議会報告

【質問テーマ】

・災害対策の強化

・消防広域化

・介護保険制度の改正について

・外国人の入国後講習施設について

・生食用ジャガイモの輸入

・ICT学校教育

・ネクストハイスクール構想

・四万十市の赤鉄橋

●岡本議員 私は、日本共産党を代表して一括質問を行います。

 

【災害対策の強化】

●岡本議員 まず、災害対策の強化についてです。 

今年7月28日に起こった熊本地震では、直接の被害とともに、酷暑の中の避難所生活、車中泊などが大きな問題となり対応が迫られています。千葉県豪雨をはじめ、線状降水帯による突発的な豪雨により、家屋や車両の甚大な被害も生じています。今議会にも、備蓄物資を県と市町村が共同調達する予算が提案されていますが、一段の災害対策の加速が必要となっています。

特に、避難所となっている小中学校の空調設置については、早期の整備を求める声が、私たち日本共産党県議団にも寄せられています。高知県でも南海トラフ行動計画に、猛暑対策を追加し、市町村立小中学校体育館への空調整備(31年度完了を目指す)などを盛り込みました。

◆まず、熊本地震に対する避難所の状況について、本県が教訓とすべき点は何か、知事の認識をお聞きいたします。

 

○県知事 岡本議員のご質問にお答えをいたします。

まず、今回の熊本地震の避難所の状況から、教訓にすべき点はどうかというお尋ねがございました。

今回の熊本地震におきまして、地震に対し、さらに追い打ちをかけたのが真夏の暑さでありました。最高気温が40℃を超えた酷暑日もあり、猛暑が連日のように被災者を苦しめたところであります。

近年高齢化が進行する中で、避難者の健康維持に関わる生活環境が不備であることによりまして生じます災害関連死をいかに防止するかという点が、防災行政上の新たな焦点となっているところでございます。そうした中、現地の避難所では熱中症対策が大きな課題となったところであります。

そうした観点から被災当初において、避難所では、主に3点の課題があったというふうにお聞きをしております。1点目は、エアコンなどの空調が小中学校の体育館の約8割に設置されていなかったこと。2点目は、TKBと言われますトイレ・キッチン・ベッドといった資機材の備蓄が十分でなかったこと。3点目は、断水が長期化をしたことによりまして、飲料水の継続的な確保が必要だったということであります。これらの課題は南海トラフ地震の切迫度が高まる、本県にとりましても教訓とすべき点だというふうに考えます。

このため、先月本県の第6期の南海トラフ地震対策行動計画のバージョンアップの中で避難所におきます熱中症対策を強化し、取り組みを加速化することといたしました。

今後、行動計画に位置づけました一連の対策を市町村などとも連携をいたしまして、スピード感をもって着実に実行に移してまいります。

 

●岡本議員 そこで、小中学校の空調設置率(避難所指定校分)は県内平均で16.4%、全国平均の半分という状況です。また、100%となっている自治体の中でも、スポットクーラーの配置に留まっている状況です。

 小中学校体育館の空調設置は、避難所開設の際に、厳しい暑さから災害関連死を防ぎ住民の命を守るものであると共に、日常的な児童の熱中症対策ともなるもので、早期の改善が求められます。

◆県内の小中学校体育館の空調設備が、いわゆるスポットクーラーの配置なのか、常設型の空調設備の設置なのか、それぞれの体育館の空調設備の内訳について、教育長にお聞きいたします。

 

●岡本議員 広島市では、今年度、スポットクーラーを約200校に配置しましたが、空調設置までの暫定的な措置としており、順次、空調設置を進めていくとしています。今後、スポットクーラーの配置に留まらず、常設型の空調設置を順次進めていく必要性があると考えます。

 体育館への空調設置については、実質的に市町村の負担が1/4となる学校施設環境改善交付金が活用できます。断熱性が確保されていることが要件ですが、断熱については後年度の実施が可能とされています。

各市町村へ、この交付金の活用を促すとともに、電気式かガス式かなど、どのような空調の設置が費用対効果が高いのか、あるいは、なるべく安価な断熱化の工法について等、技術的支援も求められます。

◆市町村の小中学校体育館への空調設置の取り組みを加速化するために、県としてどのように支援するのか、教育長にお聞きします。

 

○教育長 まず、県内の避難所に指定された小中学校体育館に設置されている空調設備の内訳と、空調設置に向けた市町村への技術面の支援についてお尋ねがございました。関連しますので、併せてお答えします。

まず、避難所に指定されている公立小中学校の体育館等に設置している空調設備の内訳につきましては、本年5月時点で38棟中、固定設置型は16棟、スポットクーラーなどの移動型は22棟となっています。

次に体育館の空調設置の早期実施に向けては実施主体である市町村において、技術者の不足、体育館の使用と工事期間の確保、経済的かつ効果的な断熱手法の選択といった技術面でボトルネックとなる点を解決していくことが必要となります。

こうした課題の解決に向けては、公益社団法人高知県建設技術公社において、市町村の建築事業の発注を支援するほか、県の建築担当者から助言や提案を随時行っています。また、国から空調の整備手法に関し、ボトルネックの解消に役立つ工事例をまとめた資料が提供されており、8月には県から市町村に周知を行ったところです。

今後もこうした技術面の助言や情報提供を通じて、市町村の取り組みをサポートしてまいります。

 

●岡本議員 豪雨災害も頻発しています。

特に、線状降水帯による急激な浸水で都市部での被害が目立っています。他の道路や線路などの下を道路がくぐる形状となっているアンダーパスで、車が水没し死亡者が出ており、対策が急務です。国土交通省も、予防的に通行止めにする規制を9月から始め、同16日には対象を拡大しました。高知県では、須崎市のアンダーパス等が規制対象となっています。

◆国道のみならず、県管理道路や各市町村道についても、危険箇所を把握し、予防的に通行止めとするような規制対象とする必要があると考えますが、土木部長の認識をお聞きいたします。

 

○土木部長 まず、県管理道路や市町村等のアンダーパスを予防的に通行止めとすることについてお尋ねがございました。

近年全国で多発している豪雨により、千葉県や福島県ではアンダーパスの冠水により車両に閉じ込められた方が亡くなる事案が相次いで発生しております。冠水対策の強化は必要と認識をしております。

このため、県管理道路のアンダーパス5か所につきまして、注意喚起や監視体制の強化のため、路面表示や水位センサーの設置などを今年度から順次行うこととしております。

こうした取り組みとともに、予防的な事前通行規制につきましても、過去の冠水実績や道路構造などを踏まえまして、導入可能性の検討を進めてまいります。

また、市町村が管理しているアンダーパスにつきましても、国や県の取り組みを情報提供することによりまして、技術的な助言を行ってまいりたいと考えております。

 

●岡本議員 また、南海トラフ地震対策について、津波避難タワーなど防災インフラの初期設備費は、国の交付金の対象となり一定の整備が進みました。しかし、維持管理費については、各自治体が全額負担する現状となっており、今後、防災インフラを継続的に維持管理し、いざというときに、十全に機能するよう保持することが課題となっています。

 日本共産党の仁比そうへい参議院議員の調査によれば、黒潮町では、今後、津波避難タワーの防さび対策や避難道の夜間照明の交換、防災倉庫の更新など約3億6千万円の経費が見込まれるとされています。

◆特に津波避難タワーの維持管理費について、国に対し、自治体の負担軽減への支援を求めないか、危機管理部長にお聞きいたします。

 

○危機管理部長 津波避難タワーの維持管理費について、国に支援を求めることについてお尋ねがございました。

県内の津波避難タワーは東日本大震災後の平成24年度から市町村への財政支援を強力に行った結果、現在126基が整備されており、これらは津波の際に重要な役割を果たすことになります。

現在、県内の津波避難タワーは約8割が整備から10年以上経過しており、海水飛沫による塩害で腐食などが起こる恐れがあるほか、付属設備の更新時期が近づいているものもあります。

