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- 2026年07月01日
- 議会(質問・討論)
- 2026年6月議会 中根佐知議員の代表質問(2026.06.30)
【質問項目】
・中東情勢
・嶺北での低空飛行訓練
・特定利用港湾・空港
・消防広域化
・県民体育館再整備
・部活動の移動の安全のために
・生活保護費の追加給付
・不登校の介護休業制度利用
●中根議員 私は、日本共産党を代表して質問をいたします。どうぞよろしくお願いいたします。
【中東情勢】
●中根議員 まず、中東情勢について知事の政治姿勢をお伺いします。イランと米国の戦闘終結を定めた覚書が、6月17日、両国の首脳の署名で発効しました。
2月28日に、米国とイスラエルの国際法違反の攻撃で始まった危機は大きな転機を迎えたかに見え、合意には、ホルムズ海峡の開放、米海軍によるイランの海上封鎖の解除、段階的な制裁緩和が含まれています。しかし、署名後も海峡周辺で攻撃の応酬が続き、まだまだ予断を許さない状況です。完全な解決、平和の確立にむけて事態が前進することを強く願うものです。
大義も、明確な目的もない米国の国連憲章違反の暴挙がもたらしたホルムズ海峡封鎖の影響は、世界的な原油高と供給不足を生みだし、その影響は、ガソリンなどの燃油だけでなく、プラ製品、合成ゴム・繊維、そして塗料・溶剤など石油化学製品、肥料など広範囲に及んでいます。日本共産党県議団としても、5月22日、県に対して緊急、要望をしたところです。影響は極めて深刻です。
東京商工リサーチ高知支店が県内企業に実施したアンケートでは、8割近くの企業が「事業活動にマイナス」と回答し、その理由について、「原油由来の素材・原材料の高騰によるコスト増」(84.84%)と「ガソリン価格の高騰」(72.72%)となっています。JA高知県の資料では、農業用ビニール、包装用フィルムが3割~4割と高騰し、農業用プラスチック製品の納期遅延、欠品の発生が示されています。
全国商工団体連合会の影響調査(4月21日発表)では影響が「ある」との回答が約6割、「今後ありそう」を含めると9割で、影響の内容は、仕入れ・資材の高騰が約8割、「調達困難」が約5割、売上・利益減少がそれぞれ4割強となっています。
「どんな支援策が必要か」の問いには、「燃料・光熱費への直接支援」66%、コロナ禍で実施した「持続化給付金」「家賃支援給付金」のような支援50%、税・社会保険料の納付猶予・減免45%、資金繰り支援が35%となっており、直接支援を強く求めるものとなっています。
医療や介護、障害福祉、保育など公定価格で運営している分野はコスト高を価格に転嫁できません。特別の対策が必要です。医療分野では「医療用グローブ、医療用ガウン等の不足や値上げが起きており、患者のいのちを守れない状況が発生しかねません。物資の優先配分、値上げに対応する補助金の支給」をもとめる声(東京保険医協会)や、介護・福祉・保育分野では全国社会福祉協議会によると「使い捨て手袋」「紙おむつ類」「使い捨てエプロン等のプラスチック製品」等の衛生用品や消耗品の供給に極めて深刻な影響が及んでいます。これらの物品は、利用者の生活に直接かかわるものであり感染症防止にとどまらない、尊厳ある生活を支えるための必需品です、と資材の確保とコスト増への緊急対策、公定価格の追加的見直しを要望しています。どの分野も極めて深刻です。
この状況は、ホルムズ海峡封鎖が解かれたとしてもすぐには改善しません。同地域にある石油・ガス田関連施設、輸出ターミナルなど80カ所以上のエネルギー関連施設が損傷をうけ、その3分の1以上が深刻な被害を受けています。国際エネルギー機関IEA事務局長は、危機前の供給水準に戻るのは、最大2年を要すると分析しています。
思い切った直接支援をしないと、倒産、廃業などにより社会の基盤そのものに深刻なダメージを与えることになることは必至です。
◆緊急事態だと思います。社会をさまざまな分野で支えている方々の心が折れないよう、力強い支援が必要です。6月補正にも一定の対策がとられていますが、今後どのような支援が必要と考えているか、知事にお聞きします。
○県知事 中根議員のご質問にお答えをいたします。
まず、中東情勢の影響を踏まえました今後の経済活動への支援につきまして、お尋ねがございました。
中東情勢に端を発しました原油価格の高騰や資材不足などの問題は県内経済におきましても、幅広い分野に影響を及ぼしております。県におきましては、庁内に設置しております特別経済対策プロジェクトチームにおきまして、各産業に生じている問題の把握に努めております。
本議会におきましても、生活者や事業者への物価高等対策として電気・ガス料金などへの支援に関しまして、補正予算を提案いたしております。また、あの今年の秋以降に想定をされます季節的な要因といたしましては、例えば農業分野におきましては、冬場にハウスの加温のため、より多くの燃料が必要になる。医療分野におきましては、季節の変わり目や冬場など、感染症の流行期に医療需要が高まり、多くの医療資材が必要となるといった要因が考えられます。
今後も、このチームを中心に各業界分野の影響をきめ細かに把握をいたしますとともに必要な対策を臨機応変に検討してまいります。
中東情勢が不透明な中原油価格の高騰による影響が、さらに長期化することも念頭に置く必要があると考えます。その場合、国にさらなる財政措置を求めていくということも含めまして、経済社会の様々な分野を支えておられる事業者の方々が、当面の経営上の難局を乗り切るために必要とされる対策、あるいは将来にわたって、持続可能な事業構造への転換を図るために必要な対策、こういったものを見極めまして、重点的に取り組んで参りたいと考えております。
●中根議員 今回の危機は、過度に石油に依存した社会への警鐘だと受け取るべきです。
石油は有限でありあと数十年ともいわれています。世界最大の産出国アメリカの埋蔵量は、消費量の11年分でしかありません。重大なのは、油田の質が大きく低下していることです。「石油を掘るのに要したエネルギーの何倍、石油が採れたか」というエネルギー収支比「EROI」といいますが、かつては100倍の石油が採れたのに、今では10倍程度であり、シェールガスなどはさらに効率が悪いと分析されています。このEROIの数値が3を切ると、掘り出した後の精製、輸送、販売などにかかるコストをまかなえなくなり、エネルギーとしての価値を失います。石油はあっても掘れないポイントに近づいています。
◆気候危機対策としても、持続的な経済、一次産業のためにも、たとえば代替製品の開発、重油の使用の削減など、脱炭素の取り組みをいっそう加速させることが大事だと思うが、知事にお聞きいたします。
○県知事 次に中東情勢の影響に関連いたしまして、脱炭素の取り組みの加速化が必要ではないかと尋ねがございました。我が国ではご指摘もありましたように、化石燃料のほとんどを海外からの輸入に頼っております。
中でも原因はホルムズ海峡を経由する中東地域への依存度が9割を超えております。今回の中東情勢の緊迫は、原油、代替、調達などのエネルギーの安全保障を改めて考えるきっかけとなりました。こうした中、国はホルムズ海峡を経由しない原油の代替調達を進めております。7月には必要となる原油量を上回る調達ができる見通しとなっていると承知しております。
さらに、国は化石燃料を中心の産業構造を脱却するGX=グリーントランスフォーメーションを強力に推進する方針を示しております。この方針によりますと、再生可能エネルギーなど脱炭素電源の発電割合を現在の約3割から2040年度には最大7割程度まで引き上げるというこういった野心的な目標が掲げられております。こうした目標と共に、電力消費の面では省エネをさらに進めていくという方針が示されております。
本県におきましては、これまでも高知県脱炭素社会推進アクションプランによりまして、再生可能エネルギーの導入促進、省エネの推進、更にはグリーン化関連産業の育成、こういった取り組みを進めて参っております。
具体的には太陽光発電の整備への支援、農業用ハウスなど生産現場での重油の使用量の削減につながりますヒートポンプの導入などの支援も行ってまいりました。また、例えば竹繊維を活用することで、石油由来原料の使用量を削減いたしました新素材バンブープラスのようなグリーン化に資する製品などの開発も進めております。
本県ではアクションプランを毎年バージョンアップ致しております。国の動向も踏まえまして、またこれに呼応いたしまして、より効果的な脱炭素の取り組みの推進につきまして、引き続き取り組んで参りたいと考えております。
【嶺北での低空飛行訓練】
●中根議員 次に、嶺北での低空飛行訓練についてお伺いします。
「空の暴走族」と呼ばれ、全国で爆音をまき散らすこの米軍機の低空飛行訓練が顕著になったのは、1980年代以降です。本県では過去4回もの米軍機墜落事故が発生、94年10月には早明浦ダムに墜落、米軍パイロット2名が死亡したその事故から今年で32年です。今も爆音を轟かせながら超低空で飛行訓練が傍若無人に行われています。今年5月6日、地元住民の方が大川村役場前から撮影した動画をご覧ください。どうぞ見てください。いつも2期編成で飛来をすることが多いのですが、この日は4機飛来しました。そのうち2機が通り過ぎ、4機目、一番最後の画像を見ていただきたいと思います。
*動画(4機飛来したうち最後の1機の動画)
