れが指摘されております。
日本医師会、全国保険医団体連合会、アトピー患者団体やアレルギー疾患団体、難病患者の家族などから、反対の声が広がっています。
◆国民皆保険による早期発見・早期治療という基本を掘り崩し、子育て世代などに負担増を押しつけるOTC類似薬の保険適用はずしには反対すべきと思いますが、知事にお聞きします。
○県知事 次に、いわゆるOTC類似薬の保険適用の見直しにつきまして、お尋ねがございました。
このOTC類似薬は医療用医薬品として医師の処方箋により処方をされますが、有効成分や効能は市販薬、薬局で買える薬と同様であると、そういった医薬品であります。現在、この類似薬になりますと医療保険の適用になりますので、市販薬よりも安い自己負担で手に入るということになるということでございます。
このOTC類似薬の保険給付の在り方の見直しにつきましては、将来にわたり、社会保障制度を維持する必要性、あるいは現役世代を含む国民の保険料負担軽減の観点から一定程度やむを得ないものという風に考えております。
一方で、この見直しには、自己判断で薬を服用するリスクでございますとか、長期間の服用が必要な慢性疾患のある患者の皆さんの負担増への懸念など、関係団体などからもご意見が出されているという風にお聞きをしております。こうした事情を踏まえまして、国におきましても、今後の見直しにあたっては 患者負担などに配慮して検討するという旨が骨太の方針に明記をされております。県といたしましても、7月に全国知事会を通じて国に対しまして、社会全体で納得感を得られるよう、関係団体との協議を行うなど、丁寧な検討を進めていただくようにという提言を行ったところであります。
【公社等外郭団体のあり方の見直し】
●岡田議員 次に、公社等外郭団体のあり方の見直し、具体的には指定管理の公募への変更等についてお聞きします。
今年7月11日から8月9日まで行われた「公社等外郭団体のあり方見直しに関連する県政運営指針の一部改正案」のパブリックコメント募集では、膨大な県政運営指針の中から非常に探しにくかったにも関わらず、今回の「指定管理公募への変更」などについて301の個人・団体から794件という大変多くの意見が寄せられています。
今回の見直しは全国的に大きな影響を及ぼすものであり、県内外からも知事の言う「先鋭的」「過激」な意見も含めて批判の声が多く寄せられています。「共感と前進」が知事の政治スタンスですが、今回の見直しについて県民から「共感」の声はほぼ聞かれません。
県議会への報告は6月議会に行われましたが、今回対象となった財団への説明は5月に行われたとのことです。
◆県は公募への変更を決める前に、対象となる施設を管理している団体との話し合いをもったのか。持ったとすれば、意見をどう受け止め施策に反映したのか、併せて知事にお聞きします。
●岡田議員 県の文化行政に関わる重要な委員会である「文化芸術振興ビジョン評価委員会」は6月に定例会が開催されましたが、今回の方針変更についてなんら報告がなかったようです。文化に関わる有識者にも諮らずいきなり「公募」に切り替えたこと、そして後述しますが、高知城歴史博物館のコア部分の直営化方針への揺り戻しのような再度の転換などで現場は混乱しています。
◆今回の突然の方針転換によって、団体からは懸念や不安の声が上がっており、現場を混乱させた責任をどう感じているのか、知事に伺います。
○県知事 次に公社と外郭団体の在り方の見直しに当たりまして、団体側との事前の調整 状況はどうか、また見直し内容の変更による現場への影響がどうかという、お尋ねがございました。関連を致しますので、併せてお答えをいたします。
今回の見直しに当たりましては、先の6月議会に方針 案 をお示しする直前に対象となります団体に対してその内容を説明をし、その後、個別の協議を重ね、ご意見を承る、意見交換をするという過程を踏んでまいりました。
この過程での団体側からの主なご意見は2つあります。1つは、いわゆる直指定から公募 への切り替えによりまして、職員の雇用不安が生じ、専門性・継続性が失われるのではないか。もう1つが、文化施設に収益性を求めることは不適当であり、それにより 文化行政が後退するのではないか、この2点でございました。
まず、1点目の直指定から公募への切り替えによりまして、職員の雇用不安が生じ、専門性・継続性が失われるのではないかという点につきましては、ご意見を踏まえまして、対応方針を明確化を致しました。具体的には、公募に当たりましては、現在勤務している職員の雇用の継続を条件づけるなどの手法により、各施設等の実情に応じて必要な対応を取るということでございます。
2点目の文化施設に収益性を求めることにより、文化行政が後退するのではないかという点につきましては、一部、団体側の方で、これは、例えば、給与の改善などは全て自主事業の増収でもないということではないか、というような誤解もあったのではないかという風に、現時点でとしては振り返って考えております。現実には指定管理業務の基本部分につきましては、引き続き、主として県の管理代行料で手当てをしていく考えでありますし、例えば、人事委員会勧告に準じました団体職員の給与引き上げ、こうした通常の物価上昇に対応する部分については、県からの管理代行料で対応してまいりとそういう考えであります。この点を変える考えはないということであります。
そうしたことでございますので、県民や利用者の皆さんに低廉な負担で良質な文化に親しんでいただく機会を保障すると、そういう施設本来の役割を損ねることはないものだということを改めて申し上げたいという風に存じます。
また、個別の施設のうち、高知城歴史博物館につきましては、団体と継続的に協議を行ってきた結果といたしまして、個々の対象業務の範囲を絞り込むことといたしました。
具体的には、山内家から宝物資料が寄贈された際の経緯を踏まえまして、宝物資料の管理などに係る業務を除外した上で、管理者を公募するという方針とし、今議会に関連の条例 議案を提出いたしております。
これらについて、当初、話していた内容と中身が違ってきているのではないかという点につきまして、各団体からいただきました意見を、県として真摯に受け止めまして、少しでもベターな、当事者との理解がより得られる方向性を模索し、判断し、結果対応したという結果でございます。
公募にあたっての応募要項の作成など、現在検討中の部分につきましては、早急にその内容を固めまして、各団体に安心して対応していただけるように努めてまいる考えであります。
●岡田議員 この間、日本共産党県議団は対象となっている施設への聞き取りを行ってきました。意見交換した中で、「博物館法」で定められた法の趣旨から営利追求は馴染まない、すべきでないものとのご意見を頂きました。
博物館法は、法律の目的として、第1条で社会教育法の精神に基づき、博物館の設置及び運営に関して必要な事項を定め、その健全な発達を図り、もって国民の教育、学術及び文化の発展に寄与することを目的とする。また、第2条(定義)では、この法律において「博物館」とは、歴史、芸術、民俗、産業、自然科学等に関する資料を収集し、保管(育成含む)し、展示して教育的配慮の下に一般公衆の利用に供し、その教養、調査研究、レクリエーション等に資するために必要な行事を行い、あわせてこれらの資料に関する調査研究をすることを目的とする機関のうち、地方公共団体、一般社団法人若しくは一般財団法人、宗教法人又は政令で定めるその他の法人が設置するもので次章の規定による登録を受けたものをいう、と規定しています。
今回の対象施設のうち博物館法第2条で規定される県内の登録博物館施設は県立美術館、また博物館法第31条「博物館に相当する施設(指定施設)」として、牧野植物園、のいち動物公園、高知城歴史博物館、坂本龍馬記念館が対象となっています。
そして、入館料等を規定する第26条では、「公立博物館は、入館料その他博物館資料の利用に対する対価を徴収してはならない。ただし、博物館の維持運営のためやむを得ない事情のある場合は、必要な対価を徴収することができる。」と明記されています。そもそも入館料はやむを得ない事情がなければ徴収してはならないのが大原則です。
