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- 2026年10月09日
- 議会(質問・討論)
- 2026年9月議会 細木良議員の一問一答質問(2026.10.08)
【質問項目】
・スペースポート高知調査事業
・文化行政について
・知事公邸の存続について
・防災について
・県民体育館再整備について
【スペースポート高知調査事業】
●細木議員 本日、最後の登壇となりました。よろしくお願いします。
県は、今年「スペースポート」に必要とされる施設設備や地理的条件、需要等に関する基礎的な調査を行うとともに、本県における射場の実現可能性について評価することを目的に約1100万円の予算を投じ、EY新日本有限責任監査法人高松事務所に委託、調査事業が現在行われています。
8月、日本初の民間ロケット射場「スペースポート紀伊」のある和歌山県串本町を訪問しました。2018年「スペースワン株式会社」が発足、翌2019年スペースワン社と県・串本町及び那智勝浦町が進出協定を締結、2024年にカイロス初号機打ち上げに至っています。
地域住民が自発的に応援団を結成、見学イベント時には多数出店するなど、ロケットの街を起爆剤として、人口減少に歯止めをかけ、南紀熊野ジオパークと合わせて地域のにぎわいづくりに努力されている様子でした。また、旧庁舎を改修したロケットミュージアム「宇宙ふれあいホール・ソラミル」には夏休みだったこともあり、多くの親子連れや小中学校の理科教諭なども訪れていました。
ロケット発射時については、発射場から周囲周辺2km以内の立ち入り禁止。上空は厳格な飛行区域の設定、会場ではロケットからの落下物もあり、広範囲で警戒区域が設定され、船舶の立ち入りが厳しく規制されています。また、多くの見学者が訪れるため、渋滞対策も行われています。
2020年3月、12月、26年3月と3回ロケットが打ち上げられましたが、残念ながら3回とも失敗に終わっています。
県は和歌山版PFI事業としてスペースワン株式会社に無利子で32億円融資し、今年から返済が始まったとのことです。
目標としている年間30機の打ち上げを達成し、営業が軌道に乗るまで超大手企業であるキヤノン電子、IHIエアロスペース、清水建設、日本政策銀行が出資している会社とはいえ、コスト面では厳しいのではないかと率直に感じました。
鈴木一人(かずと)東大公共政策大学院教授は「今はもう宇宙開発の黎明期ではなく、失敗しても許される段階ではない。日本のロケットへの信頼性は、市場が今後判断することになるだろう」と指摘しています。
スペースポート高知のホームページではロケット発射のイメージ図がアップされていますが、私が主な日常の活動エリアとしている高知新港周辺が想定されていることもあり、三里地区の住民から不安の声があがっています。高知の若者が起ち上げた企業で応援したいという県民も多いと思いますが、メリット面だけでなく様々なデメリット面も認識し、県民の不安に向き合いながら事業の調査を行わなければなりません。
知事の提案説明では本県に適地がある可能性、ロケット開発事業者の関係づくりの重要性、県内の民間企業を中心になり、ロケットエンジン燃焼試験場を県内で整備する検討を開始など報告されました。
◆新聞報道では陸地および、まだ国内で具体化されていない洋上射場も検討されているとのことですが、県内の適地の可能性について。現段階で具体的な適地は選定されているのか。産業振興推進部長にお聞きします。
○産業振興推進部長 現在までの調査内容としましては、陸上射場について南東に海が広がっていることや、半径1キロから2キロ以内に民家等が密集していないなどといった地理的条件を満たす場所があるかどうかについて整理をした状況です。従いまして、現時点で具体的な適地が選定されているものではございません。
●細木議員 検討会資料では、開発中の課題として高知空港の離着陸航路にあたるため、打ち上げ地点から、南東の区域は使えないとの指摘もあり、また強風や台風など少ない安定的な気候が求められ、養生射場では海底の状況などの条件も求められているようです。なかなか適地候補が厳しいかなというふうな感じもします。