大変短い画像でしたけれども、(議場の規定で)音は流せません。大変残念ですが、ものすごい爆音です。低空飛行解析センターのフェイスブックで公開されていますのでご覧になられる方は、ぜひその爆音をお聞きいただきたいと思います。
32年前も機体を大きく傾けかなりの重力加速度がパイロットにかかり失神したことが事故の要因だという事ですが、今回もご覧いただいたように、機体を90度傾け、山の稜線の下を旋回するそんな状況でした。
県北部、嶺北地域などいわゆるオレンジルート直下や周辺に多くの民家や公共施設、ヘリポートがあります。2020年に濵田知事が防衛大臣、外務大臣に宛てた要請文でも、「医療救急活動等のため消防防災ヘリやドクターヘリが日常的に飛行していることから、万々が一の衝突事故への不安も強くある」と記しているように「空の救急車」と「空の暴走族」との衝突はいつ発生してもおかしくない状況が今なお続いています。
99年の低空飛行訓練に関する日米合意は「人口密集地域や公共の安全に係る他の建築物(学校、病院等)に妥当な考慮を払う」としていますが、そのような「考慮」が払われているとは言いがたい、米軍最優先です。低空飛行訓練は、「ルート型」だけではありません。自衛隊の訓練空域を独占的に使用しての訓練が、高い頻度で行われています。加えて各地の目撃証言によれば、米軍はしばしば自ら設定したルートすら外れて飛行しています。
日本政府は自衛隊空域を除き、訓練の詳細はおろか、ルートさえ把握していません。米軍は日本政府に通知することなく、ルートを自由に設定し、自由に使用しているのです。いったい、この国の空は、だれのものなのでしょうか。
◆日本政府にいくら抗議しても改善されず、もどかしい思いです。県民の命を守るため、米軍に直接、超低空飛行訓練の中止、事前の情報公開など求め強く抗議すべきです。米軍に対し、直接働きかけを行うつもりはないのか、知事にお聞きいたします。
○県知事 次に米軍の超低空飛行訓練に関しまして、米軍側に直接働きかけを行ってはどうかというお尋ねがございました。
県民の皆さんの生命や財産、そして生活を脅かすような米軍機によります超低空飛行などの異常な訓練につきましては、何としても中止を求めるべきものと考えます。また、米軍機の目撃情報が多い、いわゆるオレンジルートにおきましては、ドクターヘリ、あるいは消防防災ヘリも日常的に活動しております。こうした米軍機の訓練は先ほど申し上げましたような民生用のヘリの安全運行をも脅かすものという風に考えております。
こうした訓練に対しまして、議員から米軍に対して直接中止の働きかけをしてはどうかというお尋ねがございました。我が国と米国との安全保障上の意思疎通の枠組みが決められております。これに沿いますと、県が国の頭越しで米軍に直接申し入れを行うということは難しい面があるという風に考えます。
このため、県ではこうした訓練の中止のほか、訓練のルート時期に関する事前の情報提供などにつきましては、国から米軍に対して強く要請をしていただくように国に対して繰り返し求めてまいりました。
加えて全国知事会と連携をいたしまして、関係自治体や地域住民の不安を払拭するよう、十分配慮すること、あるいは事前の情報提供を行うことなどにつきまして、国への要望を毎年継続的に行っております。そうした結果、令和2年、この年は私自身が国でも行ってこうした要請を行いましたけれども、この令和2年以降を見ますと、県内各市町村で米軍機の飛行が目撃された回数は一貫して減少傾向にあります。そうした意味では一定の成果が見られているという風な形になっているのではないか、という風に認識を致しております。
●中根議員 2022年に防衛省が本山町に「観測用定点カメラ」と騒音測定器を設置しました。国民の税金で設置しているもので、県と関係市町村と動画の内容については共有することは当然です。低空飛行の実態を把握する上でも、事実を元に米軍に低空飛行訓練の中止を求めるためにも、動画の公開、情報共有はすぐにでも行うべきです。防衛省に対し強く求めていただきたい。
沖縄県は県独自で低空飛行の実態を測定する監視カメラを嘉手納基地に5台、普天間基地に4台設置し、騒音測定器は嘉手納基地に8台、普天間基地に7台、那覇空港に4台設置しています。カメラの動画情報は飛行する機種の認定で活用し、日常的に実態を把握しています。
◆動画撮影された大川村や本山町など、県独自で監視カメラを設置することを求めるものです。知事にお伺いいたします。
○県知事 次に、県独自で米軍機の監視カメラを設置してはどうかというお尋ねがございました。県では米軍機の飛行の実態を日常的に把握する目的で、県内6か所に騒音の測定器を設置いたしております。この騒音測定器は住民の皆さんから目撃情報があった場合に、その際の時刻、測定値を事後的に確認する、こういうために活用いたしております。このため、米軍機が到来したという事実を客観的に裏付けるデータを確保すると、こういう目的の達成という観点からは現状のこの騒音器の設置で要は足りているという状況でございますので、新たにコストをかけて監視カメラを設置する必要性は乏しいのではないかという風に考えます。また、ほぼ今日では多くの県民の皆さんが既にスマートフォンを保有されております。先ほど議員からご紹介いただいたような動画が比較的容易に撮影ができるという環境になっているということでございます。
従いまして、米軍機によります低空飛行を確認するために映像データが必要だと、これが従前の騒音測定器に加えて、映像データが必要だという場合に県民の皆さんから映像データの提供を呼びかけるという方法によるのが合理的ではないかと考えまして、今後具体的に検討していきたいという風に思っております。
【特定利用港湾・空港】
●中根議員 次に特定利用港湾・空港について、お伺いします。
今月3日から7日、高知新港に海上自衛隊護衛艦「ひゅうが」がオスプレイV22を積載し寄港、高知県内にオスプレイが持ち込まれたのは今回初めてです。自衛隊による特定利用空港・港湾の利用が制度開始の2024年4月から今年4月まで計1万1906回に上ることが日本共産党山添参院議員の調査資料で明らかになっています。
2024年3月に県内3つの港湾が特定利用港湾に指定されて以来、これまでの自衛隊艦船の寄港の状況は、高知新港に11回、須崎港に3回、宿毛湾港2回でした。この中で、昨年10月には「令和7年度自衛隊統合演習」が須崎港と香南市で初めて行われました。これは日米豪の共同演習の一環で、「日米豪の相互運用性の向上も図る」とするものです。須崎港には海上自衛隊訓練支援艦「てんりゅう」と油槽船が入港。海路と陸路で広島の呉基地から高速標的機の模型を運び、燃料補給の模擬訓練を、そして、香南市では電磁波発射の訓練を実施しています。これまで指摘してきたように、特定利用港湾は有事の際、攻撃の対象となりえます。このまま寄港が常態化し、さらに日米共同演習等が増加することは、郷土の軍事基地化につながり到底認められません。
さらに国は、高知龍馬空港を特定利用空港として今年4月に指定しました。高知空港は戦前海軍航空基地として住民の土地を収容し作られ、戦後住民からは土地を戻してほしいと要請されましたが、民間空港としての整備を行い今に至っています。当時の日章村民は、空港が二度と戦争に利用されることがないことを条件に泣く泣く先祖から受け継いだ土地を国に譲渡する苦渋の選択をしています。
◆このような経緯を知事はご存じでしょうか。また、高知龍馬空港の特定利用空港指定は、当時の住民が危惧していた空港の軍事利用につながると考えますが、知事にお伺いいたします。
○県知事 それから、次に高知龍馬空港の特定利用空港の指定につきまして、過去の経緯について、また当時の住民が危惧したいわゆる軍事利用に繋がるのではないかという点についてのお尋ねがございました。
高知空港をめぐりましては、戦後農地として返還を求める住民が飛行場の再開に反対をしておられたこと、また当時の村長に対し、もし飛行場が軍用に使われることになったら、どう責任を取るのかと詰め寄ったと言ったようなことがあったということ、こうしたことが、県が昭和59年に刊行いたしました「高知空港史」という冊子に記載をされているということを承知しております。
このお尋ねがありました特定利用空港でありますが、我が国の安全保障環境を踏まえまして、自衛隊や海上保安庁と空港管理者との間で、平素からの円滑な利用に関する枠組みを設ける、そういった性格のものでございます。国はこの枠組みにつきまして、自衛隊や海上保安庁の優先利用であるとか、新たに自衛隊の駐屯地などを設置するといったようなことを目的とするものではないとの見解を明らかにされています。
一方で、武力攻撃事態など、いわゆる有事の際にはこの特定利用空港に指定されているか否かにかかわらず、いわゆる有事法制に基づきまして、必要に応じて自衛隊の優先利用が行われるとこうした法的な整備が行われております。このように考えますと、特定利用空港の制度はあくまでも平時におきます訓練等での空港の利用を対象とした枠組みでございます。特定利用空港に指定されたことが直ちに有事における軍事利用の対象とされることを意味するものではないという風に考えているところであります。
●中根議員 ◆県は国に対し、県民の理解が得られるよう丁寧な説明や情報提供、県民や利用者の安全に万全を期し、事故があった場合は国が責任を持って対応することなどを申し入れたということですが国の対応はどのようなものだったのか、知事にお伺いいたします。
