議会報告

  • 2026年10月15日
    2026年9月議会 岡田芳秀議員の一問一答質問(2026.10.09)

【質問項目】
・物部川のアユについて
・農政について

●岡田議員 日本共産党の岡田芳秀でございます。早速質問に入ります。

【物部川のアユについて】
●岡田議員 まず、この夏に起きた物部川のアユの大量死に関連してお聞きをいたします。
報道もされましたが、物部川を泳ぐアユが、水温が上昇したことにより大量死しました。アユの生息に適した水温は摂氏15℃から25℃で、30℃を超えると生きられないと言われます。
7月下旬から8月にかけて水温が上がり、少量の死んだアユが見つかっていますが、こうしたことは例年でも時々あるようです。ところが8月16日から17日にかけて雨が降り、一旦水温が下がった後は連日の猛暑となり、日中の水温がアユの生息には厳しい30℃を超える日が続いたため、18日から28日にかけてアユが大量に死んでいます。長年、川に関わってきた人が、「こんなに死んだのは見たことがない」というほどです。
物部川漁業協同組合が専門家に依頼をして、アユの生息状況調査(9月1日から2日)を行ったところ、物部川下流域におけるアユの推定生息数は約9万尾で、7月調査時の約16万匹から約7万尾、44%が減少していました。市場価格にして被害額は、2000万円以上に上るとのことです。今回のアユの大量死の原因は、雨が少なく、上流のダムから供給される水量が少なくなった上、猛暑で日中の水温が30℃を超えるというアユには耐えられない水温が何日も続いたことです。
◆まず、アユの大量死の原因について、こういう認識でいいのか、水産振興部長に伺います。

○水産振興部長 漁協が依頼した専門家による調査では、大量死を引き起こした原因は降水温と流量の減少によるものと推察されています。また、今回の大量死を受け、県の内水面漁業センターにおいて死んだアユの魚病診断を実施した結果、高水温で発生しやすい病気が確認されております。以上のことから総合的に判断すると、今回の大量死は降水量、流量の減少、高水温が引き金となって発生した病気などの複合要因によって発生したものと考えています。

●岡田議員 物部川には上流から永瀬、吉野、杉田の三つのダムがあります。雨が降らないなら、川の水温を下げる方法は二つ、低い水温の水を流すこと、そして流す量を増やすことです。ダム湖の水は、夏場は水深が深くなるほど水温が低くなっています。企業局の永瀬発電所では、物部町大比にある永瀬ダム湖の取水口を7月21日から下げて、水温の低い水を取水し、発電して下流に流す対応をしています。
また、杉田ダムでは、漁協からの要請もあり、8月4日から下流に落とす水量を(通常の10.5㌧〔維持・利水〕から)通常より毎秒1トン増やしています。そして、28日の昼からは、これに加えてさらに毎秒1トン水量を増やしています。ところで、アユの大量死が起きたのは18日から28日にかけてです。この1トンを増やすタイミングが一週間早かったら、どうだったか。果たして、結果は変わらなかったかもしれませんが、データを見比べてやはりそう考えるわけです。
今回の判断は、その時点では最善であったと思います。しかし、アユの大量死となりました。今回のような事態は、気候変動による異常気象が各地で起こっていることから、また起こらないとも限りません。ですから、今回の渇水時の対応は、気象や水温、水量などのデータに基づいて、しっかり検証をして、今後に活かす必要があると考えます。
◆ダム管理を行っている公営企業局としては、今回の事態にかなり機動的に対応されたとは思いますが、物部川の資源を守るということでは、県が主導的に取り組むことが大事だと考えます。流下水量を増やすタイミングなど、今回の教訓を踏まえて、今後どのように対応するのか、公営企業局長に伺います。

○公営企業局長 お話になりましたように、水温を下げる方法は2通りございまして、1つはダムの深いところから冷たい水を流す方法、もう1つは水量そのものを増やす方法でございます。
今回は、まず水温が上がり始めた7月の下旬に、物部川漁協からの要望を受けまして、速やかに永瀬ダムの出水位置を低い位置に変更しました。また、8月上旬には物部川渇水調整協議会で合意された水量に増量しました。しかしながら、その後も渇水状態を解消するようなまとまった雨は降らず、気温も高い状態が続く中、アユの大量死という残念な結果となりました。
今後は、もう少し早い段階で関係者が集まり、取水位置の水温のモニタリングデータなども参考に対策を検討する仕組みが必要と考えているところでございます。