博物館に関する世界で唯一かつ最大の非政府組織である国際博物館会議(ICOM)が2022年8月、チェコ共和国で開催されました。この非政府組織は日本を含む131の国と地域で組織されていますが、この組織のプラハ大会で、新たな博物館の定義案が採択されました。日本語訳では、「博物館は、有形及び無形の遺産を研究、収集、保存、解釈、展示する、社会のための非営利の常設機関である。博物館は一般に公開され、誰もが利用でき、包摂的であって、多様性と持続可能性を育む。倫理的かつ専門性をもってコミュニケーションを図り、コミュニティの参加とともに博物館は活動し、教育、愉しみ、省察と知識共有のための様々な経験を提供する。」と定義されています。つまり博物館は「社会のための非営利の常設機関である」ということです。
この定義に照らし合わせると、県が非営利施設に対し、もっと創意工夫し収益を上げろと迫ったり、県民の所得向上を実現させる”リードオフマン”の任務を県の文化施設に押し付ける、県内の民間企業にも波及させるという考えは博物館法のこの趣旨に反するものと考えます。
◆「博物館法」及び「博物館の定義」という大原則をどのように認識しているのか、お聞きいたします。また、文化施設が利益追求することについて、博物館法の趣旨と対比して知事の所見をお聞きいたします。
○県知事 次に、そもそも博物館法の規定に関する認識と文化施設における利益追求に関する所見について、お尋ねがございました。
博物館法におきましては、ご指摘もございましたが、公立博物館を社会教育機関と位置付けまして、原則無料としながらも、維持運営のためにやむを得ない事情のある場合は必要な対価を徴収することができると規定をしています。
また、これもご紹介ございました国際博物館会議では、博物館は、資料の収集保存や調査研究など、地域に根ざした 公共性の高い役割を担う「社会とその発展に奉仕する非営利の恒久的な施設」とされているところでございます。
この非営利の定義でありますが、収入を得ることを否定するものではないが、収入が博物館自体及びその運営のために利用されることを求めているもの、こうした解釈が一般的な理解だというふうに考えております。すなわち、収入を上げること、そのことは禁じない、収入が上がって、差額、差益が出ることについて、否定するものではないけれども、それを例えば 出資者が山分けにしてしまうとかですね。行政でいえば、例えば博物館で入った収入などにそれを福祉とか道路とか別の目的に使ってしまうと、これはまずいんだろうということだと思います。
そうでなくて、博物館の運営のために使うということであれば、収入を上げること自身は否定はされない、という風な理解が一般的なんだろうという風に、私としては考えております。
この文化施設の運営にあたりましては、必要となる経費の大半は県からの管理代行料でまかなっております。ですから、最近の県の施設の実態で申しましても、一般的には、施設の使用料、入館料等でまかなえるのは運営費の2割3割というところでございまして、7割から8割は県からの指定管理の代行料ですね。言い換えますと、県の一般財源、県民の皆さんの税負担で支えているということでございます。この構造を、現在、少なくとも大きく変えるつもりはございませんし、その使用料の部分は、ある程度、マージナルには上げていきたいと思っておりますが、それはただいま申し上げましたように、施設の運営に充てるとか、文化行政のために充てる、その範囲内で使っていくということでありますので、そういった意味で、この今回の県がやろうとしております見直しは博物館法の規定の趣旨に何ら反するものではないという風に考えております。
●岡田議員 知事は8月の定例記者会見でも「県の縛りは最小限にして、団体の自主的な判断で運営ができる、収入が上がったら、上がった分だけ県が取り上げるのではなくて、その使い道を団体が決められるという、自立性の向上をしていかないといけない」と発言されています。
問題の端緒となった2月議会での質疑を経て、財団のインセンティブを働かせるため、今年度より指定管理代行料の余剰金が発生した場合に、利用料収入の上振れ額の1/2上限に清算を不要とする、要するに収益部分の半分を財団に戻し、その剰余金の使途は制限しないという措置がスタートしました。
◆この新たな制度の枠組みにおいては、まだ配分も制度の検証もされていない中、なぜ方針を急に変更する必要が生じたのか、知事に伺います。
○県知事 次に 今年度から利用料収入の上振れ額の1/2を精算不要とした方針を今回改めて見直す必要性があるのかというお話がございました。
私としましては、この問題に関しましてはかねてより指定管理制度という民間の創意工夫を活かすべき制度でありながら、県の直営の場合以上に利益を上げてはいけないということで、運営についてかなり厳しい制約を課すというあり方が、指定管理者制度の本来の趣旨からすると、いささか、ちぐはぐな面があるのではないか、という見直しも機会を得て必要ではないかという考えを持っておったところでございます。
そうした中で、昨年度までその制約の1つとして、公募によらず管理者を選定する施設において、入場料収入が想定を上回って、剰余金が生じた場合、その全額を県に納付すると そうした縛りがあった、そうした協定が結ばれていたということでございます。この点に関しましては、昨年9月の県議会におきまして、管理者に経営努力のインセンティブが働かない仕組みとなっているのではないか、見直しが必要ではないかというのを、この県議会の場で ご指摘をいただいたということであります。
私といたしましては、冒頭申し上げましたような問題意識も持っておりましたので、今年度からの手当として、この管理者の運営に関する自由度の向上を図る、その第1段階、第1弾という位置づけで、まずは増収分の半分を管理者が活用できるように見直しを行うという判断をいたしました。
一気に全部としなかったのは、これも昨日来申し上げておりますが、やはり直指定ということで、無競争で管理運営権が得られるという一種の特権でありますので、そこで何らの制約を付さないということは、これは適切性を欠くであろうということで、半分ということに留めるのを、第1段階の見直しとしたということでございます。
しかしながら、このいわゆる精算の部分の見直しを半分が行ったといたしましても、残る制約として、例えば団体の職員の給与とか定数、これは、県からの制約を引き続き維持するという扱いが、この管理を管理者を直接指定する施設については行われてきたわけでございまして、そういった意味では私が当初、問題意識を持っておりました管理者の自由度を高めているというところは道半ばだったわけであります。
ここを抜本的に見直すには、やはり 管理者を直指定しているということと、セットで見直さないといけないとであろうということで、今回この見直しを行おうという判断をいたしたところでございます。
今回、その見直しはそうした意味で、高付加価値型のサービスの提供によりまして、県民所得の向上を図るとそういった施策を、県立施設においても率先して推進する必要があるというそうした問題状況もあいまちまして、このタイミングでもう一歩進んだ抜本的な見直しに踏み込もうということで、今回、判断をしたということでございます。
以上、こうした一連の見直しは、管理運営団体の自由度の向上を目指すという一貫した考え方で、段階的に中身を進化させてきたという認識が、私の受け止めでございます。
●岡田議員 今回の見直しでは、高知城歴史博物館の山内家の宝物資料は、保存管理等を土佐山内記念財団が行う前提で山内家から寄贈を受けたものであるため、資料保存や研究などの学芸業務全般を公募対象から外し、宝物資料の保存管理等は引き続き同財団に委託し、その他の建物管理業務を公募する方針が打ち出されました。
