議会報告

  • 2026年05月20日
    2026年2月議会 はた愛議員の「自衛隊員の処遇改善及び退職自衛官の再就職促進に関する意見書」(案)反対討論(2026.03.24)

●はた議員 

私は、議発2号「自衛隊員の処遇改善及び退職自衛官の再就職促進に関する」意見書案に、反対する立場から討論を行います。
 少子化の中、あらゆる分野で担い手不足が進行していますが、賃金や労働時間、配置基準の改善など、各分野の原因に基づき、改善策が必要なことは言うまでもありません。
防衛省においても2024年度には、長期間、任務で拘束される護衛艦や潜水艦の乗組員手当の増額。2025年度には、航空管制官手当の新設や災害派遣等の手当の引き上げなど、30を超える手当の新設・増額が行われました。2026年度予算案には、「人的基盤の強化」として、関連経費5,814億円が計上され、給与・手当の見直し、隊舎の整備などが改善される流れとなっています。
 自衛隊は、憲法9条のもと専守防衛の組織として設立以来、1人の外国人も殺さず、1人の戦死者も出していない、世界でも誇るべき存在です。
そして、各地の災害現場で、危険な中、国民の為に奮闘する姿は、多くの国民が知る所であり、自衛隊への入隊動機で最も多いのは、「人を助けたい」「誰かの役に立ちたい」という思いです。東日本大震災直後の2012、2013年には、それまでの採用計画数を2倍に増やした目標数も超過達成したことに現れていると思います。
 現在の採用数の急減や採用者の半分が中途退職するという深刻な事態になったのは、海外で武力行使に道をひらく「戦争国家づくり」の影響と、ハラスメントが横行する旧態依然の組織のあり方にあることを直視する必要があります。
 自衛官の応募者数は、2015年度に大きく減少していますが、この年の9月には、集団的自衛権の行使容認など、米軍のあらゆる戦争に参戦可能な安保法制が強行され、海外で武力行使する危険が現実化したからです。
2022~2023年度にかけても大幅に減少していますが、2022年12月には、敵基地攻撃能力の保有や軍事費の2倍化などを盛り込んだ、「安保3文書」が決定され、日米共同訓練の激しさが増したことも影響しています。
2023年5月1日の西日本新聞には、20年間、募集相談員を務める男性の声として「『子どもが戦場に行く恐れがある』と自衛隊を不安視する親が増えた。従来なかったことだ」と紹介されています。
そして、今年の2月28日、イスラエルとアメリカがイランへ大規模な先制攻撃を行い、一国の指導者を殺害し、小学校への攻撃では、170名もの、子どもを含めた尊い命が突然、奪われるという犠牲が出ています。先制攻撃は明らかな国際法違反です。
しかし、日本政府はイランを批判しても、アメリカを批判しておらず、不安が広がっています。
また、人権問題では、2022年、元自衛官の五ノ井里奈さんが自衛隊の中で受けた性暴力を告発し、自衛隊内にハラスメントが横行していることが広く知られることになりました。
防衛省は、防衛大臣が命じて行う「特別防衛監察」による調査を実施しましたが、隊員の申告が組織的に妨害され、申告者は全隊員のわずか0・6%にとどまる中、調査が強制的に終了されました。
「自衛官の人権弁護団」が、被害当事者らを対象にした調査では、約9割が「今のハラスメント根絶の取り組みは有効と思わない」と回答しています。
また、特別防衛監察で被害を申告した人を対象にした調査では、回答者の5割強が申告後「退職を強要された」や「言いがかりをつけられ処分されそう」など、不利益な扱いを受けたとしています。
2023年8月に出された特別防衛監察の結果報告では、ハラスメント(被害)の申し出の1,325件中、懲戒処分は8件のみです。
しかし、ハラスメント被害を受けた現職自衛官の国賠訴訟は、相次いでいます。
2023年4月当時、二十歳の護衛艦乗組員の自殺は、上官のパワハラが原因などとして、遺族が国を提訴しました。昨年の8月に、国は「長時間労働に従事させ、強度の心理的負荷をかけた」ことを認め、和解をしています。
また、2025年11月の財政制度分科会・防衛資料では、人口減少のもとでの自衛官確保について、わざわざ「組織文化の改革」の重要性を指摘しています。
私たちは、自衛隊員を海外での無法な武力行使に加担させることには反対です。
専守防衛に徹することを求めます。旧帝国軍隊の悪しき伝統を一掃し、ハラスメントのない近代的な組織改革こそ、求めたいと思います。
自民党提出の意見書案は、自衛隊員減少の重要な要因である、命を危険にさらす戦争国家づくりやハラスメントの横行・隠蔽など、組織体質には、まったく触れておらず、真の問題解決にならないことから、賛成できないと判断いたしました。
以上、各議員の賛同を求めまして、議発2号に反対討論といたします。