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- 2025年12月12日
- 議会(質問・討論)
- 2025年12月議会 中根佐知議員の「令和6年度高知県一般会計歳入歳出決算」反対討論(2025.12.05)
●中根議員 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました376報第一号「令和6年度高知県一般会計歳入歳出決算」について、認定に反対の立場から討論を行います。
私たち日本共産党は、決算審議にあたって予算や事業が適正に執行されているかどうかとともに、この一年間の議会論戦や知事の政治姿勢についても合わせて分析し、評価についての検討を行ってきました。
まず大問題となったのが、国の「特定利用港湾指定」に関する知事の対応です。この指定を受け入れることは、平時から自衛隊が武器や弾薬などを含む物資輸送や部隊の展開のために、高知港・須崎港・宿毛湾港を「特定利用港湾」に指定して、国の言う「円滑な利用に関する枠組み」をつくるものです。この平時の「枠組み」は重要影響事態や存立危機事態を含み、事実上、特定利用港湾は軍事利用港湾となり、攻撃目標にされる恐れがあります。知事は、県民の暮らしや平和にとって極めて重要なこの協定を、説明が不十分、協定は結ぶべきではないとの声が上がる中で、令和6年の3月議会閉会直後に結びました。県民の安全安心を保障できない協定に踏み出したことに、平和を求めるすべての県民は強い不安を抱いています。また、国費での港の整備や地震対策の三重防護などへの予算措置も、特定利用港湾がらみの予算ではないかと、手放しで喜べない複雑な心境です。
枠組みから撤退し、軍事利用に足を踏み込まない決断をすべきです。
県民の安全を守り、不安や疑問にしっかりと答える姿勢が知事に求められていることは、言うまでもありません。
第2に、経済・産業政策について、「課題解決先進県」高知の進むべき道は、万博やIR頼みやデジタル化偏重ではない、地域資源を大事にして暮らし続けられる高知県にするための予算措置が求められています。地産外商のみならず、地産地消を基本に経済の循環を作ることを基本にした体制づくりの予算が必要です。中山間の環境を守り、仕事につながり、若い人も住み続けられる地域を作るために、暮らせる収入が確保できてこそ、人口減少も食い止める土台が作れるというものです。
第3は、施策にジェンダー平等の観点が弱く、特に人口減少対策を語るとき、予算には若い女性に高知に残ってもらい、結婚、出産、子育てをしてもらいたいとの思いが込められていますが、人の生き方はそれぞれです。女性が人として尊重される社会であることがまず重要です。これまで男性ばかりの、閉鎖的職場に若い女性が参加したことで、パワハラ・セクハラにあい、身の危険を感じてやめざるをえない事例も起こっています。女性活躍というなら、ジェンダー平等の観点をしっかり広げる予算措置もすべきです。
第4は、無批判なデジタル化の推進です。あらゆる場面でデジタルが推進され、そこには多額の予算が使われています。メリットばかりが強調されデメリットは触れられない状況です。システムの改修のたびにかかる改修予算は大きな金額になっています。マイナンバーカードの普及とここにあらゆるデーターを一体化するための国の動きは、運転免許証の一体化にも見られますが、手放しで推進することはできません。
第5は、教育行政です。教員不足が深刻になっています。全国一早い試験期日の設定や、大阪会場、高知会場の2カ所での受験などで、合格者の人数は確保できても、その後の辞退が相次ぎ、12月に年度内2回目の試験を実施することになるなど、急場しのぎの対応が続いています。また、60歳を過ぎれば、同じ仕事をしていても給料は70%になるシステムや休憩時間もとれない働き方、学校でのパワハラなど、現場は課題山積の状況です。そのうえ、学校で取り組む課題は増える一方で、取捨選択をしなければならない状況が続いています。タブレットの導入でこの課題はさらに膨らみ、子どもたちの重いランドセルは体への負担になっていることも問題視されています。毎年の全国一斉学力テストだけでなく、県版学力テストなど、小学校4年生から中学校3年生まで、毎年の学力テスト偏重の教育行政は見直すべきです。不登校問題も含め、子どもにも、先生にも、ゆとりと居場所が保障される予算を求めます。
以上が、一般会計予算についての主な反対の理由です。
知事は、令和6年度から、「これまで以上の斬新で柔軟な発想が求められる」として、知事直轄の筆頭部局として「総合企画部」を設置しました。私たちはこの総合企画部は、県民の願い、実態より、知事の思いを貫徹するものであり、県庁組織をボトムアップから知事が司令塔のトップダウンの組織に変えるものだとして反対しました。
ここに来て、突如の文化施設の指定管理制度の見直し、消防の県一化構想、県民体育館の再整備など、現場の声をしっかりと反映せずに推し進めようとする手法が目立ちます。
予算編成を含めて、新しいものにばかりに目を奪われる施策ではなく、県民の実態をしっかりみつめて、「稼ぐ力」をただ正面に据えるのではなく、地域文化が息づき、暮らしが成り立つ、県民に寄り添い産業が発展できる、こうした予算編成こそが今こそ求められています。
令和6年度の決算にあたっても、新しく取り入れた県庁組織のあり方を再考すべき、このことも申し添え、376報第一号「令和6年度高知県一般会計歳入歳出決算」認定への反対討論といたします。ご賛同をよろしくお願いいたします。