今回の自立性向上団体の対象施設となる県立美術館、坂本龍馬記念館、牧野植物園等にも貴重な資料が存在しています。それぞれの施設に寄贈された貴重な資料は、県が出資する財団だからこそ寄贈されたものが大半ではないでしょうか。寄贈者からの信頼に関わる問題です。
◆その他の施設が保有する資料の重要性についてどのように考えているのか。また、他の施設もコア部分である資料保存などを委託業務とするのかどうか、知事に伺います。
○県知事 次に、各施設が保有する資料の重要性につきまして、また、高知城歴史博物館以外も資料保存などを委託する考えなのか、という尋ねがございました。
今回、高知城歴史博物館につきましては、現行の指定管理の期限が、本年度末に迫っているということもございます。
そうした中で、特に財団との関係で、精力的に意見交換をしてきたわけでございますが、この高知城歴史博物館につきましては、山内家の宝物資料の保存管理などを土佐山内記念財団に委託をし、その他の業務を公募対象とするという扱いとし、関連の議案を提案させていただいております。
このような対応といたしましたのは、山内家から宝物資料が約30年ぐらい前だったと思いますが、県に寄贈された際の経緯、これを踏まえたものであります。宝物の寄贈といわば 同時にですね、今の山内財団のような財団を作って、そこでこの宝物の保存管理はやっていくんだという前提で、この寄贈が行われたとこういう経緯がございますので、この点を重く考えて、より団体側の意見も踏まえて、ベターな解決として、今回条例改正を提案させていただいたという経緯でございます。
一方で、その他の例えば坂本龍馬記念館でありましたりといった施設等でですね、歴史的 学術的に大変重要な資料が関係者から寄贈されているのではないかというお話がございました。歴史的学術的に重要な資料の寄贈は確かにありますけれども、この山内家の宝物資料と土佐山内記念財団との間にあるような特別な寄贈にあたっての経緯、いきさつというのは、他の財団等については確認がされておりません。
そのため、城博(高知城歴史博物館)と同様に、この保存管理等による業務を坂本龍馬記念館等について、委託する必要性があるとは考えておりませんけれども、各施設に必要な公募条件等の詳細につきましては、各団体ともよく意見交換をし、それぞれの実情などに応じて判断をしてまいる考えであります。
●岡田議員 各施設への聞き取りを行いましたが、現行の指定管理「直指定」がベターとの意見が多く寄せられました。県と財団が議論を深め、県民に文化を親しみ広げ、職員の処遇や働き方改善の在り方をともに探っていくことが肝要ではないでしょうか。
県内外の多くの反対を押し切ってまで今回の「指定管理の公募化」方針は進めてはなりません。県の方針が二転三転しており、現場は戸惑い混乱しています。
◆公募への変更は一端白紙に戻すべきでないかと考えますが、知事に伺います。
○県知事 次に公募により管理者を指定する方針を一旦白紙に戻すべきではないかというお尋ねでございました。
この今回見直しの対象となります財団等が管理運営を行っております施設につきましては、それぞれ指定管理者による管理等に関する条例がありまして、指定管理者の選定方法等は定められております。これらの県の条例におきましては、指定管理者を公募することが原則ということが明文で定められています。ある意味、ちょっと皮肉かもしれませんが、先ほどの博物館の規定の本則と同じような規定で、これは公募するものとするというのが本則の条例の規定になっているわけでございます。例外としてやまない場合は、直指定ができるという規定になっています。
そういうことでございますので、この原則的な扱いに戻るべきであろうということ、また 指定管理者制度が導入されましたのが20年ほど前になります。この間の変化を考えますと、社会情勢も変わっておりますし、技術革新などもあります。管理者の可能性、選択肢もいろいろ広がっているということだと思っております。
私どもが議会に提案をする際には、この施設がベストですと言って提案をしないといけないと思っております。直接の場合、ただ、これがベストです、ということの証明はなかなか難しいのではないか。私は、簡単に言えば、一般的に今の施設は合格点の運営をしていただいていると思いますけれども、合格点であるということと、これ以上に立派な素晴らしい 運営ができるところがないということは、また別問題だろうと、これ以上に立派な運営ができることはないということの、具体的な証明の手段として公募というテストをくぐってもらいたいと、そういう思いで、今回は御提案をさせていただいているところでございます。
そういうことを考えますと団体運営の自由度を、抜本的に引き上げます以上、これと一体として、公募の原則を貫徹するということは、これは必要な対応だという風に考えておりまして、今回公募への変更を白紙に白紙戻すという考えはございません。
【消防広域化】
●岡田議員 次に、高知県消防広域化基本構想について伺います。
市町村に議論していただくために提案したという県の「基本構想」案が、パブリックコメントを受け、一部修正されました。しかし、市町村長や消防職員などから、構想の具体的内容やシミュレーションが示されなければ広域連合に加入するメリットも不明で判断できない、と、そういう声を受け、総務、財務、通信システムなど部門別の議論が進められています。
総務部会では、県1にすることのメリットとしての職員の処遇の改善について、市町村の負担が大きくなるとして、当面は「多様性尊重」とし、賃金や交代制勤務などの処遇について、現状の格差を残したままのスタートにすることが示され、県1にするメリットが見えないとの声が上がっています。さらに、統合後の運営に必要な市町村ごとの分賦金についても、投資的経費や初期投資は含まれておらず、新たに必要となる統合消防本部の施設建設や消防指令システムの整備についても含まれていないため、現時点では判断の参考にもならないとの声もあります。
この点に関わって、県は、新しい共同指令センターを高知市に設置し、広域連合本部の事務所も近接させるとしていますが、高知市長は「今のところ適所が見込めておらず、このままでは県の示している令和10年度からの広域連合発足のスケジュールにも影響を及ぼしかねない」、さらに「今のスケジュールでは、議論を進化させるには時間が足りず、さまざまな課題について、もっと丁寧かつ慎重に議論しなければ、高知市としての広域化の賛否について、しっかりとした方向性を出すことは困難である」と答弁されています。
◆県1構想ありきで進めているスケジュール案の見直しは検討されているのか、知事に伺います。
○県知事 次に、消防の広域化に関するスケジュール欄の見直しについて、お尋ねがございました。
これまで、市町村からの求めに応じまして、職員配置でございますとか、市町村の分担金の水準のシミュレーション、こういった具体的かつ定量的なデータを提示して議論を進めているところでございます。
今後の手順といたしましては、各種業務関連システムの整備費等に関する試算を含めまして、財政負担の全体像など、まず、この広域化実現後のこの広域消防の姿を明らかにする、これを今秋の検討会で基本計画の骨格としてお示しをする、この作業をまずは優先したいと思います。
その上で ご指摘がありましたスケジュールにつきましては、関係者の方々から色々なご意見もいただいております。この一連のスケジュールのうち、具体的にどの時点でどれだけの期間が足りないのか、何をするために足りないのかということにつきまして、より具体的な意見交換を市町村等との間でさせていただきました上で、県としての考え方を検討する、そういう手順で進めてまいりたいと思っております。
●岡田議員 ◆何より、県が県1構想を打ち出し広域化を進めようとしているのに、県がどこまで運営にかかわる責任を持つのか、それに相応しい財政負担をどうするのかという基本的な姿勢が見えないことへの不信の声も聞かれます。この点について、知事はどのように考えているのかお聞きいたします。
○県知事 次に、消防広域化の運営に関する県の責任、あるいは財政負担について、お尋ね がございました。
