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- 2026年10月09日
- 議会(質問・討論)
- 2026年9月議会 塚地佐智議員の一問一答質問(2026.10.08)
【質問項目】
・皇室典範の改定
・強度行動障害や障害児・者への支援について
・性的マイノリティの権利について
●塚地議員 日本共産党の塚地佐智でございます。早速質問に入らせていただきます。どうぞよろしくお願いをいたします。
【皇室典範の改定】
●塚地議員 まず、最初に皇室典範の改定について知事にお伺いをいたします。
先日、世界経済フォーラムがジェンダーギャップ指数を発表しました。日本は相変わらず117位と低迷をしたままです。国連からも男女平等の遅れた国として様々な勧告が出され、その中で皇室のあり方にも触れられています。
私たち、日本共産党は国民主権を明記し、優れた人権規定や平和主義に貫かれた現憲法の全条項を守り生かす立場を取っています。天皇は政治的権能を有しないと規定をされており、戦前のような君主ではありません。ただし、一個人が、国を象徴し、世襲する制度は人間の平等との両立は難しいとも考えていますが、それを他の人に押し付けはいたしません。憲法上の制度であり、将来国民の総意によって解決されるべきものだという立場です。
さて、先の国会で皇室典範改定法案が極めて短時間の審議で成立をし、国民の総意と言えるのかが問われています。憲法は、天皇の地位を主権の存する日本国民の総意に基づくと定めており、多様な性を持つ人々によって構成される国民統合の象徴を男性に限るとする合理的な理由はありませんし、むしろ日本社会に根深く残っている女性差別を助長することが危惧をされます。
何より、女性天皇を容認する声は各種の世論調査で8割台、共同通信81%、日経84%、読売も85%と圧倒的です。
◆女性天皇に道を開く、国民の総意に基づく、皇室典範の再改定が必要だと思いますけれども、知事のご所見をお伺いいたします。
○県知事 今回の皇室典範の改正でございますが、これは遡りますとすれば、小泉内閣以外の長年の懸案でございました皇族数の減少への対応という課題に、1つの答えを出したということだと思っております。この間も、若い女性皇族のご結婚で皇族の数が減っていくと、こういう中で、この議論が進んでいかないと私自身ややもどかしい思いも持って見ておりました。ただ、今回、各党・各会派の議論を経まして、1つの決着に至った、具体的な答えを出して前へ進んだ、という点が非常に意義深いのではないかと考えます。
ただ、この改正の中身をめぐりまして、振り返ってみますと様々なご指摘があったと思っております。2、3ご紹介いたしますと、衆・参正副議長が取りまとめました、いわゆる立法府の総意の範囲を逸脱したような典範の改正の中身になっているのではないか、というようなご意見、あるいはお話がございましたような、男系男子での皇位継承の維持が重視をされた結果、女性あるいは女系天皇の道が閉ざされた形となったのではないか、さらには有識者会議が求めました静謐な環境での議論が尽くされなかったのではないか、こういった様々なご意見、ご指摘があるということだというふうに思っております。
今回の改正につきましては、皇族数の確保の状況などを踏まえ、安定的な皇位継承を確保するための方策について、引き続き検討するとの附帯決議がこの法律の採決にあたって採択をされているというふうに承知をしております。
一方で、これもご紹介ございましたが、憲法第1条には天皇の地位は主権の存する日本国民の総意に基づくという規定がございます。是非、国においてはこうした憲法の規定にも思いをいたしながら、今回の附帯決議も踏まえた上で引き続き真摯に国政の場で検討いただきたいというふうに考えております。
●塚地議員 ご丁寧なご答弁をありがとうございました。
私どもが懸念をしているあの心配な点も、縷々、具体的にお示しもいただきまして、その上で、まだまだ総意ではないのだ、という知事の思いも伝わってまいりました。そういう意味ではこれから皇位の継承ということが具体的になる中で、まさに国民の総意として決まっていくというために、早急な見直しをですね、私どもも要望して参りたいと思いますし、知事にもぜひ注視もして、知事らしい発信も是非お願いをしておきたいということで、この項は終わりたいと思います。
【強度行動障害や障害児・者への支援について】
●塚地議員 続きまして、高知県における人権尊重の課題についてお伺いをいたします。
