-
- 2026年03月10日
- 議会(質問・討論)
- 2026年2月議会 中根さち議員の一般質問(2026.03.05)
【質問項目】
・こうち男女共同参画プランとジェンダー行政
・マイナンバーカードの健康保険証利用について
・子ども医療費助成の拡充
・教員不足解消と「働き方改革」
●中根議員 日本共産党の中根佐知です。通告に従って、ただいまから、質問を始めたいと思います。よろしくお願いいたします。
【こうち男女共同参画プランとジェンダー行政】
●中根議員 こうち男女共同参画プランとジェンダー行政について、まず、お伺いをいたします。
男女共同参画社会基本法の前文には、男女が互いに人権を尊重しつつ責任も分かち合い、性別にかかわりなく、その個性と能力を充分に発揮できる「男女共同参画社会」の実現は、21世紀のわが国の社会を決定する最重要課題と位置づけられています。高知県では2001年(平成13年)に「こうち男女共同参画プラン」を策定以降、5年に一度の改訂がすすめられてきました。
今回のプラン改定にあたって行われたパブリックコメントの中には、ジェンダー平等と男女共同参画社会を作っていく上で根本的に大切にしなければならない意見が多く寄せられています。
その一つは、「男女共同参画社会基本法」や「県の男女共同参画社会づくり条例」では、男女の人権が尊重されることを基本理念の一つとしているが、今回のプラン案には「女性に選ばれ女性が活躍できる地域作り」が新設されており、ここで「共働き・共育て」の県民運動の推進の取り組みがとりあげられていることから、人口減少を抑制し子どもを増やすために、高知県が女性に選ばれることを目指すと掲げているのだと受け止められ、子どもを持つか持たないかを含めた自己決定権は女性が持つという視点が欠如しているとの指摘がありました。
また、「あらゆる分野における女性の参画拡大」の部分では、性的マイノリティーや性の多様性について触れられておらず、健康で活躍できる人々だけを対象にしているようで男女共同参画の実現の対象が限定的であるように思えるため、プラン全体を通して、性の多様性の尊重を重視した内容になるよう、見直してほしいとの声が上がりました。これらのパブリックコメントの指摘を受けて、プラン案では目指す姿について、性の多様性について正しい理解を促進し、性別にかかわらず誰もが個人として尊重され、安心して暮らし、希望に応じて能力を発揮し、自分らしく生きることができる社会の実現を目指す趣旨がより明確になるように記載を見直しました。
◆複雑化、多様化している社会の中で、プランに位置づける施策を特定の性別や属性にとどまらず、すべての人の人権を尊重するという考え方のもと、実施していかなければならないと考えますが、知事のご所見をお聞きします。
○県知事 中根議員のご質問にお答えをいたします。
まず、次期こうち男女共同参画プランの施策を全ての人の人権を尊重する考え方のもとで実施すべきということについてのお尋ねがございました。次期こうち男女共同参画プランにおきましては、男女の人権の尊重を基本理念として掲げまして、誰もが安心して暮らせる魅力ある県への転換を目指しているところであります。特に、近年、人生の選択肢が多様化をしているという背景を踏まえまして、改めて男女共同参画や人権尊重の視点をしっかりと内容に反映させるように見直しを行いました。
具体的には、男女共同参画を巡る個々の取り組みの柱毎に、現状、課題、対策までを一覧性のある形でわかりやすく整理をし直しました。加えまして、パブリックコメントなどのご意見も踏まえまして、例えば、性の多様性、個々のライフプランの重視といった男女共同参画社会の実現を目指す際に留意すべき視点については、施策ごとにきめ細かく明示をしたところでございます。
こうした次期プランの考え方のもと、誰もが個人として尊重され、多様な生き方、そして働き方を選択できる社会の実現に向けて取り組んでまいります。
●中根議員 また、プレコンセプションケアについても多くの意見が出されました。
プレコンセプションケアは、男女を問わず、将来の妊娠に備えて性や妊娠に関する正しい知識を身につけ、健康管理を促す取り組みです。海外でも広く提唱されており、アメリカ疾病管理予防センターや世界保健機構WHOがその推進を呼びかけています。ただ、日本の行政機関が推進するプレコンセプションケアは、2021年、「プレコンセプションケアに関する体制整備」が盛り込まれた政府の基本方針が閣議決定され、2023年には基本方針の変更によってプレコンセプションケアの教育・普及啓発が国民運動の中に位置づけられ、静かに浸透を図っています。日本の性教育は包括的な内容ではありません。妊娠・出産といったイメージが先行しがちです。「女性は子どもを産むために存在している」と言われているかのような印象を与えます。このような状況でプレコンセプションケアが導入されると、包括的性教育=身体や生殖の仕組みだけではなく、人間関係や性の多様性、ジェンダー平等、幸福など幅広いテーマを含む教育のことをいいますが、この文脈と合致せず、性教育全体に「気持ち悪さや違和感」を感じる原因となることが指摘されています。
一部の自治体が配布したプレコンセプションケアに関する冊子では、「35歳の卵子の見た目が高齢者のようなイラスト」や、「熟女キラー」といった不適切な表現が用いられて物議を醸しました。これらの冊子の表現は、科学的には正しい情報であっても、伝え方としては配慮に欠けており、「産め」と頭ごなしに命令するかのような内容は人権侵害に当たるという批判がでています。国や自治体といった公的機関がプレコン施策を担っていることが個人の自己決定権を軽視し、優性思想につながるのではないかとの懸念も示されています。
妊娠・出産へ誘導しているとも捉えられるなかで、子ども家庭庁は2026年度の予算の大きな柱にプレコンセプションケアをおいています。
◆高知県で、妊娠・出産のみに照準を当てたプレコンに関する施策は実施すべきではないと考えます。知事にご所見をお聞きします。
○県知事 次に、いわゆるプレコンセプションケアについてお尋ねがございました。
プレコンセプションケアは、性別を問わず、性や健康に関する正しい知識を持ち、将来の健康を考えて、自らの健康管理を行うというものであります。
特に、若者が自分の人生設計を考える過程で、将来にわたって健康を維持し、生活の質を高めていくということの必要性を学ぶという観点から大変重要なものだと考えております。 国におきましては、令和3年に策定をいたしました「生育医療等基本方針」にプレコンセプションケアの推進を盛り込みましたほか、昨年には5カ年計画を策定をされ、周知啓発、相談支援などに取り組んでおられます。