○県知事 次に、この特定利用空港の指定に関し、県から申し入れを行った際の国の対応はどうであったかというお尋ねがございました。
昨年8月に国の職員が県庁を訪れまして、高知龍馬空港を特定利用空港の対象候補とすることについて説明がありました。この際、県からは3点を申し入れております。
第1に、国において、県民の理解が得られるよう丁寧に説明を行う。そして、県民からの問い合わせに対しては、国が責任をもって対応すること。第2に民間の利用を優先し、県民生活に影響が出ないようにすること。第3に県民や利用者の安全に万全を期し、事故があった場合は国が責任を持って対応すること、こうした3点を申し入れたところでございます。
これに対しまして、国からの回答は1つ目に広く国民に周知することの重要性について認識をしている。2つ目に周辺住民、民間事業者の活動への影響が最小限になるよう努めていく。3つ目に安全対策には万全を期し、必要な対応を行っていくといった内容の回答でございました。
また、本年4月に特定利用空港に指定がされた際にも改めまして、県から同様の申し入れを行いました。国からは、今後も丁寧に対応していきたいとの回答を得ているところでございます。
今回の指定につきまして、県民の皆さんの中に不安を感じられる方がおられるということは、私も承知をいたしております。国に対しましては、今後も機会を捉えまして、地元自治体に対する適時・適切な情報提供、あるいは県民の皆さんの理解を得られるような丁寧な対応を求めてまいります。
【消防広域化】
●中根議員 知事は今年4月22日、消防広域化に関して消防庁の大沢博長官に政策提言を行い、財政支援に加え県の権限強化をもとめました。この行為は、県一化をめぐる知事の拙速、強引なこれまでのやり方に対する市町村の不信をさらに拡大し、協議に困難をもたらすものと考えます。
そもそも、市町村からの丁寧な聞き取りもなく、広域化の前提となる人員体制・給与、通信機器の統一のコストなど、現場と時間をかけて積み上げた試算もないまま、「おおむねコンセンサスは得ている」と4Sプロジェクトの目玉として「日本初」のスローガンのもと、28年度に県一本化をスタートさせようとしたことに端を発しています。結果、多くの自治体から、不安、異論が出て、法定協発足の一年延期、職員の処遇・シフトなどの格差は当面そのままで、指令システムの統合を、高知市と土佐市が共同で運営している指令システムの更新時期にあわせ、県一化のスタートを最長34年として検討していくものとなりました。
今年の2月議会で、人口減少対策総合交付金の基礎配分の中に、県の4Sプロジェクトへの参加の有無で交付金に差をつける仕組みを導入したことは、県と市町村は対等であると定めた地方分権改革に逆行すること、率直な議論を妨げるもので、県と市町村間での信頼・協力関係を崩すものではないか、と質しましたが、知事は、「協議の場から離脱する市町村からすると、ペナルティと受け止められる可能性は否定しない」と答弁し、力技であることを否定しませんでした。消防庁への提言は、この流れの中での県の権限強化についての政策提言となります。
市町村は、住民にもっとも近い基礎自治体として、住民利益を第一に努力していますし、今回の広域化の協議にしても、そうした立場から不安や意見を述べているわけで、必要なことは、県の権限強化ではなく、丁寧な議論と段取り、合意の形成です。「日本初」かどうかは、住民にとっては何の関係もありません。住民の利益となるのは、納得ある政策決定です。昨日閉会した高知市議会では、検討委員会が設置されることが決まりました。
◆今回、知事が大沢消防庁長官に行った政策提言の「県が強いリーダーシップを発揮できる法律上の権限の付与」「市町村への指示、勧告」については、県と市町村の対等という地方自治の原則を棄損するものではないか、また法定協への参加などは地方議会の議決が最優先されると思うが、知事にお聞きします。
○県知事 次に消防広域化に関します。国への政策提言と地方自治の原則との関係、あるいは法定協議会へ参加するための地方議会の議決の性格などについてお尋ねがございました。消防組織法におきましては、消防は市町村の事務というふうに定められております。
ただ、この法律は同時に県によります関与につきましても、根拠の規定が置かれておりまして、市町村の消防が十分行われるよう、市町村との連絡を行うこと、あるいは市町村相互間の連絡協調を図ること、こうしたことが県の任務として規定をされている、明記をされているということでございます。
一方、今回目指しております県一での消防広域化はただ今申し上げました消防組織法が一般的に想定していると考えられます一部の市町村との間の連絡調整に留まるものではございませんで県内34全ての市町村との間での合意が必要となるという事業であります。
さらにこうした大変多数の関係者が関係してまいりますので、利害関係も対立をし、また複雑になってくるそうした事案でありますので、この合意形成には通常と異なります特別な枠組み組が必要だという風に考えたところでございます。このため、消防本部の統合自体の是非の判断を行うに、先立ちまして、統合に向けた市町村間の協議のテーブルに付くと、この局面において、この点について、県が市町村に勧告や指示ができるといった法的な根拠の整備が必要ではないかと考えまして、提言を行ったところでございます。
もとより法定協議会ですとか、消防本部の統合に市町村が参加するかどうかということに関します最終的な意思決定は、市町村自身の判断によって行われるべきもの、これは当然だという風に考えております。
このうち法定協議会は各市町村の最終的な意思決定の前段階として、市町村間で実施計画の協議などを行う場として、協議の場として設置するものであります。このため、消防本部の統合への参加そのものではなくて、それに向けての協議の場の参加ということでございますから、県が勧告などの形で関与いたしますことは、市町村自治体の自主性、あるいは自立性を尊重いたします地方自治の理念と矛盾しない範囲で両立をしうるという風に考えているところでございます。
また、お尋ねがございましたように、市町村が法定協議会や参加するためには市町村議会の議決が必要とされておりますので、この法定協議会の参加の最終的な判断は市町村議会において下されるものというふうに考えております。
●中根議員 ◆さらにこうした提言が、これまでの県の強引なやり方の無反省とのアナウンス効果となり、市町村との率直な議論、協働に決してプラスにならないと思うが、知事にお聞きします。
○県知事 次に今回の消防広域化に関します国への政策提言が、市町村との議論や共働に与える影響をどう考えているのかというお尋ねがございました。
県ではこの問題につきまして、市町村と率直な議論を行いますために、昨年度県内全ての市町村長、消防長で構成をします検討会、専門部会、ワーキンググループなどを設けまして、丁寧に議論を重ねて参りました。この議論の過程では、市町村議会への説明などの準備期間が足りないというご意見を踏まえまして、法定協議会の設置予定時期を1年余り延長するという判断を、昨年秋いたしております。
また、消防本部の統合の進め方につきましても、全県一斉で行うというシンプルな形のほかに地域別、あるいは機能別に段階的な統合を図るという選択肢も含めて検討しようという形で軌道修正を行っております。
そういう意味で、県がベストと考える考え方を、一方的に押し付けたということでございませんで、市町村側のご意見も入れまして、必要な軌道修正を図りながら対応して参ったという風に考えております。
さらに、本年度の実務協議会におきましても、県内6つの地域ブロックごとに方面別の部会を新たに設けるといった形で、より率直に意見を交換できる、そういう環境のもとで実施計画案を検討できるという体制を整えたものと考えております。
その上で、今回の政策提言の趣旨でございますが、消防本部の統合自体の判断ではなく、その前段で協議のテーブルにつくこのことについて、県から勧告などの仕組みを整備することを求めたというものであります。先月開催いたしました本年度第1回目の実務協議会では、このことを出席されました市町村長さん方などに私自身の口から直接説明をさせていただきまして、ご理解を求めました。
また、さらに申しますと、今回の政策提言が現に進めております広域化の取り組みの適用を目指すというものでは必ずしもなく、むしろ今後、人口減少がさらに進行した局面の対応策としまして、制度的に市町村合併以外の選択肢を整えておく必要があるのではないかと、こういう趣旨で行った提言であるということも、併せて市町村長などにお伝えをしたところでございます。
つまり、現在市町村が行なっております行政事務のうち、例えばこの消防ですとか、教育、福祉といったように、国が行政サービスの水準を事実上決定している部分につきましては、人口減少に対応してスケールメリットを働かせるという必要が生じました場合に行政分野ごとに市町村間での共同処理であるとか、あるいは国や県による事務代行こういった選択肢も準備しておくことが必要ではないかということが私の考えでございます。
もうそうしないと道は市町村合併しかないということに追い込まれかねないということではないかと思います。このような道をバイパスとして設けておくことによりまして、市町村が行います行政事務の範囲を、例えば地域の文化や伝統の継承ですとか、地域の活性化といった分野に限定をしまして、住民意思を集約する、そういった役割に市町村が特化をしていくということによりまして、市町村合併を強いられずに、現行の市町村を残しながら人口減少下での持続可能な行政体制を整備するこういった別の道が可能になるということに端を発して、今回の提案をさせていただいた、提言をさせていただいたということをご説明を申し上げました。