SDGsの掲げる誰一人取り残さないという考え方の基本は、人権の尊重、日本国憲法第13条・全ての国民が個人として尊重され、生命自由幸福を追求する権利を持つことを定めた、基本的人権保障の考え方と通底するものだと言えます。今回も高知県に暮らしている障害のある方々や、そのご家族、支援者の皆さん、また性的マイノリティの方々から寄せられた声に応えていただきたく、質問をいたします。どうぞよろしくお願いをいたします。
まず、昨年の12月県議会でもお聞きをいたしました強度行動障害のある障害児・者への支援についてです。強度行動障害とは病名ではなく、自らを傷つけたり物を壊すといった本人や周囲の人の暮らしに影響を及ぼす行動が頻繁に起こるため、専門的な支援が必要な状態を指します。
この8月14日の地元紙に私が先の議会で紹介をした方とは、別の強度行動障害のある子どもさんのお母さんからの手紙が紹介をされていました。
「単に暴れているのではなく、自分の感覚や感情をコントロールできない、本人の激しいパニックや生きづらさ葛藤の表れですが、家財が壊れ、いつ怪我をするかわからない状況で、家族は24時間大きな緊張と背中合わせの毎日を送っており、将来への不安も抱えています。しかし、事業所、施設、人材はまだ十分でなく、結局家族が限界まで抱え込まねばならない。何よりも本人が苦しい。専門的な受け皿や手厚い支援の選択肢がもっと増える社会になってほしい。」という訴えでした。
同様のご相談をこれまでも何件も受けてきていますが、解決は困難を極めています。直接支援をされている方々の苦闘、行政や地域としてどう応えていくか向き合う必要があります。◆そこで、まず強度行動障害に対応できる入所やグループホーム、また、事業所などの県内の設置状況を子ども・福祉政策部長に伺います。
○子ども・福祉政策部長 障害者の入所施設では、県内27施設のうち22施設で、障害児の入所施設では県内3施設のうち2施設で、グループホームでは県内70事業所のうち、重要事業所で生活介護事業所などの利用者が通所して利用する事業者では、県内292事業所のうち125事業所で、強度行動障害のある方の受け入れ体制が整備されております。
●塚地議員 はい。それぞれご努力もいただいて進んでも来ていると思います。
◆この現状で必要とされる施設数が整備をされているのか、ということについての現状認識を子ども・福祉政策部長に伺います。
○子ども・福祉政策部長 入所施設への待機者は、本年7月時点で60名となっております。また、保護者や市町村からも「施設から入所を断られる。強度行動障害に対応できる施設・事業者を増やしてほしい」といった相談や要望を受けております。このため、県としても支援を必要とする方が、必ずしも十分な支援が受けられていない状況にあることは認識しております。
●塚地議員 その本当に深刻な現状を認識してくださっていて、是非、県としてその改善にですね、大きく力を尽くしていただきたいと思います。
今、ご説明の中にもあったように、一旦入所したとしても、激しい破壊や自傷行為により施設から退去を求められるケースもあります。医療へのアクセスも進められていますけれども、そうした方々は十分なケアを受けられなかったという声もあり、60名を超える待機者を生んでいる中、さらなる前進が求められているというふうに思います。
とりわけ、この支援には1人1人の思いや特性を見極め、適切な対応ができる専門性が求められます。県も自立支援協議会の中に、昨年3月から、新たに強度行動障害支援部会を立ち上げ、関係者の方々とモデル事業の立ち上げ、集中的支援を行う人材確保やその方法について検討も深められています。
◆その取り組みに大きな期待を寄せられていますが、現在検討されている次期高知県障害福祉計画にはどのように反映をされるか、子ども・福祉政策部長に伺います。
○子ども・福祉政策部長 県では、昨年度より施設から強度行動障害のある方への支援方法について、助言依頼があった際に、国の専門的な研修を受けた職員が出向き、必要な助言を行い、施設全体の支援力の底上げを図っております。
今年度は強度行動障害のある方の在宅での生活を支えるため、施設職員に限定していた支援者養成研修に市町村職員も参加できるよう拡充いたしました。
今後も、強度行動障害のある方への支援体制づくりを次期障害福祉計画にしっかりと位置づけて取り組んでまいります。
●塚地議員 ありがとうございます。
