議会報告

  • 2025年10月17日
    2025年9月議会 はた愛議員の「OTC類似薬の保険適用継続を求める意見書(案)」賛成討論

日本共産党を代表いたしまして、議発第5号、「OTC類似薬の保険適用継続を求める意見書」に賛成の立場で討論を行います。

今年の6月、石破政権はOTC類似薬の保険外しを含む「骨太方針」を閣議決定しました。

現在、その法制化が進められていますが、そもそも、この議論がどこから生まれたのでしょうか。少数与党となる国会の中で、自民党は、当初予算の成立と引き換えに公明党や日本維新の会と手を結び、国の医療費を「最低でも4兆円削減する」と合意をしました。これには、現在、国民民主党と参政党も「賛成」し、進められています。

この動きに対し、患者家族や全国保険医団体連合会(保団連)、NPO法人日本アトピー協会などから厚生労働省に対し、保険外しをやめて欲しいとの署名が7月10日時点で、全国から合計13万2,473筆、署名が提出されました。(赤旗:患者会8万8,343人分、日本アトピー協会4万4,130人分)

患者家族は、「薬を節約することは、日常生活を犠牲にすることです」と訴えていますが、難病である魚鱗癬(ぎょりんせん)の息子さんを育てるお母さんは、厚生労働省へ要請する中で、「2024年7月~2025年6月までに支払った薬代が約3万円。保険適用外となれば約82万円になる」と訴え、「病気を抱えながら必死に生活している人のことをもっと想像して欲しい」と訴えています。

他にも、日本アトピー協会の代表理事は、アトピー患者には「気の狂うような、かゆみや見た目による差別があり、引きこもりや、うつの人もいる」と指摘し、今後も十分な薬の処方が受けられるよう、保険適用の継続を求めています。さらに、保団連は、密室協議で決めたことは「看過できない」とし、医師の処方によらない薬の購入による副作用など、安全面の懸念を指摘しています。

この間、国は、医療報酬を5回連続で引き下げました。この結果、医療現場では「75歳以上の窓口3割負担」や「病院11万床削減」など、患者や病院側の負担も増え続けています。

それに加え、この10月からは3,000品目を超す物価が値上がりし、国民の暮らしや商売は危機的な状況です。この様な深刻な経済と家計状況の中で、医療費負担を増やす、OTC類似薬を保険から外すことは、甚大な影響を命にまで及ぼします。

政府は「現役世代の負担軽減」、「財政を立て直す」為だと説明していますが、財政難を理由にするならば、12年連続で過去最大の増額更新を続けている軍事費こそ、まずは見直す必要があるのではないでしょうか。

薬代の保険外しは、すべての年代の国民に影響を与え、中でも難病など、すでに高額な薬代に頼っている患者さん達を、さらに命の危険へと追い込むような政策です。

日本総研の資料からも分かるように、一般的な風邪や花粉症の薬が約30倍となる事が示されていますが、国民の命と健康を切り捨てる政策、政治に他ならないと思います。

さらに言えば、現役世代の多くは、子どもの医療費無料化制度によって、家計の負担が抑えられてきましたが、今回の保険外しにより、薬代が何十倍にもひきあがります。支援こそ必要な子育て世代にも大きな経済的負担を与えることを、本当に政治が許していいのでしょうか。

高知県議会としても、国民の命と健康を脅かすような医療費の削減は回避を求める時と考えます。

よって、議発第5号「OTC類似薬の保険適用継続を求める意見書」へ、賛成して頂くことを心からお願いいたしまして、討論といたします。

 

【意見書案】

OTC類似薬の保険適用継続を求める意見書(案)