陸上射場の整備要件についての調査項目に環境的条件として「騒音、振動、土壌、水質、大気、臭気」とあります。宇宙基本法の第7条では、「環境への配慮を行うこと」が求められています。
アメリカのケネディ宇宙センターでは消火剤による深刻なPFAS汚染による健康被害が発生しています。環境汚染による健康被害問題に不安を持つ県民の声もお聞きをしています。◆本県における射場の実現可能性など、今回の調査の取りまとめを県民に説明する機会を設ける予定はないのか、産業振興推進部長にお聞きします。
○産業振興推進部長 現在実施している調査の結果については、来年1月に開催予定の第3回研究会で報告する予定です。この研究会において、専門的見地からご確認いただいた後、年度内に取りまとめる予定としています。取りまとめた結果については、県民の皆様にも広くお伝えしていきたいと考えており、来年度にはそうした機会を設けたいと考えております。
●細木議員 宇宙産業に関わるコンサルティングの会社のホームページに県内の立地可能性の具体的な市町村名が掲載されています。説明会では、できるだけ立地可能性のエリアなどを含めて、県民に分かりやすい説明を求めておきたいと思います。
宇宙基本計画は国から民間主導の流れとなっています。
◆新聞報道ではロケット開発企業4社に利用の可能性があるとの報告ですが、ロケット開発企業の具体的な参画の見込みについて、産業振興推進部長にお聞きします。
○産業振興推進部長 今回頂いた結果報告はロケット開発企業への「企業立地や経営戦略を勘案し、高知県が射場候補となる可能性はあるか」との質問に対し、4社から可能性はあるとの回答をいただいたものです。従いまして、具体的な参画見込みについて明らかになったものではございません。
●細木議員 「第1回高知県におけるスペースポート実現可能性研究会」でオブザーバーとして参加している竹森さんからは、「串本町ではスペースワン立ち上げから約10年、大樹町は1980年から約40年かけて今の状況をつくっている。ロケット事業に関しては根気と資金が必要であり、単なるお祭り騒ぎでできるものでなく、相当の覚悟も必要である」と箴言しています。
また、射場に求められている価値や需要に関しても、「5年後10年後で変わっていくため、将来を見据えて具体的にどういった射場を整備し、作り込んでいくかの視点を持つことが重要」と発言をされています。
ロケット産業は日進月歩であり、再利用性や環境負荷の低減、コスト削減を果たすため、滑走路利用で離陸し、大気圏内をジェットエンジン、高高度でロケットエンジンに切り替える開発なども国内で検討されています。将来を見据えたビジョンを持つことも大切ではないかと思います。
洋上射場も検討されていますが、土佐湾沖リマ水域では自衛艦による対空射撃訓練や米軍による飛行訓練が週末を除いてほぼ毎日行われています。今月19日からは日米共同演習キーン・ソード27が行われ、土佐湾沖へ日米豪の哨戒機部隊が飛来、海上作戦訓練も行います。安全確保のためには、自衛隊や米軍へのヒアリング、また高知龍馬空港での航空機の離発着への影響も考慮すべきと考えます。
◆また、ロケット発射時には操業を見合わせなければならない漁業への補償、クルーズ船寄港は昨年114回、今年の寄港予定は109回と多く、それら含めた地域経済の影響なども試算するべきと思いますが、今後こうしたステークホルダーへのヒアリングなどを予定しているのか、産業振興推進部長にお聞きします。
○産業振興推進部長 今回の調査は、スペースポートに必要とされる地理的条件や需要、事業収支、経済波及効果など、構想の実現可能性を判断するための基礎的な事項について調査させているものでございます。
議員のお話に合った空港の運用、漁業、船舶などへの影響については、実際の候補地などが具体化した段階で詳細に確認していく必要がある重要な視点と考えます。
このため、まずは今回の調査結果をふまえて、構想の実現可能性を見極めたいと考えております。その上で、県としてさらに検討を進めることになった場合には、ステークホルダーへのヒアリングも必要となるものと考えています。
●細木議員 ここで宇宙利用に関し、原則的な問題を知事にお伺いしたいと思います。
宇宙基本法(2008年)第2条では、「憲法の平和主義の理念にのっとり宇宙の平和的利用」がうたわれています。宇宙利用の基本は平和利用が原則です。