本当に待たれている支援です。先ほど待機の60名という数字も明らかになってまいりましたので、課題としては解決するものが大変、私は大きいというふうにも思っていますので、是非、来期の障害福祉計画へ充実を図っていただけるように改めて要請をしておきたいと思います。
さて、障害のある子どもさんの子育てには様々な困難がありますが、保護者や関係団体の運動で、放課後等デイサービスや保育所等訪問支援事業など支援体制の整備も進んできました。学校教育法に基づく特別支援学校の教員、児童福祉法に基づく保育所等訪問支援の方、放課後等デイサービスの職員さん、相談支援専門員などが知恵と力を寄せ合って発達の保障や卒業後の福祉制度や就労へのスムーズな移行に連携をして取り組んできました。
そのうち、保育所等訪問支援事業は支援員が子どもの特性を把握し、保育所から学校生活における支援の在り方などをアドバイスし、保護者と繋ぐ役割や卒業後の福祉施策とのマッチングなどを担っているもので専門性があり、連携が取れている学校現場からは丁寧な進路指導にもつながっているとの評価がなされています。
◆ところが、今年度、保育所等訪問支援事業について、これまでの放課後等デイサービスと共通の受給者証で特別支援学校高等部や高校卒業まで利用できていたのに、急遽18歳の誕生日で打ち切られることになり、学校から社会への移行期という大事な時期に支援ができず、困惑しているとの声が相談。支援員や訪問支援員からも寄せられています。この保育所等訪問支援事業の昨年度の実績はどうか、子ども・福祉政策部長に伺います。
○子ども・福祉政策部長 昨年度1年間で、延べ9715人の方が利用し、平均すると1ヶ月あたり約800人となります。
●塚地議員 そのうち、特別支援学校高等部、高校生の支援の状況はどうか、子ども・福祉政策部長に伺います。
○子ども・福祉政策部長 月によって利用者数は増減いたしますので、例えば令和8年3月の実利用者は920人で、そのうち高等部・高校生は16人です。
支援内容の例といたしましては、児童には相手の立場に立って発言ができるようなコミュニケーションの取り方などを助言したり、学校の先生には児童との信頼関係の築き方や話しかけ方、声がけのタイミングなどについて助言を行っております。
●塚地議員 有効な支援だと思います。ところが、先ほどご説明をしましたように、卒業まででなくて、卒業の事前の誕生月が来た段階で、この支援が打ち切られるということになっています。
◆このことについて、市町村と協議をして、補助制度を設けて、引き続き卒業時まで支援ができるように対応をすべきと思いますけれども、子ども・福祉政策部長にお伺いをいたします。
○子ども・福祉政策部長 このサービスは児童福祉法において18歳未満を対象とするものと規定がされていることから、誕生日を境に在学中でもサービスが利用できなくなります。
今後、サービスが利用できなくなった人に対して、卒業までの間にどのような支援を受けているかなどを市町村に調査いたします。調査の結果、必要な支援がなされていない市町村には、このサービスとは別の、学校の職員に対して療育に関する技術指導を行う事業の活用の検討を促してまいります。
●塚地議員 実態の調査もしていただいて、代替的な措置も検討していただくということでしたので、是非その点はそれとして進めていただきたいとは思いますけれども、児童福祉法に基づいている放課後等デイサービスについては18歳到達後も20歳まで給付を続けられるという特例がありまして、障害児の入所支援にも同様の特例もあります。
一方、国の保育所等訪問支援事業のガイドライン・手引きには訪問先として中学校や高校を例示もしていることですから、国も必要性について認識をしています。ところが、卒業までの延長特例がありません。
◆来年度報酬改定も行われる予定ですので、国に対して特例を設けるように提案をすべきではないかと思いますけれども、子ども・福祉政策部長にお伺いをいたします。
○子ども・福祉政策部長 先ほど申し上げた代替の事業での支援が可能と考えますが、一貫した支援という観点から高校卒業まで同じサービスが利用できることは望ましいと考えます。このため、機会を捉えて国に提案してまいります。
●塚地議員 大事な支援として認識もいただいて、国に提言もという話でしたので、是非よろしくお願いをしたいと思います。
【性的マイノリティの権利について】
●塚地議員 パートナーシップ制度も含む、性的マイノリティの人たちも自分らしく生きていける県政に向けた取り組みについてお伺いをいたします。