南海トラフ地震に備えて津波避難タワーの役割を長期的に確保していくためには、補修などに係るコストを踏まえた計画的な維持管理が必要となります。こうした維持管理に係るコストを長期的に抑えるためには、津波避難タワーの長寿命化計画を策定し、点検を定期的に実施して適切に対応していくことが効果的だと考えています。

県といたしましては、今後、点検マニュアルや長寿命化計画策定の手引きを策定し、市町村の維持管理費の最適化に向けて、取り組みが着実に進むよう技術的支援を行ってまいります。

しかしながら、そのような取り組みを行った上でも、市町村における維持管理に対する財政負担は重いものになると考えられます。このため、国の補助や交付金の対象となっていない維持管理費などについては十分な財政措置が講じられるよう、全国知事会などを通じて国に要望してまいります。

 

●岡本議員 この間、能登半島地震や熊本地震において、長期の断水が続き、飲み水や生活用水をどう確保するのかも大きな課題となっています。高知県は、避難所等の重要施設のうち、接続する上下水道管路が耐震化されている割合は国の公表資料によりますと令和6年度末時点で全国平均が9%のところ3%と大変低い状況にあります。この耐震化を着実に進めることが重要です。

 加えて、中山間地域においては、分散型の水供給システムを計画的に導入していくことが、災害時に給水機能を確保する上でも必要となっています。国も、今年3月「水道事業における分散型システム」の導入手引きを公開しています。選定指標として、ひとつに、該当地区の現在又は将来の給水人口が100人以下であること、ふたつに、該当地区の単位人口管路延長が1人当たり30m以上であること、みっつめに、法定耐用年数超過管路率が50 %以上又は把握していないこと、の3点です。指標に、該当しない地域も実情に応じて分散型システムの導入を優先すべき地域は、導入検討が望ましいとしています。

 分散型システムの具体例としては、小型の浄水装置による小規模水道施設や、浄水場から集落内の配水池に、車両などで運搬する運搬送水などが挙げられて「います。運搬送水は、災害時以外にも給水車を日常的に活用でき、メリットがあります。

◆県として、分散型システムの導入について市町村・水道事業者と連携して取り組みを加速させる必要があるのではないか、土木部長にお聞きします。

 

○土木部長 次に分散型の水供給システム導入の必要性についてお尋ねがございました。水道事業を取り巻く、環境は今後の人口減による収入減少や、自然災害の激甚化などにより厳しさを増している中、強靭で持続可能な水道の実現が求められているところであります。

こうした中、地域の実情に応じまして、集約型の水道施設と分散型の水道施設のいわばベストミックスによる施設の最適配置を進めていくために、本年3月「水道事業による分散型システムの導入手引き」が国から示されたところであります。

この手引きでは老朽化した送水管などの施設更新に代わる新たな選択肢といたしまして、集落につながる送水管を切り離した上で、1つは集落ごとに地域の水源から取水し、配水をする方法、それからあるいは近隣の浄水場等から集落内の配水池に上水を運搬する方法、これが示されたところであります。

こうした中、本県の中山間地域におきましては、谷筋に集落が点在するという地理的条件や水源の豊富さから、従前より集落単位などで独立した水源を持つ小規模な供給体制が構築されており、その意味では既に一定の分散化を図られているものと認識をしております。

一方で、手引きに示されているような施設のさらなる分散化・小規模化につきましては、国の支援措置はもとより、例えば運搬送水における衛生管理や運転手の確保など、実務上の課題を勘案しながら、事業主体である市町村と連携をして検討していく必要があると考えております。県といたしましては、こうした各自治体や国の動向も注視しながら、持続可能な水道システムの構築に向けて引き続き取り組んでまいります。

 

【消防広域化】

●岡本議員 次に、消防広域化についてです。

 先ほど、午前中に質問もあったところですが、もうちょっとつっこんだ形で質問させていただきます。

今年の6月議会で、知事が県の権限強化を消防庁長官に求めた政策提言について、地方自治の原則を毀損するものではないかと中根議員が質疑しました。

それに答えて知事は、「現在市町村が行っております行政事務のうち、例えばこの消防ですとか、教育、福祉といったように、国が行政サービスの水準を事実上決定している部分につきましては、人口減少に対応してスケールメリットを働かせるという必要が生じました場合に、行政分野ごとに市町村間での共同処理であるとか、あるいは国や県による事務代行、こういった選択肢も準備しておくことが必要ではないかということが私の考えでございます。(中略)市町村が行います行政事務の範囲を、例えば地域の文化や伝統の継承ですとか、地域の活性化といった分野に限定をしまして、住民意思を集約する、そういった役割に市町村が特化をしていく」と市町村の役割について見解を述べられました。

 これは、基礎自治体の役割を否定するものです。

◆このような考え方の下で、消防県一化を進めているのか、知事の見解をお聞きします。

 

○県知事 次に、今後の市町村の役割と消防広域化との関係などの見解についてお尋ねがございました。

この点、私が、超長期のスパンで想定をいたしました市町村の行政の在り方ということにつきましてのお尋ねでございましたので、背景となりました事情からご説明をさせていただきたいと思います。昨年の2月当時の村上総務大臣から超長期的なスパンにおきます地方自治の行政体制の再編につきまして、個人的な見解として問題の提起があったわけであります。 

具体的に申しますと、およそ70年先の2100年というような時代を想定いたしますと、日本の人口が現在の約半分の5000万人から6000万人となる。そうした中で、今ある国・県・市町村といったシステムが維持できるかどうかを危惧しているという点でございます。

そして、そうした状況下で自治体の行財政を持続可能なものとし、行政サービスを提供していくために、市町村合併をさらに進めて、人口20万から30万人規模の市を300程度作れば良いのではないかと、こういったご趣旨の、個人的な見解として発言をされたものというふうに記憶をいたしております。仮に、この考えを単純に本県に当てはめてみますと、現在の34市町村体制が、例えば中央・東部・西部3つの市に集約をされるというような姿で、市町村合併を進めるというようなイメージになろうかと思います。

こうした人口減少時代の対応案に関します問題提起に対しまして、市町村合併で対応しようと考える地域については、それはそれで問題がないというふうに考えます。しかしながら、ただいま申し上げましたようなイメージで大規模な合併が行われますと、新しい市の規模はいわば大きすぎまして、現在の市町村単位あるいはさらにきめ細かな地域の単位で各地域ごとに固有の文化・伝統・生活様式、そうしたものを継承していく、というような活動に支障が生じる恐れがあるのではないかというふうに、私としては考えるわけであります。また、地域の特色を活かした活性化の取り組みなども含めながら、地元住民の思いを尊重し、守っていくこうした行政展開も困難になるのではないかというふうに懸念をされます。

このため、人口減少下にありましても、市町村合併以外の手段で現行の市町村を存続をさせながら、一方で行政体制を再編整備して、スケールメリットの獲得を目指していく、こういった合併とは違う別の選択肢があってもよいのではないかというのが、私の動機でございます。その場合には国の法令などによりまして、一定のサービス水準が求められます、例えば消防とか教育、福祉こういった行政サービスにつきましては、合併でないとすれば行政分野ごとに、近隣の市町村等と事務を共同処理していくという方式をとりまして、このスケールメリットを生かして持続可能な体制を確保していくとこういう手段があるのではないかというふうな発想をしているところでございます。

この結果、新たな市町村の事務としては地元住民の思いを反映して、市町村の独自の判断で進めるべき行政分野だけが残るといったような格好になろうかと思います。こうした施策に特化をすることで、市町村の力を注いでもらうということで、各地域の特色をきめ細かく次の世代に繋いでいくということが可能になる、そういった制度設計ができるのではないかというふうに考えたところでございます。

先の議会での答弁は、こうした考え方に立ちながら、人口減少が、究極的に進んだ将来的な姿を想定しながら述べたものでございまして、現時点におきまして、基礎自治体であります市町村の役割をこのような形で限定すること自体を目的としたものではありませんし、そうしたものを今、追求しようという趣旨ではございません。