県におきましても、今年度からプレコンセプションケアに関する啓発などの施策を実施いたしておりますが、その際には、議員からご指摘もありましたように、妊娠出産に偏ることがないよう意を払っております。
例えば、啓発資材の作成配布やSNSを活用した情報発信にあたりましては、妊娠出産のみならず、食事や運動など生活習慣に関する内容も幅広く盛り込んでおります。来年度は、これらの取り組みに加えまして、プレコンセプションケアに関する総合的な相談窓口を設置いたしまして、幅広く相談に対応していきたいと考えております。こうした相談対応などに当たりましても、これまで同様、プレコンセプションケアの本来の趣旨に沿った考え方のもと進めてまいります。
●中根議員 包括的性教育を進めることはとても大切です。
高知県では土佐塾中学校・土佐塾高校で生徒会が中心になって生理休暇を子ども権利として認め、休んだ日は欠席扱いにしないことを学校と話し合ってきめています。また、健康保持のために学校のトイレだけでなく、公園のトイレなどにも生理用品をとの声も多くの方から聞かれるようになりました。
こうち男女共同参画プランは、1994年(平成6年)に国際人口開発会議において提唱された概念であるリプロダクティブ・ヘルス・ライツという性と生殖に関する健康と権利を女性がしっかりと持つことを社会の認識にすることに取り組んできました。「リプロダクティブ・ヘルス」は、性や子どもを産むことに関わるすべてにおいて、身体的にも精神的にも社会的にも本人の意思が尊重され、自分らしく生きられること。「リプロダクティブ・ライツ」とは、自分の身体に関することは自分自身で選択し、きめられる権利のことです。この認知が未だに低いのに、国が提唱するプレコンセプションケアの認知度を80%にまであげようとする目標が、最初に提案されたこうち男女共同参画プラン案にだされていました。これに対して、パブリックコメントでは、「男女共同参画プランは少子化対策のためのものではなく、男女平等権が後景に追いやられないようにすべき。ライフデザインの選択肢に妊娠・出産だけでなく、子どもを持たないライフプランも含めてほしい。リプロダクティブ・ヘルス/ライツをふまえた包括的性教育を進めるようにしてほしい」との声が多く上がりました。
このパブリックコメントを受けて、個人の意思に基づくライフデザインの選択が尊重されるという意図が正しく伝わるよう理解促進の進捗を図っていくことに焦点をあて、ただプレコンセプションケアが一人歩きをすることがないようにプランの案は修正されています。
◆男女共同参画社会づくりの基本に関わるリプロダクティブ・ヘルス/ライツの観点からの指摘を、知事は、どのように受け止めているのかお聞きします。
○県知事 次に、パブリックコメントの意見のうち、リプロダクティブ・ヘルス/ライツの観点からの指摘への受け止めについてお尋ねがございました。リプロダクティブ・ヘルス/ライツとは、性と生殖に関する健康と権利を示すものであり、国の男女共同参画、基本方針においても重要な視点とされております。
具体的には、例えば子どもを持つか否かなど、自分の身体について自由に選択ができることなどが該当いたします。昨年末にお示しをした次期こうち男女共同参画プランの案に対しましては、10人1団体から計21件のパブリックコメントをいただきました。そのうち、このリプロダクティブ・ヘルス/ライツに関しては、妊娠出産だけでないライフプランへの支援を求める声が複数ございました。
私といたしましても、全ての人がライフステージを通じて、体や健康についての正しい知識をもとに判断ができ、自己決定が尊重されることが大切であると考えております。このため、次期プランでは、新たに月経随伴症状など女性の健康課題への理解促進にも取り組むことといたしまして、医療従事者や企業に対しまして、研修などによります。啓発を行ってまいります。
●中根議員 今、人口減少に歯止めをかけたい意図から、妊娠・出産込みの官製婚活が盛んに行われ始めました。高知県も例外ではありません。若い女性の生き方を政治が政策に掲げて「高知県を出ないで働き、結婚をし、出産する」ことを数で追いかければ、ここには権利を踏みにじり、人権意識の欠如があらわな行政の姿が見えてきます。
知事は、今議会の冒頭、知事提案説明の人口減少対策の中で、「今月発表された住民基本台帳人口移動報告」を引用し、昨年の県外転出超過数は前年より改善し、女性が男性の2.34倍転出していた令和5年より、昨年は1.05倍にまで縮小しており、今後の出生数の回復につながることが期待されると語りました。こんな根拠のない、女性がいるだけで出産に結びつける考え方は、男女共同参画本部長の発言としてふさわしいものではありません。
女性に選ばれる地域、女性に選ばれる仕事、女性が生き生きと仕事や生活を送るためには等の言葉があふれています。少子化対策を錦の御旗にしていますから官製婚活にしろ、プレコンセプションケアにしろ、資金は潤沢に確保され続けています。その分LGBTQの人たちを追い詰めたり、女性の自己決定の権利はないがしろになったりしていないかが危惧されます。
誤解を生むことのないように、男女共同参画本部長として、知事は言葉に十分な配慮をしていくことが大切だと考えます。
◆本来部局を横断しての施策を男女共同参画に資するものにすることができれば、県民の人権を保障し、健康を保障する施策が具体化されるのではと期待をするところです。
県は2026年度から総合企画部内に人権・男女共同参画課の機能の一部を取り入れる機構改革を打ち出しています。移管する業務とその意図について、総務部長に伺います。
○総務部長 新たに設置する元気な未来創造課に人権・男女共同参画課から移管する業務の内容とその意図についてお尋ねがございました。
令和8年度の組織改正において、総合企画部内に新設します元気な未来創造課におきましては、元気な未来創造戦略の総括、人口減少対策総合交付金の関係業務、出会い・健康支援などの少子化対策業務、共働き共育て関係業務といった元気な未来創造戦略の重点施策を統括し、本県の最重要課題である人口減少対策の司令塔としての機能を担うことになります。
担当する業務のうち、人権・男女共同参画課から移管する業務は共働き共育てに関する業務で、具体的には、男性の育児休業の取得促進など様々な分野にまたがる内容となります。そのため、県政の司令塔である総合企画部に新設する元気な未来創造課において全庁横断的に進めていくことで、より効果的な推進を図ることを目的に移管をしたものでございます。
●中根議員 ◆県のあらゆる施策が、女性に対して子どもを産む生き方の強要になったり、それぞれの多様性を認めると言いながら結果的には女性やマイノリティーの権利を傷つけることのないように、配慮と努力が必要です。そのうえで男女共同参画社会基本法の意識を広げ、社会の環境を整えることにまっすぐつながっていくことが大切だと考えます。人口減少対策や少子化対策など、県の施策全般に関して、女性やマイノリティーの権利を尊重し、男女共同参画社会の基本理念に基づき進めていくことについて、知事のご所見を伺います。