今年の6月16日、政府は「性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解増進に関する法律」に基づく、基本計画を閣議決定いたしました。
法律名の性的指向とは、どのような性別の人を好きになるか、全く好きにならないか、恋愛感情が向く、性的に惹かれる方向性、セクシュアルオリエンテーションという意味であり、ジェンダーアイデンティティとは自分が性別をどのように認識をしているかという視点で、女性・男性のどちらかのグループに帰属しているか、あるいはどちらもでもない、どちらでもあるとの認識のことで、それぞれの頭文字を取って、SOGI理解増進法とも呼ばれています。
今回の基本計画には様々な問題点が含まれていますが、基本的な考え方に自らのSOGIに従って、社会生活を営む利益は人格と結びついた重要で切実な法益と明記をされたことで、異性を愛する人やシスジェンダーという出生時に割り当てられた性別と自分の性自認が一致している多数者以外の多様な性を生きる人々、トランスジェンダーの人についても改めて政府として、正面から肯定したと受け止められ、当事者を勇気づける記載だと捉えられるとの声明が法整備を求めてきた団体からも出されています。
先に述べたLGBTQ、性的指向が異性以外であったり、トランスジェンダーの人は様々な調査で3~10%くらい存在しているとされていますが、そもそも全ての人々はそれぞれ異なる性的指向と性自認を持っていて、国連では2012年、SOGIについて生まれながらにして自由で平等であることを認め、SOGIに基づく差別を禁止するキャンペーンを展開しています。
◆基本計画でSOGIの多様性に関わる知識の着実な普及を図ることの推進が自治体にも求められていますが、国連キャンペーンの認識の到達に立ったものとなるよう、当事者や専門家の声を聞いて進めるべきと思いますが、どのように取り組まれるか、子ども・福祉政策部長のご所見をお聞きいたします。
○子ども・福祉政策部長 基本計画では、性の多様性に関する知識の着実な普及が地方公共団体に求められております。
本県では、誰もが自分らしく暮らせる高知県の実現を図るため、性の多様性の理解促進に向けた啓発などに取り組んでまいりました。具体的には、こうち男女共同参画センター・ソーレや人権啓発センターにおいて、当事者の方を講師にお招きし、多様な性を認め合うための講座を開催しております。今後も啓発など事業の実施にあたっては、当事者の方や有識者からしっかりと意見を伺いながら進めてまいります。
●塚地議員 各専門家の方もおられますし、当事者団体の方もおられますので、是非ともそうした方々のご意見をしっかり汲み取って進めていただきたいと思います。
さて、SOGIについての認識や理解が進んでいない中で、性的指向に関する生きづらさや偏見・差別が様々な形で現存しているのも、残念ながら確かなことです。
◆そのため専門性を持った相談窓口や当事者同士のカウンセリングの場につながりやすくする取り組みも重要です。どのように充実をさせていくか、子ども・福祉政策部長に伺います。
○子ども・福祉政策部長 性的指向やジェンダーアイデンティティ、いわゆるSOGIの多様性に関する認識は広がりつつありますが、その一方で生きづらさや戸惑い、様々な不安を抱えている方もいらっしゃいます。
そのため、専門の相談員がSOGIに関する相談を行う窓口としてソーレに虹色コールを設置しているほか、県内では民間団体による相談窓口もあります。
また、国においても24時間対応の寄り添いホットラインを設け、性別の違和感を含め、幅広く相談に対応しております。SOGIに関する悩みを1人で抱え込むことがないよう、引き続きこうした相談窓口の周知を図り、必要な支援につながるように取り組んでまいります。
●塚地議員 ぜひ積極的によろしくお願いをいたします。教育の場での取り組みの重要性も言うまでもありません。2015年に、文部科学省は国として初めて、性的マイノリティの子どもへの配慮を全国の学校に求めた通知を出しました。さらに、2022年12月に改定した生徒指導提要では、性的マイノリティに関する課題と対応という項が新設をされ、学校生活を送る上での特別な支援、日常の教育活動を通じた人権意識の醸成について明記されました。その後、多目的トイレの設置やジェンダーレス制服の導入などが進んできました。
しかし、昨年6月に日本財団と協力して性的マイノリティの中高生を対象に調査を続けているNPO法人ReBitの報告では、中高生1077人のうち約90%が過去1年間に学校で困難やハラスメントを経験、「教職員が原因」が63%、「担任に安心して相談できない」も9割を超えているという結果でした。