●岡田議員 河川管理については、生物多様性を保持するための自然環境に配慮した河川管理が求められており、それに関わる技術の向上を図る必要があると考えます。今回のことで、水温の変化を見ていくことが非常に大事だということがわかりました。水温の影響を受けるのは何もアユに限りません。
◆県は、物部川の水温をどのようにモニタリングしていくのか、土木部長にお聞きします。

○土木部長 現在、永瀬ダムや吉野ダム、杉田ダムにおきまして、貯水池の適切な管理を目的に、貯水池での藻の発生や、濁水の流入といった水質の状況を確認し、その対策を検討する判断材料の1つとして、現在も水温のモニタリングを行っております。
また、貯水池の水温や水質は下流における動植物の生育環境に影響する可能性も考えられます。県といたしましては、こうした点から引き続き貯水池の水温等のモニタリングを継続してまいりたいと考えております。

●岡田議員 ぜひ、よろしくお願いします。
一級河川である物部川の渇水時の水量管理については、国交省をはじめ、県、そして利水関係者である流域の土地改良区等との調整が必要となります。
物部川の渇水時には、節水の時期や節水率などを決めるために物部川渇水調整協議会が開かれます。この会は、国土交通省高知河川国道事務所長が会長、県土木部河川課長が副会長、委員には流域の4つの土地改良区・改良区連合、そして県の農業振興部農業基盤課長と公営企業局電気工水課長が入っています。そして、この会には令和4年度から物部川漁業協同組合も委員として参加しています。
物部川の水を巡っては、立場によって利害がぶつかることがあります。しかし、川と流域や利水域の資源を守っていくことでは、お互いに協力し合わなければなりません。
◆県として、関係者の利害の調整を図るためにどう取り組んでいくのか、土木部長にお聞きします。

○土木部長 お話ございましたように、渇水による被害が想定される場合等には物部川渇水調整協議会におきまして、利水者である土地改良区等と調整を行った上で永瀬ダムからの放流量を制限する対応を行っております。
その際、土地改良区や漁協といった関係者の間で、貯水と放流という利害対立が想定されるため、円滑な調整が図られるよう、平時から相互に立場を理解しておくことが重要であると考えております。
このため県といたしましては、渇水調整協議会とは別に、これまでも土地改良区や漁協に対して、平時から永瀬ダム等の運用に関する情報提供を行いますとともに、利水の状況や河川の環境等に関する意見を伺う場を設けているところであります。
今後もこのような場を活用しながら、渇水時に取り得る対策を議論できる基盤を構築することにより、引き続き円滑な水利用の調整に努めていきたいと考えております。

●岡田議員 日頃の意思疎通が非常に大事だということだと思います。
物部川漁協で、ここ10年間の9月のアユの推定生息数の推移表をいただきました。それによると、今年9月の推定生息数9万尾は、2020年の約4万尾に次ぐ少なさです。ちなみに2021年は24万尾、22年は30万尾、23年は24万尾、24年は11万尾、そして25年は22万尾です。だいたい毎年20万尾を超えていますが、今は、昨年比で、半数以下の9万尾となっています。
今回、大量に死んだのは、酸素を多く必要とする大型のアユが多いとお聞きしました。今回の事態により、来年以降の天然アユの遡上に影響がでないか心配です。
◆県は、稚アユの確保などアユ資源の回復にどのような支援を行うのか、水産振興部長にお聞きします。

○水産振興部長 漁協からは、今年の秋に産卵する親アユの数や、来年の春に海から遡上する稚アユの数を調査し、それらの数が少なかった場合には、親アユや稚アユの放流を検討すると伺っています。
県としては、漁協の意向をよく伺いながら、放流するための親アユや稚アユの確保について、県の内水面種苗センターで生産している種苗などにより支援を行っていきます。

●岡田議員 天然アユの資源の確保に、ぜひともよろしくお願いをいたします。
県が策定している「物部川清流保全計画」には、「天然アユが沸き立つ川へ!」と書いてあります。この計画を関係団体や行政が連携して進めて行くために、2009(平成21)年度に物部川清流保全推進協議会が設立されています。この会には、学識経験者や住民団体(物部川21世紀の森と水の会)、漁協、森林組合、土地改良区、流域3市(南国市・香美市・香南市)、国および県の河川管理行政機関が入っており、公営企業局も関係団体として参加しています。また、物部川にはさらに多くの人がかかわって河川環境が守られています。
この項の最後にお聞きしたいのは、一級河川である物部川に大きな権限と多くの知見を持っている国、つまり国交省との関係です。
◆物部川のアユ資源を守り、天然アユが沸き立つ川にしていくために、今回のことを教訓にして、国とどのように取り組んでいくのか、知事にお聞きいたします。