今年亡くなられた秋山豊寛(とよひろ)さんは、ジャーナリストとして活躍され、1990年に日本人初の宇宙飛行士として旧ソ連の宇宙ステーション「ミール」に滞在されました。軍事技術からの脱却と平和利用、宇宙開発の基礎が軍事競争から生まれたことを踏まえ、宇宙空間が新たな兵器の配備や戦争の道具に使われることに強く反対するなどジャーナリストの視点から宇宙の軍事利用に対して一貫して批判的な姿勢を示し、平和的な利用や環境保護の重要性を訴え続けられました。
しかし現状は、2020年のアメリカ宇宙軍創設に呼応し、2022年には航空自衛隊に「宇宙作戦軍」が編成され、2023年には宇宙安全保障構想が策定されるなど宇宙空間がきな臭い状況になりつつあることに言いようのない不安を感じます。
宇宙基本計画行程表改定に向けた重点事項(2026.6.12)の「宇宙安全保障の確保」の項目では、世界の状況において「宇宙の軍事利用、宇宙の戦闘領域化が進展、宇宙空間における脅威とリスクが拡大している」との認識を表明しています。そうした中、高市内閣は防衛予算の大幅増大、日本全土の基地化など軍事力強化路線をすすめており、「産業競争力強化・経済安全保障推進計画」の改定では、官民投資の集中対象として17の重点分野を明示、そのうち「宇宙・衛星・宇宙輸送」では、宇宙安全保障(監視衛星・通信衛星の国産化)は防衛分野とも重なるデュアルユース領域として特別扱いされるなど民生技術の積極的な防衛目的での活用、デュアルユース(軍民両用)技術の育成など防衛産業を強化しようとしています。
日本は1969年、国会において全会一致で宇宙平和利用を決議しており、宇宙産業も平和利用に徹するべきです。
◆ロケット打ち上げ事業など宇宙利用は平和利用が原則であることについて、知事の所見を伺います。
○県知事 ご紹介がございましたように、ロケット打ち上げ事業など宇宙開発利用につきましては国会決議が行われております。昭和44年の衆議院本会議におきます決議におきまして「平和の目的に限り行うもの」とされています。
また、ご紹介もございました宇宙基本法におきましては、「宇宙開発利用は安全保障に資するよう行われるもの」と位置づけられております。政府はこれらの解釈につきまして、国会答弁におきまして、「憲法の平和主義の理念に則り、非軍事に限らず、専守防衛の範囲内で我が国の防衛のために宇宙開発利用を行うことは決議の趣旨に反するものではない」との見解を示しているというふうに承知をしております。
私といたしましても、宇宙開発利用はこうした政府の考え方に沿って、平和主義の理念のもとに適切に行われるべきと考えます。
●細木議員 ありがとうございます。今、日本はアメリカから衛星コンステレーションの共同利用を持ちかけられています。
地上での米軍との一体化のみならず、宇宙空間においても米軍に組み込まれていくというような、そうした危険性も感じるところです。
【文化行政について】
●細木議員 次に、文化行政について伺います。
本年6月パリのユネスコ本部で国際博物館会議(ICOM)が倫理規定を大幅に改定しました。博物館の定義として、「博物館は社会に奉仕する。専門的な知識、見識、および基準をもって運営され、コミュニケーションを行う。知識の共有と熟考のための多様な体験を提供する。調査研究し、収集し、保存する。そしてガバナンスとして非営利の常設機関である。」というもので、人権尊重、社会正義、平和にも触れ、現代の課題への対応として、デジタル技術の進展、気候危機、植民地主義の遺産への向き合い方、多様な博物館となるための柔軟性などがあげられています。
また、2022年には博物館法が改正されましたが、博物館間の連携による地域課題の解決などが特徴です。
◆来年度から10年間を期間とする第2期県文化芸術振興ビジョンを今年度策定するための準備が進められていますが、改正博物館法の特徴が、次期県文化芸術振興ビジョンにどのような形で取り込まれるのか、文化生活部長に伺います。
○文化生活部長 法改正を受けまして、次期文化芸術振興ビジョンには、県立文化施設の果たすべき役割として地域課題を解決するため、他の文化施設や地域の文化団体などと協力した取り組みを推進することを盛り込む予定です。
