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- 2026年10月22日
- 議会(質問・討論)
- 2026年9月議会 中根佐知議員の予算修正提案理由説明/四国新幹線、高校改革(2026.10.20)
●中根議員 私は、提出者を代表して議発第3号「令和8年度高知県一般会計補正予算に対する修正案」について、提案理由説明を行います。
削除する予算は、四国新幹線についての「基本計画路線に係るケーススタディ」に関わる予算、及び、高等学校等教育改革促進事業の予算です。
まず、四国新幹線の「ケーススタディ」予算について、その反対理由を述べます。
今回の「ケーススタディ」は、国の予算化に伴うもので、新幹線整備の実現可能性を探るため、基本計画路線を対象に必要な調査を行う任意調査という位置づけです。
四国新幹線整備にかかる我が党の基本的スタンスは、新幹線という大型開発に予算を投じるのではなく、身近な公共交通の維持・拡充にこそ予算を確保し、県民の日常的な足を保障していくことに高知県として責任をもつべきだとの立場です。
四国新幹線を推進する立場からは、災害時の輸送や競争力を高め交流人口の拡大による経済効果など、メリットが強調されます。しかし、一方で、四国山地に新たなトンネルを通す際の、地下水への影響、生態系への負荷、工事や新幹線の走行による騒音・振動、土砂災害の誘発などのデメリットが生じます。四国山地には、脆弱な地層で知られる「三波川(さんばがわ)帯」が分布しており、中央構造線と御荷鉾(みかぶ)構造線に挟まれた全国的に有数の地すべり地域と言われます。実際に、2018年7月、西日本を襲った記録的豪雨により、高知自動車道立川(たぢかわ)トンネルの南入り口付近で大規模な土砂崩落が発生し、立川橋上り線の橋桁が流出する被害が起こっています。脆弱な地層は、工事を困難にし、維持費や安全対策コストを押し上げる要因となります。
また、仮に、四国新幹線の整備に進むとしても、法定調査を経て、整備計画への格上げが必要になります。実際の着工は、整備計画に搭載された後、20年程度の時間がかかると見込まれます。四国新幹線開通のメリットといわれる災害時の輸送手段の確保や、人口減対策となる交流人口の拡大などは、喫緊の課題であり、20年以上の時を経ての開通を待つ間に状況は変化していきます。
何より、四国新幹線には、巨額の整備費が必要となります。2014年の試算では1.57兆円といわれ、「単線フル規格によるコスト圧縮案」などが議論されているとはいえ、上がり続ける人件費や資材費を考えれば、実際に着工時にどの程度のコスト圧縮ができるのかは定かではありません。整備費は、四国4県の自治体負担も伴います。これらの予算があれば、脆弱な県内の公共交通の充実にこそ使われるべきだと考えます。
次に、高等学校等教育改革促進事業への反対理由です。
この事業は、今年2月文科省が示した「高校教育改革に関する基本方針(グランドデザイン)―2040年に向けたN-E.X.T.(ネクスト)ハイスクール構想」に基づいたものです。この構想は、「高校から大学・大学院に至るまでの一貫した改革によって、強い経済や地域社会の基盤となる人材を育成する」ことを目的としています。
この「人材育成」の前提となるのは、経済産業省が示した「2040年の就業構造推計」、2026年3月に改訂し、そこで示した集合構造の推計です。将来の就業構造推計を下に、産業界に必要な「人材」を育成するという、本来の教育の目的=「人格の完成」とかけ離れて進められている点に、本事業の最大の問題点があります。教育長は、今議会で「県内大学や産業界、教育関係者などの有識者で構成する検討委員会を設置した。その中で、15年先を見据えた本県産業の担い手の育成の必要性など多くのご意見をいただいた」と答弁しており、産業界の意向を反映した計画であることを認めています。
また、この計画は異例の短期間で策定されています。今年4/23に教育委員会内で検討を開始、4/30には産業界等の代表者も委員となった検討会が開かれ、5/15には公募申請期限を迎えています。高校生・子どもたちの生き方・人格にも直結する高校改革という慎重な検討を要する課題が、僅か一ヶ月足らずの超短期間で決定されたことには、驚きを禁じ得ず、あまりに拙速であるとの批判は免れないと思います。現場教員の声が十分に反映されたと考えることも不可能で、「施設整備など現場のヒアリングをして申請されるものと思っていたが、現場の声はまったく反映されていない」との訴えも届いています。
その結果、予算を議会に提案した後に、計画のうちの1校が、国の事業に不採択となる前代未聞の事態も起こりました。行政のあり方として、あまりに不正常です。しかも、この10月から施設の設計や測量に入ることまで示され、現場を置き去りに、トップダウンで突き進もうとしています。これで2028年令和10年から実施の適切な教育が行えるとは到底考えられません。
また、県政全般を見れば、このような当事者不在、結論ありきのトップダウンの手法が乱発されている点も強く批判しなければなりません。消防の県一化、県民体育館の再整備計画、県内文化施設を「稼げる施設」に変える文化行政の問題など、枚挙にいとまがありません。当事者の声を聞く県政への転換を重ねて要望するものです。
四国新幹線のケーススタディも、拙速な高校改革も、高知県で暮らす県民の現在のニーズ、例えば、年々弱体化する地域交通による高齢者等の移動の困難や、全国でも高い不登校率の中で今どのような高校が必要とされているのか、などを反映しておらず、今、目の前で支えを必要としている県民が放置されています。
加速度的な人口減少の中で、今、高知県に暮らす県民の暮らしをどう支え、住みつづけられる高知県をつくるのか、県民の目線に立った県政運営こそが求められています。よって、「ケーススタディ」に関する歳出350万円を削除、高等学校等教育改革促進事業に係る歳出5億9600万円余を削除するものです。
同僚議員各位の賛同を求めて、提案理由説明といたします。どうかよろしくお願いいたします。