○県知事 次に県の政策全般を男女共同参画社会の基本理念に基づき進めることについてお尋ねがございました。
人口減少対策や少子化対策などを始めといたします県の施策全般を講じるにあたりましては、男女共同参画社会の基本理念に基づき進めております。この点に関しまして、私が今議会の提案説明におきまして、昨年の県外転出超過数の男女比が前2年よりも改善をし、「今後の出生数の回復につながることが期待される」という旨の発言を行ったところに対しまして、中根議員から先ほど根拠のない、女性がいるだけで、出産に結びつける考え方なのではないかというご指摘がございました。この点、時間をいただきまして、お話をさせていただきたいと思います。
根拠のないという話でございましたけども、県といたしましては、人口減少問題に関する有識者のご意見なども踏まえまして、近年本県の出生数が全国に比べても急激に減少している大きな要因の1つが若年女性の転出超過によるというふうに分析をしているところでございます。
そして、女性がいるだけで出産に結びつける考え方という点に関しましては、これは議員はそうでないという立場で言われたと理解しておりますが、私ども別に女性がいるだけで出産に結びつくというようなことを考えているわけではございませんで、ただし、女性がいない地域には子どもが生まれないというのは、これは事実だと思いますので、言ってみますと適齢の女性がおられると、地域におられるということは子どもが生まれてくることに関しまして、十分条件ではないけども、必要条件ではあるという関係ではないかというふうに私は思っております。
こういうことを踏まえまして、さきの提案説明で、転出超過数の男女比が改善したことを必要条件の1つが満たされたということをもちまして、明るい兆しではないかというご紹介をさせていただいたということであります。
もとより仕事や結婚出産などの人生におきます選択は個人の意思が尊重されることが大前提だと考えております。ご本人の意に反して、結婚や出産を強要する意図は全くございません。
むしろ「元気な未来創造戦略」を掲げまして、若者、特に若い女性に高知県を選んでもらえるように、多様な価値観を認められる環境づくりに向けた対策を来年度も強化しようとしております。特に、女性が、ご自身の希望や意思に基づき、人生を選択し、個性や能力を発揮できるということが大事だと考えておりますので、いわゆる男性は仕事、女性は家庭といった昔ながらの固定的な性別役割分担意識の解消に向けまして、必要な施策を強力に進めてまいりたいと考えております。
【マイナンバーカードの健康保険証利用について】
●中根議員 次にマイナンバーカードの健康保険証利用についてお聞きします。
マイナンバー制度が導入されて10年。国民の保有率は8割を越えましたが、カードの他人への紐づけや読み取りエラー、カード偽造による約6億円のだまし取りなどトラブルへの不安からカードの廃止件数は約47万件(2023年6月時点)に上っています。
マイナンバーカードに健康保険証機能を持たせる「マイナ保険証」についても県内の医療機関において、「高齢の患者さんなど暗証番号を忘れてしまう」「読み取り機や通信の不具合で使えなかった」ことによって診察の遅延などのトラブルが多く発生しています。「暗証番号を覚えられないため顔認証で受付をするが、帽子やマスクを外さなければならず時間がかかるし、医療機関でマスクを外すデメリットは矛盾を感じる」との声も聞かれています。個人情報の取り扱いが不安という根強い声もあり、マイナ保険証の利用率は全国で63%台、高知県では、昨年12月時点で高知県では53%に止まっています。
◆県内でマイナ保険証に関して、トラブル事例を把握しているのか、健康政策部長に伺います。
●中根議員 2020年~23年のマイナポイント事業で急増したカードの電子証明書の有効期限は5年のため今後一斉に期限を迎え、26年度は1430万枚が期限切れとなります。期限が切れると保険適用されず窓口でいったん10割負担を求められる恐れがあります。
マイナ保険証のトラブル回避するため、マイナ保険証の有無にかかわらず国保被保険者全員に一律「資格確認書」を交付すると判断した世田谷区と渋谷区の判断は、現場の状況を踏まえた対応と言えます。国は一律交付をすべきでないとの通知を出していますが、法令上も国保加入者への資格確認書の一律交付の権限はあくまで保険者である市町村にあります。国が一律交付を妨げる法的根拠はありません。不当な干渉は止めるべきです。
◆マイナ保険証トラブル解決のため、資格確認書を国保の被保険者全員に交付するべきだと考えますが、健康政策部長に伺います。
○健康政策部長 マイナ保険証に関する県内のトラブル事例と、資格確認書を国保の被保険者全員に交付することについてお尋ねがございました。関連しますので、併せてお答えします。
最近の県内市町村のトラブル事例としましては、読み取り機の不具合、マイナンバーカードの電子証明書の有効期限切れなどがございます。
こうしたトラブルへの対応としまして、読み取り機の不具合については、医療機関から市町村に患者資格を問い合わせることで解決できていると聞いています。
マイナンバーカードの電子証明書の有効期限切れについては、期限が切れても3ヶ月以内であればマイナ保険証として利用が可能です。
また、期限切れから3ヶ月以上経っている場合でも、初診の場合は医療機関への申立書の提出、再診の場合は医療機関での口頭確認で受診が可能となっています。
このほか顔認証ができなかったり、暗証番号が不明な場合は医療機関のスタッフが目視で本人を確認することによって受診が可能となっています。
このように、トラブルに対処できていることに加えて、マイナ保険証利用の大きなメリットとして、過去の病歴に基づく、質の高い医療の提供などが期待されているところでございます。
こうした状況を鑑みますと、個々の被保険者全員に資格確認証を交付する状況にはないと考えております。
【子ども医療費助成の拡充】
●中根議員 子どもの医療費助成制度の拡充についてお伺いいたします。県の子ども医療費助成の拡充についてです。