○県知事 この度、物部川におきまして、アユの大量死が発生したということは誠に遺憾に感じております。
今ご紹介ございましたように、原因としては水温の異常高温ということが、推察されるということでございます。この問題を解決していくためには、ご指摘もありましたように様々な機関が、この河川管理等に関わっているということでございますので、関係機関がしっかり連携をしていくということだと思っております。
各部局長からご答弁いたしましたとおり、本件を教訓といたしまして、水温等のモニタリングをしっかり行っていくということと、関係者間で意見交換を行いまして、必要な対応ができるように関係強化を図る必要があるということがポイントだというふうに考えております。
河川の管理、下流部分にわたります国、そして、上流部分を行います県、ダムの管理を行います県でも企業局、利水者としての農業関係者、そして漁協関係者、こういったたくさんの関係者がおるわけでございまして、8月25日に開催いたしました物部川清流保全推進協議会におきましては委員から河川環境、あるいは農業用水を維持するための流量の扱いの見直しを求める意見も出されました。先程来お話ございます下流部分の管理を行います国に、この点について、この協議会の場でも検討を求めたところでございます。
引き続きこうした協議会などの場を活用いたしまして、今回の事例を教訓にした上で、国との協議を重ねるということなど、関係機関が緊密に連携して取り組んでまいる所存であります。

●岡田議員 ありがとうございます。
物部川清流保全計画を所管する林業振興環境部におかれても、計画の促進のために引き続きご尽力いただきますように要請をさせていただきます。
物部川は、私、南国市選出なんですけども、南国・香美・香南の真ん中を貫く背骨のような川でして、歴史や文化を育んできた大事な川でございます。この資源を活かせるようにですね、しっかりと私自身も頑張っていきたいというふうに思っております。

【農政について】
●岡田議員 次に農政についてお聞きをいたします。
はじめに要請ですけれども、政府は、消費税が食料品のみ1%になった場合に約8割の農家が負担増になることから支援策を講じるとしていますが、肝心の財源を示していません。早く財源を明確にし、簡易な制度で、支援が必ず実施されるよう、県として国に求めていただくよう要請させていただきます。
また、消費税については、まだ議論が続きますので、わが党としては、所得の低い層に負担の重い消費税は廃止を目指し、当面一律5%にすべきと主張していることを表明しておきます。
それでは、まず、主食であるコメを巡る問題についてお聞きいたします。
一昨年(2024年)の夏以降に起きた「令和のコメ騒動」の影響が続いており、米価が乱高下して生産者も消費者も振り回されています。昨年値上がりした生産者米価が、今年は大幅に値下がりしました。高知県のJAが示した概算金(仮渡し金)は、コシヒカリ一等米、60㎏当たり1万4千円です。かなり慎重を期した額だと思いますけれど、昨年は2万2千円でしたので36%の大幅下落です。全国のコメ市場に走った激震を、地元紙は「高知ショック」と報じました。この金額は、一昨年(2024年)の1万4800円をも下回る額となっています。
全国的に概算金が下がっていますけれど、その要因は、政府が激安な備蓄米を大量に放出し、それに見合う買戻しをしていないこと、関税を払っても消費者に安く売れるため輸入米が増加したこと、輸入米は、昨年の約95倍、約97,000㌧となっています。2025年産のコメ価格高騰を受けて消費者のコメ離れが進んだこと、さらに事業者が高く買ったコメが売れ残っていること、などで需給バランスが緩んでいることによります。このような異常な市場環境を作り出したのは、政府の見通しの甘さといいますか、農政の「失敗」が原因だと考えます。
生産者米価を維持するには、大量に放出したままになっている備蓄米を市場から買い戻し、需給を引き締めることです。政府は、「需給動向や今年の作柄状況を見て」と、買い戻しに消極的でしたが、やっと備蓄米を21万㌧買い戻すことになりました。遅すぎるし少なすぎます。本来なら新米が出る前に買い戻しておくべきだと思っています。
今年6月末の民間在庫量は243万㌧であり、これに新米が加わります。基準とする在庫量180万㌧~200万㌧より、かなり多い状態です。農水省は9月2日に、21万㌧を買い戻しても、来年6月末の民間在庫量が最大283万㌧に達するという試算を公表しています。
◆本県のコメ生産を持続可能なものにするためには、政府に更なる備蓄米の買戻しを要請すべきと考えますが、県はどう取り組むのか、農業振興部長にお聞きいたします。