本県におきましては、全国に先行して人口減少が進んでいます。このため、市町村合併のほかにただ今申し上げました行政分野別にスケールメリットを追求できる手法を設けるこのこと自身は持続可能な行政体制の確保を図る選択肢になり得ると考えますし、そうした選択肢を検討することが必要となるタイミングも、他県よりも高知県におきましては早く訪れるのではないかというような想定も致しております。こうした観点から、行政分野別の共同処理を進める取り組みの中の先駆けの1つとして、そうした意味も含んで、消防広域化に取り組むというスタンスに立っているという趣旨でございます。

 

●岡本議員 この間、県一消防化については、県のリードで任意協議会が開かれてきました。

知事は丁寧に議論を重ねてきたと言いますが、34市町村それぞれが地域住民の命を守る最前線の仕事として責任を持って統括してきた消防部門を「県一化の組織」にしていくことは大変無理があることです。全国でやっていない県一化はやらない事情があり、知事の意に反して離脱を表明することが、あってもおかしくはありません。

 9月3日の第2回消防広域化実務協議会の席上で、須崎市長から「協議会から離脱する」という発言がありました。県は、協議会開催前に、首長の賛否の動向を把握した上で、賛成が多くなるよう採決方法を直前に変えてまで「県推奨案」を採決しようとしました。しかし、強引な議事進行に、参加首長から慎重な意見が出て、県の示すスケジュール案への賛同を求める採決はできませんでした。先を急ぎ、意見も、議論も積み残したまま進める県の姿勢は、共感を得ることは出来なかったということです。

翌日の記者会見の席上で、須崎市長に対して行った知事の発言は、「いろいろ事情はお聞きしながら、須崎市さんとのお付き合いの仕方も考えていかないといけない」「市町村長の期待にどこまで添えるか、120%考える姿勢できたが、80点が合格点なら80点でいい」など、大変乱暴で聞くに堪えないものでした。知事という巨大な権限を持つ立場にある人が、予算を引き合いに、恫喝ともとれる、決して口にしてはならない発言を繰り返しました。

◆今回の発言について、県民から驚きの声が届いています。知事は、反省をしないのか、お聞きします。

◆今回の発言は、知事の意見と異なる市町村に対しては予算を削減するように受け取れるもので、その影響を受けるのは県民です。知事の意見と異なる市町村に対して県の予算が削減されることについて、知事に見解をお聞きします。

 

○県知事 次に今回の消防広域化の取り組みに関しまして、須崎市長の離脱に関連いたした行動についての、私の発言について反省はないのかと、また意見が異なる市町村に対して予算削減はあるのかといったお尋ねがございました。関連をいたしますので、併せてお答えをいたします。

午前中に西内県議のご質問にもお答えをしたとおりでありますけれども、今回の私の発言の趣旨といたしましては、考え方が違ったことを責めるという趣旨ではございません、信頼関係を欠くような仕事の進め方がいかがなものかという趣旨で申し上げたところでございます。

ただ、今回の私の発言につきまして、現実に須崎市民の方々の中には市の行財政について悪影響が生じるのではないかという不安の声があるというふうにもお聞きをしております。また、各市町村長におきましても、不快な思いをされた可能性があるのではないかというふうに思い致しております。従いまして、こうした点につきましては、今回の反省すべき点といたしまして、今後の私自身の発言につきましては、私自身の意図、真意がより正確に伝わるように慎重を期して発言をいたしたいというふうに思っております。

また、予算措置に関するご質問につきましては、法令や制度上確立されました基準に基づく予算措置につきましては、そもそも恣意的に不利益な取扱いをするという余地はないものと考えております。仮に、政策面の考え方の違いがあるといたしましても、これを理由として、ことさらにそのような不利益な扱いを試みるというつもりも全くございません。

他方で、例えば県が特別に重視する政策目的の実現のために特別に手厚く支援をするそうした目的で設けられた特別な予算事業もあるわけであります。この場合には当然のことながら、こうした政策目的と見解を異にするような市町村は、こうした支援の対象外になるということはご理解をいただきたいと思います。

例えば、人口減少対策総合交付金は県と市町村が施策のベクトルを合わせて、人口減少対策に取り組むという趣旨で、特別に自由度の高い、また手厚い支援をしようという趣旨で設けた制度であります。その中では、消防広域化などのいわゆる4Sプロジェクトに県と共に前向きに取り組もうという市町村に加算措置を設けるということといたしております。この交付金の要綱上定められております協議会への参画といった要件に合致しない市町村はこの加算措置の対象から外れるというような仕組みを取っているところでございます。

こうした考え方のもとで予算上、特別な補助金などを設けて支援対象とするに際しまして、何らかの要件・条件の設定を行うということは、今後も当然あり得るというふうに思っております。ただ、その場合であっても、いわゆる不意打ちであったり、いわゆる後出しじゃんけんというようなお叱りを講ずることはあってはならないと思っておりますので、これまでもそうではありますが、こうした特別な措置を設ける場合には、あらかじめ補助金の交付要綱などで明示をするということによりまして、この補助金制度などの政策目的内容を丁寧に説明する、また、市町村に事前に周知をするということに努めてまいりたいと考えております。

 

【介護保険制度の改正について】

●岡本議員 次に介護保険の改正についてお聞きします。

安心して住み続けられる地域には、ゆきとどいた介護サービスのネットワークが欠かせません。ところが、度重なる介護保険制度の改悪、低い介護報酬の元で、現場の努力は限界であり、介護危機と言われる深刻な状況が広がっており、現場の頑張りに応える抜本的な支援策が強く求められています。

ところが、先の通常国会で成立した改正介護保険法は、高齢者人口が減少する地域を「特定地域」と定め、介護保険サービスの人員配置基準を緩和するものであり、全国一律のサービスを提供する介護保険制度に、地域による格差を持ち込む歴史的大改悪です。             

厚労省が示した基準案では、次のいずれかに該当する地域を「特定地域」にしています。(1)介護保険の特別地域加算や離島相当サービスの対象地域、(2)75歳以上の人口密度が1平方キロメートル当たり5人未満または、75歳以上の人口が1千人未満でかつ減少している市町村(全域単位)などです。

厚労省の審議会の中で、「特定地域」の市町村数について、全国1741市区町村の半数程度の自治体が、全部または一部において「特定地域」になることが明らかになっています。 「認知症の人と家族の会」からは「全国の最低基準を押し下げる危険性を強く懸念する」という批判が出され、国会審議では、「特定地域」が無制限に拡大する疑念がたびたび指摘されました。

◆まず、「特定地域」の対象と見込まれる市町村、地域の状況など、国における今後の検討の方向性について、子ども・福祉政策部長にお聞きします。

 

○福祉政策部長 特定地域に関する国の検討状況についてお尋ねがございました。

本年6月の国の社会保障審議会介護保険部会において、特定地域の指定に係る基準案が示されました。また、法律改正時には特定地域について適用がなし崩し的に拡大することのないよう適切に運用すること、サービスの質及び職員の負担への影響を十分検証することなどの付帯決議がなされております。

さらに、6月に開催された介護保険部会では、委員から対象地域を決定するプロセスでは、市町村の意向を十分に尊重すべき、利用者や地域の事業者などの関係者の意向が適切に反映され、地域の実情を踏まえた仕組みとなるよう検討すべきなどの意見があったところです。

こうしたことを踏まえ、今後、特定地域の基準についてさらなる議論が行われた上で、年末までに、具体的な内容が示される予定です。中山間地域が多い本件では、対象の候補となる地域が広範囲に及ぶことが想定されるため、指定にあたっては県として市町村の介護サービスの提供状況や意向を確実に把握してまいります。

 

●岡本議員 「特定地域サービス」による人員基準緩和は利用者にとってサービスの質の低下を招く一方、介護職員にとっては負担が今以上に増します。高齢者施設の現場では、国の人員配置基準では足りず独自に加配していますが、それでも休憩や休日がとれない、労基法に抵触する現状があります。基準切り下げは過重労働と、介護職員の離職という悪循環を招きかねません。