具体的には、県立文化施設をハブとした各地域の施設と連携した企画展などの実施、県立文化施設の学芸員によるお寺や神社、個人などが所有する資料の保存や活用に向けた助言、災害を見据え、県や市町村文化施設などの関係者による文化財保護体制の構築などを検討しています。
●細木議員 ICOMの倫理規定についても、振興ビジョンや各博物館の役割に反映できるように求めておきます。
県は、今年度より指定管理者公募方針を改定し、「高付加価値サービス」を実施することで、配点を100点満点中、現行の10点から30点以上にするよう運用指針を変更しました。具体的にはイベントをバージョンアップし特別料金にすることや、民間事業者の参画を条件づけ、知名度向上による集客増を図ることなどを想定していると聞いています。
ビジョンの基本理念は「文化芸術の力で心豊かに暮らせる高知県」、基本方針は「文化芸術を身近に感じることができる環境の充実」としています。
◆指定管理者公募方針改定と県文化芸術振興ビジョンおよびICOMが謳う「非営利」の理念との矛盾はないのか、知事に伺います。
○県知事 県立施設の運営の活性化に向けまして、8月の末に、ご紹介いただきましたような形で、一定の条件を満たします。集客施設における指定管理者の公募方針の改正を行いました。
この改正によりまして、民間の創意工夫を最大限に生かし、効果的な広報、あるいは誰もが足を運びたくなるような企画展などを開催いたしますことで、さらに魅力ある施設となるということを期待したものであります。
議員からお話のありました次期文化芸術振興ビジョンの趣旨の1つは、年齢や障害の有無にかかわらず、誰もが文化芸術に触れ、楽しむことができる環境の充実を目指すというものであります。また、ご紹介がありました国際博物館会議ICOMの規定におけます非営利の定義は、収入を得ることを否定するものではなく、博物館及びその運営のために活用することを求めるというものであると認識しております。
日本のNPO法などの考え方によりましても収入を得るとか、あるいは黒字を出すことが駄目だということではございませんで、そうした利益が上がった場合に、例えば出資者とかですね、役員が山分けをするとこれはいかんということであって、そうして上がった黒字分、利益などは本来の目的に、事業の目的に使うということを公益的な目的に使うということを求めていると、そんな趣旨だと私は理解しております。
そうした意味で、今回の改正は、指定管理業務で必要な経費の大半を管理代行料で措置をし、利用料金を安価に設定するということで、文化に触れ楽しむ機会を提供する、こういうことを、これは従前の考え方どおりのことを前提といたしております。その上で、より付加価値の高い企画展などを実施をし、そこで得られた収益は文化芸術の振興につなげていこうと、こういうことでございますので、次期文化芸術振興ビジョンあるいは国際博物館会議ICOMの規定におきます理念と矛盾するものではないというふうに考えます。
●細木議員 先日の加藤議員への答弁で、特別展料金について高齢者、子どもへの有料化の方向が示されました。文化に触れる市民の権利の侵害になるのではないか、また、企画展での商業主義への傾倒なども危惧されます。
国の文化行政は、入場料引き上げや二重価格設定など自己収入増加目標を押し付けてクラファンなどの活用も求めています。目標達成できなければ、再編を迫るなど儲からない施設は不要、稼げない文化に価値なしと言わんばかりで、採算という尺度で文化を語ってほしくないと思います。こうした国の文化行政に県の文化行政が追随しているのではないかなというふうな危惧を伝えておきたいと思います。
【知事公邸の存続について】
●細木議員 次に、知事公邸の存続についてお聞きします。
知事公邸の今後のあり方については、今年、有識者会議を発足させ年度内にも報告書をとりまとめる予定です。その中で老朽化を理由に「建て替え」や「民間施設の借り上げ」などの選択肢が論議されていますが、保存活用を求めている建築専門家3団体が9月7日、県に対し世界に誇る貴重な建築文化遺産、「高知の宝」として、知事公邸を保存活用し、後世に継承するよう求める要望書が提出されました。
設計を行ったのは日本を代表する建築家・村野藤吾。代表的な建築として、改修に携わりその後国宝に指定された「迎賓館」、広島にある重要文化財「世界平和記念聖堂」などがあります。