○農業振興部長 放出した備蓄米の国による買い戻しは9月に入って行われましたが、追加の買い戻しにつきましては、可能な限り早期に行うと表明をされておりますものの、具体的な時期は示されておりません。そのため、国に対しましては生産者が意欲を維持し、安心して米を作り続けられますよう、備蓄米への対応も含め、来年度からの水田政策の見直し内容の早期提示を、全国知事会などを通じ引き続き要請をしてまいります。

●岡田議員 9月29日付けの日本農業新聞は、既存の予算枠内でも年度内にあと10万㌧買い戻せるということを報道しております。政府にはしっかりと対応していただきたいと思います。
政府は、引き続き需給状況を見ながらさらに買い入れを行うといっておりますけれど、来年度予算で買入予算が増額要求されており、早い時期の買入ではなく、米価下落に歯止めがかかる見通しがありません。
政府が放出した備蓄米は59万㌧であり、政府は2025年産米の買い上げも見送ってきました。これらを早急に全量買い戻して、需給の引き締めを図るべきです。現在の政府備蓄米の在庫量はわずか32万㌧です。少なくとも適正な水準とされている100万㌧は早急に備蓄すべきです。
わが党は、25年の21万㌧の買い上げを含めて、80万㌧の買い上げを求めています。100万㌧備蓄しても、消費量のわずか2カ月分です。食料安保というならもっと備蓄してもいいと考えます。
コメの生産が続けられるようするには、政府の責任で、生産費を賄える所得補償をすることが必要です。加えて、流通や小売りなど事業者に対して、緊急支援を行うことも重要です。
生産者は、私もお聞きしましたけれど、「去年より概算金が下がると見込んでいたが、ここまで下がるとは思わなかった」と嘆いています。食料システム法に基づき、農林水産大臣が認定した、公益財団法人米穀安定供給確保支援機構(米穀機構)が今年4月に初めて公表した、令和8年4月時点のコメのコスト指標は、玄米60キロあたり2万535円です。この金額は、持続的な供給に要する費用を示す指標です。これはあくまでコストの積み上げ値であり、農家の利潤(利益)は含んでいません。ですから、最低でもこのレベルは生産者に補償すべきと考えます。今年のような生産者米価が続けば、作れば作るほど赤字になり、今後、離農が進むことが懸念されます。
農水省が公表している2024年(R6年)産米の60㎏平均生産費は1万5814円です。この生産費から見ても、概算金1万4000円は低く、生産費がまかなえないという状況で、赤字経営というのが実情です。
◆コスト指標は、事実上政府が承認したものであり、少なくとも国の責任でこの金額までは所得補償をするべきと考えますが、知事の考えをお聞きします。

○県知事 お話のございました米のコスト指標、新たな試みとして設定をされております。
国に認定をされました民間の団体によりまして、生産・流通・販売の各段階での費用を透明化をし、例えば、農家が卸売事業者に販売をする際の交渉価格の目安とするというような利用を想定して策定をされたものでございます。
また概算金はJAが集荷販売をいたします米の1年間の需給の予想を踏まえまして、おおよその販売見込み額から経費を差し引いた金額を仮渡し金として農家に渡すというものでありまして、生産者の資金繰りを支える仕組みであるという位置づけだと考えております。
そうは言いましても、概算金は商習慣としてJAが組合員である生産者に提示して支払うというものではございますけども、現実に米価格の形成に大きな影響を与えているということでございまして、このコスト指標が初めて公表された今年の4月のしかも初年度に民間在庫の増加などによって、コメ価格がお話しありましたような形で急激な下落が相次いでいると、こういうことはコメ農家が営農継続に不安を抱く事態に現状なっているというふうに考えております。
国の方は、従来交付金の活用で転作を促しまして、主食用米の需給のバランスを取るということで、安定的な価格形成を促すといった政策をとっております。
議員から、このコスト指標を参考にして、国が直接所得補償を行うということを考えてはどうかというお話がございました。需要を考慮しない過剰な生産につながり、そのことはさらなる価格の下落を招く恐れがあるということを考えますと、このこと自身は1つのご提案だと思いますけれども、慎重な判断が求められる案件ではないかというふうに思います。
いずれにいたしましても、国に対しましては、実際の取引におきますコスト指標の活用の実態をよく検証し、コメの価格形成においても実効性をもって機能するように、この農家の営農意欲が失われることがないようにですね、しっかりと責任を持って取り組んでいただきたいと考えております。