消防行政におきます市町村と県の役割分担は消防組織法に規定がございます。市町村の消防は市町村長が管理をし、費用は、その市町村が負担するという原則、そして、県は航空消防隊、あるいは消防学校の設置、こういった役割が、この組織法で決まっておりまして、そうした費用は県が負担をすると、事業の実施主体が費用を負担するという、ある意味当たり前といえば当たり前でありますが、そういう原則が法律では決まっております。
その上で、この消防に要する費用は、市町村、県の役割に応じて、それぞれ地方交付税による措置がされている。従いまして、そうした交付税措置の財源を、いわば背景といたしまして、市町村、県がそれぞれで負担するということが基本となります。
消防は、本来市町村の固有業務でありまして、市町村が事業の実施主体となりますけれども、今回の広域化に関しましては、県が市町村と同じ目線に立って、ともに取り組んでいきたいとそういう思いで臨んでおります。このために、県といたしましては、今年度を行っております基本計画の策定作業の経費は全額県負担ということで、行わせていただいております。
また、広域連合が成立しました折には、消防防災ヘリや消防学校、こういった県の持つ消防機能も広域連合に持ち寄って、県も広域連合の一員として参加をしようと、そうした形で運営に責任をもって関与をしたいという形で、提案をしているところでございます。
一方で、広域連合の経費負担がどうあるべきかということに関しましては、市町村の消防事務に要する経費につきまして、これは国が市町村に交付税措置を行う、この部分は広域連合を結成しましても、何ら事情が変わらないわけでございますので、この市町村が本来行う仕事を広域連合に移した部分の財源は、交付税の基準財政需要額などに応じて、市町村に負担いいただく、これが大前提となりますし、県は引き続き消防防災ヘリ、消防学校に関する県が分担する消防事務に要する費用を広域連合に対して拠出する、負担をするということが原則、それぞれ仕事の役割分担に応じて必要な経費を負担するというのが原則だと思います。
それはそれとして その上ででございますが、広域化に伴います市町村の財政負担について、県が何らの支援も考えないのかという点に関しましては、この点ですね、この今回の広域化の見直しをやって、シミュレーションをやっても分かったことでありますが、いろいろ 精緻な、組み立てをやってもですね負担が増える市町村を減る市町村が出てまいります。
減る市町村については、基本的には手当は必要ないので、増える市町村について、かつその市町村の財政規模とかですね色んな事情からして、これはもう過大な負担ではないかというようなあ。程度に及んでいる場合に、何らかの対応を考える必要があるのではないか、というのは、今、視野としてはあるわけでございます。
そうした形で、その場合には、県として様々な政策手段を持っておりますから、そうしたものをできるだけ、いわば、必要なら総動員する形でですね、財政面での何らかの応援を考える、そういうような心構えを持っておりますけども、これは現実に、この広域化の過程が進んできている中でですね、各団体の財政事情なども見て判断をしていくべき問題ではないかという風に思っております。
●岡田議員 南海トラフ巨大地震への対応強化、県民一人一人の命を守る最前線で活躍している消防職員の待遇改善、情報通信や車両、資機材の充実は本来国が責任を持って財政措置を図るべきであり、統合縮小などで市町村や現場職員への負担を押し付けることはあってはなりません。
◆小規模自治体への消防力強化の要望を国に強く求めるべきと思いますが、知事に伺います。
○県知事 それから、小規模自治体の消防力強化を国に求めるべきではないかということでございます。
大規模災害への対応を考えますと、市町村消防力の強化は是非必要でございます。
その点、消防力の整備をこの小規模団体についても義務付けているのは国でございますので、この点は国が責任をもって必要な財政措置を講じるべきという風に考えます。現実に 全国市長会、あるいは全国町村会におかれましては、消防の充実強化に向けて国に対して財政措置に関する要望を行っておられるというふうに承知しております。
一方で、本県におきましては、小規模消防本部が大変多いわけでございまして 、この点につきましては、今回、広域化を進めておりますように、規模の拡大によって消防力を将来にわたってしっかり確保していく、このことが必要な対応だと思っておりますので、この点について、国の有利な財政措置を活用しながら、広域化によって、県内の消防力強化を図っていくということをメインに対応して参りたいというのが県の考えでございます。
そうした中で、消防の広域化は長期にわたっての取り組みになります。国によりまして、早く現在と同等の財政措置がこの広域化について必要な事業については、将来も行われるということを明確にしていただきたい。こういう気持ちは、今、現在持っておりますので、必要な段階になりましたら、この点を国に対して提言をしていきたいという風に考えております。
【県民体育館の再整備】
●岡田議員 次に、県民体育館の再整備について、お聞きします。
現在、新県民体育館整備等基本計画検討会が開かれ、県民体育館の再整備について議論がされています。観客席5000人規模のアリーナ等を整備する方針で、「現有地のみの敷地では、新しい県民体育館に必要な機能・規模を満たす配置は困難」として隣接する高知市の教育施設の土地も含めた整備案が出されています。
整備案の中には、メインアリーナは、全国規模の競技大会やプロスポーツの試合、コンサート等の興行に使い、サブアリーナを四国大会規模以下の競技大会や県民の日常的なスポーツ活動に使用することを想定した案が示されています。また、検討会の中では、委員から、ぢばさんセンターで開催されている大規模展示会の実施については、新しい県民体育館のメインアリーナでできるのではとの意見もありました。
このように、県民体育館の社会教育施設としての役割が相対的に弱まり、コンサートなどで収益を上げる施設へと変わろうとしています。
しかし、現在、全国的にアリーナ建設が相次いでおり、その収益性に疑問が投げかけられています。9月15日付の日経新聞は、今後5年で約30のアリーナが開業し、イベントの奪い合いが過熱、収益計画が成り立たなければ、運営でも公費負担が増大する懸念と報じています。また音楽業界関係者の「5000人規模は最も使いにくいサイズ」、機材輸送費が上がり「大阪より西、仙台より北のツアーは今後減る」と、このコメントも紹介されています。
高知県は後発でこのアリーナ競争に加わる形となりますが、果たして県民体育館を収益施設化すること自体が、妥当な計画なのかどうか、問われます。
◆全国的なアリーナ建設の状況を県として把握しているのか、合わせて、計画案策定に当たり5000人規模のアリーナの収益性の見通しは具体的に検討されたのか、観光振興スポーツ部長にお聞きいたします。
○観光振興スポーツ部長 まず、県民体育館の再整備に関する全国的なアリーナ建設の状況と5000人規模のアリーナの収益性の見通しについて、お尋ねがございました。
近年、全国でアリーナが続々と建設されています。本県も県民体育館の老朽化に伴い、再整備を検討し始めたことから、昨年度、敷地面積や自治体規模が同程度のアリーナへの視察を複数回重ね、本県が目指すべき規模や機能などについて情報を集めてまいりました。
それらの情報も踏まえまして、有識者で構成する検討会の議論を経て、将来的にバスケットボールBリーグなどのプロスポーツの試合が開催できることを念頭に置き、観客席5000席規模のアリーナ機能を備えた施設をとすることが望ましいとの結論に至りました。
また、アリーナの収益性の見通しについては、まず、県内の競技団体に対し、スポーツ需要の調査を行うとともに、観光・商工関係の団体やコンサートなどのプロモーターに対し、イベント需要の調査も行っているところです。
競技団体からは、新たに利用が期待できる大会やイベントとしまして、全国規模のアマチュアの大会に加えまして、プロスポーツの公式戦や合宿の誘致などが挙げられました。
