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- 2025年10月17日
- 議会(質問・討論)
- 2025年9月議会 岡本和也議員の修正案提案理由説明/外郭団体の懇談会設置予算(2025.10.14)
●岡本議員 私は日本共産党を代表して議発第2号「第1号 令和7年度高知県一般会計補正予算に対する修正案」について提案理由の説明を行います。
修正する内容は第1号「令和7年度高知県一般会計補正予算」から県立施設を運営する外郭団体の自律性向上支援に対する懇談会の・会場費・人件費・旅費などの経費587千円を削除するものです。 この予算の内容説明は「有識者による懇談会を開催し、令和7年度後半から各団体の自律性向上計画の策定や高付加価値サービスの提供などの方法論を議論し、県立施設を運営する外郭団体を支援する」とあります。そこで本補正予算削除に対する理由について説明します。
削除理由の一点目は、今回の予算案と関連する「公社等外郭団体のあり方見直しについて」中でも指定管理における直指定から公募への切り替えについてで、関係する外郭団体から疑問視されている中で進められている点であります。この「公社等外郭団体のあり方の見直しについて」に対するパブリックコメントの結果を見てもわかる様に寄せられた794件の内574件、約7割以上、関係者も含め疑問や否定的な意見が寄せられています。今議会でもこの事業に関連する質問を行った方々からは、賛否は別として問題点の指摘がありました。さらに、総務常任委員会の審査でも進めるにあたっては慎重に対応して欲しいとの事業に対する慎重論も出されました。今回の事に関して文化施設論の専門家、佐々木英彦さんがテレビの取材に応じて「現場の声を聴けていない」「充分な対話が必要」とコメントされています。この様な状況は知事の政治姿勢である「共感と前進」の「共感」からも大きくかけ離れるものです。現場の声を充分聴かず様々な問題点の指摘がされる中で進められる今回の補正予算の中身には賛同できません。
削除理由の二点目は懇談会の具体的な中身についてです。今回予算化されている「県立施設運営活性化懇談会」の設置目的のなかには「高付加価値サービス提供者による収入増の方法論の助言」とあり収益を増やす事が目的になっています。しかし、パブリックコメントの中には「収益性を求める事は不適当、またはそれにより高知県の文化行政が後退する」と言う否定的な意見が全体の意見の二番目に多い180件も寄せられています。今回の補正予算はそれらの意見に応えられていません。今回対象になっている施設の皆さんは是迄、長年培ってきた経験を元にしながら様々な自主事業にも取り組んでこられました。細木県議の質問で「公の施設の指定管理者における業務状況評価」では今回対象となっている施設の総合評価は昨年12月時点で全てAと成っており各施設とも優れた管理運営が行われている事が紹介されました。その様な施設に対して今回の懇談会は学識経験者、経営者、施設管理に見識がある方5名で今年度後半に2回開催し次年度以降は未定との説明です。懇談会が実施されるとなった場合、たった2回の懇談会で具体的な取り組みを提案できるのか疑問を抱いてしまいます。施設の実情を詳細に把握されない中での計画作成は選任された委員さんに大変失礼ではないでしょうか。
今回浮き彫りになったことは、県との対話の欠如で懇談会ではありません。県として対話の継続が必要ではないでしょうか。従って、問題のある補正予算の事業に賛成できません。
以上の理由から今回の補正予算中、懇談会事業費の削除を求めるものであります。議員各位の賛同を求めて修正議案の提案理由とします。