その意味で、今回の国への提言は、将来的な超長期の我が国の地方自治のあり方を展望して行ったものであります。県一消防を目指します現在の取り組みに当たりましては、市町村や消防本部の思いをしっかりと汲み取りながら、今まで以上に丁寧に議論を進めてまいる考えであります。
【県民体育館再整備】
●中根議員 次に、県民体育館再整備について、お聞きいたします。
6月10日に開かれた第11回新県民体育館整備等基本計画検討会で、基本計画(案)が了承されたことを受けて、本議会に基本設計・実施設計を含む関連する予算案が提案されています。
あまりに拙速です。
令和6年度のあり方検討会から、議論に携わってきた前田・前検討会委員長が、新年度の検討会の委員を固辞するという異例の事態があり、抜本的な計画見直しが求められましたが、大きく内容を見直すことなく決定された基本計画に、機能不全が生じる強い懸念を持ちます。
狭い敷地にMICE=見本市など開催機能、プロスポーツやコンサート等興行機能、プール、武道館、県民の日常使いとしての社会体育施設、さらに地下駐車場といったあらゆる機能を詰め込み、そのどれもが中途半端になるのではないかという根本問題は、何ら解決していません。
県民に求めたパブリックコメントでも、全体の7割が、明確な反対も含め「慎重」な意見を寄せ、この計画への懸念が広がっています。
基本計画の最大の問題点は、県政の主役であり、体育館を使う主体であるはずの県民の声が十分に生かされていないことです。県民の声を聞き、新県民体育館整備に生かすことが県の責務です。最後の検討会で各委員から県民への丁寧な説明を求める意見が相次ぎ、石塚委員長は「見直しや修正が必要な点が出てくるかもしれない。その都度、県民に意見を求め、修正を含めて対応するようお願いしたい」と発言。県も「懸念が完全に払拭されたとは思っていない、今後も分かりやすく説明しながら、払拭に努める」と応じています。6月18日には、県民から、計画の見直しを求める署名1,906筆も提出されています。県には、県民の声を聞く丁寧な合意形成の姿勢が求められます。
しかし、当初、県は、パブリックコメント期間の途中で検討会を開き基本計画(案)を決定する日程を提案するなど、決定を急ぐ姿勢を露わにしてきました。実際に、検討会終了から、わずか2週間という異例の短期間で予算案を提案しています。
知事は、工期を急ぐ理由を記者会見で問われ、次のように述べています。
「(部局への指示で)次の知事の任期末が、13年年末ですから、分かりやすく、急げという意味の趣旨で、これが14年になると次の知事の任期にも間に合わない、公約にもできないという話もした」。重大な発言です。
◆知事の任期・公約という政治的都合で建設を急がせ、県民の声を丁寧に聞き合意形成をする民主主義的なプロセスを軽視した、と受け取らざるを得ない発言ですが、知事の認識をお聞きいたします。
○県知事 次に県民体育館の再整備に関する私の記者会見での発言、説明についてお尋ねがございました。
現在の県民体育館は老朽化が進んでおります。また、最新の技術に対応した設備の水準を満たしていないということでございまして、利用者の安全性、利便性を確保するためにも早期に再整備する必要があると考えます。
また、現有地での建て替えを行いますので、既存施設の解体から新施設の共用開始までの間、一時的に利用できない期間が生じることになります。そのため、県民のスポーツ活動への影響をできるだけ小さくする観点からも、可能な限り工期を短くする必要があります。
さらに再整備する県民体育館は、プロスポーツやコンサート、大規模展示会の開催などを通じまして、新しい人の流れ、にぎわいを生む地域経済の活性化にも寄与する施設として整備したいと考えております。その効果を1日でも早く県民の皆さんに実感をしていただきたい、そうした思いで私はいっぱいでございます。
こうしたことから議員からご指摘いただきました発言につきましては、担当の部に対しまして、私からできるだけ早く共用開始を目指してほしいという趣旨で指示をしたものであります。より具体的に、状況も含めてご説明申し上げますと、この基本計画の検討過程、最終に近い段階でございました。けれども、担当の部からこの整備の時期、完成する時期の目処につきまして、人材や資材不足などのリスクを考慮した専門家の意見を踏まえると、この共用の時期は当初考えておった令和11年度末から3年程度遅れる令和14年度にずれこむこととならざるを得ないのではないかという報告を受けたところでございます。
その際、私といたしましては、それでは、この施設の完成は令和14年度にずれこむということになりますと、今から数えますと6年先というようなことになる、知事は任期4年という中でですね、どういった業績を上げていくかということを県民の評価をいただくという立場にありますので、そういった意味で6年先という話ではなく、もっとスピード感を持って整備を進めてもらいたい、その分、多少リスクはあるかもしれないけれども、もっと短い期間での整備を再検討してもらいたいという風に指示をした。そうした経緯でございます。
一方、県民の声を聞くということに関しましては、これまでも検討会におきます議論、利用者の皆さんへのアンケート、パブリックコメントこうしたものを通じまして、幅広くご意見を伺ってまいりました。今後も県民の皆さんへの説明を丁寧に行いながら、事業を進めて参りたいというふうに考えております。
●中根議員 ◆あわせて、知事から工期設定について、具体的にどう指示を受けたのか、観光振興スポーツ部長にお伺いします。
○観光振興スポーツ部長 まず、県民体育館の工期設定に係る知事からの指示についてお尋ねがございました。
基本計画の検討を進める中で、施設の機能や規模がおおむね整理された段階で設計の専門家が工期を精査した結果、供用開始が当初の令和11年度末より2年から3年遅れる見込みとなりました。
遅れる主な要因としましては、複数の施設を集約化することで当初の計画より延べ床面積が約1.6倍に増えたこと。慢性的な人手不足に加え、全国的に大規模な事業が集中しているといった建設業界の事情などでございました。こうしたことを受けまして、庁内において、事業手法やスケジュールについて協議を行いました。
知事からは県民の皆さまにご不便をおかけする期間を短くし、少しでも早く新しい体育館を利用していただけるよう、早期の供用開始を目指して最大限努力するよう指示がございました。その際、たとえ話として政治家としてのお考えについてもお話があったところでございます。
こうした協議を行う中で、専門家に再度意見をお聞きし、発注方法を工夫することなどで、令和13年度半ばの供用開始が可能であると判断し、協議して決定したものでございます。
●中根議員 そもそも、パブリックコメントに付された基本計画(案)自体が、過大なシミュレーションを元に経済効果等を算出しており、県民に計画の実像を知らせるどころか、ミスリードする内容になっています。年間利用日数のシミュレーション自体は計画(案)に掲載さえされていません。
県が示してきた「年間利用シミュレーション」によれば、いわゆるプロスポーツチームが県内に創設された「する+みるスポーツ」時期(第7回検討会では「充実期」)で、メインアリーナは音楽コンサートが8回、プロスポーツは30回の開催となっています。しかも、30年間の試算で、25年をこの「する+みるスポーツ」時期に当てています。明らかに、過大な試算です。
◆シミュレーション自体がパブコメの際に、公開されていないのは、この過大な試算を隠したものではないか、観光振興スポーツ部長にお聞きいたします。
○観光振興スポーツ部長 次に、経済波及効果などに関するシミュレーションの公表についてお尋ねがございました。
経済波及効果等につきましては、他県の体育館やアリーナの利用実績、高知ぢばさんセンター大ホールでの展示会などの開催実績などを参考にしながら、個々の利用を積み上げる形で試算を行ったものでございます。
このシミュレーションは施設規模や事業効果を検討するための材料の1つとして作成したものであり、その試算の考え方や積算内容につきましては、検討会において資料としてお示ししてまいりました。
また、その資料につきましては、検討会の開催に合わせて県のホームページでも公表しているところでございます。
一方で、今回のパブリックコメントにつきましては、まずは県民の皆様に基本計画の全体像をご理解いただくことが重要であったと考えております。
こうした考えのもと施設整備の効果をできるだけ分かりやすくお示しするため、現時点で想定している経済波及効果の試算の概要を計画案に盛り込んだものでございます。今後も、県民の皆様にとって必要な情報を、事業の進捗に応じて公表しながら分かりやすく丁寧な説明に努めてまいります。
●中根議員 検討会の議論でも、委員から「コンサート年8回はハードルが高い」と意見が出されていました。プロスポーツチームの創設は、県自らが「県内外を含めて企業が協力的に支援していただかないと難しい。高知県としてもプロのチームがなかなかできないのはわかっている」と認めています。それが6年目には、創設されているという想定です。
◆検討会委員や県自らも難しいという数字を希望的観測として入れ、経済効果を算出し基本計画(案)を示したことは、県民を欺く行為と考えますが知事の認識をお聞きいたします。