また、プロモーターからは穴吹アリーナ、香川との競合は想定されるもののコンサートや 大規模展示会などの開催のニーズが一定見込まれることが確認できました。
今後の収益見込みにつきましては、これらのニーズ調査の結果や他県の選考事例を精査し、検討会においてしっかりと議論を深め、基本計画に盛り込んでまいります。
その際、スポーツ利用とコンサートなどの興行利用のバランスを取りながら、県民のスポーツ機会を確保するとともに、地域ににぎわいや経済効果を生む施設整備を目指してまいります。
●岡田議員 検討会に示された4案のうち最大規模となる、高知県立県民体育館の敷地に加え、南消防署跡地、高知市青年センターアスパルこうちグラウンドの全面使用という案は、土佐経済同友会が2025年8月に出した提言の内容に沿ったもので、経済的論理が強く優先される一方、プールは県民の日常使いの用途が主であるため現地再整備の優先順位が下がるなど、日常使いのスポーツ機能は外部に移す方向性も示されています。
高知市議会では、プールについて、県民体育館は団体利用が多く、個人利用が多い高知市の類似施設とは同じ日常使いであっても役割が違う旨が答弁されています。
◆再整備案策定にあたり、プール利用者となる県民の意見を反映するため、アンケートなど意向調査はおこなったのか、観光振興スポーツ部長にお聞きします。また、公的プールの整備にあたり、日常使いというまさに県民のスポーツをする権利を確保する役割の優先度を高めることは県の公的責任ではないか、合わせてお聞きいたします。
○観光振興スポーツ部長 次に、県民体育館のプールの利用者への意向調査とプール整備にあたっての県の責任についてのお尋ねがございました。
県民体育館プールの令和6年度の利用者数は延べ約6万人であり、その多くの方が健康づくりや学校の部活動などで利用いただいています。
その利用者に対しまして、今年8月にアンケート形式で、利用目的や頻度、施設までの交通手段、新たなプール建設の希望などについて、直接聞き取りを行いました。
アンケート結果から 週に1回以上利用する方が8割を超え、交通手段は車を利用する方が 約7割など利用状況が詳しく把握できたとともに、県民体育館プールが健康づくりなどに貢献している状況が把握できました。
今回の新しい県民体育館の整備にあたっては、まず、県内のスポーツ大会はもとより全国規模のスポーツ大会やコンサートの開催など多くの方が集い、楽しむことができる施設を優先して整備していきたいと考えています。
プールにつきましては、高知県スポーツ推進計画で定めるスポーツに親しめる場の拡充 や、スポーツを通じた生きがいづくりを進める上でも重要であると考えています。そのため、立地候補地や学校プール機能の集約化なども含め、現在 プールの在り方について検討を行っているところです。
●岡田議員 また、施設が大規模になることによるもう一つの問題点は、隣接する「アスパルこうち」のグラウンドを用地に組み込む必要がある点です。アスパルこうちには、不登校支援の教育支援センターみらい、社会教育施設である高知市青年センターが入っており、そのグラウンドは、教育施設です。この活用は、経済的論理のみで決められるものではありません。
高知市教育委員会は検討会の席上で、グラウンドは「豊かな教育を展開するための空間であり、必要不可欠」と述べ、少なくとも現状の半分は、土のグラウンドが必要と明確にしています。青年センターに隣接する潮江市民図書館には、来年度「学びの多様化学校」も開設され、グラウンドも活用される予定です。
アスパルこうちの管理者である高知市と十分な協議をしないまま、グラウンド全面使用を含む提案を行った県の姿勢はあまりに経済優先に偏りすぎています。
◆同グラウンドの教育的価値の保障は大前提であり、再整備にあたっては高知市教育委員会の意向は尊重されなければなりませんが、知事としての考えをお聞きいたします。また、特に、アスパルこうちのグランドを全面使用する案は「財政負担が大きい」ことも示されており、教育的配慮からも、財政負担の面からもこの案を採用しないよう求めるものですが、知事にお聞きいたします。
○県知事 次に、県民体育館の再整備に関しまして、アスパルこうちのグラウンドに関します教育的配慮と施設の配置案について、お尋ねがございました。
施設全体の配置につきましては、今月開催いたしました有識者による検討会におきまして、委員からご指摘がありました、アスパルこうちのグラウンドを活用するという案も含めて、4つの案 、4つの選択肢を現段階ではお示しをしているというところであります。
そして、ご指摘がありましたように、アスパルこうちを所管する高知市教育委員会からは、教育施設に隣接をしているということから、再整備にあたりまして、教育的配慮を行うように要望をいただいております。
県といたしましては、1つには当然のことでありますが、この用地・敷地は、現有地も含めて、高知市が地主さん、所有者でありますから、高知市の了解なしにこの事業は進められないと思っておりますから、高知市としっかり協議をしていく必要があると思っておりますし、また、あの子どもたちの教育環境に配慮するということからいれば、それと並行して、高知市教育委員会との協議も行っていく、これは必要があると思っております。
一方で、新しい県民体育館は県民がスポーツに親しむ施設ということに加えまして、プロスポーツやコンサート、大規模展示会などを通じた地域活性化の拠点施設となることも目指しております。
人口減少が進んでいく中で、交流人口・関係人口の拡大につなげて、若者の県外流出を防ぐということ、あるいは、若者や子育て世代が集うシンボリックな施設とするということ、こういったことも大事な検討のポイントではないかという風に考えておりまして、こうした形で新しい県民体育館を整備するということは、高知市にとりましても、県都としての機能の充実強化に繋がる、そういう意味でメリットがあるということではないかと思いますから、この点はこの点として高知市に理解をいただきたいという気持ちは持っております。
今後、検討会におきまして、4つの配置案を軸としまして、施設整備の費用対効果はもとよりでありますが、教育的配慮などの観点も含めて更なる協議を行ってまいります。それらを踏まえまして、この4つの配置案を軸としてふさわしい施設の規模、そして機能、こういったものを選択肢の中から選定し、決めていくというプロセスを経まして、基本計画に盛り込んでいきたいという風に考えております。
【最低賃金引き上げへの支援】
●岡田議員 次に、最低賃金引き上げと高知県における支援策についてお聞きします。
8月29日、高知地方最低賃金審議会は12月1日より高知県の最低賃金を是迄より71円引き上げ時間額1023円とする答申を出し、高知地方最低賃金審議会の専門部会で全会一致の決定となりました。中央最低賃金審議会の目安を考慮すれば、高知県を含めすべての県で時間額1000円を超える事は歓迎すべきと労働組合関係者から声が上がる一方で、今回の答申は近年の物価高騰、特に食品の高騰が顕著になる中、まだ必要生計費を満たすものとはなっていないとの声もあります。
高知県労連が2022年に発表した最低生計費試算調査では、25歳単身者の最低生計費は時間額で1600円を超える水準でした。その後の急激な物価高騰を考えれば、最低生計費は1700円以上となるとしています。石破政権のもと、「2020年代に最低賃金1500円」の目標も表明されています。高知県も抱える人口減少の原因の中に賃金の安さがあり、これが若者を中心に県外流出の原因の一つにもなっています。ちなみに、ニュージーランドでは、最低賃金2415円(2024年)です。
◆その事を考えれば今回1023円の決定は歓迎しつつも、まだ少ないと考えますが、知事の認識をお聞きいたします。
○県知事 最低賃金の引き上げについての認識について、お答えをさせていただきます。