2023年の9月議会で細木県議が、そして12月議会で岡田県議が取り上げ、県の子どもの医療費助成制度の拡充を求めてきました。2009年(平成21年)7月の改正以降、県の乳幼児医療費助成制度は、16年間もの長い間、就学前までの補助制度のままで、しかも所得制限付きという低い水準にとどまってきました。知事は、2023年の9月議会の答弁で、「多くの市町村長から子ども医療費の助成に対して、県の財政支援の拡大を求める声が寄せられているため、来年度からの新たな人口減少対策の財政支援制度の中で、子ども医療費助成拡充を図る取り組みについてどのように支援できるのか検討中」と答えました。また、「本来子どもの医療費は住む地域や市町村の財政力に左右されることなく、安心して医療が受けられますように、国の責任において全国一律に助成を実施すべきものというふうに考えております。このため、全国知事会とも連携いたしまして、私自身が積極的に政策提言も行いまして全国一律の助成制度の創設を強く働きかけているところでございます」と述べられました。12月議会では、「これまでの乳幼児期6歳までの市町村への半額補助・所得制限付きの財政支援は引き続き継続していくが、後は交付金による市町村の努力で」とのお答えにとどまっています。知事の言う高知県の子育て支援策、福祉の増進策、乳幼児の保健の向上策として、所得制限なしの医療費無償化は0歳のみ。県としてあまりにもお粗末な状況ではないでしょうか。
あの質疑から2年が経過しました。
高知県の市町村自治体は高知市の通院、入院ともに中学校卒業15歳までの医療費助成以外はすべて18歳まで助成されました。中でも、田野町は学生に限り22歳まで助成することになりました。すべて所得制限なし・自己負担なしとなっています。高知県は助成制度のなかで、1歳から就学前までの所得制限を行っていますが、子ども世帯に自己負担のないように、すべて市町村が不足分を補っています。子どもが3人以上になれば、第三子以降は県が二分の一補助をすることになっていますが、対象人数は限られています。少子化の現状を見るにつけ、市町村からの財政支援を拡大してほしいという声に、県として応える時ではないでしょうか。
他県の現状を2025年12月に子ども家庭庁が公表した、令和7年度「子どもにかかる医療費の助成についての調査」令和7年4月1日現在で見ると、交付金事業で実施している新潟県を除き、通院では、就学前までは少数派の18道府県、9歳までの助成は4県、12歳までの助成は4県、15歳までは8府県、18歳まで12都県となっています。ここでの所得制限は高知を含む20都道都県が「所得制限あり」、26府県が「所得制限なし」。
入院では、就学前までの助成が13府県、9歳までの助成が1県、12歳までの助成が4道県、15歳までが15府県、18歳までが13都県です。所得制限は「あり」が19都道府県、「なし」が27府県となっています。あらためて、就学前までの乳幼児医療費助成の範囲を超えて、子どもの医療費助成として少子化の時代に求められている制度になっていることが見て取れる状況です。
全国知事会で一緒に国に対して要望し、力を尽くしている他県の知事も、それぞれの市町村支援を拡充してきているように、高知県としてもせめて全国平均並みに足を踏み出すときではありませんか。
◆他県の乳幼児等医療費助成制度の実施状況の変化をどのように捉えていますか。また、高知県の市町村自治体の乳幼児等医療費助成制度の実施状況の変化をどのように捉えているのかについても知事に伺います。
●中根議員 少子化の中で、県の交付金等も活用して市町村は頑張っています。ここで県が乳幼児医療費助成制度を拡充すれば、子どもの健康といのちを支えるために限られた予算で取り組みを行っている市町村自治体で、さらなる子育て支援に財源を回していくことができると考えますがいかがでしょう。
◆高知県の乳幼児医療費助成制度を拡充し、県としても子育て支援を担っていく姿勢を示して市町村の負担を軽減すべきだと考えますが知事にお伺いいたします。
○県知事 最後に、子どもの医療費助成に関しまして、他県や県内市町村の実施状況のここ2年の変化と県の制度の拡充についてお尋ねがございました。関連いたしますので、併せてお答えをいたします。
まず、この子どもの医療費助成に関しましては、全国的に市町村が実施負担となって行われている事業でございます。従いまして、市町村レベルでの助成の状況を見るということが適切だと思っております。この観点から見ますと、他県におきましても、また県内におきましても、それぞれ近年は子どもの医療費助成に関しまして、お話もありましたような対象年齢の拡大をはじめとした制度の拡充が図られているというふうに認識しております。
これは子育ての経済的負担の軽減ということに対する対応を講じて、少子化対策に結びつけたいといったような背景があるというふうに私自身は考えております。
そして、議員の方からは、子どもの医療費助成に関します国の調査結果を引かれまして、本県の支援の対応が遅れているのではないかというようなご指摘ございました。
これは国の調査結果と言いましても、県の支援制度、県から市町村への財政支援のですね、前提となる条件についての調査結果ということでございますが、しかし、先ほども申しましたように、実際に住民の皆さんに助成をしております事業の実施主体は市町村でありますから、市町村単位でどういう形で、助成の対象が拡大されているかということをみますと、例えば、18歳までの通院・医療費の無償化の導入率、本県は先程お話もございましたけども、高知市以外の33市町村全体の97%で、ここまで無償化の導入が拡大をしております。
この比率は全国では91%ということでありますから、市町村数の比率で見れば全国を上回るような形で、本件は18歳までの無償化導入が拡大をしているというふうに言えるのは確かであるというふうに思います。
そして、現在この財政支援に関しまして、本県では、この子ども医療費支援は2段階といいますか、いわば2階建てのシステムをとっております。このうちの1階部分は、乳幼児の保健向上・福祉増進を目的といたしまして、病気や発熱などで受診の機会が特に多い6歳まで、就学前の子どもの医療費につきまして、市町村に対しまして、県内共通のいわば最小限・最低限のラインの部分といたしまして、支援を行うという形をとっております。これは、国も子どもの医療費に関しまして、一般が3割の自己負担分を2割ということで、全国一律の軽減措置をとっていると、これは私の理解ではやはり就学前はお子さんがお熱を出すことも多いと、そうしたことを配慮して、国としても6歳までのところは全国一律でという対応を取っているということでありますから、その点県は考え方を合わせて6歳までは最低部分として、市町村に1/2の経費を共通に措置をするという考え方はとっております。
これに加えまして、2階建ての2階の部分につきましては、県内の市町村が目的としては子育ての経済的な負担に対する支援・軽減といった観点から、県の1階部分に上乗せをする形で、各市町村の判断で助成対象年齢範囲の拡大などを行っているわけでありまして、この2階部分、拡大部分につきまして、県の方で令和6年度に創設をいたしました「人口減少対策総合交付金」を通じて支援をするという形を、今とっているわけでございます。