○県知事 次に、県民体育館の再整備によります経済波及効果の計算方法についてお尋ねがございました。
経済波及効果につきましては、他県のアリーナにおきます開催の実績あるいは県内で開催されております競技大会あるいはイベントの実績、こういった状況を踏まえまして、年間の利用日数を積み上げて試算をいたしました。また、その内容につきましては、検討会において資料としてお示しをいたしまして、委員の皆様から様々なご意見をいただきながら、議論を重ねて、合意に至ったそういうものでございます。ただ一方で、もとよりこうしたシミュレーションはあくまで現時点におきまして、想定しうる条件下で試算をしたものにとどまっておりまして、将来の利用状況によって現実には変わりうるという風に認識をしております。
従いまして、今後設計を進めます中で、施設の機能や規模、実際にどのように利用されるかといった精緻な利用形態を想定していくということにつきまして、さらに検討を深めてまいりまいる考えであります。
その過程で見直すべき点が生じれば適切に見直しを行うそういう方針で対応してまいります。
●中根議員 基本計画自体の本質的な問題点の一つは、多数の機能を集約したため、社会体育施設を主目的としながら、その機能が十分に保障されない、使い勝手の悪い施設となっている点です。
具体的に、検討会の議論を元にお聞きします。
まず、委員から「現在の武道館の方が使い勝手が良い」と指摘された武道館の集約の問題があります。検討会では、試合場が3面しかとれないという根本問題に加え、料金が上がれば競技離れが進むと指摘されています。県は、アマチュア競技の利用料金は低めに設定するとしていますが、あくまで全体の利用料を上げる中での話です。
◆試合場が3面しかとれない武道場の具体的な運用方法はまだ決まっておらず、これから各利用団体と協議していくということか、また、利用料金は1.5倍から2倍とされているが現武道館と比べどの程度引上げられる見通しか、観光振興スポーツ部長にお伺いします。
○観光振興スポーツ部長 次に、武道館の運用方法と利用料金についてお尋ねがございました。
基本計画検討会の委員から現在の武道館と比較して、試合場の数が少なくなることによる使い勝手への懸念や利用料金の在り方についてご意見を頂いております。
こうしたご意見を踏まえまして、武道競技をはじめとする利用者の皆様が円滑に施設を利用できますよう、具体的な運用方法などについて、今後関係団体との協議を重ねながら検討を進めてまいります。
また、利用料金につきましては、新たな施設の規模や設備管理運営に関する経費などを踏まえて検討することとなります。その際には、施設の公共性や利用者の負担にも十分配慮しながら設定してまいります。県としましては、引き続き利用者の皆様の、ご意見を丁寧にお伺いしながら、誰もが利用しやすい施設となるよう取り組んでまいります。
●中根議員 また、その他のアマチュアスポーツ競技大会等にしても、プロスポーツの興行などとの同日開催は、短時間での片付けなどが強いられ、入ってくる方と退出する方が交錯するため安全面からも難しいとの意見も出されています。県は、同日開催が難しいことを認め「春野体育館など他の施設との利用調整も含めて、できるだけ開催が重複しない運用を検討」するとしています。
◆プロスポーツと競技大会等の新体育館での同日開催は、県として困難と認識しているのか、また、日程が重なった場合、競技大会等が他会場に割り振られる可能性があるということか、観光振興スポーツ部長にお聞きします。
○観光振興スポーツ部長 次に協議の同日開催についてお尋ねがございました。
新体育館につきましては、プロスポーツの試合や大規模イベント、各種、競技大会など多様な利用を想定していることから、利用規模が重なる場合には一定の調整が必要になるものと考えております。
県としましては、プロスポーツとアマチュアスポーツのいずれも本県のスポーツ振興に重要な役割を果たすものであると認識しております。
そのため、具体的な予約方法や利用調整の仕組みにつきましては、今後関係団体や施設、運営者のご意見もお伺いしながら検討してまいります。
また、日程が重なり、新体育館での開催が困難な場合は必要に応じて春野の体育館など他の施設の活用も含めて調整することとなります。いずれにしましても、協議大会等の開催機会が確保できるよう、できる限り利用者の皆様に配慮した運営に努めてまいります。
●中根議員 地下駐車場など250台を整備するとしている駐車場も、見本市などのイベントがあれば運営者が使うと想定されており、一般利用者は使えないとされています。体育館を日常使いする県民の利用が制限されてしまいます。
◆見本市などのイベントは平日にあることが予想されます。プールなどの日常使いと重なり、駐車場を巡るトラブルが起こると想定されるのではないか、観光振興スポーツ部長にお聞きします。
○観光振興スポーツ部長 次に駐車場の混雑についてお尋ねがございました。
新県民体育館の駐車場につきましては、体育館やプールを利用される県民の皆さまに加え、各種大会やイベント開催時には多くの来場者の利用が想定されております。そのため、イベントの規模や内容によっては駐車場が混雑する状況が予測されますが、施設利用者の利便性ができる限り損なわれないよう、適切な駐車場運営を行うことが重要であります。
この際、日常的に施設を利用される県民の皆様が利用しやすい環境を確保することが重要であることから、施設全体の管理運営の中で駐車場の利用方法について十分検討してまいります。
具体的な運用方法につきましては、今後検討してまいりますが、イベント開催時には公共交通機関の利用促進や周辺駐車場の活用利用者への事前周知なども含め、混雑の緩和に努めてまいります。
●中根議員 また、「大規模イベント時には、潮江緑地や旧高知南中高のグラウンド等を臨時駐車場として活用することを検討」するとしていますが、そこからのバス運行費等を主催者が負担するとすれば利用料負担増と合わせて見本市等の運営費がかさむことで、主催者が開催を躊躇することがあるのではないかと考えます。
◆見本市などの開催数が減少すれば、本県の産業振興にとって影響があるのではないか商工労働部長にお聞きします。
○商工労働部 見本市などの開催数が減少した場合の産業振興への影響についてお尋ねがございました。
ぢばさんセンター大ホールで開催されている見本市等は、県内事業者の販売開拓へ販路開拓や商談機会の創出に重要な役割を果たしております。
これらの催しの開催数が減ることになれば、県内事業者が有する製品や技術を対外的に発信する機会の減少につながることなどが懸念されます。
また、ぢばさんセンター大ホールの機能を県民新県民体育館に集約化するにあたり、大ホール利用者の利便性確保に関する要請書が、大ホールを所有する高知県産業振興センターから提出されました。
こうした要請も踏まえ、新県民体育館整備等基本計画の整備方針に見本市等の開催が可能となる規模や機能の整備を位置づけました。
引き続き関係者と密に連絡を取りながら、新県民体育館供用後もできる限り見本市等の開催に影響がないよう取り組んで参りたいと考えております。
●中根議員 また、コスト面では、代替措置との比較検討が十分にされていません。
あくまで基本計画策定の議論が、集約を前提としてきたため、集約させる施設を長寿命化して使用した場合とのコスト比較がなされていません。ぢばさんセンター大ホールは長寿命化では5億円との試算が出されていましたが、武道館、県立障害者スポーツセンターのプール、また体育館本体についての試算は出されていません。公適債は、スポーツ施設などの公共用の建築物の長寿命化も対象としています。中東情勢も不透明な状況で、当面の長寿命化も選択肢の一つです。
◆武道館、県立障害者スポーツセンターのプール、ぢばさんセンター大ホール、及び現県民体育館を長寿命化した場合の改修費は、いくらになると見込まれるのか、観光振興スポーツ部長にお聞きします。
○観光振興スポーツ部長 次に、長寿命化した場合の改修費についてお尋ねがございました。
基本計画では、新県民体育館への機能集約による効果や施設の将来的な維持管理負担などを総合的に勘案し、整備の方向性を整理しております。
現時点では、それぞれの施設について、長寿命化を前提とした詳細な改修設計を実施していないことから、精度の高い改修費をお示しできる状況にはございません。
一方で県民体育館、武道館、高知ぢばさんセンター大ホールを単純に現地で建て替えた場合と新県民体育館に集約した場合との経費については比較検討をしております。
その結果、整備コストにおける県の実質負担額は集約化により削減効果が約10億円あると試算をしております。この削減効果に加えまして、アリーナ機能を付加することができますので、プロスポーツの試合や音楽コンサート、大規模展示会などの開催を通じまして、新たな人流やにぎわいを創出でき、県経済により貢献できる施設になるものと考えております。
●中根議員 基本計画(案)に寄せられたパブリックコメントの約7割が反対を含む「慎重」な意見でした。県は重く受け止める必要があります。特に、意見が多かったのは地下駐車場の設置、また、アスパルこうちグランウンドの廃止についででした。
パブリックコメントで示された県民の懸念・意見に対して、県は従来の説明を繰り返すのみで何ら説得的な対策を示せていません。