村野藤吾という建築家の人となりについて、国会図書館に所蔵されている「迎賓館赤坂離宮改修記録・改修設計の構想」について紹介します。「村野は改修前の当時の状況を振り返り、荒涼として一人歩きは薄気味悪い感じがした。創建当時の豪華さや由緒ある歴史を考えるだけに、建物の内外とも荒廃して惨憺たる情景に見えた。実のところ、改修の仕事を私にできるだろうかと、自分の技量を疑ったくらいであった。設計改修の期間7年間にわたる仕事が無事に終えられたことは、私にとってまさに天佑と思う」。先日、迎賓館を見学してきましたが、内装は、全てのお部屋が芸術品のように豪華絢爛な内装でした。
建築専門家からの『要望書』では、「鉄骨と檜による複合性を用いて長く張り出した軒、庭園と一体化した応接空間など、本建築物には和風建築としての繊細さと現代建築の合理性が調和した村野建築ならではの魅力が随所に表れている。」とあります。
このような文化的価値に加え、竣工以来、60年以上にわたり、歴代知事の居住の場であるとともに、海外派遣団の壮行会、留学生とのパーティ、「濵田にお聞かせください」、県民や職員との座談会など県政と市民をつなぐ交流の場として活用されてきました。老朽化しているものの知事は自ら有識者会議の場で「問題なく使えている」と発言されています。
●要望書の内容もふまえ、コスト論ではなく、文化的価値の極めて高い知事公邸の保存を決定すべきと考えますが、知事の考えを伺います。
○県知事 知事公邸につきましては、本年6月に有識者会議を立ち上げまして、今後の在り方についてご議論を頂いております。
この会議では、今後の在り方として幅広く議論をいただいております。具体的にご紹介しますと、本県におきまして、例えば、県が知事に公邸を提供する必要性がそもそもあるのかないのか。また、知事公邸に必要な機能、これは具体的には居住の機能と現在持っております会議、迎賓、お客様をお迎えする機能ということでありますが、こういったものがどういったものか。そして、設置する場所の条件としてどのようなことが考えられるか。これも例えば県庁の近傍であるというような条件かどうかということ。更には、知事公邸が必要とした場合、県所有の建物が良いのか、民間施設の借り上げでの対応を考えた方がいいのか、こういった、そもそも知事公邸はどうあるべきかという原点に立ち返った議論、検討をお願いしております。
そのような中、先月、建築関係の団体の皆様方から、現在の知事公邸の建物の保存活用に関する要望書をいただきました。建築の専門家の皆様の現在の公邸の建物への高い評価、そして、保存活用を願う気持ちが込められたものと受け止めております。
今後は先ほど申し上げました有識者会議から、年明けをめどにご提言をいただきたいと思います。これを踏まえまして、しかるべき時期、私自身の判断としましては、年度内をめどに、この知事公邸をどのようなあり方にすべきか、この原理原則の部分について判断をしたいと考えております。
そうした結果、仮に現在の建物を知事公邸として利用しないということになりましたら、次の段階で現在の建物のあり方をどうするかという検討をすることになる、また、別のステップに移るというような手順だと考えております。その際には、今回の要望書も参考にさせていただきまして、建物の文化的価値がどうなのか、また、民間活力の導入といったものも含めまして、具体的にこの保存活用のご要望でありますが、どのような選択肢がありうるのかという検討、さらにはそれぞれの選択肢について、費用対効果はどうか、こういった様々な観点を踏まえまして、次のステップの段階の判断に向けまして、総合的に検討をして参る考えであります。
●細木議員 併せて提出された「高知県知事公邸についての見解」では、総合的価値として、①村野が手掛けた唯一の知事公邸であり、意匠に公邸建築としての工夫や配慮が顕著に表れ極めて価値が高い、②昭和戦後期の県政を表す代表的な建築として代替不可能な価値を有する、③県自ら費用を積み上げ、良質な知事公邸を作ろうとした県の姿勢が表れ、(村野・森事務所と地元設計事務所との緊密な協働により)県内建築技術者の研鑽に資する事業となり、本県の近代史にとって意義のある建築である、と3点をあげ、文化財登録ができるだけの高い価値があると高く評価をしています。