不登校や自己肯定の否定につながる状況も見られ、それぞれの性的指向、性自認は尊重されるべき人権で差別は許されないとの理解と環境を作るため、取り組みの一層の強化が求められています。
◆その学習と一体に制服について考える実践も広がっています。県内の公立学校におけるジェンダーレス制服の導入状況はどのようになっているのか。教育長にお伺いをいたします。
○教育長 本年の9月現在、県内公立学校において、ブレザーやポロシャツなど性別を問わず着用できるデザインの採用や、スカート、スラックスの自由選択など、いわゆるジェンダーレス制服を導入している割合は中学校で80%、高等学校で97%となっています。
●塚地議員 大きく前進をしてきているということだと思います。この導入の過程の中で、様々な議論がされてきて、その中での理解の深まりも大きくあってきたんだろうと思います。できることならば100%に近づいていく、さらなる前進を求めておきたいと思います。
◆この2022年の改定の生徒指導提要に基づく性的マイノリティの子どもたちの人権を守る取り組み、これからもどう進めていくのか、教育長にお伺いをいたします。
○教育長 各学校では、令和4年に改定された生徒指導提要に基づきまして、性的マイノリティに対する教員の理解を深め、児童・生徒の人権意識の醸成を図っています。県教育委員会としても、教員研修用の資料を作成するとともに、授業で活用できるよう、当事者の声を掲載したテキストの改定を行い、各学校の取り組みを支援してまいりました。今後、このテキストの積極的な活用を通して、人権教育のさらなる充実を図り、性的マイノリティの児童・生徒が、心ない言動によって人権を侵害されることがないよう、各学校の適切な対応や支援につなげてまいります。
●塚地議員 是非、充実を図っていただいて、そうした子どもたちの声がですね、傷ついたと言われる状況がなくなるように、努力を前に進めていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
同性婚が認められていないもとで、全国に広がっているパートナーシップやファミリーシップ宣誓制度について伺いたいと思います。
「カップルとして、家族として胸を張って生きていけるようになった」「精神的な安定感っていうか、この制度が心の支えになっている」「子供たちにちゃんとした関係だよと示したい」「自分が子供の時にあったらどんなに救われただろう」などの声がファミリーシップ制度、パートナーシップ制度を導入されたところからは聞かれているところです。
性的マイノリティの人たちの尊厳を支え、実質的な不公平感の改善にはほど遠くても行政や企業で配偶者と同等の対応を推進する力にもなっています。この間、県としては、市町村単位の制度導入をガイドラインも作成し、促進を図ってきています。
◆現在、市町村では今年10月時点で15市町村が未実施となっています。課題は何だと考えておられるのか、知事にお伺いをいたします。
○県知事 お話がございました15市町村に対しまして、このパートナーシップ制度の導入に至っていない理由を聞き取りをいたしましたところ、大きく3点ほどに集約されるかと思います。
1点目は性の多様性に対します住民の理解が十分に深まっていない。そうした中で制度を導入するとハレーションが想定をされるといったようなこと。2点目は、住民同士のつながりが強い、郡部などの地域におきまして、周囲に知られる懸念などから当事者が声を上げにくい、そうした状況があるといったこと。3点目といたしまして、自治体職員のマンパワーが不足している、こういった点などが挙げられております。
●塚地議員 今のお話の3点で、住民の理解が広まっていないという点については、それは是非、この制度を導入することによって広げていくべき、私は課題だというふうに思っていますし、町の職員の数が少ないということになるのであれば、県がやっぱりそれを代替するということが、私は大事ではないかというふうに思います。これは積極的に県として改善を図っていくべきものなのではないかというふうに思います。