駐車場については、やはり、長期浸水地域に地下駐車場をつくるリスクを県民が懸念しています。具体的には、「長期浸水地域に地下駐車場をつくることは常識的に考えてありえない」「地盤沈下する場所なのに地下駐車場はだめではないか」、県が対策として示した止水板・排水ポンプや土嚢についても「リスクを払拭できていない」「機能するのか疑問」との声が寄せられています。これに対し、県は、止水板や土嚢等の設置、垂直避難ルート、避難訓練という従来の説明を繰り返しているのみです。その対策に対して、県民は疑問を抱いています。
高知工科大学の佐藤愼司教授は、インタビューに答え「基本計画の止水板等の対策は、大雨の浸水対策には有効だが、津波に対して地下駐車場の浸水を防ぐというのは難しいのではないか」との主旨を述べています。
◆そもそも、止水板等をもってしても、南海トラフ地震による津波浸水を止めることはできないという認識で間違いないか、観光振興スポーツ部長にお聞きします。
○観光振興スポーツ部長 最後に、止水板等についてお尋ねがございました。
地下駐車場を整備する場合は、豪雨などの内水氾濫対策として、出入り口に止水板や土嚢等の設置により、物理的な浸水対策を講じることとしています。
ご指摘のように止水板等で南海トラフ地震による津波浸水を防ぐことは難しいと認識しております。
このため、津波浸水対策としましては、施設自体を津波に耐えられる構造とすることはもとより、地下駐車場から垂直避難ができる階段ルートを複数設置することや避難訓練の徹底など、人命最優先でハード・ソフト両面での対策を講じてまいります。
●中根議員 また、知事は、記者会見において、「地上や屋上など地下駐車場からの変更の可能性はある」とも述べています。しかし立体駐車場はJV(日本総研などの共同企業体)の回答として「立体は高さが出てくるので近隣への日影規制の問題が生じ、物理的に困難が予想される」と検討会で明らかにされています。
◆地下駐車場の見直しを示唆したのは、地下駐車場に安全上のリスクがあるとの認識からか、また、地上や屋上への駐車場設置案は、検討会で指摘された日影規制の問題も踏まえた上での提案なのか、知事にお聞きいたします。
○県知事 次に地下駐車場の見直しについてのお尋ねがございました。
建設予定地の敷地内におきまして、250台以上の駐車場を確保いたしますには、地上に加えて地下駐車場を含めることが有力な選択肢であるという風に考えております。
一方で、議員のご指摘のとおり、この地下駐車場につきましては、これまで検討会やパブリックコメントなどにおきまして、安全性を含めて様々なご意見をいただいた論点の集中した場所でもあるという風に考えております。
特に、津波浸水想定区域への整備につきまして、ご懸念をされる意見が多くございました。また、地下駐車場は危ないのではないかと感じておられる県民が少なからず、おられるという風に受け止めたところでございます。
このため、地下駐車場を整備する場合には津波対策として人命救助を最優先といたしまして、垂直避難ができる階段を複数設置する、あるいは避難訓練を徹底するといったことで、ハード・ソフト両面で対策を講じるということを明らかにして参りました。
ただ一方で、こうした議論の経過、そして県民の皆さんの心配の声を踏まえますと、今後の作業の中で地下駐車場に、大きく依存しない整備手法があるのではないかとそういった可能性を全面的に排除するのではなく、今後利用形態の想定を精査をしていく中で、より柔軟に対応することも視野に入れるべきではないかという風に私自身考えたわけでございます。そういった思いから、先日の記者会見において、もう少し、もうちょっと地上に作れないかとかですね、屋上でも考えられないかと、これはアドリブでと申し上げましたが、私がもこう申し上げましたのも、こうした思いを背景とする、そういった趣旨の発言でございます。
ただ、そうした思いからの発言でございますので、現時点で技術的ないし、具体的な裏付けを持つ代案を持って発言をしたというものではございません。むしろ、今後基本設計を行います中で、安全性や技術的な実現可能性、日影規制を始めといたします法令上の適合性、さらには事業費への影響、こういったものを総合的に勘案しながら、敷地内における駐車場の整備のあり方について、具体的な検討を進めてまいりたいと考えております。
●中根議員 今回の基本計画策定の過程は、すでに投資した時間や労力というコストを惜しむあまり、今後、損失が起こると分かっていても合理的な判断ができなくなるサンクコスト(埋没費用)効果の典型例と言えると思うんです。今後の建設費の増加を県も確実視しており、209億円とされる建設費がいくらになるかも定かではありません。
狭い敷地に、あらゆる機能を詰め込んだ弊害は、設計の困難や建設費の増大として現れます。ロシアや米国・イスラエル等の国際法を無視した侵略・攻撃で不安定化した世界情勢は、今後も物価を押し上げる不安要因です。
これらのリスクが十分に検討されているのか、拙速な決定で大きな損失を負う懸念があります。
◆設計の困難や建設費の増大など、今後整備の過程で起こりうるリスクをどう認識しているのか、知事にお聞きします。合わせて、現時点での課題などを県民と共有する住民説明会や意見交換会を開くべきだと考えますが、取り組む考えはないか知事にお聞きいたします。
○県知事 最後に、今後の県民体育館の整備課程におきます。リスクと県民への説明の機会についてお尋ねがございました。
この事業におきましては、今後建設費の変動、行程の遅れ、あるいは複数施設の一体的な整備に伴います技術的な問題、こういった問題が様々な課題として生じてくるリスクがありうるという認識はございます。
こうした変動要因につきましては、基本設計及び実施設計を行う中で、各段階において事業費や工程の精査を行って参るということを基本に対処したいと考えております。
加えて、こうした設計業務とは別に建築コンサルタントの専門的な支援も得まして、適切なコスト管理、あるいは工程管理に努めて参る考えであります。
さらに、実際に施設を利用されますスポーツ団体やコンサートやイベントの主催者などの視点を設計段階から十分に反映をするということに意を用いたいと考えております。このため、こうした様々な利用者の立場から専門的な知見を有します方々にアドバイザーとして助言をいただく体制を組みまして、この運営の目線を適切に取り入れながら基本設計に取り組んで参る考えであります。
その上で、例えば、基本設計の完了時といったタイミング、こういった大きな節目におきまして、アドバイザーの方々に参加をいただきます公開の会議も開催をいたしまして、その時点までの準備の進捗状況などにつきまして、県民の皆さんに情報を開示するという機会を設けたいという風に考えております、私からは以上であります。
【部活動の移動の安全のために】
●中根議員 次に、部活動の移動の安全について、お伺いをいたします。
5月6日、磐越自動車道でおこったマイクロバス事故は、車を使った部活動の移動の安全に関するルールやガイドラインの見直しを全国の関係機関に突きつける形になりました。文部科学省と国土交通省は合同の連絡会議を作り、対応策を検討。ちょうど昨日、安全対策をとりまとめたと報じられています。
これまで起きた事故を教訓に、教員や顧問が運転する自家用車に引率する生徒は乗せないとか、車移動は保護者が行う等、日々の部活動の中でも申し合わせ、遠征の場合もバスや規則に基づく車使用など、それぞれの現場は努力していますが、充分だとはいえません。
再び生徒のいのちが奪われたり傷つくことのないようにするためには現場の実態が把握され、安全対策が合致しなければなりません。
朝日新聞が5月6日の事故を受けて、全国都道府県立学校の部活動を所管する部署全てを対象に行ったアンケート調査によると、車での移動に関するルールを設けているのは、茨城県を除く46都道府県。そのうち34都道府県が見直す考えがあるとしています。そのなかには、「原則公共交通機関を利用」「困難な場合は校長の許可を得た上で貸し切りバスをチャーターする」等基本的な方針を示すだけの所もある一方で、福島県は、使用する車を登録、引率のたびに校長・保護者から承諾をとる、一日の走行距離は250キロ・運転時間5時間以内など、詳細なルールがあるにもかかわらず、それでも見直す考えを示しています。
多くの県がルールを見直すとしたのは、各学校の運用状況が把握できていないためで、把握していなかった39都道府県のうち、30都道県は「調査する方針とした」と書かれています。
◆文部科学省は5月に部活の遠征などでの安全確保のための通知を教育委員会にだしました。どのように受け止めているのか、教育長に伺います。
○教育長 まず、部活動の遠征等における安全確保に関する国からの通知の受け止めについてお尋ねがございました。
5月の国からの通知は、部活動遠征中の事故を受け、各学校における安全確保のための留意点等について、対応の徹底を求めるという趣旨で発出されたものです。
本県では引率業務等の通知に基づき、日頃から児童生徒の安全管理の徹底に努めておりますが、学校教育活動における学校安全学校管理の在り方について、改めてその重要性を重く受け止めております。
●中根議員 ◆事故後、高知県教育委員会は、県立学校に対して「部活動の遠征等における安全確保に関する調査」を行っています。
まず、調査結果を教育長にお聞きします。
○教育長 次に、県立学校に対する部活動の遠征等における安全確保に関する調査の結果についてお尋ねがございました。