また「特定地域サービス」には事業者の選択で介護報酬の定額制(包括払い)が導入されます。低い報酬のもとで実施されるとサービス提供が現行より制限されることが懸念されます。

障害者福祉サービスについても同様に基準を緩和した「特定地域サービス」を設けたことも問題です。

さらに重大なのは、新設される「特定地域居宅サービス等事業」です。重度者を含む訪問介護などの在宅サービスについて、通常の訪問圏域を超えて訪問する際の移動経費等について自治体の地域支援事業で支払い可能となります。

これらにより、全国一律の介護保険給付ではなく、自治体による事業の設計によって実施の有無が決められ、人員配置基準も緩和されることとなります。重度者が必要とされるサービスを十分に受けられない事態が危惧されます。

保険給付は人員配置や報酬単価が決められ保険者として支払い義務があります。しかし、事業費は予算には上限があり市町村の裁量で内容が決められるため、地域間格差が拡大します。

現在、軽度の要支援1、2の人の生活援助と通所介護は介護保険の予防給付に代えて自治体の「総合事業」に移行され、75歳以上人口の伸びの枠内に事業費を抑えるとされました。そのもとで質・量ともサービスは抑制されています。

◆今回の改定は、介護給付、中山間地域の介護職員不足、事業所の撤退を改善し、介護を受ける権利が保障される制度となっていると思うか、知事の認識をお聞きします。

 

○県知事 次に、介護保険法の改正に関する受け止めについてお尋ねがございました。

今回の法改正におきましては、ご指摘がありましたように、いわゆる特定地域におきます人員配置基準の緩和や介護報酬の包括評価の制度の創設などが行われます。

こうした改正は、人材の確保や安定的な事業運営が困難な中山間地域におきまして、その実情に応じた柔軟な取扱いを一部可能とするという趣旨によるものであります。人口減少が特に進行する中山間地域で、今後も必要なサービス提供体制を維持、あるいは確保するために必要な改正だというふうに受け止めております。

この詳細な制度設計に関しましては、介護保険制度の運営や制度改正の議論を行う場として設けられております国の社会保障審議会、介護保険部会で検討が行われております。私自身、本年6月に全国知事会の代表として、この部会の委員に就任いたしたところであります。6月に開催されました部会におきましては、人員基準の緩和がサービスの質の低下や介護現場の負担の増加を招くことがないよう、制度設計に配慮するように、私としての意見を述べました。今後もさまざまな機会を捉えまして、中山間地域において、利用者が必要なサービスを受けることができるそうした制度となりますよう、全国知事会などとも連携をしながら要請をして参る考えであります。

 

●岡本議員 改悪法は政治の無策が招いた介護職員の不足、介護崩壊の現状を追認し、国民や介護職員に犠牲を押しつけるものに他なりません。県は、機械的に「特定地域」を指定するのではなく、抜本的な支援強化で、介護サービスの質・量の維持強化に取り組むべきです。

日本共産党は、訪問介護事業所がゼロ、または残り1しかない自治体が2割以上に及び、2024年の訪問介護基本報酬引き下げ後、急増した事実を告発してきました。

また、政府の受給見通しでも、すでに25万人足りない介護職員の不足の最大の要因は、全産業平均より月8万円以上低い賃金水準です。人員不足解消には賃金格差解消が喫緊の課題です。介護保険への国庫負担を10%引き上げれば公費によって、利用者負担に跳ね返ることなく実現できます。

◆国に対して、介護崩壊を食い止めるため、国庫負担割合の引き上げや、訪問介護報酬の確実な引き上げなど中山間地域の訪問介護への支援策を求めないか、知事にお聞きします。

 

○県知事 次に、介護保険制度に関しまして、国庫負担割合と訪問介護報酬の引き上げを国に求めていくことについてお尋ねがございました。

訪問介護サービスは、高齢者の在宅生活を支えます重要な役割を担っております。特に中山間地域が多い本県において、住み慣れた地域で暮らし続けていくためには、訪問介護サービスの維持確保は欠かせないと考えております。このため、本年5月には私自ら厚生労働省を訪問いたしまして、仁木副大臣と面談をさせていただきました。

そして、本県の政策提言といたしまして、1つには令和6年度報酬改定の影響に関する精査を行い、令和9年度報酬改定の検討に活用すること。もう1つは、特に訪問介護の報酬を引き下げに伴う影響の精査、あるいは中山間地域に所在する小規模事業所の経営実態の把握に努めること、について提言をしたところでございます。

また、国庫負担割合の引き上げにつきましては、本年8月に全国知事会を通じまして、介護保険制度が、将来にわたり安定したものとなるよう適切な介護報酬の設定や保険料と国地方の負担の在り方を含め、国庫負担割合を引き上げるなど、必要な制度の改善を図ることについて国に提言を行ったところであります。介護保険制度が持続可能なものとなりますよう全国知事会ともしっかりと連携し、国に対して要請を行います。

 

【外国人の入国後講習施設について】

●岡本議員 次に育成就労外国人の入国後講習施設についてです。

高知県内の外国籍を持つ方は子どもを含め約7000人、52ヵ国と増えています。背景には、外国人を雇用する企業分野の広がりもあります。

県内各地で共に働き暮らす外国人や外国にルーツをもつ方は増加しています、だからこそ理解しあい共に発展、成長できる地域社会をつくるための環境づくりが重要です。

 外国人が暮らす地域では、文化の違い、言葉やコミュニケーションの壁から、日常の地域生活においても、ゴミ出しや騒音などのトラブルがあるとお話も伺っています。その事から行政や関係事業者が地域住民と外国人との間に入り、指導や話し合いをすることで解決への努力をしています。このように日常的に理解し合う機会を増やすことが多文化共生社会には不可欠な要素となっており県としても昨年、多文化共生プランを策定し、取り組みを進めているところです。

 

そんな中、今年、香南市では、県から国費を活用した補助金5000万円を受け、民間事業者による「育成就労外国人の入国後講習施設」設置の動きがあります。講習施設は、来年4月から始まる育成就労制度で法的に義務づけられている入国後講習を行う施設として設置されるものです。

◆このような講習施設を県内に設置する必要性と重要性をどう認識しているか、商工労働部長にお聞きします。

 

○労働部長 まず、育成就労外国人の入国後講習施設を県内に設置する必要性と重要性をどう認識しているかについてお尋ねがございました。

県内では、人口減少や少子高齢化の進行により、幅広い産業分野で人手不足が深刻化しています。

こうした中、県内事業者が事業を維持発展していくためには、県内人材の確保・定着に加え、外国人材の受け入れを進めることも有効な対策の1つであると認識しています。

一方で、外国人材の受け入れにあたっては、他の都道府県や他国との競争が年々激しくなっています。

加えて、来年度から施行される育成就労制度では本人が希望する場合、一定の条件のもとで就労先を変更することが可能となることから、これまで以上に賃金水準の高い都市部に人材が集中することが懸念されます。

このため、外国人材の方々に本県を選んでいただき、安心して働き、地域に定着してもらうためには暮らしやすい、働きやすい、学びやすい環境を整えることが必要であると考えます。

現在、県内の事業者が受け入れている技能実習生の多くは県外の講習施設を利用しています。こうした施設では、日本語や生活上の一般的なルールなどは学べるものの、地域ならではの生活習慣や文化、方言、防災などを学ぶ機会は限られていました。

県内に講習施設が設置されれば、入国後の早い段階から本県の生活習慣や方言などをより実践的に学ぶことが可能となります。

このように本県の文化や方言を学び、地域での生活を通じて、高知の暮らしやすさを知ることができる講習施設を設置することは、外国人材に本県を選んでいただき、安心して働き定着していただくための環境づくりとして大変意義があり、重要な取り組みと認識しています。

 

●岡本議員 しかし、地元地域では講習施設設置の再検討を求める署名が7186筆、うち市民1504人分が香南市に提出されました。その内容は、「子ども達の安全確保や地域住民の不安・懸念への対策について、十分な説明がなされていない」という指摘です。