全国でこれまで知事公邸が国の登録有形文化財として登録されているのは、戦前に建てられた旧岩手知事公舎と北海道知事公館のみで、戦後に建てられた知事公邸の文化財登録はありません。
また、文化庁は戦後から20世紀末までにつくられた優れた建築物について「近現代建造物緊急重点調査」事業を行っており、今年・来年度分は本県が対象となっています。文化庁建造物課は知事公邸が調査対象となる可能性にも言及しています。
◆戦後に建てられた知事公邸で国の登録有形文化財への登録を目指し、申請することを提案するものですが、知事公邸を所管する総合企画部長に見解を伺います。
○総合企画部長 お話にありました文化庁の調査は戦後に建てられた特に重要な価値を持つ、建造物の保護を図ることを目的としまして、日本建築士連合会に委託して実施されるものと承知をしております。
知事公邸はこの調査の対象の1つに含まれており、これから来年度にかけて、図面等の資料調査や現地調査などの詳細調査が実施され、建物に対する所見や評価が行われる予定と聞いております。その上で、今後県として文化財登録を目指し国への申請を行うかどうかにつきましては、先程知事からも答弁がございました有識者会議での議論を経て、公邸の在り方について方向性が定まった後、今回の文化庁の調査結果や登録後の活用策や費用面、さらにはより幅の広い多くの県民の皆様のご意見などを踏まえまして、総合的に検討することになると考えております。
●細木議員 ぜひよろしくお願いします。
【防災について】
●細木議員 次に、防災について、第6期南海トラフ地震対策行動計画バージョンアップで医療対策、津波対策、災害関連死対策を3つの重点ポイントとしています。
◆そこで、今年から始まった81年から2000年までの新耐震基準で建てられた木造住宅耐震診断の実施状況を土木部長に伺います。
◆土木部長 いわゆる2000年基準以前に検出された木造住宅につきましては、令和6年能登半島地震におきまして、一定の被害が見られましたことから、本県では本年4月より耐震診断の補助範囲を2000年基準以前の木造住宅まで広げたところであります。
こうした中、9月末時点で制度を導入している市町村の数は県内7自治体、市町村への申し込み件数は57件となっております。
●細木議員 その他の市町村が実施しない要因について、土木部長に伺います。
○土木部長 未導入の市町村に理由をお聞きしたところ、1つが、耐震診断と改修の補助が一体でないと制度化がしづらいと、2つ目が、まずは旧耐震基準の制度化を優先すべきという主に2つのご意見があったところです。
●細木議員 9月7日から、高知市では2000年基準までの木造住宅を対象に耐震診断モニター募集を開始して、わずか3日間で募集の50棟が埋まり、今月追加の50棟を再募集するなど、市民の耐震に対する関心・要望の高さを感じました。
全国では大阪はじめ、徳島、宮城など2000年基準までの耐震改修補助事業に踏み出す実態が増えています。耐震改修事業は実施されることになれば、県民の意識も高まり、耐震診断をしてみようという県民は増加するのではないでしょうか。81年から2000年に建築された木造住宅も、築45年から26年を迎えています。除却し建て替えとなると昨今の資材高騰などもあり、耐震及びリフォームで木造住宅を長寿命化することは2050年のカーボンニュートラルにも大きく寄与すると思います。
81年以前の旧耐震基準の木造住宅の耐震完了の県内の状況や2000年基準までの耐震診断の状況分析精査することを踏まえて、2000年基準までの木造住宅耐震改修補助事業へ踏み出す時期を検討してみてはどうかと考えますが、土木部長、お願いします。
○土木部長 2000年基準以前に建築された木造住宅につきましては、先ほどもお答えいたしましたように、市町村からのご意見もありますことから、できるだけ早期に耐震改修の補助制度化に向けて取り組んでいきたいと考えております。
なお、住宅の耐震化率は令和12年度までに95%とする目標に対しまして、令和7年度末で90%とまだ道半ばであります。目標達成に向けまして、旧耐震基準の住宅の耐震化にも引き続き取り組む必要があると考えております。
●細木議員 できるだけ早くということで、下村議員の答弁でもありました、評点1.0がたぶん対象になると思うんですけど、できるだけ早くということで、来年度実施できるように、ぜひ調整をしていただきたいと思いますので、要望としてよろしくお願いします。