18歳までの医療費の無償化導入市町村が、交付金の創設前、令和5年度が18市町村でありましたけれども、今年度令和7年度には33市町村まで増加をいたしましたのは、この「人口総合減少対策総合交付金」の導入というところを、活用していただいたという要因が、私としては大きいのではないかというふうに考えております。
このように県といたしましては、6歳までの医療費は保健福祉政策という観点から、共通のベースの部分としての補助金、それ以上の年齢の部分につきましては、子育て支援という観点から総合交付金で支援するという形をとっており、この結果、ただいま来、申し上げておりますように、県内ではもう97%の市町村が18歳までの助成というところまで範囲の拡大をしておりますので、さらなる助成制度の拡充は私は必要ないと考えているところでございます。
一方で、本来のあり方ということにつきましては、先ほど来、ご紹介いただいておりますように、乳幼児医療のような子育て支援に係る基幹的な経済的な支援につきましては、これはもう所得再配分を司る国がしっかりと制度の設計をして、全国一律の助成制度を導入をする、措置をするというのが私は筋だと思っております。
そうしませんと、住む地域の財政力によって、こうした経済的支援に大きな差が出てしまうということになるわけでございまして、そうした観点から、私どもとしましては、例えば子ども医療費助成、あるいは保育料の無償化といった基幹的な経済的な支援の措置については、国の責任で全国一律で行われるようにという趣旨で全国知事会とも連携をして国に対して積極提言を行って参っております。その結果、国による無償化の支援の範囲は、保育料や高校授業料から、さらには小学校の給食費といった分野にも拡大されつつあるという状況でございまして、私どもとしましては、子どもの医療費についても、早期に国による全国一律の水準での支援制度が実現をするように国に対して、これまで以上に強く提言をしてまいりたいと考えております。私からは以上であります。
【教員不足解消と「働き方改革」】
●中根議員 教員不足解消と「働き方改革」について教育庁にお伺いいたします。
昨年9月議会でも、教員の「働き方改革」について質問しました。その際、昨年2月にILOとユネスコ合同専門委員会(CEART)が、日本政府に長時間労働の改善を求める具体的な勧告を出したこと、勧告の条文には、労働時間を効果的に短縮するには適切な業務量と十分な休息をとる文化が必要であり、これを政府レベルから促進する必要があること、教員の適切な休息と本来の職務の遂行の質を確保するために、教員の時間を確保する必要があること、十分な学校職員数を確保するための措置を講ずること、など改革の柱が記されたことを紹介し、改革の必要性をお聞きしました。教育長からは「働き方改革を進めることが不可欠」との力強い答弁をいただきました。
昨年6月の給特法改定は、「定額働かせ放題」のフレームを維持するという中身で、多くの教育関係者の期待を裏切る中身でしたが、改定とあわせて、各教育委員会が「業務量管理・健康確保措置実施計画の策定」をすることが義務づけられました。計画は2025年9月25日に改正し発出された国の指針に則してつくるとされ、定める目標の第一に、「時間外在校等時間に係る目標を示し、「2029年度までに月平均30時間程度に削減することなどを踏まえて数値目標を設定」と示されています。
◆それぞれの教育委員会が大切な計画づくりに取り組むことになりますが、取り組む意義、課題について、また、計画づくりの現在の進捗状況を教育長にお伺いいたします。
○教育長 まず、業務量管理健康確保措置実施計画の意義や課題、進捗状況についてお尋ねがございました。
いわゆる給特法の改正に伴い、各教育委員会に策定が義務付けられたこの計画においては、時間外在校等時間の削減に関する数値目標を定めるとともに、業務の見直しなどの具体的な対策を設定することとされております。
教員に優れた人材を確保するためにも、学校の働き方改革は急務であり、策定した計画を着実に実施・実行する必要があるものと考えております。
一方で、教員の負担軽減のために業務を見直す上では、学校の取り組みだけでなく、保護者や地域の理解と協力を得ることも不可欠です。その点が大きな課題の1つだと考えております。
国の指針で示された学校以外が担うべき業務、教師以外が積極的に参画すべき業務、教師の業務だが負担軽減を促進すべき業務の3分類等も参考にしながら、現在、具体的な対策を検討しており、本年度中に県としての計画を策定いたします。
●中根議員 指針は、そのために教員が担っている業務を、①学校以外が担うべき業務、例 としては登下校見守り、②学校業務だが教師以外が担うべき業務、例としては学校のHP作成、③教師の業務、としては授業、とりわけ、①②の業務を教師以外に担う方向を示しています。しかし、①②の業務で教員以外が出来るものは限られているとの声があがっています。
しかも、国の「教職員勤務実態調査」では、教師にしかできない業務の合計が小学校で1日9時間20分、加えて「持ち帰り残業」37分、で計9時間57分。中学校も、9時間59分と、8時間を大きく超過しているのが実態です。国の案では「給食時間の見守りを支援スタッフで」、「教師の出勤時間前に登校する子どもの管理は学校以外で管理」がしめされていますが、予算確保、支援スタッフ確保など予算の手当、また連絡調整役の職員配置が不可欠ではないでしょうか。実際には、一部業務を支援スタッフに頼りつつ、正規の教職員を増やす方が現実的です。
国の案でも、具体的取り組みについて「教職員の意見を聞きながら」と記述されています。
◆教員が担う業務の見直しについて、現場の教員の意見を聞く機会があるのか、反映させる手立てをどう確保しているのか、教育長にお聞きします。
○教育長 次に、業務の見直しに対する教員の意見を聞く機会や意見を反映させる手立てについてお尋ねがございました。
県教育委員会では、業務量管理健康確保措置実施計画の策定にあたり、県立学校の教職員へのアンケートを昨年12月に実施いたしました。
約1500名から得た回答では、時間外勤務の主な要因として授業準備や部活動などが多く、また負担を感じている業務として保護者対応や文書処理などが挙げられております。
こうした現場の教職員からの声を踏まえ、実効性のある計画となるよう、現在策定作業を進めております。
●中根議員 時間外在校等時間を月平均30時間程度に削減する目標を達成するためにも、教員の受け持ち授業時数を明確にすることが必要ではないでしょうか。