今年7月15日に夜須公民館で行われた、講習施設設置の地元説明会では、「外国人が来ると治安が悪くなる」、「殺人や性暴力があったら誰が責任をとるのか」などの発言があり、またPTAへの説明会では「外国人の顔が見えないよう塀が必要」との発言もあったと聞きました。これはヘイトスピーチ規制法の禁止定義にあたる言動ではないでしょうか。

さらに、昨年には県の多文化共生プランの策定が公表された際、12月県議会には、香南市民から外国人が増えると犯罪やトラブルが増え危険になるとした「移民政策反対を求める」陳情が出された経過もあります、この過程を考えれば、地域の状況は計画当初の段階から、住民や関係者に対して情報共有や慎重な合意形成を必要としていたのではないでしょうか。

 講習施設整備への懸念の声に共通するのは、外国人が増えると犯罪が増えて危険になる、犯罪やトラブル抑止の為には、外国人の移住や権限を規制することが必要だとするものです。外国人であれ、違法な犯罪があった場合は当然、日本の法律によって裁かれます。

 

国は2016年根拠のない差別的な言動によって、外国人差別や分断が広がることは重大な社会問題であるとし、ヘイトスピーチ解消法を施行しました。この法律のもとで外国人差別は「許されないもの」との法的な根拠が示されました。しかし、現状は、紹介したように、外国人に対する嫌悪やヘイトなど差別的言動が社会問題化しており、解消に向かっているとは言いがたい状況です。

◆講習施設整備の地元説明会において、外国人に対して「殺人や性犯罪が起きる」などの根拠を欠く発言は、特定の国籍や民族に対する具体的な根拠のない偏見や一律の属性を理由とした侮蔑・排除の煽動、嫌悪感の煽りと言えるのではないでしょうか。説明会の状況について、県はヘイトスピーチ解消法に照らし、どう認識し、どう対応をしたのか、知事にお聞きします。

 

○県知事 最後に外国人の入国後講習施設の地元説明会の状況について、ヘイトスピーチ解消法に照らしまして、どう認識し対応したのかというお尋ねがございました。香南市の地元説明会におきまして、外国人の受け入れに対する強い不安を背景に外国人による犯罪などについて根拠を示さず不適切な発言があったというふうに報告を受けております。

犯罪への不安あるいは地域の安全に関する懸念を表明すること自体は尊重されるべきものであります。しかしながら、先ほど申し上げましたように、例えば外国人であることのみを理由に一律に犯罪者といったような決めつけをするというような発言は、互いの人権を尊重する社会の実現を目指そうという、いわゆるヘイトスピーチ解消法の趣旨に反しあってはならないものというふうに認識をしております。

県といたしましては、その後の説明会におきまして、多文化共生の考え方、あるいは人権尊重の重要性を出席者に対して説明し、出席者、参加者に理解を求めてまいりました。

さらに、今後は入国後講習施設を運営する補助事業者におきまして、県や香南市をはじめ、住民保護者の代表、教育機関などで構成をいたします連絡協議会を設立する予定といたしております。この協議会を通じまして、地域の不安や疑問を丁寧に受け止めますとともに、正確な情報の共有、地域との交流、人権啓発などを進めまして、地域の方々の理解を深めて参る考えであります。私からは以上であります。

 

●岡本議員 全国の自治体の中では、神奈川県川崎市がヘイト禁止の宣言を行い、「川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例」を制定しました。内容は、法律に定義されている「本邦外出身者に対する不当な差別的言動」のうち、市内の公共の場所において、拡声機を用いる等の方法により、条例に該当する3点の内容のものを禁止しています。このうち罰則の対象は、禁止規定に違反し、市長から「勧告」を受け、さらに「命令(行政処分)」を受けたにもかかわらず、禁止規定に違反する行為を繰り返した場合を処罰・罰金の対象としています。

東京都も人権尊重条例を施行していますが、その中でヘイトに関して、練馬区や台東区での街頭で「朝鮮人をたたき出せ」などの表現が、「ヘイトスピーチ対策法で規定する不当な差別的言動にあたる」と、都が認定しました。

このように、自治体レベルでも地域情勢を鑑みて、禁止定義の明確化や罰則などを制度化した独自条例を持つことなどで、多文化共生社会の実現に取り組んでいます。

また、愛媛県今治市多文化共生推進プランでは、ガイドラインが策定され、緊急時の連絡や対応責任について、事業者や監理団体の役割を明確化するなどして、地域住民の不安を解消し、外国人の人権も守る取り組みを進めています。

高知県においても、人権尊重はもちろん、国際的な文化交流や経済交流の重要性を考えても、外国人を共に働き暮らす仲間とする、多文化共生社会のまちづくりの実現は、県政の大きな柱です。

紹介した全国の自治体の事例にあるように、外国人への差別的言動や無理解が解消される環境づくりに向け、外国人と受け入れる側双方がそれぞれの役割を果たすために努力していくことが必要です。

◆高知県では昨年度、在住外国人の増加を踏まえ「高知家・多文化共生推進プラン」を策定していますが、多文化共生社会の実現に向けてどのように取り組んでいくのか、文化生活部長にお聞きします。

 

○文化生活部長 多文化共生社会の実現に向けた取り組みについてお尋ねがございました。

「高知県多文化共生推進プラン」は外国人と県民が互いに理解し、尊重し共に活躍できる地域社会の実現を目指しています。

その実現に向けては、受け入れ側と外国人の双方がそれぞれの立場で役割を果たすことが重要だと考えます。

まず、受け入れ側の環境整備につきましては、多言語による相談窓口の充実や日本語を学ぶ機会の拡充などを図ってまいります。

また、外国人にも伝わりやすい言葉を用いる「やさしい日本語」の普及啓発に取り組みます。

一方、外国人の皆さんにとりましても、地域で安心して暮らしていくためには、日本の社会ルールを理解し、守っていただくことが必要です。そのため、市町村と協力してゴミ出しや交通ルールといった生活に必要な情報の周知を行います。

さらに、双方が地域日本語教室や国際交流イベントなどに参加し、直接、顔の見える関係を築いていくことも重要です。

さまざまな交流の機会を通じて、多文化共生への意識を育み、互いへの理解を深めてまいります。これらの取り組みを一体的に進めることで、外国人と県民が互いの文化的背景を尊重し、共に地域の一員として活躍できる多文化共生社会の実現に向け全力で取り組んでまいります。

 

●岡本議員 県が補助金を投入し、香南市や民間事業者と共に設置する外国人講習施設の整備について、地域に不安が広がっている背景には、計画策定の過程で、地元住民に対して十分な情報公開や意見交換の機会などのコミュニケーションが不足していたのではないでしょうか。県は、説明会にも参加されていますが、事業を進める上で、色んな反省点や問題も見つかったと思います。

9月18日付けの地元紙の報道では、住民の要望書に対し、県は住民への丁寧な説明は必要として「陳情書や住民説明会の意見を踏まえ事業者は着工を一時中断した」とありました。今後の動きが真に多文化共生社会への前進になるのか注目をされています。

◆県として、講習施設を設置する場所の選定判断の是非も含め、情報共有不足の問題や住民不安の解消へ、香南市や事業者と共にどう取り組まれていくのか、具体策について、商工労働部長にお聞きいたします。

 

○商工労働部長 次に、住民不安の解消などに向けた具体策についてお尋ねがございました。

県では補助金交付決定後、速やかに市や入国後講習施設を運営する補助事業者とともに地域の方々に対する説明会を、これまで6回にわたって開催いたしました。

また、施設の設置を不安視される方々から提出された陳情書に対しても回答を行ったところです。

加えて、先ほど知事からもお答えしたとおり、地域の方々と意見交換を重ねていくために、補助事業者が県や市はもとより、住民・保護者の代表、教育機関、警察・消防で構成する連絡協議会を立ち上げる予定です。