県教育委員会では、5月19日の国からの通知を受け、直ちに県立学校に対して通知を発出した上で、各校における安全確保の状況に関する調査を実施いたしました。
その結果、貸切バス等の利用時には許可を受けた事業者であることや、適正な契約内容であることを確認している遠征等の必要性や行程等については事前に管理職が確認し、承認しているなど、全ての県立学校で適切な運用や安全確認の徹底がなされていることを確認しております。
●中根議員 ◆私立学校について、調査はされていますか。文化生活部長にお聞きします。
○文化生活部長 まず、磐越自動車道での事故を受けた私立学校への調査の実施についてお尋ねがございました。
まず、5月中旬、私立学校に対して電話にて部活動の遠征時の移動方法について聞き取りを行いました。6月上旬には、県教育委員会と同様の部活動の遠征などにおける安全確保に関する調査を行いました。
結果につきましては、遠征時の移動方法においてバスを所有している学校では、専任の運転手、または教職員が運転をしております。バスを所有していない学校では貸切バスを活用しています。
また、部活動の遠征などにおける安全確保に関する調査では、学校の管理職が移動手段を確認し、承認するなど各学校において生徒の安全を確保していることを確認しています。
●中根議員 朝日新聞の調査の中でも、部活の移動ルールがある46都道府県のうち、同じものを私立学校に適用しているところはなく、15府県は情報共有もしていないと報道されています。
◆部活動の移動の安全面においては、私立学校にも同一ルールの適用が必要だと考えますが、文化生活部長にうかがいます。
○文化生活部長 次に、私立学校の部活動の遠征におけるルールの適用についてお尋ねがございました。
遠征時の安全確保については、国からの通知に基づいて、各私立学校が想定される危機事象への対応策を学校の実情に応じて適切に対応することが基本となります。その際には、県立学校の運用ルールなどについても必要に応じて参考にしていただくものと考えます。
今般の事故を受けて、県では各私立学校に対し、安全確保に係る国からの通知を周知するとともに、県教育委員会の通知文も共有して適切な対応を依頼したところです。
今後も私立学校において安全対策が徹底されるよう、本日国から通知されました安全対策などにより、さらなる対応の徹底を促してまいります。
●中根議員 事故再発防止のためには、慣れない運転を中型や大型車の運転を顧問や保護者がするよりも、有償で客を運び、厳しい運行管理が求められる「緑ナンバー」の利用が最も有効だと誰もが思っていますが、予算を考えると保護者負担が重なるなど新たな問題がでてきます。
そもそも、遠方での練習試合が必要なのかも含めて、部活のあり方を協議しながら、必要な回数を保障し、「緑ナンバー」の車を使えるように経費は教育予算の中で助成していくことも、検討すべきではありませんか。
◆国や自治体が充分な部活動のための教育予算を充てることが再発防止につながると考えますが教育長、文化生活部長にお聞きいたします。
○教育長 次に再発防止に繋がる部活動のための教育予算についてお尋ねがございました。学校教育活動の一環である部活動において、移動を含め、児童生徒が安全に活動できる環境を整えることは大変重要であると認識しております。
この点に関して、先ほどの上治議員からのご質問にお答えした際に言及いたしました国における部活動遠征時の安全対策等の取りまとめが、つい先ほど届いたところです。県教育委員会としましては、この通知の内容を精査するとともに、他県の状況も参考にしながら、本県の実情に応じた対応を検討してまいります。
○文化生活部長 最後に、再発防止につながる部活動のための教育予算についてお尋ねがございました。
各市立学校の部活動に係る費用については、保護者の皆様の負担をいただきながら、県からの学校運営全体への補助も活用しており、各学校で安全に部活動を行っていただいているものと考えます。
県としましては、国において取りまとめられた安全対策の内容を踏まえ、他県の状況も参考にしながら必要な対応を検討してまいります。
●中根議員 5月19日付の文部科学省通知、「部活動の遠征などにおける安全確保について」の中には、「事業者に貸し切りバス又はタクシーによる運送を依頼する場合は、貸し切りバスやタクシーによる運送の依頼であることを明確に伝えた上で《中略》事業の許可を受けたものと適切に契約を行うとともに、乗車当日もナンバープレートの色などを乗車前に確認すること」等が詳しく書かれています。もっともなことですが、そのうえで、徹底しなければと思う気がかりなことがあります。
昨年、「緑ナンバー」の貸し切りバスの運転経験のある方から、ご相談がありました。「部活の遠征で乗車したが、県外に夜通し走り、昼間はクラブの買い出しやいろいろ頼まれて断り切れず夕方やっとホテルに行くことができた。もっといろんな経験もあるが、いつも使ってくれるご縁の人たちであれば、便宜を図って当たり前の関係が生まれたりする。要は、バス運転手が契約外のことはしないことが当たり前にしてほしい。若い前途ある命を乗せて何かあったら取り返しがつかないと思って。」とのお話でした。
◆安全確保のためにも、利用する側の認識も事業者側の認識も、一致させるべきだと考えます。あらためてルールの徹底が必要ではないかと思いますが、教育長に伺います。
○教育長 最後に安全確保のための移動ルールの徹底についてお尋ねがございました。
5月の国からの通知では、部活動等の移動に際して、貸切バスによる運送を依頼する場合は、事業者から運送引き受け書の交付を受けた上で、その記載内容を確認することにより、契約の主体や契約内容等を明確化することが求められています。
もとより、契約内容の確実な遵守が重要であることは言うまでもありませんが、安全対策には常に改善や見直しが必要であることも認識しております。
先ほど届きました国からの安全対策に関する取りまとめの内容も精査し、各学校において安全管理が確実になされるよう、引き続き指導の徹底に努めてまいります。
●中根議員 県のルール改訂が、現場と合致してより安全を確保できるように望むものです。
【生活保護費の追加給付】
●中根議員 次に、生活保護費の追加給付についてうかがいます。
国は当時の安倍政権の元で2013年(平成25年)8月から生活保護基準の見直しを行い、最大10%引き下げ、生活保護利用者の95%が減額となりました。これに対し、全ての都道府県から1万件を超える審査請求が行われ、その後「生活保護基準引き下げ違憲訴訟」が起こりました。この訴訟は「いのちの砦裁判」と呼ばれ、10年以上の時を経て、最高裁判所は2025年6月27日、「減額は違法とし処分の取り消しを命じる」という原告勝訴の判決を言い渡しました。
ところが国は、生活保護利用者に対して、この司法判断を無視した形で追加給付を決め、本県にはいませんが裁判の原告には全額を補償し、その他の利用者には引き下げた保護費の半分程度の保証しか行いません。このこと自体も大きな問題ですが、追加給付を受け取る道のりも、みんなが簡単ではありません。2013年8月から今年2026年3月までの間に生活保護を受給したことのある方が対象で、現時点での生活保護受給者は申請を行わなくても給付金は支給されます。
◆追加給付金を受け取れる、現在受給中の世帯は県内に何世帯あるのか、そのうち県所管の世帯は何世帯なのか、子ども・福祉政策部長にうかがいます。
●中根議員 ◆また、県所管の町村の、現在受給中の世帯への給付時期の見通し、進捗状況はどのようになっているのか、子ども福祉政策部長に伺います。
○子ども・福祉政策部長 まず、生活保護費の追加給付の対象となる受給中の世帯数と県所管分の給付時期の見通し、進捗状況についてお尋ねがございました。関連いたしますので、併せてお答えいたします。
今回の追加給付につきましては、昨年6月の最高裁判決を踏まえ、国において対応が検討され、本年2月に全国の地方自治体に対して実施の通知があったものです。
追加給付の対象となる世帯のうち、現在生活保護費を受給中な世帯は申し出がなくても追加給付を受けることができ、その世帯数は県内全体で約1万3000世帯です。このうち県が所管する町村分は約1500世帯となっております。
県所管分につきましては、国からの予算内示があり次第、給付に向けた作業に取り掛かれるよう準備を進めてきました。そうしたところ、先週末、国からの内示がありましたので、速やかに生活保護システムの改修などを行い、秋ごろには給付できるように作業を進めてまいります。
●中根議員 一日も早い給付が待たれていますが、保護廃止や転出によって変化のある方は、自ら申告しなければ受け取ることができません。
◆追加給付金を受け取れる、保護廃止などにより現在受給していない世帯は県内に何世帯あるのか、県所管分の世帯は何世帯あるのか、子ども・福祉政策部長に伺います。
◆また、県所管の町村の保護廃止などにより現在受給されていない世帯が給付を受ける時期の見通しと、進捗状況はどのようになっているのか、子ども・福祉政策部長に伺います。
○子ども・福祉政策部長 次に、生活保護の廃止などにより、現在受給されていない世帯数と県所管分の給付時期の見通し、進捗状況についてお尋ねがございました。関連いたしますので、併せてお答えいたします。
生活保護の廃止などにより、現在生活保護を受給されていない世帯は追加給付を受けるためには、国指定の様式により、当時、保護を受給していた所管の福祉事務所に申し出をしていただく必要があります。