【県民体育館再整備について】
●細木議員 県民体育館再整備と武道館の移転についてお伺いします。
現在の武道館の駐車場約30台駐車可能ですが、大会時などは、土日は県庁・西庁舎の駐車場を活用してしのいでいます。県民体育館再整備計画において桟橋に移転し、駐車場利用が難しい場合、公共交通利用といっても剣道など道具を持って移動するのは難しいのではないか。また、武道場が現行の4面から3名に減少すれば大会運営など使いにくいサブアリーナとの併用で利用料負担が重くなるのでは、との懸念の声が関係者から上がっています。
その他、観客席現行482ありますが、その確保及び諸室が確保できるのかも課題と思われます。武道館を利用している団体は柔道、剣道、空手ほか様々な団体が利用していますが、武道館利用者団体への基本計画の説明を行ったのか、観光振興スポーツ部長に伺います。
○観光振興スポーツ部長 基本計画を策定していく段階では、武道関係団体から広くご意見をいただくとともに、県柔道協会の会長には基本計画検討会の委員も務めていただきました。
また、パブリックコメントを実施する段階では、県柔道協会と県剣道連盟には直接基本計画案のご説明を行うとともに、空手道連盟や合気道連盟などにはメールで周知を行ったところでございます。
今後も基本設計を進めていく中で、武道関係団体を含む利用者のご意見を丁寧に伺いながら、より利用しやすい施設となるよう取り組んでまいります。
●細木議員 説明がちょっと4団体ということで少ないと思いますが、弓道、居合道、少林寺、銃剣道、薙刀とか色々多数ありますので、丁寧な説明が必要ではないかと思います。
併設する分館である弓道場・弘徳館は老朽化のため、遠的は使用不可となっています。今後廃止となれば、弥右衛門の県立弓道場に利用が集中し、高校生や一般利用者に支障が生まれるのではないか、という声もあります。弘徳館の存廃について、観光振興スポーツ部長に伺います。
○観光振興スポーツ部長 高知城の敷地内にあります弘徳館は、昭和56年に高知県立武道館の分館として開設した弓道場で、武道館と一体的に管理運営を行っております。
現在、武道館を新県民体育館へ移転・集約化する計画を進めており、武道館の閉館時期なども見据えながら弘徳館の存廃などについても検討を進めているところでございます。弘徳館は高校生をはじめ、多くの県民の皆様にご利用いただいていますことから、弥右衛門地区にある県立弓道場を含めた利用実態や競技環境への影響などを勘案しながら、今後の在り方について検討してまいります。
●細木議員 それぞれご答弁ありがとうございました。
ここで、高知新聞こえ広場で、公共事業の政策判断と題して、こえ広場で田中きよむ、県立大学の先生が寄せています。ちょっと紹介します。「最大の問題点は津波浸水区域への地下駐車場の設置案、パブリックコメントの7割程度が批判・慎重意見であったように、県民の懸念は強い。公共事業の是非を判断する基準はその便益が費用を上回ることである(カルドアの補償原理)。プロスポーツ等の希望観測的な経済活性化に伴う便益より来場者の生命損失の方がはるかに大きい。急ぐ理由として、知事は次期知事任期内に、工期を収めたいとの説明をされたが、知事の実績より重要なのは人命である。老朽化はあるとしても大きな危険性を伴う新設は正当化されず、止水板等の対策で津波浸水を防ぐことは、専門家からも疑問視されている。議会答弁においては、知事は一定の危険性を認識している。危険の予見可能性がある場合や、安全性を満たさずに公営施設を整え、南海トラフ地震で惨事を招いた場合、国家賠償法上の賠償責任を県に対して問われうる。構想を見直しの英断が求められる」というそうした指摘がされています。
来年の8月に基本設計が決まるということですので、期間はあります。これまで県民に対してオープンで説明したことはないですので、この期間を使って県民に対してしっかり基本計画の案、それと声を聞いて修正するべきはするというようなことで、この期間を有効に使っていただきたいと思います。みんなに愛される体育館を作るために、ぜひ検討していただきたいと思います。以上で、全ての質問を終わります。ありがとうございました。