この協議会の中で、地域の方々が持たれている懸念点などの意見を受け止めてまいります。

また、協議会で出された意見やさまざまな課題への対応策については、地域への回覧などで周知を図っていくこととしていきます。

引き続き、市や補助事業者などの関係者と連携を図りながら、1人でも多くの方にご理解をいただけるよう県としましてもしっかりサポートしてまいります。

 

【生食用ジャガイモの輸入】

●岡本議員 次に、アメリカ産の生ジャガイモ全面的な輸入解禁を阻止し、国産のジャガイモや高知県特産のナスやトマトを守ることについてです。

今年3月アメリカ上院財政委員会の共和、民主両党幹部ら超党派の議員がトランプ大統領に書簡を送り、高市首相の訪米時にアメリカ産生食ジャガイモの一般流通をめぐり市場開放を優先課題として求めるように要請しました。そのことから今年7月7日の参議院農林水産委員会で、農水省はSPS協定(衛生植物検疫措置の適用に関する協定)に基づき科学的なリスク評価と防疫などの手続きがされれば、輸入を認める趣旨の回答をしています。

今年9月3日付の北海道新聞によると、農林水産省は9月2日にアメリカ産生食用ジャガイモの輸入解禁に向けた検疫協議を巡り、十勝管内の生産者や農業団体向けの説明会を帯広市で開いた。参加者からは新たな病害虫が侵入するリスクへの懸念から反対の声が相次いだ。農水省によると、対策が必要な害虫として「ジャガイモシロシストセンチュウ」など21種を選定したと説明。今後具体的な侵入防止措置について米国側と協議する「ステージ3」に移行する方針を伝えた。出席者によると、生産者らから「病害虫を100%防げると言ってくれないと納得できない」「リスクを負ってまで輸入を認める必要があるのか」など輸入解禁に反対の意見が続出した。それに対して、農水省担当者は「輸入解禁が前提でない。科学的データを積み上げながら、病害虫の侵入だけは絶対に許さないという強い決意で協議に臨む」などと説明した。国と関係者とのやり取りが報道されていました。

国産のジャガイモの生産量は228万トンで、うち約8割を北海道が占め、生をはじめポテトチップ向けの加工用、片栗粉という名称で知られるでん粉原料向けなど、まさにジャガイモは日本の食卓に欠かせない農産物のひとつであります。国内では契約栽培なども進み、長年にわたり安定的な供給体制が築かれており、高知県は令和4年データで1,140トンの生産量で全国42位となっております。

◆世界の食糧需給の動向が不安定化するなか、外国からの圧力に屈することなく、国内農産物を守り、育てることは、ユズやショウガなどの主産地である本県にとっても大変重要なことだと考えますが、農業振興部長に見解を求めます。

 

○農業振興部長 まず、国内農産物を守り育てることの重要性についてお尋ねがございました。

国内農産物に甚大な被害をもたらす、病害虫がひとたび侵入・蔓延すると根絶まで長期間に及ぶ防除が必要になり、産地では事実上出荷が制限されるなど大きな損害が生じることになります。本県においても、30年ほど前にさつまいもの生育に大きな影響を与える害虫が発生し、緊急防除を行ったものの根絶には3年を要した事例がございます。

一方で、厳しい基準に適合した安全な生鮮品が消費者ニーズに合った形で、国際的に多数取引されている現状もございます。例えば、日本一のシェアを誇る本県のゆずは平成24年からのEU向けの青果輸出を弾みに冷凍柚子果汁を中心に海外からの引き合いが年々高まる有望な品目に成長しています。

ゆずの青果輸出に際しては、指定園地での生産やEUの基準に適合した防除出荷体制など、植物検疫上の厳しい要件を乗り越えてまいりました。

このように農産物、特に生鮮品については輸出入を問わず、病害虫の侵入蔓延を防止する対策を取ることが大変重要であります。

今後とも、柚子やしょうがなどの主要品目の生産に影響を与えるような病害虫の侵入蔓延を徹底して回避するよう、国においては植物検疫にしっかりと取り組んでいただきたいと考えております。

 

●岡本議員 日本はこれまで、植物防疫法のもとジャガイモの輸入を禁止していました。

輸入のジャガイモには「ジャガイモシストセンチュウ」や「ジャガイモシロシストセンチュウ」というやっかいな病害虫が付着している恐れがあり、その侵入とまん延を許してしまうと生産に致命的なダメージを与える可能性があったためです。

アメリカでは2006年アイダホ州で同国初となるジャガイモシロシストセンチュウの発生が確認され1000ヘクタールを超える大規模な汚染だったといわれました。日本でも輸入緩和が行われた後の2015年、因果関係は解析されていませんが北海道で初めてジャガイモシロシストセンチュウが確認される事案が発生し、その封じ込めや対策に多くの生産者や生産組合が損害を被った上、その根絶は困難で大変な負担が求められた事が報告されていました。

9月3日の北海道新聞では帯広市「大正農民同盟の牧野尚宏執行委員長」の談話が掲載されており「センチュウはジャガイモと同じナス科の植物に寄生する、それはジャガイモだけではない、ナスやトマトが作れなくなる可能性がある。先祖代々守ってきた農地の為にも断固反対」と生食ジャガイモの輸入に断固反対と結んでいました。

◆ジャガイモシロシストセンチュウが侵入すると、高知県のジャガイモ、さらには同じナス科に属するナスやトマトが作れなくなる恐れがありますが、日本一のナス生産地である高知県として、こうした懸念をどのように認識しているのか農業振興部長にお聞きします。

 

○農業振興部長 次にジャガイモシロシストセンチュウの侵入により、ジャガイモ、ナス、トマトが作れなくなる懸念に対する認識についてお尋ねがございました。

生鮮じゃがいもの輸入が解禁された場合に、侵入が特に警戒されているジャガイモシロシストセンチュウはジャガイモの他、ナスやトマトなどのナス科植物に寄生する害虫です。具体的な被害としてはジャガイモの場合、養分や水分の吸収能力が低下し、生育不良を起こすだけではなく、ひどい場合には株全体が枯れてしまいます。

この線虫のメスは自らの体内に数百個もの卵を産んだ後、体の表面が非常に硬いシストと呼ばれる殻のような組織となり、卵を保護します。

そのため、シスト内の卵は土壌中で長期間にわたって乾燥などの不良環境に耐えることができ、ひとたび発生すると根絶は非常に困難と言われています。

本県ではジャガイモをはじめ、ナスやトマトの栽培ほ場でも、この線虫が発生する恐れがございます。そうした場合には、植物防疫法により発生ほ場において、すべてのナス科植物の作付けが禁止されるため、産地の維持が困難になる可能性もあると認識しております。

このため、生鮮ジャガイモの輸入解禁に関しては、国は科学的データを積み上げながら、病害虫の侵入だけは絶対に許さないという強い決意で協議に臨んでいただきたいと考えております。

 

【ICT学校教育】

●岡本議員 次にICTの学校教育についてです。午前中の質問もありましたけれども、違う角度で質問をさせていただきます。

ICT教育は、いわゆるタブレット端末やパソコン、電子黒板、インターネットなどの情報通信技術を学校などの授業や学習に取り入れ、教育の質や効率を高める取り組みの総称で2019年12月文部科学省が提案したギガスクール構想から始まっており、小学校の段階から情報教育を大幅に拡充し情報活用能力の抜本的な向上を目指すこととしています。

2020年から始まったICT教育は、この間、子どもたちへのさまざまな影響についてのその問題点の指摘がなされてきました。一貫して学力が低下する3つの原因として、1点目に書く力の低下として、端末に頼りすぎると漢字を書く力や文章を構成する力が弱まる。2点目に、考える力の低下として、調べ学習でも、検索結果をコピーして貼り付けだけでは思考力は育たなく「なぜそうなるのか」自分の言葉で説明する力が育たない。3つ目に、集中力の分散と依存リスクとして授業中に関係ないサイトを閲覧する、長時間の画面使用は視力低下や睡眠の質の悪化につながることなどが指摘されています。