申し出が必要な世帯数につきましては、県及び各市の推計では県内全体で約1万世帯、このうち県が所管する町村分は約500世帯となっております。
申し出の開始時期などは、国が全国統一的な方針を示すこととなっておりますが、現時点ではまだ明確に示されておりません。このため、県所管分については、国からの通知があり次第、順次給付に向けた手続きを進めてまいります。
●中根議員 すでに保護を受けていない世帯が確実に給付につながるよう、本来行政が知り得た情報を丁寧に整理し、本人への広報につなげることが重要ではないでしょうか。
引っ越しして行政が違えば、2013年(平成25年)8月時点で生活保護給付を受けていた自治体が追跡調査することで本人の今にたどり着くことも可能です。
国の過失が認定され追加給付の問題が起こっているわけで、なぜこうした事態になったのかを受給者に説明し、簡易に、早く給付金が届くよう、漏れる人がいないよう、国が責任を持って追加給付のおしらせをすべきです。
自治体の皆さんには大変な実務が迫られています。また、生活の権利を奪われていた方達からは、権利回復のための正確な給付金が早急に求められています。
◆保護廃止などにより現在受給されていない世帯に給付金を届ける作業は、極めて時間のかかる複雑な仕事だと思います。県所管の町村分の給付のためにどんな困難があるのか、子ども・福祉政策部長にお聞きします。
○子ども・福祉政策部長 次に、給付事務を行うにあたり、どのような困難があるのかとのお尋ねがございました。
給付にあたって提出していただく申し出書類には受給期間や世帯構成、各種加算の状況など多くの項目を記載いただく必要があります。
各福祉保健所では、その内容と当時の生活保護の受給状況に関する記録を照合する作業が必要となります。例えば、現在と受給時の世帯構成が異なる場合もありますので、提出されました申し出書類の内容を正確に確認する必要がございます。
この確認には、相当の時間を要することも想定され、また書類に不備があった場合には申出者とのやり取りも必要となり、給付時期が遅くなることも懸念されます。このように給付事務には、複雑かつ時間を要する確認作業が伴いますが、1つ1つ丁寧かつ迅速に対応してまいりたいと考えております。
●中根議員 国による前代未聞の追加給付措置ですから、実務を行う県としても漏れる方が出ないように尽くす必要があると考えます。
◆追加給付のお知らせが届きにくい人への対応はどのようにしていくのかお聞きします。
○子ども・福祉政策部長 次に、追加給付のお知らせが届きにくい方への対応についてお尋ねがございました。
追加給付を受けるためには、当時、生活保護を受給していた福祉事務所に申し出をする必要があり、対象となる方にしっかりと周知することが大変重要となってまいります。
国では、新聞広告と多様な媒体を活用した全国的な広報を計画しています。県におきましても、広報紙やホームページのほか、町村とも連携し、各種媒体を通じた情報発信を行ってまいります。合わせて施設に入所されているなど、お知らせが届きにくい方には施設関係者など、身近な方を通じて情報が届くよう広く周知していきたいと考えております。
●中根議員 ◆大変な仕事量の中で、過重な働き方が続いています。人の配置も含めて、必要な措置を執るよう国に求めることも必要ではと思いますが、子ども・福祉政策部長にお聞きします。
○子ども・福祉政策部長 最後に人の配置を含めて必要な措置を国に求めるべきではないかとのお尋ねがございました。
今回の追加給付に伴う生活保護システムの改修費用や給付事務を補助する会計年度任用職員の配置に係る費用などについては、全額国費で予算措置されております。
県といたしましては、この予算を活用し、支給事務を着実に進められるものと考えており、現時点では国に対して追加措置を求める必要はないと考えております。今後、新たな課題が生じた場合は必要に応じて国に要望してまいります。
【不登校の介護休業制度利用】
●中根議員 不登校の子を対象とした保護者の介護休業(県庁では介護休暇)制度の運用についてお聞きいたします。
昨年2月議会で、つかじ議員が質問し、県として、不登校児童のケアも介護休業の対象になると答弁されています。
その後、私たち、日本共産党も、この制度の周知を広げるとともに、実際に、不登校に対する介護休業を利用した方などとも懇談してきました。
県内の民間病院で看護師として働く女性は、「娘が不登校になり、介護休業制度の利用を申請し、利用ができました。娘がリストカットをしたり、不眠、食事を食べないなど大変な中、仕事との両立は大変でした。介護休業が取れると言われたとき『この職場にいてもいいよ』と言われたようで安心し、とても助かった」とこんな事例も述べられています。
この介護休業、県では介護休暇ですが、県の運用についてお聞きします。
この間、国会でも(6/9厚生労働委員会)白川容子参院議員の質問で、重要な点が確認されました。
制度の利用には、「医師の診断」を必要とすると高知県ではされていますけれど、
・厚労省が「医師の診断書などの提出を求めることはできるが、制度利用の条件とすることはできない」としていること。
そして、
・局長通知で、同僚等第三者の申立書の提出なども含め様々な方法が可能だとして、証明方法について労働者に過大な負担を掛けることのないよう、臨機応変かつ柔軟な対応が望まれるとしています。
また、合わせて、国家公務員の介護休業制度等を所管する人事院職員福祉局職員福祉課に確認したところ、「(申請時に)人事院規則で、必要であれば『証明書類の提出を求めることができる』としており、『証明書類』の種類について具体的に例示しているわけではない。必ずしも診断書を必要とするという取扱いはしていない。各府省庁で判断している」こういう回答があっています。
◆国の見解に合わせて、県の「医師の診断書が必要」との運用を変更し、第三者の申立書の提出も含めて対象とすべきと考えますが、総務部長にお伺いいたします。
また、その際、不登校の子どもの現状をもっともよく知る教員やスクールカウンセラーの所見をもって、第三者の申立書とすることには合理性があります。
◆県として、教育委員会とも連携の上で、教員・スクールカウンセラー等の所見をもって制度利用を可能とするよう運用すべきではないか、総務部長にお聞きします。以上で、第一問を終わります。
○総務部長 介護休暇の取得手続きにおいて、医師の診断書に加え、第三者の申し立て書や教員、スクールカウンセラー等の所見を証明書類として認めることができないかとのお尋ねがございました。関連をいたしますので、併せてお答えをいたします。
本県の介護休暇制度では、不登校の原因が疾病等であって、2週間以上、日常生活において介護が必要と認められる場合に休暇の取得が可能となってございます。このため取得手続きにおきましては、職員の申し出と合わせて医師の診断書により疾病等による介護の状況を確認しているところでございます。
確認にあたり提出を求める証明書類につきましては、民間企業の場合には厚生労働省の局長通知により、第三者の申立書の提出を認めるなど柔軟な対応が示されてございます。また、国家公務員の場合には人事院規則により必要に応じて証明書類の提出を求めることができるとされており、その取扱いは各省庁に委ねられてございます。
こうしたことから、今後各省庁における取り扱いや、他県の状況を把握をした上で、介護休暇の取得手続きにおける介護状況等の確認方法の柔軟化について研究をしてまいります。
【第二問】
●中根議員 どうもご答弁ありがとうございました。
時間がなくなってきて、二問をさせていただきます。
まず、知事に大変ご苦労もされていることと思いますが、業績のためにリスクのある判断をするのやむを得ないという考え方について、私はいろんな意味で乱暴さが前に出てしまうんじゃないかと危惧をしています。是非とも、丁寧にという中身について、どのようにご所見を持っているか、もう1度、お話をいただきたいと思います。
それから、もう1つは総務部長に伺います。介護休暇についてはえっと総務省管轄、それからあの厚生労働省管轄、それぞれの働き方の中でずいぶんと制度が進んできました。是非一歩踏み込んで高知県でも、という風に思いますが、今一度ご答弁をお願いします。
○県知事 はい。再質問にお答えいたします。
今お話しありましたように、一定のリスクは取りながら、できるだけ早い整備をということで進めて参っております。勿論、片方で県民の皆さんのご理解を得ながら、納得を得ながら整備を進めることは大事だと思っておりますので、リスクを取りながらチャレンジをするという部分は私は忘れたくないと思いますが、そうしながらも県民の皆さんのご意向を丁寧に反映をしていくということにも、意を払いたいと思っております。
○総務部長 介護休暇制度についての再度のお尋ねにお答えをいたします。
国家公務員との比較、あるいは民間企業と比較をいたしましても、県における介護休暇について、より厳格に確認をする必要があるかという点については、必ずしも、そうとも限らないではないかと考えておりますが、厚労省の通知におきまして、柔軟な方法を示しておりますものの、実際に県で運用するにあたりましては、ではどういった方々にどのような証明をしていただけるか、あるいは申立書にどのような内容を記載いただけるかという個別具体の事例について、まずは研究を精査していくことが必要であろうと思っております。
そういった意味で、関係省庁をあるいは他県の動向をまずは把握をして、柔軟化について、研究をしてまいりたいと考えてございます。