本県の最低賃金が今回1023円に引き上げられることに対する認識についてでございます。人口減少が進みます本県のような地方におきましては、中長期的なあり方といたしまして、最低地域の上げ幅を全国水準以上にいたしまして、都会との格差を縮小していくということが目指すべき方向だという風に考えております。
一方で、毎年の具体的な最低賃金の水準は労働者、使用者、公益代表の3社で構成をされます審議会で結論を出すと、そうした仕組みになっております。本年度も、それぞれの立場から意見が出された後に、議論を経て、最終的に全会一致で決定されたものでありますので、私としては今回の審議会の答申を尊重すべきものだろうという風に考えております。
今回の最低賃金の水準は率にして7.46%過去最大の引上げ率になりまして、初めて本県として1000円を超えた1023円という水準となりました。
全国トップの東京都との差も8円縮小することになったということでございまして、このことは本県が課題といたします人口減少問題の克服にも役立つものという風に言って評価をできるのではないかという風に考えておるところでございます。
●岡田議員 現行の低すぎる最低賃金の要因については、「生活実態と乖離する標準生計費」「低すぎる価格転嫁率」の中に「国や県による支援策の脆弱さ」も上げられ、特に高知県の取り組みは不十分だとの声が上がっています。徳島県や愛媛県では、国が最賃引上げ対策として行う業務改善助成金の申請を後押しする上乗せ制度や、申請に対する報酬費用補助制度を設けています。高松市や松山市では賃上げの奨励金制度を創設し、徳島県も賃上げ支援事業を行っています。
一方、今回の最低賃金引き上げに対して、県内の事業者からは、いまの経営体力では雇用を減らして支出を抑えるしかないなど悲痛の声もあります。
◆この様な事業者を積極的に支援し、労働者の賃金上昇を行う取り組みを国に求めるとともに高知県独自の取り組みも必要と考えますが、知事の考えをお聞かせください。
○県知事 次に、最低賃金の引き上げの関連でございまして、事業者支援と労働者の賃金上昇を行う取り組みを国に求めるとともに、県独自の取り組みを行うべきではないかという、お尋ねがございました。
県におきましては、賃上げの原資を安定的に確保できますように、デジタル技術の導入などを支援し、付加価値額や給与総額の増加につなげるといった形で企業の稼ぐ力を高めてまいりました。しかしながら、大都市部に比べて、労働生産性が低い本県をはじめとする地方が今後全国的な賃金水準に高めていくには、国からの重点的な支援が特に必要だという風に考えております。このため、労働生産性などが低い地域に対する重点的な支援を行うように国に対して、引き続き、粘り強く要望していきたいという風に考えております。
お尋ねがございました県独自の支援という点につきましても、今後、新たな国の経済対策が講じられるのではないかというような情報もございますので、こうした国の経済対策にも呼応して、中小企業の労働生産性を高める取り組みをさらに進めるということ、と併せまして、厳しい経営環境にありながらも、賃上げに踏み切っていただける事業者の方々について、これをいかに応援、さらに応援をできる手段はないかということについて、鋭意検討して参りたいという風に思っております。
私としましては、かねて申し上げておりますように、1回きりの支援というよりは、できる限り、その効果が永続的に一定程度、一定期間続いていくようなですね、そうした中小企業の足腰が強まることを促すような、そういった支援にできる限り軸足を置いていきたいという考えを持っているところでございます。
【農政について】
●岡田議員 次に、農政についてお聞きします。
政府は8月5日に開いたコメの安定供給に向けた関係閣僚会議で、令和のコメ騒動の原因はコメ不足であったことを認めました。政府は昨年来、「コメは足りている」「流通が目詰まりをおこしている」などと強弁し、さも流通や農協の対応に問題があるかのように説明してきましたが、これは誤りでした。しかし、謝罪はありません。
今回のコメ騒動の根本原因は、毎年需要が減ることを想定し、長年にわたり「コメを作るな」と減反を押し付け、需給にゆとりのない生産を続けてきたことにあります。また、それに加えて、政府がコメの流通実態や需給状況を正確に把握しようとせず、見込み違いを放置したまま、機敏で適切な対応をとらなかったことにあります。
石破首相は、同会議で「増産にカジを切る」と明言しました。これは、農政の大きな転換となります。では具体的にどうするのかが問題です。政府は、先端技術を活用するスマート農業の推進、農地の集積など経営の大規模化、法人化による生産性の向上、そして大規模化が難しい中山間地のコメ作りを支援するため、環境に配慮した取り組みを対象とした新たな直接支払い制度を設ける、などとしています。
コメの増産は歓迎すべきことです。NHKの世論調査では増産に舵を切ることに賛成は76%、朝日新聞の世論調査では賛成が79%です。ですが、政府のいう大規模化やスマート化、そして輸出促進はこれまでの延長線上の取り組みであり、この間の実績が示しているように大規模化一つとってもそう簡単ではありません。そもそも日本の耕作農地面積のうち中山間地域が占める割合は約4割であり、大規模化に適した農地はそれほど多くはありません。
農業生産を支えるのは大規模農家だけではなく、中・小規模の農家や兼業農家が大きな役割を果たしており、9割以上が家族農業です。とりわけ中山間地では、こうした農家が農業生産だけでなく、国土の保全や水源涵養といった多面的な機能も担っており、地域の振興に大きな役割を果たしています。こうした多様な農家に直接支払、つまり所得補償をして安心して生産できるようにすることが大切です。大区画化や輸出米を生産する農家のみを応援する政策は農家の中に分断を生むことになりかねません。
◆政府がコメの「増産にカジを切る」ことを表明したことをどう受け止めるのか、また、国の方針を受けて本県としてどのように取り組むのか、知事の考えをお聞きいたします。
○県知事 次に米の増産に関しまして、国の方針が示されたことに関します受け止め、本県の取り組みについてのお尋ねがございました。
今回の国によります方針の表明は、生産者が将来にわたって意欲をもって米を生産できる環境、そして、消費者、生産者の双方が納得できる価格の実現に向けました国民への強いメッセージとして出されたという風に受け止めております。
食料安全保障の観点からも、米を全国でバランスよく生産をし、安定供給されることが重要だと考えます。国におきましては、農地の大区画化やスマート技術の活用、収量の多い品種の開発など、生産性向上策を強力に推進する方針を打ち出しております。
また、そうした生産性向上の施策とは別に、地域の特色を活かした付加価値の高い米作りが行われ、国土、保全、水源涵養など重要な機能・役割を果たします中山間地域の農業を支えるための施策を強化するという考え方が示されております。
県といたしましても、地域のニーズに応じた基盤整備、スマート技術の導入など、生産性の向上に向けた取り組みを推進してまいります。また、中山間地域の気象条件を活かして、生産をされる品質の良い米のブランド化、販路拡大の取り組みを支援していきたいと考えます。本県の米生産が将来にわたり、持続可能なものとなるようにしっかりと取り組んでまいる所存であります。
●岡田議員 5月に出された国の財政制度等審議会の建議では「生産面の改革」として「内外の多様なニーズに対応できる多様な米作り」へ転換するとしていますが、「国産の主食米を安定的に供給する」とは一切書いていません。一番の狙いはコメの輸出です。そのため法人や大企業を参入させるという政策になっています。一方で、「安定供給」として「輸入米の機能的な活用」を掲げています。ここではMA(ミニマムアクセス)米を「民間の実需に応じて主食用米として活用できる余地を高めることが望ましい」と明記しました。また、「民間在庫と合わせた保管に移行」するとして、政府備蓄米を減らそうと狙っています。このような農政が行われたら、いずれ国産米はなくなるのではないかと考えます。