シリコンバレーのIT企業、グーグルやアップル、ヤフーの社員たちが、子どもたちを13歳までインターネットに触れさせないウォルドルフ校に通わせている。その理由は、長期的な視野に立ち子どもの発達段階に応じたカリキュラムの中でICT教育を行っているからだそうです。ウォルドルフ校の児童期では、原体験や直接体験を重視し、想像力の育成や教師と子どもの信頼関係の構築に力を入れIT機器や情報通信技術を用いた学習はこれらを妨げるとみなされ授業や教育活動にIT機器や情報通信技術を一切用いていないそうです。一方、青年期ではIT関連の授業が必須とされ青年期は現実の社会生活・実生活への接近の欲求が高まり、ICTの活用が「学びを広げ、深める」役割を果たし、青年期に著しく発達する思考力・判断力を促す働きをすると考えられているそうです。デジタルデバイスは、自己コントロールする力が身についていない段階では、デバイスにコントロールされてしまい、想像力豊かな思考や動き、人間関係づくり、そして集中力の維持を阻害するため、幼い子どもたちの教育には適さないとしているそうです。近年、スウェーデンをはじめとする北欧諸国でもデジタルからアナログ回帰を始めています

◆このようなICTの学校教育の中での問題点について、高知県としてどのように分析されているのか、それに対してどのような改善を図ろうとしているのか教育長にお聞きします。

 

○教育長 次に学校教育におけるICT活用の問題点と改善策についてお尋ねがございました。

学校教育におけるICTは情報を収集整理し、多様な他者と自らの考えを共有するなど、学びの質を高める有効な学習ツールとして児童生徒の新たな学びを支えるものです。我が国においては、令和元年に打ち出されたGIGAスクール構想を契機として1人1台端末等の整備が進みました。導入当初は1人1台端末等の活用により、児童生徒の書く力や思考力の低下を危惧する声もありました。

県教育委員会としては、こうした懸念を払拭するため、学校訪問や研修を通じて教員による適切な指導のもとICTを効果的に活用した授業づくりができるよう取り組んでまいりました。

こうしたことにより、近年の全国学力学習状況調査においては、日常的にICTを活用して学習する児童生徒ほど教科の平均正答率が高い傾向が見られるようになっています。今後もICTを効果的に活用し、児童生徒一人一人に応じた個別最適で協働的な学習の充実を図ってまいります。

 

●岡本議員 さらに、次期学習指導要領からはAIの活用がされてまいります。

AI人工知能については人間の経済活動や日々の暮らしの中での幅広い情報源として今やなくてはならない存在にはなっています。しかし、一方では急速に発展した情報化の中ではさまざまな問題も明らかになっており、連日のようにマスコミでも取り上げられています。例えば、ニューヨーク市は今年9月から中学生以下の児童生徒を対象に市内の公立学校で生成AI(人工知能)の利用を原則禁止すると発表しました。記者会見したマムダニ市長は「新たなテクノロジーが組み込まれている社会に、どう備えさせるか考える責任がある」「子どもたちの成長には、同級生や教師と関係を築き、難しい問題に自分自身で取り組む必要がある」と訴えています。人工知能AI研究者のジェイコブ・コクソン氏が人類の知能をはるかに超える「人工超知能」ASIの開発が2020年代末までに人類滅亡を招くと警告し、AI開発企業の米アンソロピック社を退社したとの報道などです。今後のAIの開発については強制的な国家規制が必要であるとの意見も出されています。

AIが子どもに与える悪い影響として、AIによる誤回答等により、子どもが自殺をしたり、犯罪に巻き込まれたり、AIに没頭するあまりAIに依存して日常生活や学習に支障が出るといったことがあり、現実にさまざまな問題が起こっています。

◆今後の学習指導要領にAIについての項目が取り入れられることでさまざまな問題が出てくると考えます。AIの問題点についてどのように認識し、高知県としてどのように対応していくつもりなのか、教育長にお聞きします。

 

○教育長 次に、生成AIの活用の問題点と今後の対応についてお尋ねがございました。

学校教育において生成AIを活用する際には、単に答えを導き出すためのツールではなく、児童生徒が自分の考えを整理したり、多様な視点から見直したりするなど、思考を深めるための支援ツールとして活用することが重要です。

県教育委員会としましても、生成AIを適切に活用するための基盤となる情報モラル等を育成することが重要であると考えております。このため、個人情報や著作権の保護など、教員が理解しておくべき点を示したハンドブックを作成し、その活用を促すとともにすべての学校を対象とした研修を実施してまいりました。現在検討されている次期学習指導要領においても、各教科等における生成AIの積極的な活用が示されると同時に生成された情報の正確性や妥当性を判断する情報活用能力の育成も求められています。

今後はこうした国の方向性を踏まえ、生成AIの活用方法と情報モラル等を一体的に学ぶことができる教員研修を実施し、生成AIの活用に関する研究校の成果を県内へ広げてまいります。

 

【ネクストハイスクール構想】

●岡本議員 次に、高等学校等教育改革促進事業の問題点についてです。

 今回、予算案で示されている本事業は、今年2月文科省が示した「高校教育改革に関する基本方針(グランドデザイン)――2040年に向けたN-E.X.T.(ネクスト)ハイスクール構想」に基づいたものです。

 

 この構想は、「<視点1>不確実な時代を自立して生きていく主権者として、AIに代替されない能力や個性の伸長、 <視点2>我が国や地域の経済・社会の発展を支える人材育成、<視点3>一人一人の多様な学習ニーズに対応した教育機会・アクセスの確保の3つの視点を重視」し、「高校から大学・大学院に至るまでの一貫した改革(リ・スキリングを含む。)により、強い経済や地域社会の基盤となる人材を育成する」ことを目的としています。

 この「人材育成」の前提となるのは、経済産業省が示した「2040年の就業構造推計」(2026年3月に改訂)です。十分な国内投資や産業構造の転換が実現した場合、AIやロボットの導入で効率化が進み、就業者数全体では大きな不足は生じないものの、職種や学歴によっては需給のミスマッチが生じる、事務職で437万人が余剰、専門職は181万人・現場人材では260万人が不足、専門職の中でも特に、AIやロボットなどの利活用に関わる人材は339万人が不足するとの予測です。この予測に合わせ、産業界に必要な「人材」を育成する上からの「改革」が、今回の高校教育改革だと言えます。

 国費3000億円を投じ、高校教育改革を先導する拠点の創出を図るとして、3つの類型、①アドバンスト・エッセンシャルワーカー等の育成、②理数系イノベーション人材の育成、③多様な学びのニーズに対応した教育機会の確保、が示されています。

 県内4校に、計5億9600万円余り、債務負担行為で3億1100万円の予算案が計上されていますが、1校が国の事業に採択されず、財源の裏付けがなくなり、先行き不透明な状況となっています。この事業は、2026年2月に文科省がグランドデザインを示し、5月には募集が開始されるという異例のスピードで進められてきました。

◆国の事業採択もないまま予算提案したことは、あまりに拙速であったと考えますが、教育長の認識をお聞きいたします。

 

○教育長 次に、高等学校等教育改革促進事業における国の事業採択前の予算提案についてお尋ねがございました。

本年2月に国から高校教育改革に関する基本方針ネクストハイスクール構想が示されました。この構想はデジタル技術の目まぐるしい発展や予測不能な社会に対応できる人材を産学官の連携・協働の下で育成することを目指すものです。

この構想を踏まえ、国において高校教育改革を先導する拠点を創出することを目的に、高等学校等教育改革促進事業の募集が行われました。

この事業は全額国費の支援が受けられることから、この機を逃さず、本県の高校教育改革の取り組みを加速すべく準備を進めてまいりました。

本事業は令和10年度末までに行われる取り組みへの支援に限られており、中には設計から完成までに最大で2年半の期間を要する教育施設の整備もあります。また、拠点校においては産学官と協働し、新たなカリキュラムの編成に要する期間も必要です。こうした状況を踏まえ、9月中下旬ごろとされていた採択発表後、直ちに事業に着手し、スピード感を持って高校教育改革を推進できるよう、9月補正予算案を提案したものです。