1958年、義務教育法制定の際、1日8時間労働に収まるように、授業時数を1日4コマ(小学校)にするよう教員定数を設定しました。しかし、その後国の教員定数の制限により、小学校で1日5コマ、6コマが当たり前になり、これが長時間残業の最大の要因となっています。
◆小学校では週20コマ以下の授業負担とするなど、持ちコマ数の目標を設定すべきではないでしょうか。教育長の考えをお聞きします。
○教育長 次に教員の受け持ち授業時数の目標を設定することについてお尋ねがございました。
教員が受け持つ授業時数は服務監督権者である市町村教育委員会の指導のもとで、それぞれの学校長が総合的に判断し、適切に割り振りを行うものです。
このため、県教育委員会が一律に目標を定めるものではないと考えますが、一方で、国においては標準授業時数の弾力化を可能とする調整授業時数制度も検討されています。
いずれにいたしましても、働き方改革を進め、教員が児童・生徒と向き合う時間を確保していくことは極めて重要であると考えております。
●中根議員 国の指針には、全国学力テスト、県版学力テスト、教職員評価制度、年次研修、研究授業など、国や自治体が学校に持ち込んでいる業務の徹底した見直しが触れられていません。
毎年各学校で取り組む研究課題や地区ごとの研修など、目の前の子どもへの対応、わかりやすい授業のための準備よりも、見せる授業や研究報告と研修の報告を優先しなければならない現場の余裕のなさは、時間としてだけでなく精神的にも異常事態となって現れています。思い切った現場に寄り添う見直しは待ったなしの状況です。
◆こうした分野についても見直しの対象に含めるべきだと考えますが、教育長の認識をお聞きします。
○教育長 次に、国や自治体が学校に求める業務の見直しについてお尋ねがございました。
教育施策や学校、教員の業務については、常にその目的や必要性を考慮しつつ、効率化や見直しを図っていくことも重要だと考えております。
例えば、教職員研修については、内容の充実と精選を図りつつ、オンライン、オンデマンドの併用や報告資料の簡略化など、研修効果の最大化と受講者の負担軽減の両立を図っております。
その他、業務削減の観点から毎年度学校に対する調査・照会、教育研究における指定授業、担当者会議などの廃止や見直しも行ってまいりました。
また、国や県が実施する学力調査は、児童生徒にとっては自己の学力の強みや弱みを知り、普段の学習に生かすことや学校においては日々の取り組みや学習指導を振り返り改善を図ること、そして、県及び市町村においては教育施策の検証を図るための有効なツールとして捉えており、引き続き実施していく必要があると考えています。
一方、来年度から高知県学力定着状況調査をオンライン化しようとしており、これにより教員にとっては調査用紙の配布、回収、送付などの作業が不要となります。
以上のように、本県の未来を担う。子どもたちにとって必要な施策や業務は着実に実施していく一方、今回策定する業務量管理健康確保措置実施計画においては、学校教員の各種業務を見直すことを適宜盛り込みたいと考えております。
●中根議員 国の「計画」の「留意事項」では、その冒頭で「目標を達成することが目的化」してはならないとし、勤務時間の改ざんなど「あってはならない」としています。それは当然のことです。「持ち帰り残業」も含めて実態の正確な把握が不可欠です。
国の指針は、指針2章1節(3)で、教育委員会に「休息時間、休日の確保等に関する労働基準法の遵守」を求めています。休息は、勤務時間の途中に一斉にとること、外食や買い物も自由にできることで、「手待ち時間」ではありません。9月議会では、教育長は「休憩時間については 各校長が適切に管理していくことが基本」と答弁していますが、予算や人の配置を決めている雇い主は教育委員会です。だから、国の指針は教育委員会に労働基準法の遵守を求めているのです。労働基準法違反の休憩さえも取れない学校を今後そのままにはできません。
◆まず、労働基準法の内容を学校現場に届け、無記名のアンケートなどで実態を把握すべきではないか教育長に、お聞きします。
○教育長 次に、労働基準法の遵守に関する学校現場の実態把握についてお尋ねがございました。
労働基準法に基づく休憩時間は、県の条例と事務委任規定に基づき、各学校長が取り扱いを定めることとしております。
県教育委員会としましては、県立学校に対し、教職員の適正な休憩時間を確保するよう周知しているところです。
また、市町村立学校についても服務監督の責任を有する各教育委員会に対し、適正な休憩時間確保に向けた取り組みを進めるよう通知を行ってまいりました。
県教育委員会として、学校への調査や照会を精選している中、この件のアンケート等を実施することは今のところ考えておりませんが、各学校において適切な休憩時間が確保されるよう、引き続きチームでの業務の分担や外部人材の活用などを進めてまいります。
●中根議員 発達障害や不登校の子どもたちの増加にも、丁寧で成長と発達を促す教育が求められています。先日、発達障害の子どもを持つ保護者の皆さんと一緒に、県教育委員会に行って懇談をした方から、心配になる話を聞きました。小学校の特別支援教室の一クラス定員を今の8人ではなく6人にしてほしいという話になったとき、「国に要望することは大事だと捉えて取り組んでいくが、国の定数が改善されるまで県単独で取り組めないかとのお話は多くの先生が必要になるので無理です。」との答えが、県教育委員会からありました。その必要となる先生の数が毎年増えていて、特別支援教育が必要な子どもの数が増えていることの表れだったと言うことでした。一人一人の特性に見合った教育を行うためにも先生は不可欠です。
◆今、特別支援学級の定員が6人になったとしたら、高知県で何人の先生が新たに必要になるのか教育長にお聞きいたします。
○教育長 次に、特別支援学級の一学級あたりの定員を6人にした場合に必要となる教員数について、お尋ねがございました。
本年度県内の小中学校において特別支援学級を担当している教員数は681人です。仮に、特別支援学級の編成基準となる児童生徒数を現行の8人から6人に引き下げた場合は、さらに84人の教員が必要となります。
●中根議員 現場で、このほかにも、先生がいない状況はこれまでも発生し問題にもなってきました。
◆今年度、教員不足の中で、担任が不在となった学級がどれだけ発生したのか教育長にお聞きします。また、その際、具体的にどのように対応をしているのか教育長にお聞きいたします。
○教育長 次に、担任が不在となった学級がどれだけ発生したのか、またその際の対応についてお尋ねがございました。
県内の小中学校において、本年度病気休暇や育児休業などにより1ヶ月以上代替教員を配置できなかった件数は3月1日までに小学校69件、中学校23件の計92件となっています。前年度同期は計118件でしたので26件減少しています。