◆MA米を主食にまわすのは、あくまで緊急避難にとどめるべきです。また、政府は保管料金を減らすために民間在庫に切り替えるのではなく、国民の主食に責任を持ち、政府備蓄米は少なくとも現行の二倍の200万トン程度に増やすべきだと考えますが、知事の認識を伺います。
○県知事 最後に、いわゆるミニマムアクセス米と政府備蓄米の運用について、お尋ねがございました。
我が国は、ガット・ウルグアイラウンド農業合意に基づきまして、年間およそ77万トンの米をミニマムアクセス米として、義務的に輸入をしております。
このうち、主食用は10万トンを上限とし、国産米の需給に影響を与えないよう、ほとんどが加工用、資料用などに利用されているという風に承知しております。このミニマムアクセス米の主食用としての利用は、政府備蓄米と民間在庫によってもなお国民が最低限必要とする食料が供給できないといった場合に限り認められるものという風に、これは 閣議決定で決まっているという風に認識をしております。
政府備蓄米につきましては、10年に1度の不足などにも対処できますように、100万トン程度を現行の適正水準として運用されております。これまで政府備蓄と民間在庫を合わせて、必要量を確保してまいりましたが、国は今回の価格高騰は生産量の不足により、民間在庫が減少したことなどによるものと分析をされております。こうしたことを踏まえ、現在、国において、今後の需給の変動にも、柔軟に対応できますように、官民合わせた備蓄について、どうあるべきかという検討がされているという風にお聞きをしております。
不測の事態においても十分な供給が行われるということが何よりも大事でございますので、そのための備蓄のあり方について、これはまさしく、食料安全保障の領域でございますので、国においてしっかりと検討していただきたいという風に考えております。
●岡田議員 この間の米価高騰が、酒米の生産にも影響を与えています。主食用米の価格が酒米を上回るようになり、より有利な主食用米に生産を切り替える農家もあります。その結果、酒米の供給が不足しております。また、酒米の仕入れ価格も上昇しています。そのため、全国各地の酒造組合が国に支援を求めています。
◆本県では、県内の酒造業者が高知県産の酒米を使用する場合、令和6年産米との差額を埋める補助金を準備しましたが(酒造用米で60㎏当り4,000円が上限)、これで事業者の要望に応えられているのか。まだ米価は高値が続くことも考えられますけれども、その場合はどのように支援するのか、産業振興推進部長にお聞きします。
○産業振興推進部長 酒米安定供給支援事業費補助金に対する受け止めと、今後の支援についてお尋ねがございました。
この補助金は昨年度、急激に食用米の価格が高騰し、酒米の価格が食用米を下回ったことを受け、県内生産者の酒米づくりの継続を促し、酒米の生産量を確保することを目的に国の交付金を活用し創設したものです。
関係者にお伺いしたところ、本年度も、今年度も昨年度と同等の作付けが行われたとのことから、補助金の効果は一定程度あったものと受け止めております。
来年度以降については、米の高値が続いたとしても、あらゆる分野で原材料や人件費が高騰する中、他の産業との公平性の観点から、酒米に特化した補助を継続することは難しいのではないかと考えております。
今後は、酒造メーカーがコスト上昇分を価格に転嫁しても事業を継続発展させることができるよう、品質や生産性の向上、輸出も含めた販路拡大などの支援に一層取り組んでまいります。
◆一方、酒米の生産量を確保するためにどのような支援を行っていくのか、農業振興部長に伺います。
○農業振興部長 酒米の生産量の確保に向けた支援について、お尋ねがございました。
酒米の生産は、これまで主食用前に比べて販売価格が高く、販売先が明確で安定した販売につながることから、意欲的に米作りを行っている生産者を中心に取り組みが広がってきました。一方で、酒米は主食用米に比べて、栽培管理に手間がかかることや、収量が低いといった生産面での課題がございます。
加えて、昨年からの主食用米の価格の高騰により、酒米と主食用米の価格が逆転し、主食用米の生産に転換された農家もあり、今後の酒米の生産量の確保が懸念される状況となってきております。
このため、酒造メーカーが求める酒米の生産量を確保するためにはえ、生産性の向上を図り、単位面積あたりの収量の増加と栽培面積の維持・拡大に向けた取り組みが必要となってまいります。
単位面積当たりの収量の増加に向けましては、現地検討会において適正な栽培管理方法の徹底をはかることや、既存の品種より栽培管理が容易で、収量の多い品種の開発などに取り組んで参ります。
栽培面積の維持・拡大につきましては、企業参入を含めた新たな生産者を確保するとともに、ドローンによる種まきや薬剤防除、水田センサーを活用した水管理などの効率化、省力化につながるスマート農業技術の導入を支援することで、栽培面積の維持・拡大につなげていきたいと考えております。こうした取り組みによりまして、酒米の生産量の確保を図ってまいります。
●岡田議員 米価高騰によって学校給食や食料支援などに影響が出ています。コメの確保に苦労しているばかりか、給食費を値上げしたり、限られた予算の中で給食を提供するため献立を見直したりしております。
◆そこで、学校給食に対する県の支援について教育長にお聞きします。
○教育長 次に学校給食に対する県の支援について、お尋ねがございました。
学校給食の提供にあたっては、これまでも各学校やその設置者において、物価の変動に対応した献立の見直しに努めてきました。
しかしながら、昨今の米価をはじめとする物価高騰により、給食費の値上げに踏み切らざるを得ないケースが生じていることは承知しています。このため、県教育委員会では 給食費の値上げに対する支援として、保護者等の費用負担の軽減を図るため、国の重点支援地方交付金を活用し、県立中学校及び定時制高校における学校給食の食材費に充てております。また、多くの市町村教育委員会においても、国の交付金等を活用して給食費の値上げ分が保護者の負担に転嫁されないように、財政措置を講ずるなど、それぞれの実情に応じた対策がとられてきているところです。
小中学校の給食費については、現在、国において無償化に向けた検討が行われています。県教育委員会としましては、引き続きこうした国の動向を注視するとともに、学校給食に携わる栄養教諭が集まる研修会などの機会を捉えて、物価高騰に対応した献立の工夫などについて情報共有を行ってまいります。
◆また、子ども食堂や食糧支援を行っている方たちからは、コメの確保が難しくなったという声も多く聞かれます。県としてどのように支援するのか、子ども・福祉政策部長にお聞きいたします。
○子ども・福祉政策部長 子ども食堂や食料支援を行っている方達への支援について、お尋ね がございました。子ども食堂やボランティア等による食料支援は、地域共生社会における共助の取り組みのひとつです。子どもや生活困窮者を支えるためには、こうした活動が安定的に継続される必要があります。
しかしながら、議員のお話にありました米価だけでなく、様々な物価の高騰は子ども食堂や食料支援の安定的な活動に影響があると認識をしています。このような中、国におきましては、子ども食堂やフードバンク活動団体を対象に、政府備蓄米の無償交付が行われており、県では、各団体に交付申請手続きにつきまして、周知を行い、活用を促してきたところです。今後、県としましては、民間事業者や県民の皆さまに対しまして、子ども食堂やフードバンクなどの役割を広く周知するとともに食料の寄付への協力を呼びかけてまいります。
【文化財の保護活用】
●岡田議員 最後に、文化財の保護と活用についてお聞きいたします。
私の地元である南国市では、ここ数年、高知県立埋蔵文化財センターと南国市教育委員会によって、歴史的に重要な埋蔵文化財の発掘調査が行われております。