滋賀県などでもオンラインによる事前手続きで、県が宣誓書の受領書を発行するま事務を行ってきていますし、都道府県での「未導入・検討せず」は本県を含む12道府県で少数派となってきています。県内在住であれば市町村をまたがったカップルでもまた引っ越しても再申請の必要もありません。県としてパートナーシップ宣言をすれば最低限県が認めた県営住宅の入居を始め、5つの利用可能なサービスを受けられ、その上で、それぞれの市町村との相互利用連携での独自の公営住宅の入居や保育所、幼稚園の申請など充実を図ればと思います。既に鳥取、香川など22府県間で転入・転出における手続きを簡素化し、ネットワーク構築まで県のレベルで進んでいます。何より、県という大きな単位が公的に認めることで、地方銀行や電力会社、地元の主要企業が一斉に社内規定やサービスを改定しやすくなり、企業での理解促進にもつながります。鳥取県、青森県、秋田県など11都県では県としてのパートナーシップ制度を行っており、県庁職員の福利厚生の適用も行っています。
◆一気にそこまでを求めるものではありませんけれど、多様性を大事にし、あなたがあなたらしく、生きていける高知県の姿をアピールをしていただきたいですし、先ほど市町村の問題点として挙げたことを県として、リードして改善はさせていくという点においても、ぜひ県としてのパートナーシップ制度を行うよう求めるものですけれど、知事のご所見をお伺いいたします。
○県知事 このパートナーシップ制度に関しましては、かねてより私としては一義的には市町村において導入することが望ましいと申し上げて参りました。住民の記録の事務を常日頃されております。また、色々な行政のサービスの窓口になることも多いわけでありまして、実効性を考えた場合、市町村が適するという判断に至っております。
このため県といたしましては、令和6年に、この制度の導入に関する指針を策定をいたしまして、市町村におきます制度導入を後押ししてまいりました。また、市長会、町村長会等のですね場面で、私意見交換する際にはまこの制度を入れていくということが、都会の若い方々に移住を呼びかける際にですね、この地域では多様な方々をありのままに受け入れるそういったあたたかさがあるんだということをアピールできるという意味もあるので、是非積極的に導入にご検討いただきたいということを、私からお願いをいたしました。そうした結果もありまして、現在、制度導入自治体は34市町村中の19市町村に上ります。
この指針を作って以降11市町村が、参加をされているということでありますし、県内人口のカバー率で見ましても85%を超えております。85%の県民の皆さんが制度を使える状況にはなっているということでございます。ただ、一方で15市町村では逆に言いますと、証明を希望する方がおられても制度を利用できないという状況にあるというのは、ご指摘のとおりでありまして、県として何らかの対応を検討しなければいけない。そういう時期には来ているという認識ございます。従いまして、未導入の市町村が自ら制度を導入するまでのつなぎ的な措置を県が代替をするというような考え方で、未導入の市町村の住民の方々を対象として、県としてこのパートナーシップの証明事務を行うということの検討を始めたいと考えております。
●塚地議員 大変前向きなご答弁をいただいたと思います。
未導入の地域に住んでおられる方々の人権を保障するという意味で、一歩踏み出そうという知事のご発言だった、ご答弁だったというふうに思いますので、是非、その点は今後前向きに、具体的に進めていただきたいということを改めて要望をしておきたいと思います。
私が、言いたかったその未導入の地域ので、お住まいの方々の人権保障ということを大事に考えているというご答弁でしたので、その点を踏まえて、なお、さらに一層一歩前に進めるとすれば、私は、県が広域の単位でパートナーシップ宣言をするということが、やっぱり民間企業に対する影響も大変大きなものになろうかと思うんですね。
今、県がしようとしていることは、まさにパートナーシップ宣言を県がしているということと、私は同義だと思うのですけれども、その点について、最後、知事にお伺いをしたいと思います。
○県知事 お話の人のようにいわゆるアピールと言いますか、PR、アナウンス効果という面は確かにあろうと思いますが、私としては、そういったものも踏まえながらも、行政の実務としてどうかという点も併せ考えてですね、県として、本当に困っておられる方のところに手を差し伸べるという観点からまず検討したいと考えております。
●塚地議員 こだわりが強いということを、改めて今のご答弁で感じました。実質はパートナーシップ宣言をしているものだということを私は感じました、ということを申し上げて、一切の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。