 

●岡本議員 文科省は、3類型に「交付金の対象となる取り組み例」も示して、①では「ビジネス経験の必修化」「高校版企業寄附講座」の実施、②では「理数探究拠点整備」、③では「遠隔授業等」の活用など、その「改革」の方向性も、露骨に誘導されています。

◆県内4校の「改革」案の策定過程はどのようなものであったか、改革案を策定した主体はどこか、また、当事者となる各学校の教員の意見はどのように反映されたのか、教育長にお聞きします。

 

○教育長 次に、改革拠点校の案の策定過程や策定主体、各学校の教員の意見の反映についてお尋ねがございました。

今回、改革を先導する拠点校の取り組み案の策定に際しましては、知事部局とも連携の上、県内大学や産業界、教育関係者などの有識者で構成する検討委員会を設置いたしました。その中で、15年先を見据えた本県産業の担い手の育成の必要性など多くのご意見をいただきました。こうしたことも踏まえ、県教育委員会が主体となって、本県の課題解決に向けたモデルとなる拠点校の取り組みや全体の事業計画を策定したところです。

また、策定段階におきましては、各拠点校の校長を中心に取り組みの核となる教職員と連携を図り、各学校の現状や課題をしっかりと把握した上で、全体の構想に反映させてまいりました。

県教育委員会としましては、将来の社会変化にも対応できる生徒の育成を目指し、教職員が情熱を持って教育活動に専念できるよう、必要な体制整備と支援に万全を期してまいります。

 

●岡本議員 将来の産業構造に合わせたこの高校「改革」は、裏を返せば、現在の高校生たちのニーズに基づいた改革ではない、当事者不在の改革と言わざるを得ません。2040年の産業構造の予測自体も「十分な国内投資や産業構造の転換が実現した場合」という不確実性が伴うものです。

教育基本法は教育の目的を、人格の完成を目指すものとしています。この人格の完成について、文科省は、「個人の価値と尊厳との認識に基づき、人間の具えるあらゆる能力を、できる限り、しかも調和的に発展せしめること」(「教育基本法制定の要旨」昭和22年文部省訓令)と解説しています。

現代が、大きな変化が迫られ、不確実性が伴う社会であるとすれば、どのような変化にも対応するためにこそ、あらゆる能力が調和的に発展した人間の育成=人格の完成が強く求められると考えます。

◆産業界の要請にあわせ、性急に高校「改革」を進めることは、「人間の具えるあらゆる能力を、調和的に発展せしめる」という教育の目的に反し、高校生の「変化に対応する力」をかえって弱めるものではないか、教育長に見解をお聞きします。

 

○教育長 最後に産業界の要請に合わせ、性急に高校改革を進めることについてお尋ねがございました。

国の基本方針では、社会の急速なデジタル化や予測が困難な未来に向け、子どもたちを主役として産学官が連携して高校教育の改革を進めることとされております。この改革は、特定の産業界における人材の育成のみを目指したり、生徒の進路選択を狭めたりするものではなく、あくまで生徒一人一人の可能性を広げ、その能力を最大限に伸ばすものであると捉えています。併せて、人口減少が進む本県において持続可能な社会のつくり手となる人材を育てていくためには、教育の在り方を変えていくことが極めて重要です。

県教育委員会としましても、こうした認識のもと中高生や保護者等からの声などもお聞きしながら、本改革による取り組みを着実に推進してまいります。

 

【四万十市の赤鉄橋】

●岡本議員 最後に、四万十市の赤鉄橋についてです。

四万十市には今年6月30日で100年を迎えた赤色の鉄橋が健在です。この橋への思いが地元紙にも掲載されました。内容を紹介すると「この鉄橋は1922年ワシントン海軍軍縮会議が開かれ、その時に主力艦の保有総量の制限が設けられ日本は対米6割になり、その時集積されていた鉄材が民需へと回され軍艦の代わりに橋が造られるようになった。軍艦は沈めば海の藻屑となるが橋梁は人々に計り知れない利便性と富と潤いをもたらした。赤鉄橋は平和の象徴である」と表現されました。

まさに、この橋は隣接する市町村から四万十市の中心街に結ばれており朝晩の通勤通学も含め経済活動の幹線道路として大変重要な役割を担ってきました。この橋の100年の歴史の中には昭和21年に発生した南海大地震で8径間中両端を残して6径間が落ちたが1年8か月で復旧。その後幾度かの台風の洪水にもたえ、歩道も付けられ、橋脚の補強も行い、何度もペンキの塗り替えを行い現在に至っています。地元ではこの100年間のさまざまな歴史を懐かしみ、関係者によって記念誌が発行され、四万十市のシンボルとして、また、観光資源としても役立てたい等、さまざまな思いの人たちが集まり地元の商店街の方々が中心になって、竣工記念日の6月30日に100周年記念式典が行われました。それに合わせて、商店街での赤鉄橋100年の写真展、記念切手シートの発行や記念のステッカー制作も行われました。関係者によると、その催しが地元紙やネット上でも取り上げられ、そのことから県内外からの注目を浴びているとの事です。100年経過した鉄橋です。橋の架け替えへの要望、さらに今のままの形を残して、後100年使える様にして欲しいなどさまざまな声をお聞きします。

◆四万十市の経済活動になくてはならない赤鉄橋に対して、住民の思いにしっかり応える必要があると思うが、現在どのような取り組みが行われているのか土木部長にお聞きいたしまして、私の1回目の質問とさせていただきます。

 

○土木部長 最後に、四万十市の赤鉄橋におきます現在の取り組みについてお尋ねがございました。県道中村下ノ加江線にかかります四万十川橋=通称・赤鉄橋は大正15年の架設以来、地域の経済活動や日常生活を支えてきた重要なインフラでありまして、地域の皆様に深く親しまれている歴史的財産であると認識をしております。

このため、これまでにも橋桁の補修などの老朽化対策を継続的に実施しておりまして、平成30年度からは橋脚補強などの地震対策も進めてきたところであります。しかしながら、こうした取り組みを進めても、いずれは大規模な修繕や架け替えが必要となってまいります。そのため、令和4年度より国・県・市で構成する勉強会を開催し、四万十市のシンボルとなっている赤鉄橋を次世代に継承していく上での、利便性、安全性あるいは景観性の課題整理や中長期的にまちづくりとの関係性について検討を進めているところであります。引き続き勉強会などを通じて、赤鉄橋の今後の在り方について検討を進めてまいります。

 

●岡本議員 それぞれご丁寧な答弁ありがとうございました。

2つほど、知事、お聞かせください。1つはですね、須崎市長への反省のことですけれども、この答弁で反省したと判断してよろしいのか、それともう1つですね、今朝の新聞に載ってましたけれども、高知市の特別委員会の中間報告でですね「県は意見を聞く気ない」という記事に書かれておりましたけれども、この真意を教えてください。私の質問を終わります。

 

○県知事 今回の須崎市長とのやり取りに関連しての反省をしたのかということでございまして、先ほど、ご答弁申し上げましたとおり、私の真意が必ずしも通じない形で、市民の方々にご不安を与えたり、あるいは市町村長の皆様に不快感を与えた可能性もあるというふうに今に至っては認識しておりますので、この点は反省をして、反省点として、今後の対応にあたりたいというふうに思っております。

それから、あの高知市議会の特別委員会の中間報告の件でございます。これも午前中、西内県議にご答弁申し上げました。こうした意見の中で、スケジュールの見直しといったところ、あるいは法定協と広域連合との議決等の手順の在り方、そういった点について、これは市町村長さん方の意見聴取の中でも同じようなご意見は頂戴しておりますので、これも午前中申し上げましたように、今月中に次の協議会をぜひ開催をしたいと思っておりますが、そこに向けまして、我々としての、今日午前中申し上げましたが、方向性でたたき台を作った上でですね、関係者の委員の方々の確認をいただいて、議論の再スタートをしたいということで対応してまいりたいと思っております。