一つは、篠原地区での道路建設工事に伴い発掘調査された若宮ノ東(わかみやのひがし)遺跡です。これは7世紀後半、飛鳥時代に建てられた役所跡、つまり評衙(ひょうが)と考えられています。県内で評衙が発見されたのは初めてで、最も古い役所跡です。規模も大きなものです。これは中央集権の律令制国家が形成されていく過程での本県の姿を伝える重要な遺跡です。当時の中央と地方との関係を解明する大きな手掛かりになります。
この遺跡は複合遺跡であり、このすぐ近くでは8棟の大きな倉庫跡も発掘調査がされました。さらに、たいへん話題となった漢字二文字と考えられる文字が刻まれた土器が出土したのもこの遺跡です。
二つ目に、そこから直線距離で約500メートル北東に位置する南国市元町で発掘調査された野中廃寺跡です。これも7世紀後半のものと思われていましたが、現在は、8世紀半ば(741年)に建てられた国分寺と同時期に建設されたものと考えられています。発掘調査によって野中廃寺の塔、金堂、講堂、中門の配置が明らかになっています。県内には野中廃寺を含む8つの古代寺院があったと伝えられていますが、伽藍(がらん)配置を特定できたのは初めてだということです。
そして三つ目は、長宗我部氏の菩提寺として文献(「長宗我部地検帳」には「北谷」)でしか知られていなかった寺院である瑞応寺(ずいおうじ)の発掘調査です。これは長宗我部氏の居城であった岡豊山の北側の谷で見つかっています。これは16世紀後半に長宗我部元親が両親の菩提を弔うために建立したものです。
こうした文化財は、本県の歴史や地域の歩みを知る上できわめて重要なものであり、その価値を共有するとともに、どのように保存し、地域においてどう活かし、伝えていくのかが重要です。
◆関係者からは、こうした文化財を県や国の指定を受けて保存活用を図りたいとの意向が示されています。県として、これらの文化財をどう評価し、史跡の指定に向けてどう取り組むのか、文化生活部長にお聞きをして、私の第一問といたします。
○文化生活部長 文化財の評価と史跡指定に向けた取り組みについて、お尋ねがございました。
議員からお話のありました3つの埋蔵文化財のうち、若宮ノ東遺跡は弥生時代から江戸時代に渡る大規模な複合遺跡で、古代の役所跡と考えられる建物や門などが発掘された県内有数の遺跡であると評価しています。
また、野中廃寺跡は、四国で唯一主要な建物の配置が明らかになった古代の寺院跡であり、土佐国分寺との関係や当時の建築技術などを研究する上で貴重な遺跡であると考えています。
この2つの遺跡は南国市役所付近に位置しており、このうち、若宮ノ東遺跡については、道路整備など大規模な開発が行われていることから、文化庁の指摘も踏まえ、史跡として指定することは困難であると考えています。
一方、野中廃寺跡については、これまでの調査結果に基づき、南国市から文化庁に対して国の史跡に指定し、保護することが適当であるとの意見具申を行っています。
また、長宗我部元親が建立したとされる瑞応寺跡は調査により、大規模な造成や建物跡が確認されたことから、現在、南国市において、国の史跡指定に向けて、調査成果の取りまとめと学術的な価値づけを行っているところです。
県としましては、今後とも貴重な埋蔵文化財の保護を図るため、事業主体である南国市に対し、発掘調査や学術的な価値づけへの助言、文化庁との調整など、史跡の指定に向けた支援を行ってまいります。
●岡田議員
はい、34番。それぞれご答弁いただきましてありがとうございました。2問を行います。
まず、特定利用空港についてでございます。知事から訓練について、国は事前に自治体に示すというご答弁がありましたけども、先日ですね、高知市議会で我が党の迫哲郎議員の質問に対する市長答弁によると、陸上自衛隊中央輸送隊が6月に高知新港で物資輸送訓練をしていますが、高知市には連絡が来ておらず、事後報告となったということです。
そして、市長は、事前に報告をいただけるように、県に要請したところだとこのように答弁をされています。事前に国から、県に情報が来るように求めなければなりませんけども、県に来た場合、事前に関係自治体に報告がされるのかどうか知事に伺います。
2つ目、公社等外郭団体の在り方の見直しについてでございます。
ご答弁を聞きましても、やはりこう収益を増やすことが優先をされる、つまり稼ぐことが優先になるのではないかという懸念は拭えません。各施設にはそれぞれの役割があると思います。稼ぎにならなくても大事な仕事があります。
例えば、私の地元の南国市では、城博館の館長や学芸員さんに来ていただいて、地域に残る古い資料の調査をしていただいております。これなどは、お金にはなりませんけども、博物館にとって大事な仕事だと思いますし、地域の皆さんも、地域の理解が深まったと大変感謝をされているところでございます。
私はこうした大事な仕事がなくなるのではないかと懸念をするものです。一旦はこの案を取り下げて、関係者と十分に話し合う、今後、文化行政どう進めているのか、十分話し合うことを強く求めておきたいという風に思います。
そして3つ目、県民体育館の再整備についてでございます。5000人規模のアリーナ建設ということで案が示されておりますけれども、地権者であります高知市とも十分協議するのは当然でございますが、仮にですね、最大規模になれば、一体いくら建設費がかかるのか、数字があればですね。その数字と財源示していただければという風に思います。知事にお聞きをいたします。以上で第2問といたします。
○県知事 岡田議員からの再質問にお答えをいたします。まず、特定利用空港港湾の関連でございます。事実関係については、私は、今、初めて伺いましたので確認できませんけれども、一般論として申しますと国との関係でですね、訓練の事前通告等があり、また地元市町村が、そうした場合の連絡を求めるということを事前に確認できましたら、そうしたルートに載せて情報提供するということは、国の方の意向も確認してということでありますが、国の方もオッケーということであれば、そうしたことで、仲立ちをして地元自治体・市町村に情報提供するということは、空港についても、港湾についても、それぞれ考えたいという風に思っております。
それから、いわゆる外郭団体については、先ほど申しましたように、今お話ありました学芸員の方の地域における活動、これは館の活動の一環としてということであれば、これは大事な機能の1つということだと思いますから、そうした意味でも専門性とかですね、継続性これは担保できるようなことは、配慮をしながら今回の見直しを行って参る考えであります。
それから、県民体育館の再整備についてであります。ただいま4つの選択肢を大きな絵柄としてお示した段階ですので、今、建設費いくらという話ができる段階ではございません。また、参考といたしまして、先般、香川県で穴吹アリーナとして、これは本県が想定しているよりはるかに大きい規模の施設でありますが、令和4年から6年にかけて建設したものが約200億円の規模とお聞きしております。
本県の場合、それよりは小さいのでありますが、ここ3年間でウクライナ侵攻以降ですね、物価、資材費、猛烈に上がっておりますので、物価の要因でかなり上がる要因があるということもございますので、そのまま参考にはできませんが、1つの目安としての数字としてお示しをしました。
財源につきましても、これからでございますけれども今想定しております1つは国の方では、人口減少もございますので、色々な施設の集約化とかですね、複合化を推進しております。その条件に合えば、公共施設の適正管理推進事業債という制度がありまして、これによりますと、あの事業費の9割は起債ができて、そのうち償還の半分は交付税で手当するという相対的にかなり有利な制度がありますので、こういった制度の活用ということを視野に入れたいという風に考えております。
●岡田議員 はい。ご答弁 ありがとうございました。知事は「共感と前進」ということで県政を進めておられるわけですけど、関係者の意見、そして、県民の意見を十分お聴きいただいてですね。より良い県政に進めていっていただきたいというふうに思います。県政運営を進めていただくように要請しまして、一切の質問を終わりとします。どうもありがとうございました。