代替教員として、常勤の臨時教員をすぐに配置できない場合は、学校の負担を少しでも軽減するため、非常勤講師の配置を行っております。また、非常勤講師も配置できない場合は、一時的に教頭や専科教員などに対応していただいています。
●中根議員 深刻な教員不足のもと、教員の仕事がますます過酷となり、それが教員という仕事の魅力を削り、教員志望者が減少する悪循環に陥っています。この連鎖を断ち切る思い切った決断が求められています。
茨城県は、この2月、臨時教員1600人を段階的に正規化する方針を明らかにしました。
臨時教員と正規教員では年収に約150万円もの開きがあり、正規化を進めることで待遇改善をはかるものです。大井川知事は会見で「臨時的に都合よく代替職員を探すというやり方を切り替えて、正規の教職員を採用するという方向に大きくかじを切る」と述べています。
高知県には、教壇に立たない教員が県教委に170名もいらっしゃいます。学校現場の体制充実に活かすべきだと考えます。
また、(教員の)奨学金返済を支援する自治体は、山梨県、岐阜県、北九州市、東京都、京都府などに広がっています。
この問題は高知県だけの問題ではないことは、周知のことであり、その時々の判断をしながら今まできました。が、だんだんに深刻さがましてきています。他県にも学び、臨時教員の正規化、奨学金返済支援の実施など努力すべきではありませんか。
また、高知県で「教員になろう」という人を増やすには、教員の同僚性を大事にし、のびのびと教員本来の喜びが実感できる学校現場にしていくことしかないのではないでしょうか。
教員として一人で抱え込まないで不安なことは相談し、安心して対応できる職場の雰囲気を、どの職場でも作ること、話し合える職員会議の時間をとることも大切です。学校の文化ともいえる自由度が欠ける中で、教員が追い詰められているように思えてなりません。
また、高知県で教員になるときに、他県にはない魅力を発信することも必要です。
◆教員確保のために、県教育委員会は具体的な対応策をどのようにとっていくおつもりなのか、教育長にお伺いいたしまして、私の第一問といたします。
○教育長 最後に、教員確保のための具体的な対応策についてお尋ねがございました。
県教育委員会では、これまでも教員確保に向け、関西会場での先行審査や12月の追加募集、大学3回生を対象とする特別審査の実施など、さまざまな取り組みを行ってまいりました。
臨時教員につきましても、学校現場での経験を適正に評価し、採用に繋げるため、令和7年度採用審査から一次審査の免除要件を大幅に拡大したところです。また、教員不足は全国的な課題であることから、国による奨学金返済支援の制度化を提言してまいりました。
加えて、若者に高知県の教員になりたいと思ってもらえるよう、若年教員サポーターや専科教員の配置、チーム担任制の導入、専門職相談員による相談対応など、本県独自の支援体制を動画も活用しながらアピールしています。
今後とも必要な教員を確保できるよう、引き続き他県の取り組みについても研究しながら対策を講じてまいります。
【第2問】
●中根議員 それぞれにご答弁ありがとうございました。第2問をさせていただきます。
知事が男女共同参画本部長として、様々な分野に渡りながら目配り、気配りをしながら頑張っていらっしゃることは承知をしております。ただ、この女性のリプロダクティブヘルス・ライツについて、やっぱり私は言葉の端々を大変、その本部長としては注意をして発言をしていただきたいというふうに思うんです。
先ほど、事実ではあるけれども、言い方によっては大変ないろんな弊害を生むう、しっかりとした捉え方をしてもらえないようなことがあるお話を少しさせていただきました。
若い女性がいることはもちろん必要条件ではあるけれども、その必要条件だけで出産の件数が多くなるということではない。トータルとした見方が、男女共同参画基本法にはとても大事にされている、そういうふうに私は思っています。
ですから、若い女性が外に出て行くことに、逡巡をしなければならない、ブレーキをかけられるような気持ちになったり、就職の時はとにかく高知で就職しろと言われたり、就職をすればもう産むのが結婚して子どもさんを産むのは当然だろうと言われたり、そういうことが様々な多様な性のある中で、十分な県の施策として、そこをこう1つ強調することによって、その方たちの権利を侵害することになりますよ。という、こういう警告を私はさせていただいたつもりです。
全てが駄目だということではなくって、そういうその権利と県の施策が裏腹にならないように、紙一重のような部分を丁寧に発言をしてもらいたいし、発信もしていただきたい。こんなふうに考えています。こういうその全ては否定したわけではないけれど、その発信の仕方について、私が危惧をしていたのだということについて、知事もう1度あのお答えいただければと思います。
次にあの男女共同参画のお部分を、総合企画部に持っていく、私はこれはとても大事なことだというふうにあの本来思ってきました。いろんな施策を作る時に部分だけを取り出すんではなくて、総合政策を作るところに男女共同参画の考え方がやっぱり入って施策を作るというのはとても大事だというふうに思います。
そういう意味では、ただ単に男性の育児休暇がビューンと100%になるとか、そういうことだけではなくて、施策の中に是非ともその男女共同参画の考え方を広げていっていただきたい。こういう要望を1つはさせていただきたいと思います。
それから教育長にお伺いをいたします。本当にね、大変な状況の中で、ずいぶん長い間、この先生の不足問題が言われてきました。これもう全国が一緒で、あの手この手どうやって先生方をあの気持ちよく、誇りを持って学校現場にいていただくか、そして子どもたちも学ぶ喜びに触れることができるか、こういうことを整えるというのは大変だと思うんですけれども、この不足をしている人数・状況を見るにつけ、もっと具体的な対応は必要なんじゃないかというふうに思うんです。例えば、人寄せパンダのような状況にはなってはいけませんですけれども、例えば、その奨学金の問題だとか、全国で色々やっている問題を今一つ、高知県教育委員会の中に取り入れて、若い人たちが、高知でやっぱりやってみようというふうな思いになるような施策を何とか取り入れることができないか、その点について1つお伺いをしたいと思います。
あと、もう1つは先生が壊れるという問題も、今とても大変な問題というふうに思います。多忙な中で、それから多岐に渡る仕事をすることによって、精神的にも本当に過重な負担が教育の現場にはかかっています。こういう先生方の過重な負担を取り除くためには、やっぱり風通しのいい、そして、自分がやっぱり十分ではないことが分かっていてもしっかりと、みんなと相談し合いながら、あのやっていけるんだという自信を持たせるような現場が必要だと思うんですけれども、その点についてどんな工夫どんな配慮が必要だと思っているのか、この辺りを今一度お願いいたします。