●岡田議員 コスト指標がせっかく示されても、これがあまり参考にならずにですね、大幅にそれより低い、安いということになると、本当に営農の意欲に関わってくる問題だと思いますので、ここはしっかりですね、この額をやっぱりベースにした取引がですね、されるようにしていかなければならないと思いますし、やっぱり農家のしっかり所得を支えるということは、国として責任持って対応していただきたいというふうに思っております。また、そういう声をぜひ上げていただきたいというふうに考えております。
そして、私が最近、気がかりなのは農地の問題です。高齢になり離農する人の農地を誰が耕すのか、という問題です。これは、皆さん、多くの人が感じていることだと思います。
私も大規模農家にお話を聞きましたけれど、農地を借りて耕作面積をぐっと広げてきたけれども、年も取ってきて、体力的にも限界だと、これからはだんだん減らしていく段階に入らないといけないという話も伺ったところです。
また、法人で農業経営されているところでは、これ以上請け負って耕作面積を拡大するには、手一杯で、トラクターなどをもう一段大型化しなければ、とてもじゃないけれどこなしきれないという話です。そして、規模拡大には、そうした機材を買うには資金も必要になってくる、というお話を伺いました。それが今の実情だと思います。これからリタイアする農家が増える中で、誰が農地を耕すのかということが大きな問題になってくると私は思っています。
政府は「大規模化によるコストダウンとスマート農業と輸出をすればバラ色」だというふうに描いていますが、現状はそれほど甘くないといわなければなりません。
東大の安藤光義教授が、大規模化一辺倒の農政の限界について分析をされています。2020~2025年には、20ha未満層で29.1万haが放棄されたが、大規模層が受け皿になったのは5.8万ha、わずか2割でしかなかった。大規模が受け取ったのは2割でしかなかった。
つまり、離農によって発生する膨大な耕作放棄地に対し、もはや大規模農家や法人がこれ以上の農地を引き受けきれない状況に達しているという分析です。
「小規模の廃業を放置して、その分を大規模が受け入れれば、何も問題はない」という理論は破綻していると思います。農村コミュニティの維持にも、食料供給の確保にも、小さくても頑張ってくれている様々な担い手の皆さんが持続していけるような施策が大事だと思います。
請け負ってもらえない農地は、耕作放棄地となっていきます。
◆農地を守っていくために、どのように取り組むのか、農業振興部長に伺います。

○農業振興部長 農地を守っていくためには、コミュニティの維持活性化ということも考えますと、大規模農家への集積だけでなく、小規模な農業者も安心して農業が続けられることが必要だというふうに考えております。
そのため、小規模な農業者が高額な機械の導入を諦め、営農を断念することがないよう、機械の共同利用などに取り組む集落営農の組織化を進めているところでございます。
また、生産条件が厳しい中山間地でも中山間地域等直接支払い制度を活用し、近隣との協働やスマート農業の導入による省力化などを進め、営農を継続する集落も出てきておるところでございます。
さらには、本山町や四万十町などコメのブランド化により高単価販売を実現することで若い農業者が定着し、農業が守られている事例もございます。
今後も地域の実情に合わせまして、こうした取り組みを積極的に提案することで、小規模な農業者も含めて営農が継続され、農地が守られるよう支援をしてまいります。

●岡田議員 ありがとうございます。頑張っていただきたいというふうに思います。
農家の皆さんにお話聞きますとですね、資材高騰の中で、これを価格転嫁といいますが、できないんだと、そこは、なかなかな難しさがあるということをよくお話されます。
価格転嫁されない中でどう経営を続けていくのかという点では、やっぱり反収を上げていくことかなという話もあります。やっぱり今、露地(栽培)にしても施設園芸にしても(営農支援サービスの)SAWACHIもやっていますけどもですね、これ、反収を上げていくという点での後押しももっと必要になってくるかなということも感じているところでございます。
そして、食料安保の問題でいえばですね、生産力、作る力があればいいんだと言っても、農地そのものが減っていけば、やがては、それでもっても国民の食をまかなえないという事態にもなってきかねないと私は思っていまして、やっぱりそういう意味ではしっかりと農地を保全していくと、そして担い手を作っていくということが食料安保の上でもですね、非常に重要な局面になってきているというふうに思っているところでございます。
規模の大小を問わずに、やっぱり農業で十分な収入が得られるという状況を作っていく、そうした農政が今求められていると思っているところでございます。
あわせて、やっぱり若い担い手についてですね、しっかりと営農指導といいますか、支援をしていただいて、やはり1年、2年、3年とこうした中でさらに続けていけるようにですね、特に、若い担い手についての後押しというか支援をしていただきますように、営農のしっかりとした取り組みを求めまして、私の質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。