あと、もう1つすいません。知事に、子どもの医療費の問題です。
県が率先をして、群馬県だとかですね、もうずいぶん前から18歳まで広げてきました。そうすることで市町村も限られた中でやっているわけですけれども、そんな中で市町村もさらに子育て支援を拡充することができる。これはもう、これまでの流れですから、高知県がいつまでも所得制限まであるとかね、そういうことはやっぱり撤廃、もっと前に進めるべきではないか。そのことによって、これだけ全国ワースト3に入るような子どもの出生数である高知県がやっぱり頑張ろうとしてるんだと、市町村だって頑張るんだっていうふうな思いになるような施策をお願いしたいと思うんですが、今一度その点、他県の状況と合わせて質問といたします。
○県知事 中根議員の再質問にお答えいたします。
1点目は、男女共同参画本部長としての発言などについての留意をしているのかということでございます。この点は以前にもまさしく岡田竜平議員にこの議場で、選挙区の若い女性からお聞きになったお話として、若い女性は都会出て行くなというのかと、それは知事が言ってたらセクハラにならんのかというような厳しいお言葉も頂きまして、私もそうした想像力の働く範囲で、そういう取られ方をする可能性があるという場面では、精一杯配慮した言葉遣いをしようとしているというところではございます。
そして、何よりもこれは議員もおっしゃいましたけれども、この女性の数の問題だけではなくて、トータルな対策ができませんとこの人口減少問題は対応できませんので、その点は、仕事の問題、そして性別の役割分担意識の問題等々も含めまして、トータルで対応ができるようにという考え方に立ちまして、今後もしっかりと想像力も働かせて誤解が生じることのないような発言に努めていきたいというふうに思っております。
ただ、今回に関しては、議員からご指摘をいただいて、じゃあ私はこの今回のご報告をどういう形の言葉を使ってやれば、配慮したってことになるのか、というのが正直なかなか甲斐がないものですので、議員の方からは誤解を生じないようにと言っていただきましたから、真意は分かっていただいていると思いますので、もしご助言があればまたいただければというふうに思います。
もう1点は、子ども医療費の問題でございます。先ほども申しましたように、もう今2階建てで、県内の市町村がですね、18歳まで助成、高知しのぞけば対象とされると、子ども医療費の助成がカバーされるという状況になっておりますので、今お話があった、県レベルの対比の話というのは、県と市町村の財政の問題の話ということだというふうに思います。
そんな意味では、今回総合交付金を6年度につくりました時には、いわゆる基本配分型の部分といたしまして、4億円の枠を市町村にお渡しをして、一部スクラップをしたものの、復活もありますけどね。ネットで、おそらく3億円弱のですね増額をして、市町村にお渡しをして、この部分は人口減少対策ということで、1番今ニーズがあるところに使ってください、というふうにお願いをしたということでございます。で、今、そのうちの約1億3000万円ぐらいを使って、この子ども医療費の範囲の拡大というところを市町村でやっていただいているわけでございますので、そういう意味でこの市町村との間での財政問題というのは、この交付金、総合交付金の方を通じて私は手当をさせていただいたというふうに思っておりますので、まこの問題に関してえさらに何らかの手を打たないといけないということでは、私はないという状況だと思っております。
○教育長 2点ご質問いただきました。
まず、はじめに教員不足についてです。本当におっしゃっているように、私どももやっぱり教員不足については重要な問題だと考えています。特に、近年やっぱり小学校教員についてはなかなか確保できにくい状況もあるのが正直なところでございます。
そのため、1つは先ほどの奨学金の返済について、答弁をさせていただきましたけれども、返済支援の制度化については、やっぱり国にもさらに提言もして参りたいということを考えていることが1つ、それから、もう1つは他県のというお話もございました。我々も色々な面で、あの他県からもどうやって教員確保しているのかということも情報も収集をしています。その1つとして、来年度から小学校で導入をするのが、チーム担任制です。これ、先進的な取り組みをやっている他県に我々の事務局の職員が視察に行きまして、どういうことをやっていったらいいのかというノウハウも頂きながら、来年度は試行版というか、全てではなかなか難しい面もありますけれども、やってみて、少しでも高知県はこういうことをやっているんだと、その成果を他県にもこちらからもアピールできるように、見に来ていただけるようにしていきたいと考えております。引き続き、いろいろな情報収集を努めてまいります。
それから2点目でございます。風通しの良い職場、メンタル教員の、ということはもう私もですね、11月にオンラインを使いまして、全ての教職員の皆さんに、この時は不祥事を防ぐことについてのオンライン研修でございましたけれども、その時に申し上げたことがあります。
それは、組織的な対話の充実による安心安全な職場文化の構築ということでお話ししたのは、大切なことは教員同士が互いの変化や悩みに気づき、声を掛け合える関係性を築くことです。校長先生をはじめとする管理職の皆さん、日々必ず1人1人の先生方に声をかけ、その努力を認め褒めることを欠かさないでください。そして、また教職員に対しては、隠れた悩みや弱さの声に耳を傾けて欲しいということで、皆さんに何でも言い合えるそういった文化を作ってください。キラッと生き生きあったかい職員室を作ってください。という話をしたことでした。このことについては、オンライン以外でも、それぞれの教職員にペーパーとしても電子版ですけれどもお渡ししたところです。これからもですね。特に若年教員のメンタルが増えている状況もございますので、皆が何でも語り合えるそういった文化の構築に努めてまいりたいと考えています。
●中根議員 どうもそれぞれありがとうございました。
知事には後でお教えしたいと思います。
教育委員会の方は、本当に先生方がしっかりと休めるような時間を確保するとか、もう労基法の最低基準のところまでも、今一度練り直しなければならない、そういう実態ですので、是非、知恵を出していただきながら、手待ち時間ではない休息を先生方にも取っていただけるような計画を作ってもらいたいというふうに思っています。
マイナンバーカードは任意のものです。これに紐付けたいろんなことを次々と拡充しないように求めるものです。以上で、終わります。